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最終章『画廊寄武等のyouかん』
二人のエピローグ&プロローグ
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かつて画廊寄武等として生きていた少年は、相手の言葉に従い盲目に実行するしか愛情表現が出来ないという、そんな存在だった。
そしてとある少女と出会った彼は、その遺言に従って、彼女が残した遺品を尊重して生きてゆく、そんな存在となる。
ただその裏では、その意志に従うべきではないという相反する意識も存在していて、なんとか己を誤魔化しながらも彼女が望んではいないであろう復讐を果たした。
それは、彼女が再びこの世で生きる為には障害となる存在だったので、それらを排除する必要があったからだ。というのはちょっとばかり都合が良すぎる解釈かもしれない。
ただ、そんな都合の良い話があるのなら……。
そんな障害が排除された今、ふとしたことでどこぞの女神様に吸収されてしまった少年の魂だか細胞の欠片だかが、そんな状況を利用し本来の目的を果たそうとする、という展開も有り得るだろう。
「この透明人間状態を治して、普通の女子高生として生きていきたいのです!」
そんな誰かの願いを叶えるために……。
なんて、そんな言い訳なんだか続編への伏線なんだか分からない戯言はさて置いといて……。
これから語る話は果たしてエピローグなのかプロローグなのかは分からない。ただ、確実に存在する話である……とだけは言っておこう。
****
そこはいつかのどこか。
とある高校の廊下で。
肩くらいまでのミディアムカットという髪型の小柄の女の子が、きょろきょろと辺りを見回しながら困っている、そんな様子を見かけた僕は思った。
何だか白装束の着物が似合いそうな女の子だな……。
――なんだそりゃ?
と、心の中で自分にツッコミを入れていると、その少女はたまたま見かけたのだろう僕の元へと駆け寄ってきた。
「あの……申し訳ございません。お訊ねしたいのですが、職員室に行きたいのですがどちらにあるのでしょう?」
そう話し掛けられた僕は訳の解からない胸のときめきを覚えながら訊ね返す。
「ああ、キミは転校生なのかな?」
その問いに彼女は毅然とした態度で答える。
「いいえ、どうやらわたしは記憶喪失のようなのです!」
「いや、違うよね? 絶対違うよね!?」
予想外の主張に戸惑いつつも、反射的にツッコミを入れてしまう僕。
だが、その女子高生は頑なに反論してくる。
「いいえわたしは記憶喪失なのです。それより職員室はどこにあるのでしょうか?」
そう訊かれた彼の返す言葉は、何故か決まっていた。
「人に頼ろうとするなら、まずは身に付けているブラジャーを渡すのが人として最低限の礼儀だろう!! って僕はいったい何を言ってるんだぁ!?」
そんな、言った本人ですら驚いた想定外の発言に対し、彼女が返したのはこれまた予想外の言葉だった。
「す、すみません。わたしってば常識が無くて。すぐに用意しますので少々お待ちください」
「ええっ!? 素直に受け入れちゃうの?」
「……え?……あ!」
予想外の返しに慌て気味だった僕に、彼女もハッと我に返ったような反応をみせる。どうやら相手のほうも少々混乱しているらしい。
「えーと……。なぜでしょう? あなたにはブラをさしあげなければいけないような……そんな気がしたもので……」
「うん。僕もなぜだか君からはブラジャーを貰う権利があるような、そんな気がしてならない気はするが……」
何故だか変な方向で同調してしまっていた二人がそこに居た。
「…………」
「…………」
「なぜなのでしょう?」
「さあ……なぜだろう?」
なんて、二人ともその場で考え込んでしまい。
「ぷっ!」
「ははっ!」
二人は、その会話の馬鹿馬鹿しさに気付いてお互いに笑い合うのだった。
どうやらそんな誰か君と誰かちゃんの関係はその先も形を変えて続くようなのだが、それはまた別のお話……。
