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第六話 臭い立つ浴室 ★★☆
ようやく四月も終わり、初夏が訪れた五月早々のことだった。庭先のハナミズキが小さな白い花を満開にしているけど、愛でる余裕なんて全くなかった。黒のTシャツにのグレーのデニムパンツ姿の私は、深い深い溜息を吐き続けた。
「ハァ」
斜陽が窓から差し込む居間の、キッチンテーブルの椅子に座り、前髪ごと両手で顔を覆っていた。義父にいいように嬲られた胸を、机の上に乗せつつ。
……とうとう、義父との勝負に負けた代償を支払う日がやってきた。必然的に、テレビの前のソファに座った、あの日の不潔でいやらしい、最低な情景が目蓋の裏へ浮かび上がってくる。
惨めに負けた上、犬のオシッコみたく精液を引っかけられたのに、なぜか身体中がジンジンと熱くなったという、心的傷害レベル出来事。そしてそこに浮かぶ、例えようもない義父の笑顔と声が、影みたく私に粘着し、自己嫌悪と喪失感に悶える日々が続いていた。
ガチャ――ビクリッ。
玄関扉の開く音に、震えながら立ち上がり、扉の方を向く。
ギィー。
「お、おかえな、さい」
「やっと車検終わった。知り合いの所でも年々、値段が上がってキツいぜ。まあ特約店とかなら倍は取られるだろうから、まだマシだけどよぉ」
サングラスを外すと、分厚い目蓋と鋭い目が現れる。黒の鞄をソファへ投げ置くと、上着とズボンを乱暴に脱ぎ捨てる。堂々と白のタンクトップとトランクス姿になると、私の目の前まで足音を立ててやって来る。
「風呂は沸いてるだろうなぁ?」
その目線と口振りはまるで、出来の悪い娼婦をいびっているみたいにすら、錯覚させられた。けどもう抵抗する意思も手段も、正当性もない私は、怯えつつも、屈服の時間を少しでも遅らせることしかできなかった。
「は、はい。よ、四十一度に設定して、あります」
……あの負けた日以降、私は私を諦めつつあるのがわかった。かつてやってしまった口淫を皮切りに――どんな理由であれ、同一の男性に乳首を舐められながら、手淫まで冒した罪は、もう取り消せない。
もちろん、心の底から道行さんのためと思ってやってきたけど、打たれ弱い私は、かなり限界まで自身へ失望してしまっていた。そもそもこの先、もうどんな選択を行っても、正しく真っ当な道には戻れないんじゃないかとすら、考え至るようになってきた。
「さってとぉ。入浴前に、負けたツケの払い方を言え」
十回以上は復唱させられた文言は、一言一句違わずに、脳裏に刻まれてしまっていた。
「お、お義父さんと、入浴をご一緒して、か、身体の洗いっこを、する――」
* * *
ガラガラガラ。
脱衣場から浴室への扉を、裸の義父が勢いよく開け放った。立ち昇る湯気を割るみたくして、大股で入って行った。浴室と浴槽の大きさについては、義父の趣味により、一般家庭と比べて割と大きかった。
「さぁて。じゃあ早速ぅ――」
半勃起状態で仁王立ちする義父は、そのでっぷりとした毛だらけのお腹を軽く叩いて揺らせた。浅黒い硬そうな皮膚の全身より、老いてなお盛んと言わんばかりの、脂ぎった精力さが、湯気みたいに立ち昇っているみたいだった。
その後ろから、息を殺す裸の私は、よろめき倒れないだけで精一杯だった。右腕で胸を、左手で股間を隠し、背を猫みたく丸めながら入室する。
「洗いっこしようぜぇ」
まるで逃げ場のない獲物をいたぶるみたいな、加虐的な笑いを浮かべる。震える私は、処刑されるのを一秒でも先延ばししようと、精一杯だった。
「よ、よろしかったら、さ、先に私が、お背中を、洗いましょうか?」
触られるより、触る方がまだマシだから。
「あっ? ここでもっかい復唱させてやろうかぁ――!」
ひっ。せ、狭い室内にて威圧的な声が反響し、私の思考を黒く塗り潰されるのには、もう目眩を覚えそうだった。
「(こわ、い。もっ、逆らいたく、ない)すみ、すみません」
泣くとまた何か言われるかもしれないと、丸まった姿勢のまま、上目遣いで謝る。舌打ちする義父は、二つある檜で出来た桶を、足で乱暴に椅子の代わりに並べる。シャワーを壁に設置したままかけ流して、ボディソープやシャンプーなんかを浴槽の縁に並べた。
シャー。
