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急展開でどうしよう……。
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お掃除の間、私はというと、野村君と話すのに頭がいっぱいでほとんど掃除が手に付かずに自己嫌悪……。
一方、野村君は、『なんでこの人は会話をこなしながら、こんなふうにテキパキと動けるの?』という手際の良さで五人分働いて……そんな幸せな時間も想像以上にあっさりと終わりを告げてしまう。
私は、申し訳ない気持ちでいっぱいの中、
「あ、ありがとう。おかげさまで助かりました。このお礼は必ず……」
と言いながら、『そうだ! このお礼として、野村君をファーストフードとかにでも誘えば、二人の仲がさらに進展するかも!』なんて思ったりもしたのだけれど、どう切り出していいのか迷っているうちに、
「ああ、ごめん。ちょっと用事を思い出したんで、俺は帰るね。それじゃ」
と、野村君は、スマホを手にさっさと去ってしまう……。
「あ、う、うん。さよなら……」
私はそんな野村君の後ろ姿を独りぽつんと見送ってから、帰路に付くのだった……。
**
「……私は何を期待していたんだろう……?」
なんてうなだれつつ、人気のない堤防をとぼとぼと歩きながら。
「……でも、ああして私を気にして、掃除まで手伝ってくれるって事は私に気があるって意味かもよね?」
なんて呟いてみる……。一人きりになると、ちょっとだけ前向きになっている私がいた。
「うん。っていうか、真由ちゃんが居ないうちに明日にでも野村君に告白を!!」
私は、あるのかどうかわからない勇気を振り絞ってそんな決意を……。
「……告白を……するべきかどうかを……考えるべきなのかどうかを……決めよう……かな……?」
……やっぱ私は前向き思考になった所で、それほどの勇気は無いらしい……。
ってか、どこまで優柔不断なの……。
帰り道、瓦の堤防で一人歩きながら、そんな優柔不断な自分に怒りを感じたり……かと思ったら、さっきまでの野村君との会話を思い返して思わずニヤけてしまったりと……わりと楽しんでいたのだけれど。
「……………………」
さっきまでの野村君との今日の会話を振り返り、ささやかな幸福感に浸っていた私は、…………そこでふと、歩みが止まった。
「……あ、あれぇ……? そう言えば野村君と……真由ちゃんの話しかしてないや……」
そんな……気付かなくてもいい事に気付いてしまう……。
「……あ、あはははは。なんだ。そーか……」
私は、笑いながらまた歩き始める。
「野村君は……、ただ……最近学校に来なくなった真由ちゃんの話が訊きたかったんだ……」
それ以上考えなくてもいいのに。それ以上言わなくていいのに、私は口に出してしまう……。
「それならそーと言ってくれればいいのに……。『真由ちゃんに電話して、どうしたのか訊いてくれ』って、そう言ってくれたら私はそれを断れないのに……ねぇ。っていうか、そうしてくれた方が私も真由ちゃんに電話する口実ができて、願ったり叶ったり……みたいな?」
いえいえ、別に哀しくなんてないですよ。
ええ、別に怒りも悲しみも無いですよぉ、イヤだなぁ……。
まあ……、なぜか足取りがやけに力強くなっちゃってますけどぉ?
どうしてなのか、まるで地面を踏み砕きたいような勢いで歩いていますけど……。
「あはは…………。私って馬鹿だなぁ……。もう高校生なんだから、それくらい察してあげないとダメでしょう……」
そう呟いたら、なんだか目頭が熱くなって、私はうなだれていた顔を両手で覆った……。
でも、それは一瞬だけだった。
「……ん? ……何の音?」
なんだか普段聞き慣れない音がして、その方向に目を見ると何かが飛んでいた。
煙を上げ空を舞うそれはミサイルのように見えた。
……というか、ミサイルそのものだった。
それが空の上でふらふらと酔っ払ったようにのたくったあと……、ぐったりと力尽きたかのように落下し始める。……と思ったら、なんだか急に元気を取り戻して私に向かって飛んでくる。
「え? えええええええええええええっ!」
こ、これって恋愛小説じゃないのぉーーーー!?
ってか、今の今までそんな流れだったじゃない?
いやいやいや……、今はそれどころじゃない!
えーと、こういう時は悲鳴を上げるんだっけ、それとも逃げ出すのが先? だから私は優柔不断なんだってば!!
……なんて考えが、言葉にする余裕もないまま頭の中で渦巻いている私に、誰かが叫ぶ声が聞こえた。
「あぶない!! 避けろぉ!!」
まあ、人の言われたままに行動するのは得意なんだけど……えーと……。
――どうやって? あと私、運動音痴でもあるんですけど?
なんて事を言葉にすることもできないうちに。
どっごーーーーーーーーーーん!!
