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無事に

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-健太-
美優ちゃんを無事家に送り届け帰りにコンビニに寄り少し休憩をする。

『美優ちゃんの前ではさすがに吸えないし我慢してたしな』
そう思いながらおもむろにタバコを取り出し火をつける。
 
『美優ちゃんタバコ吸ってるの知ってるかな?なんて言おうかな』
そんな事を考えてると
 
「おっ健太」
 
ふっと振り返ると泰文がいた。
 
「おお、何してんだ?何処か行ってたのか?」
 
「いや、寧ろその逆でいまから駅前のカラオケに行く所。健太は?」
 
「俺は今から家に帰る所。なんだ、カラオケって佐和子と?」
俺は少し笑いながら聞くと
 
「佐和子もいるけど2人じゃない。他にも勇介達もいるから。健太も来るか?」
 
「いやいいよ。今日は疲れたし帰るわ」
 
「なんだ?ひょっとしてこの前、駅で一緒だった子とデートしてたとか?」
泰文が少し驚いたように聞いてくる。
 
「おお。そういう事。まだ誰にも言うなよ面倒臭いから」
 
「おおマジか!?めっちゃ綺麗な子やったよな?」
 
「おお。まぁそうやろ?」
俺は少し余裕の笑みを浮かべながら暫く泰文と談笑していた。
 
-美優-
お風呂から上がりひとまず朱美にも報告したいから電話する。
 
「あっ朱美。今お風呂上がったトコ」
 
「えっあっ私凄い邪魔じゃない?そのまま楽しんでいいよ」
朱美はわざとらしく言っている。
 
「もう既に楽しんで来ました。今は帰ってきて1人ですけど」
 
「えっもう楽しんで来たの?えっそれは・・・」
 
「普通にデートしてご飯食べて帰って来ました!」
 
「あはは、もう怒んないでよ」
 
「朱美がどうしてもエロい方に持って行くからでしょ」
 
「あは、それでどうだったの初デートは?」
 
「楽しかったよ。公園で軽くランチして、夕焼けが凄く綺麗な展望台に連れて行ってもらって」
 
「そうなんだ、美優の喋り方と声で楽しかったんだろうなと伝わるけどね」
 
「でもね途中であの女の霊が出てきてもう最悪だったんだから」
私は肩の手形の事なんかを朱美に愚痴った。
 
「うわぁ。あんたも大変だね。それで肩は大丈夫なの?」
 
「うん。まぁね。それでさぁ・・・」
 
「ん?どうした?」
 
もったいぶってる訳じゃないけどやっぱり少し恥ずかしくも思うし、聞いてもほしいし 
 
「いやぁ、あのね、」
 
「どうしたの?珍しい。」
 
「笑わないでね。健太君とキスしたんだけどその時、突然女の霊が現れるからびっくりして健太君の下唇噛んじゃった」
 
「えっ嘘でしょ!?」
朱美はそう言って電話の向こうで笑っている。
 
「ちょっと笑い過ぎ」
あまりにも朱美がウケてるから少し恥ずかしくなる。
 
「ごめん。だって初めてのキスで相手に噛み付くなんてないよ」
そう言って朱美はまだ笑ってる
 
「あはは、でもあれだね。舌絡めてなくて良かったね」
 
「もう、ちょっと。エロい言い方しないでよ」
私もちょっとそんな事を考えてたが人から言われると凄く恥ずかしい。
 
「ふふ、でもちゃんと関係にはなったんだ?」

「うん。まぁ、その。ちゃんと付き合いました」

「あは、良かったじゃん。おめでとう。あたしゃ嬉しいよ」
 
「親戚のおばちゃんかあんたは!」
 
「まぁでもありがとうね朱美。あんたが上手くセッティングしてくれなきゃここまでトントン拍子には進まなかったかもしれないし」
改めて今までの感謝を朱美に伝える。
 
「まぁ美優が自分から気になるなんて言い出すのも初めて聞いたし、健太君もいい人なのはわかってたからね」
 
「それでさぁあの女の霊どうしたらいいんだろ?」

「う~ん。やっぱり紹介してもらった神主さんかそういうお祓いとかが出来る誰かに相談した方がいいんじゃない?」
 
「やっぱりそうだよねぇ」
 
「だって早くお祓いしてどっか行ってもらわないとまたキスしてる時に出てこられてびっくりするよ。しかもずっと見られてるかもしれないんだよ」
朱美はまた少し笑いそうになっている。
 
えっ本当だそれは困る。
だってキスしてた時もあんな近くでガン見されてたのに、もしどっちかの部屋でいい感じになってベットでしてる時に横でガン見されてたら。・・・・・・
 
「いやいやいやいや。それは嫌でしょ。それは困る!」

「ちょ、ちょっと、どうした?何1人で興奮してるのよ?何か1人で変な妄想してたの?」
笑いながら聞いてくる。
 
「な、そ、そんな事考えてないってば」
 
「あらあら、焦っちゃって、本当の事教えてよ」
朱美が意地悪そうな笑顔をしてるのが目に浮かぶ。

そうやっていつもの調子で朱美とふざけていると
キャッチが入る。

「あっちょっと待って朱美キャッチだ。誰だろ?」
 
そう言って画面を見ると『健太君』と出ていた。
 
「えっごめん朱美、健太君から電話だ。またかけるね」
 
「あっりょうか~い。楽しんどいて」
朱美は楽しそうに電話を切ってくれた。
 
「はい、もしもし」
私は元気良く電話に出た。
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