「どっこいしょっと」
義父がその大きなお尻を桶へ下ろすと、微かに軋む音が響いた。目線が立っている私の股間の高さになって、慌てて両手で局部を隠し、細い腕でV字に乳首を隠すと。
「お、昔いたなぁ。そんな風に胸の谷間を作る女芸人が」
別にわざと谷間を作っているわけではなく、またその女性芸人なる存在を知らないため、苦笑いを浮かべつつ対面に座る。当然ながら二人は手を伸ばせば届く距離で、義父は勃起しつつある股間のまま、ボディソープを大量に出しては手のひらで泡立て始める。
このままジッとしているわけにもいかず、上半身を斜めに傾けつつボディソープへ手を伸ばす。
シャー。
「おい。早くしろよぉ」
何とか隠せている胸と股間を見下す義父への嫌悪感と恐怖心は、もはやメーターを振り切っていた。同時に、耐える事ばかりを選び続けた結果、もはや耐える事しか選べられなくなっていたなんて、考えもできなかった。
「お、お待たせ、しまし、た」
一分一秒を先延ばしした結果、こんもりとした白い泡が手のひらの上で、雲みたくふわふわと揺らしていた。
「ぶははっ。ソープでもそこまでやらねーよ」
そ、ソープって何? 意味の分からない私は、やはり意味不明な苦笑いを浮かべる事しかできなかった。
「さってと、もうお預けはもういいよなぁ?」
「! ま、待ってくだ」
ガシ――ゴシ、ゴシゴシ。
りょ、両肩を掴まれたかと思うとそのまま首筋付近を、ざらついた指で洗われていく。
裸同士で、しかも身体を触られているのに、比較的ホッとしてることが既に異常で、けど認知できない私は、おそるおそる濡れた腕を伸ばす。
コシ、コシコシ。
義父の首は太く、ところどころにシミがあり、太く曲がった長くて白い髭が、数本ほど生えていた。
「お前の肌、ほんとスベスベで柔らけーなぁ。二十歳くらいの女みてぇ」
と、唐突な褒め言葉に、一瞬だけど指先が止まる。
――そういえば、道行さんは私の外見よりも内面を褒めてくれていたなぁ。でも、心を病んでから、そんな事はほぼ無くなって、肉体は元より心の交流をすら、もう……。
モニュ、キュ。
「ぃんっ!」
心の空白を突かれたみたいなタイミングだった。りょ、両方の乳首を、同時に泡だらけにされる。油断していた瞬間だったから、余計に衝撃が大きく、動揺が荒波みたく心に広がっていった。
「ほんと可愛らしい乳首だぜ。バージンピンクでもガン黒でもない、この色素が薄いくらいの色合いがいいな、母乳もめっちゃ出そうだぜ? ――香苗の親御さんもきっと、孫の顔が早く見たいだろうなぁ」
い、今はそれどころじゃ。確かに私は一人娘だからか、母親からたまにそんな小言を聞かされたこともあったけど。
クニュ、コリ、ニュク。
「っつ」
い、今までの洗い方と異なり、固執するみたいに乳首を摘まみ、撫で、洗い揉まれて、気持ち悪さとくすぐったさで、力が入らなってくる。それでも何とか腕を伸ばし、義父の真っ黒で分厚い、やはり毛だらけの胸板を洗い擦る。
ゴシ、クリ。
「ぶはっはっは。二人して乳首が硬くなってきたなぁ」
い、弄られ続けたら、誰でもそうなるのっ。どうしても私の意識を、触り合う互いの乳首へ向けたいみたい。
けれども、乳首以外も含めて、痛いのや激しいのを覚悟してたから、妙に優しい触り方に――ンンッ――な、なぜか、変な感じが……あ、乳輪、なぞられて。
「ふぁっ、んっ」
唇を閉じようとしても、なぜか声がこぼれてしまう。
前回の勝負による乳吸いと手淫によって、悪い意味でお互いの親密さを高めてしまったとでも? それとも私の精神は全てに疲れて、もう抵抗することにすら嫌気が差したとでも?
床に落ちる白くて柔らかな泡は、次々とシャワーに流されて、排水口へ吸い込まれて消えた。
「さぁて、お次はいよいよ下だぁ」
やっと乳房を開放されたかと安心するのも束の間だった。義父の荒くなる息遣いと、私の悲鳴みたいな呼吸が、お互いの間でぶつかり、湯気となって散っていった。
お腹の下の小さな熱の塊みたいなのが、気になり始める中、私の指先が、その肉の付いた横腹や体毛だらけのお腹を洗い終えた頃だった。
ビィン。
「っ」
か、完全に勃起した男性器が、まるで私を指し示すみたく力んでいた。
「おい香苗ぇ。次は下半身だ。洗ってやるから股を開け」
え?