という轟音とともに、私は爆風に包まれるのだった。
一方、野村君は、『なんでこの人は会話をこなしながら、こんなふうにテキパキと動けるの?』という手際の良さで五人分働いて……そんな幸せな時間も想像以上にあっさりと終わりを告げてしまう。
私は、申し訳ない気持ちでいっぱいの中、
「あ、ありがとう。おかげさまで助かりました。このお礼は必ず……」
と言いながら、『そうだ! このお礼として、野村君をファーストフードとかにでも誘えば、二人の仲がさらに進展するかも!』なんて思ったりもしたのだけれど、どう切り出していいのか迷っているうちに、
「ああ、ごめん。ちょっと用事を思い出したんで、俺は帰るね。それじゃ」
と、野村君は、スマホを手にさっさと去ってしまう……。
「あ、う、うん。さよなら……」
私はそんな野村君の後ろ姿を独りぽつんと見送ってから、帰路に付くのだった……。
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「……私は何を期待していたんだろう……?」
なんてうなだれつつ、人気のない堤防をとぼとぼと歩きながら。
「……でも、ああして私を気にして、掃除まで手伝ってくれるって事は私に気があるって意味かもよね?」
なんて呟いてみる……。一人きりになると、ちょっとだけ前向きになっている私がいた。
「うん。っていうか、真由ちゃんが居ないうちに明日にでも野村君に告白を!!」
私は、あるのかどうかわからない勇気を振り絞ってそんな決意を……。
「……告白を……するべきかどうかを……考えるべきなのかどうかを……決めよう……かな……?」
……やっぱ私は前向き思考になった所で、それほどの勇気は無いらしい……。
ってか、どこまで優柔不断なの……。
帰り道、瓦の堤防で一人歩きながら、そんな優柔不断な自分に怒りを感じたり……かと思ったら、さっきまでの野村君との会話を思い返して思わずニヤけてしまったりと……わりと楽しんでいたのだけれど。
「……………………」
さっきまでの野村君との今日の会話を振り返り、ささやかな幸福感に浸っていた私は、…………そこでふと、歩みが止まった。
「……あ、あれぇ……? そう言えば野村君と……真由ちゃんの話しかしてないや……」
そんな……気付かなくてもいい事に気付いてしまう……。
「……あ、あはははは。なんだ。そーか……」
私は、笑いながらまた歩き始める。
「野村君は……、ただ……最近学校に来なくなった真由ちゃんの話が訊きたかったんだ……」
それ以上考えなくてもいいのに。それ以上言わなくていいのに、私は口に出してしまう……。
「それならそーと言ってくれればいいのに……。『真由ちゃんに電話して、どうしたのか訊いてくれ』って、そう言ってくれたら私はそれを断れないのに……ねぇ。っていうか、そうしてくれた方が私も真由ちゃんに電話する口実ができて、願ったり叶ったり……みたいな?」
いえいえ、別に哀しくなんてないですよ。
ええ、別に怒りも悲しみも無いですよぉ、イヤだなぁ……。
まあ……、なぜか足取りがやけに力強くなっちゃってますけどぉ?
どうしてなのか、まるで地面を踏み砕きたいような勢いで歩いていますけど……。
「あはは…………。私って馬鹿だなぁ……。もう高校生なんだから、それくらい察してあげないとダメでしょう……」
そう呟いたら、なんだか目頭が熱くなって、私はうなだれていた顔を両手で覆った……。
でも、それは一瞬だけだった。
「……ん? ……何の音?」
なんだか普段聞き慣れない音がして、その方向に目を見ると何かが飛んでいた。
煙を上げ空を舞うそれはミサイルのように見えた。
……というか、ミサイルそのものだった。
それが空の上でふらふらと酔っ払ったようにのたくったあと……、ぐったりと力尽きたかのように落下し始める。……と思ったら、なんだか急に元気を取り戻して私に向かって飛んでくる。
「え? えええええええええええええっ!」
こ、これって恋愛小説じゃないのぉーーーー!?
ってか、今の今までそんな流れだったじゃない?
いやいやいや……、今はそれどころじゃない!
えーと、こういう時は悲鳴を上げるんだっけ、それとも逃げ出すのが先? だから私は優柔不断なんだってば!!
……なんて考えが、言葉にする余裕もないまま頭の中で渦巻いている私に、誰かが叫ぶ声が聞こえた。
「あぶない!! 避けろぉ!!」
まあ、人の言われたままに行動するのは得意なんだけど……えーと……。
――どうやって? あと私、運動音痴でもあるんですけど?
なんて事を言葉にすることもできないうちに。
どっごーーーーーーーーーーん!!
という轟音とともに、私は爆風に包まれるのだった。
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