ある日の出来事-THE NANAKO'S STORY-

まっく

文字の大きさ
14 / 24
14章

3次元へ

しおりを挟む
なんとかブラックスーツたちに気づかれず、公園に到着。



「にしても、このブランコがですかぁぁ~…ふむふむ…」

おい!何してんだよ!

「どこにでもありそうなブランコなんですけどねぇ~…」

だから調べてる場合じゃないってーの!

「お、大野くん!早くしないと…」

「……ん?あっ!そうか…」

そうかじゃねーよ。
今、絶対に戻ること忘れてただろ…

「じゃあ、ななこさんは、ここに座って…」

ブランコに座らされる。

「いいですか?カウントはこのぐらいの早さで…い~ち…にい~い…」

「い~ち…にい~い…」

「そうそう、バッチリです!じゃあ、ぼくはあっちの方でブラックスーツたちを集めますから、ぼくの合図でカウントを始めてください…」

「ちょ…ちょっと待って…」

行こうとする大野の腕を掴む。

まだ心の準備が出来てない。
この嫌な感じ…どうすればいいんだ…

「いつものななこさんで大丈夫…」

ブランコに座ってる俺の両手を掴み、微笑みながらゆっくり話してくる大野。

「ななこさんは、ななこさんのままでいいんですよ♪」

俺のまま…

大野の手がとても温かい。


俺は俺のままでいいのか…



「じゃあ、ぼくは向こうで…あっ……」

大野の動きが止まる。


「ななこさん……ど…どうしましょ……」

ゆっくり両手を上げる大野。



「動くな!」

大野の後ろに銃を突きつけるブラックスーツの姿が…!


「いいか!2人とも動くんじゃないぞ!」

ヤ…ヤバイ……
無線機を取り出した……

「くっ……」

動けねー。
全く動けねー…

どうしたらいいんだよ…


「こちらMS006S…捜索していた2人を……」


ドンッ!


「ぐはっ!!!」


吹っ飛ばされるブラックスーツ。
横から何か飛び出してきて蹴っ飛ばした。


「とぉぉぉぉう!」


トミー!!!!!


「お前…なにしてんだよ…!」

「何って…奈々子さんが危なかったから……」

いやいや、そうじゃなくって…

「あの~う…この方はどなた…?」

きょとんとする大野。

「危なかったじゃねーよ!ずっとお前のこと探してたんだからな…!」

「えっ…僕を探してた?そんなに会いたかったんですか?えっ…奈々子さん…ひょっとして僕のこと…」

ち、違う…
そうじゃねー!

「だから、こちらは誰…?」

なんだ?このメチャクチャな展開。
色んなことが同時に起こって、感情がおかしくなりそうだ。

「そんなことより、奈々子さん、ブランコで戻るんでしょ!」

「あ…うん…そ、そうだけど…」

「ずっと隠れて、奈々子さんたちを見てたから、大体のことは分かってます!」

隠れて…?
なんでもっと早く出てきてくれねーんだよ!

「僕がブラックスーツたちをひき付けますから、奈々子さんたちはその間に…」

「あの~う…ひき付けるのは僕の役目…」

ちょっと黙ってろ!大野!

「じゃあ、いっきまっすよー!」

「あっ……」

トミーのやつ、行っちまいやがった…


「何なんです…?あの人…?」

「あの人がトミー…博士を助けている人で…」

「あっ!あの人がトミーさんなんですか!博士が可愛い奴って言ってた……」

「う…うん…いい人なんだけど、ちょっと変わっていて…」

「変わってる…?」



「ほほーい!みなさーん、こっちですよぉー!」

遠くでトミーの声が聞こえてきた。

あいつ…もう始めやがった!


「ぼ~くはつよい~♪つかまりなんかしないぜ~♪…」


「な…なんか歌ってますよ…?」

あぁ…トミー…

「さあ大野くん、私たちも急がないと…」

「そうですね!じゃあ僕は…」

走って行く大野。

「ちょ…ちょっと!」

「いいですかぁ~…僕が合図を出したら、カウント開始ですよぉぉ!……」

叫びながら、どんどん遠ざかって行く。


なんで行っちゃうんだよ!
トミーがいるから、もうお前はここにいてもいいんだよ!


大野の姿はもう見えなくなっていた。



ブランコの鎖を両手でしっかりと掴み、耳を澄ます。



「いいですかぁー!いきますよー!それ、い~ち…に~い…」

遠くから聞こえてきた大野の声。

始まった!

カウントのタイミングがずれないように注意しながら、必死でブランコをこぐ。


「見つけたぞー!!!」

パーン!  パーン!


遠くで銃声が鳴り響く。


どっちの音だ…?
2人とも、大丈夫なのか…?



「……は~ち…きゅ~う……」

カウントに集中する。


「……じゅういち~…じゅうに~……」

まだかよ!
大野…どこにいるんだ…
早く姿を見せてくれ……


「……じゅうご~…じゅうろく~……あっ!」

遠くに大野の姿が…
ブラックスーツに追われてる!

早く…早く…


「……じゅうしち~…じゅうはち~……」

ギリギリだぞ…
もっと早く…!!!


「……じゅ~く……」

「……はぁ…はぁ…ななこさん…!」

「にじゅう!飛べー!大野ー!!!」

「それっ!!!」

20のカウントとともに、飛ぶ俺。
そこに大野も飛び込んで来る。


「もっと……」

思いっきり大野に手を伸ばす。
大野もその手に向かって手を伸ばす。


あと少し… あと少し…

早く… 早く……



あと数センチ……



大野、もっと手を………



パーーーン!!!



えっ……



「うっ……」



「お…大野ーーー!!!」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

身体交換

廣瀬純七
SF
大富豪の老人の男性と若い女性が身体を交換する話

処理中です...