画廊寄武等とyouれい! ――完――
ここまで読んでくれた方が居たなら、ありがとうございました。m(_ _)m
そしてとある少女と出会った彼は、その遺言に従って、彼女が残した遺品を尊重して生きてゆく、そんな存在となる。
ただその裏では、その意志に従うべきではないという相反する意識も存在していて、なんとか己を誤魔化しながらも彼女が望んではいないであろう復讐を果たした。
それは、彼女が再びこの世で生きる為には障害となる存在だったので、それらを排除する必要があったからだ。というのはちょっとばかり都合が良すぎる解釈かもしれない。
ただ、そんな都合の良い話があるのなら……。
そんな障害が排除された今、ふとしたことでどこぞの女神様に吸収されてしまった少年の魂だか細胞の欠片だかが、そんな状況を利用し本来の目的を果たそうとする、という展開も有り得るだろう。
「この透明人間状態を治して、普通の女子高生として生きていきたいのです!」
そんな誰かの願いを叶えるために……。
なんて、そんな言い訳なんだか続編への伏線なんだか分からない戯言はさて置いといて……。
これから語る話は果たしてエピローグなのかプロローグなのかは分からない。ただ、確実に存在する話である……とだけは言っておこう。
****
そこはいつかのどこか。
とある高校の廊下で。
肩くらいまでのミディアムカットという髪型の小柄の女の子が、きょろきょろと辺りを見回しながら困っている、そんな様子を見かけた僕は思った。
何だか白装束の着物が似合いそうな女の子だな……。
――なんだそりゃ?
と、心の中で自分にツッコミを入れていると、その少女はたまたま見かけたのだろう僕の元へと駆け寄ってきた。
「あの……申し訳ございません。お訊ねしたいのですが、職員室に行きたいのですがどちらにあるのでしょう?」
そう話し掛けられた僕は訳の解からない胸のときめきを覚えながら訊ね返す。
「ああ、キミは転校生なのかな?」
その問いに彼女は毅然とした態度で答える。
「いいえ、どうやらわたしは記憶喪失のようなのです!」
「いや、違うよね? 絶対違うよね!?」
予想外の主張に戸惑いつつも、反射的にツッコミを入れてしまう僕。
だが、その女子高生は頑なに反論してくる。
「いいえわたしは記憶喪失なのです。それより職員室はどこにあるのでしょうか?」
そう訊かれた彼の返す言葉は、何故か決まっていた。
「人に頼ろうとするなら、まずは身に付けているブラジャーを渡すのが人として最低限の礼儀だろう!! って僕はいったい何を言ってるんだぁ!?」
そんな、言った本人ですら驚いた想定外の発言に対し、彼女が返したのはこれまた予想外の言葉だった。
「す、すみません。わたしってば常識が無くて。すぐに用意しますので少々お待ちください」
「ええっ!? 素直に受け入れちゃうの?」
「……え?……あ!」
予想外の返しに慌て気味だった僕に、彼女もハッと我に返ったような反応をみせる。どうやら相手のほうも少々混乱しているらしい。
「えーと……。なぜでしょう? あなたにはブラをさしあげなければいけないような……そんな気がしたもので……」
「うん。僕もなぜだか君からはブラジャーを貰う権利があるような、そんな気がしてならない気はするが……」
何故だか変な方向で同調してしまっていた二人がそこに居た。
「…………」
「…………」
「なぜなのでしょう?」
「さあ……なぜだろう?」
なんて、二人ともその場で考え込んでしまい。
「ぷっ!」
「ははっ!」
二人は、その会話の馬鹿馬鹿しさに気付いてお互いに笑い合うのだった。
どうやらそんな誰か君と誰かちゃんの関係はその先も形を変えて続くようなのだが、それはまた別のお話……。
画廊寄武等とyouれい! ――完――
ここまで読んでくれた方が居たなら、ありがとうございました。m(_ _)m
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