ある日の出来事-THE NANAKO'S STORY-

まっく

文字の大きさ
4 / 24
4章

黒黒軍団

しおりを挟む
……誰だ?
俺を揺すってる奴は…?


「な、ななこさん?ななこさぁぁんってばぁ~!!!」


ゆっくり目を開ける。


ん?
この顔は……


「きょええぇぇぇ~!!!」


思わず飛び起きた!


近っ!!!
近すぎっ!!!


なんで大野が、顔をくっつけてんだよ!


「な、ななこさん?ぼ、ぼくがわかりますか…?」

ちょ、ちょっと待て!
まださっきの衝撃が治まってない。

思わず大野から少し離れる。

「大野ですよ!お・お・の!大野ですよぉ~!」

凄い顔で迫ってくる大野に圧倒され気味。

「大野くんよね!大野くん…そう、間違いなくあなたは大野くん!!!」

「良かったぁ~!ななこさん、死んでなかったぁ~!!!」

勝手に殺してんじゃね~よ。

それから、俺の両手を握って、振り回すのを止めてくれないか。
嬉しいのはわかったから……


大野のハッピーダンスに振り回されながら、ずっと辺りを見回していた。


夕暮れのブランコのある公園。
ブランコのすぐ側にいる2人……

何も変わったところは無い。

でも、何かが違う……

景色とかじゃなくて、何かが違うんだよ……



「ななこさん?どうしたんです?さっきからボーっとして…ひょっとして頭を打ったんじゃ……」

「大野くん?何か変だと思わない…?」

「変って?」

「うまく言えないけど、何かが違うのよ…」

「う~ん…何かが違う……」

「違うって言うか、変わったって言うか……」

「あ~!わかったぁ~!!!」

………!!!

「お腹空いたんでしょ!!!」

……お前、ぶっ飛ばすぞ!

「もう日も暮れちゃった事ですし…なんか一緒に食べに行きましょうか♪」

確かに辺りは真っ暗になって来た。

でも、そう言う事じゃなくて……

「大野くんは、何とも無かったの?」

そうだよ、そもそも、さっきのは何だったんだよ…?

「さっきって?」

「ほら、ブランコからジャンプした後、変な事が起きなかった?」

「あ!あれあれ!ななこさんもなったんですかぁ~!!!」

やっぱさっきのは、現実だったんだ……

「なんか光が、ぴゅ~んぴゅ~んってなって……」



「お前たち、こんな時間に何をしてる!!!」

突然の大きな声。
ん?なんだ?

声のした方を見ると、遠くの暗闇の中に2人の人影……
よく見えない……


だんだんこっちに歩いてくる。


近くまできてわかった。
そりゃ見えないハズだ。
頭のてっぺんから足の先まで、真っ黒……

こんな格好してたら、灯りが無いところじゃ、全く見えないぜ。


なんだこいつら……
新種のコスプレか…?


「そこを動くな!」

なんだよ?いきなり…


「お前たち、何故こんな時間にうろついている?」

えっ…? こんな時間?
まだ夕方の6時だぞ?

それにしても、近くで見れば見るほど、変な格好……

「レッドカードを見せろ!」

はい? レッドカード…???

レッドカード=赤いカード

なんだそりゃ!

「ななこさん、レッドカードって言ったら、サッカーのカードですよ♪そうですよねえ?」

確かに、サッカーの審判が持ってたような……

でもなんで突然、サッカーの話しになるんだよ…?

「お前、ふざけてるのか!」

「はいはい。そろそろコスプレごっこはやめましょうよ。ぼくたちは、コスプレなんて興味無いんだから、いくらぼくたちに言ってきても、のっかりませんよ♪」

おい、大野?
最近のコスプレは、ここまで完璧にやるのか?

「コスプレ…?なんだそれは…?」

「じゃあ映画か何かの撮影ですか?しかしよく出来てるなぁ~…ほら、ななこさん、あの腰の銃なんか今にもホントに使えそう♪」

「もう一度聞く!レッドカードを見せろ!」

なんか様子が変だ。
ヤバい雰囲気……

次の瞬間、信じられない光景が……



俺たちに向かって銃を構える2人。


「こちらRX0078…ダイリック博士の仲間と思われる2名と遭遇…」

どこかと連絡を取ってる。

なんだよ?
そのダイリック博士って……


「やだなぁ~…おもちゃの銃なんか構えて……」

ば、馬鹿、よせ……



パーーーン!!!



公園内に響き渡る、乾いた銃声音。



間違いなく、俺と大野の間を何かが抜けてった。



!!!???



条件反射で猛ダッシュ!!!


「待てぇ~!!!」

追って来る黒い服の2人。


「な、なんで、あんな事言ったのよ!」

「だ、だってあんな銃、誰だっておもちゃと思うじゃないですか…」

「おもちゃにしたってああ言う時は素直に…」

「おかしいなぁ~…うちにある『世界の銃図鑑』には、あんな型は無かったのに…」

なんだよ!
その本は…!!!

お前、なんでそんな本、持ってんだよ?


ヤバい!
だんだん差が無くなって来た!

このままじゃ追い付かれる!!!


助けてくれーーー!!!



「あのぉ~…ななこさん…」

な、なんだよ!

「大変言いにくいのですが…」

ん…?

「ぼくの家はこっちなので…では、さよ~なら~……」

ちょ……

こいつ、ホントに曲がって行きやがった!

こう言う時は、男が女を守るんじゃね~のかよ!


あの野郎~!
今度会ったら、絶対ぶっ飛ばす!!!


でも二手に分かれたお陰で、あの黒黒軍団も……


なんで2人とも、こっちに来るんだよぉーーー!!!



ダメだ……
体力が持たない……

こんな事なら、マラソン大会の練習サボるんじゃなかった……



どんどん迫る、黒黒軍団。


所詮、大人と子供じゃ、追い付かれるわな……


そもそも、何がどうなってんだよ!

何で俺が追われなくちゃいけね~んだよ!!!



そんな思いは通じる訳はなく、捕まるまでのカウントダウン開始……



もうダメだ……




パーーーン!
パーーーン!




振り向くと、2人の黒黒軍団が倒れていた。


……???
何が起きたんだ…?



恐る恐る倒れた2人に近寄って行くと、ふいに背後から声が……


「あんた…」

チッ!
まだ仲間がいたのかよ……


覚悟を決めて、両手を上げ振り返ると、銃を構えた1人の老人が立っていた。


「ち、違うんじゃ!わしはあんたを撃つ気はない!手を下ろしてくれ!」

慌てて銃を下ろす老人。

長い白髪に白いヒゲ。
しかも何故か理科の実験の時のような白衣を着ている。


なんだ?このじじい?


「さぁ、お嬢さん、またブラックスーツたちに見つかるといけない!早く、こっちへ!」

ブラックスーツ???
それってさっきの黒黒軍団の事か……?


「さぁ、この中に入るんじゃ!」

えっ?
この中って……

マンホールじゃね~かよ!


スルスルっと手慣た手つきで、マンホールに入って行く爺さん。


「ちょ、待って…!」

俺も慌ててマンホールの中へ……
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

身体交換

廣瀬純七
SF
大富豪の老人の男性と若い女性が身体を交換する話

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

処理中です...