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廃村 心霊スポット巡り⑪
しおりを挟む暫く鳥居を見つめていると、祐司君がゆっくりと歩き出した。
「とりあえず進もうぜ」
「そうだな。どれぐらい進めばいいのかもわからないしな」
透も頷き、私も「そうだね」と言いながら後に続いて行く。
廃村にまつわる噂は色々あるが、その所在自体は曖昧なものだった。
それ故に『誰も足を踏み入れる事が出来ない廃村』なんて言われていた。
そんな幻の廃村に行けるかもしれないという高揚感は、この時恐怖心を凌駕していた。
私達は鳥居をくぐり、一列になりゆっくりと歩みを進めて行く。静寂の山中に私達の息遣いと、落ちている小枝を踏んだ時に鳴る〝パキッ〟という乾いた音が響き渡っていた。
そして鳥居をくぐって五分程歩いた所で、朽ち果てて屋根に押し潰された小さな小屋のような物を見つけた。
私達はゆっくりとそれに近付く。
「明らかに小屋か何かの建物だよな?」
透がしゃがみ込み、朽ちた屋根のような部分を見つめて問い掛けた。
「ああ、間違いないだろう」
祐司君は自信有り気に頷き、私も力強く頷いていた。
私達はついに廃村に辿り着いたかもしれない。
そんな想いを強めながら、私達は更に奥へと進んで行く。
そうして暫く進んだ所で私達の足が止まる。
そこには半分崩れてはいるものの、壁や屋根をまだ残す平屋の建物が姿を現したのだ。
「す、凄い」
私は思わず駆け寄り呟いた。
私が駆け寄った側の壁は既に崩れ、外からでも中の様子は簡単に窺えた。
建物の中にはタンスや食器等も残されており、当時この場所で誰かが生活していたのはもう間違いなかった。
「間違いない、ここが例の廃村だ」
声を震わせながら噛み締めるように言った祐司君の興奮は私達にも十分伝わってきた。
私達はそのまま周辺を探索して朽ち果てた建物達を見て回り、その様子を写真に収めていく。周辺にはまだ十軒弱の建物が残っており、中には当時暮らしていた人々の品々が残されている事も多かった。
都市伝説化していた幻の廃村についに私達は辿り着いた。
そんな思いが胸に込み上げ、気分が高揚した私達は冷静さを欠いていたのかもしれない。
私達は朽ち果てた建物の中まで入り込み、残されていた遺品ともいうべき物まで手に取り、まじまじと観察し写真に収めていた。
そんな中、私達は一際小さな建物を見つける。
その建物は今までの建物とは違い、古くはなっていたが朽ちてはおらず、建物としての体をなしていたのだ。
私達はゆっくりと近付き少し遠巻きに見つめる。
その小さな建物は全体的に黒ずんでいて、何処か異質な感じがしていた。
その建物から発せられる妙な圧迫感は私から高揚感を消し去り、冷静さを取り戻させるには十分だった。
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