――グイィ。
「きゃぁ!」
素っ頓狂な声を上げてしまった。だ、だって義父の両足が近づいたかと思うと、私の股を軽々と開けてしまった、から。
「おほっ」
ついに、晒してしまった――大きな鼻の穴をさらに広げて、目を丸くする義父を前に。道行さん以外の人に、コンプレックスな、股間の陰毛を。
「体毛は薄い癖に、陰毛は割とボーボーじゃねぇか。性欲が強い女は生い茂るらしいぜぇ!」
つっ――小学校高学年くらいから生え始めて、とても気にしていた。これでもVラインとかの部分はハミ出ない様に、いつも処理しているのに。
悔しくてショックな瞬間だった、けど――。
「……だがまぁ、これも個性だな」
「⁉」
ドックン。
い、今の一言は完全な不意打ちで、心が一瞬だけど完全に無防備になってしまった。
だって、道行さんからすら言ってもらえなかった、私の嫌いな部分を裏返す言葉を、この義父から。
――お、落ち着いて自分。今まで義父が私に強いてきた性的かつ非道徳的な数々の行為を思い出して。こんな一言で、理解してもらえて嬉しいみたいな、誤った錯覚を、おかしいよ。
「どれどれ。俺のせいで汚れているだろうから、入念に洗ってやるよ」
「へ?」
ニュクチュ。
「ひああぁん!」
ぎ、義父の――黒く太い、硬い指が、お湯で濡れた柔らかい小陰唇を、音を立てて、撫で突いた。
それは、まるで、心の触られたくないところを、触られたみたいだった。けれど、さっきの今で調子が狂わされたいた私は、心の少し奥まった部分まで、指で舐められたみたいに感じた。オカシな感覚と感情が絡み歪み、なぜか毛ほど切なさをすら覚えた。
「うははっ。この湿気は本当にシャワーだけかぁ? 香苗ぇ」
もはや義父を洗うどころじゃなかった。むしろ私の股を無理やり開き止める杭みたいな、その毛だらけの太い足に、手を置いて身体を支える始末だった。
義父はまるで楽器を鳴らすみたく――クチュ、クチュゥ――っと、ち、膣口を、中指、でぇ、触り揉んで。
「ハァ、んんっ、ハァン」
な、に? 今の、惚けたみたいな、エッチっぽい声は? ぎ、義父に女性器の入口を触られてるんだよ、私?
ち、違うのっ。これは――演技。そう、義父の気分を上げるための。ただ、それだけの。
クチチュチュチ。
「あっあ!」
義父を直視できない私は、止むなく下を向いていた。そ、そのため、第一関節くらいまでが膣に入り込んだり出たりする様を、目に焼き付けてしまう。僅かな異物感と――けどなん、だろう、この変な感じ。大嫌いな義父の、最低な行為なのにっ、全部が全部、嫌じゃない?
膣内じゃなくてまるで、心を触られている、みたいで、怖いよ!
「香苗ぇ、お前やっぱドМだな。気持ちいいんだろぉ? 大嫌いな俺に手マンされてぇ」
ドックン。
「――ち、ちが」
見透かされた様な一言に、心臓をわし掴みされちゃう。
「何十人と女を抱いて来た俺にはわかんだよぉ。――確かに膣内の濡れは、刺激で発生する、女の生理的防御なのかもしれん」
義父の中指が意味深気に止まる。シャワーで涙を隠す私は、未だに膨れ上がる熱に肌が泡立つ。そして、この義父が、そんな弱り切った私を、見過ごすわけがなかった――。
「膣内の熱は子宮から下りるんだよ。香苗ぇ、お前の女の根幹が、もう俺を男として意識しちまってんだ」
「や、やめてっ」
グヌヌチョチョ。
「ひゃぁぁん!」
ビリ、ビリリッ。ぎ、義父の中指より、膣壁を貫通するみたく電気が走り、漏らしそうなくらいに身震いする。掴み持つ義父の足に爪を立てる、荒い息の私は、いやらしく揺れる乳房をすら、眼中に入らなかった。
「嫌いなだけの野郎と前戯して、ここまで肌が桜色に染まることはねぇ。そんなこと、女のお前が気付かないわけないよなぁ?」
ガッチガチの男性器を持つ義父は、けど余裕たっぷりに、むしろ憐れむみたいに、挿入中の指に力を込めようとする。
「おねが、ほんと、もぅ」
「汚嫁の雌穴を、義父が綺麗にしてやるよぉ」
グリン。
「ひぐぅ!」
ゆ、指が左右に半回転した瞬間、まるで内臓を動かされたみたいな気色悪い感覚がほと走り、唾を飛ばしてしまう。
……ダメ、もう本当にこれ以上はだめ。大切なものが大切じゃなくなっちゃう。私が、私じゃ――道行さん、あなたっ。
「おっら!」
助けて――うずっ!
「ああああアアッ!」
ズチョピチャ、ペッチャヌチョ!
指が、出たり、回ったり、入ったり、して、すんごい速さで――んあぐぅ!
「もうヌルヌルのトロットロじゃねぇか。欲求不満ってたのか、それとも俺のことが好きになったかぁ!」
こ、この際、欲求不満はとも、ともかく、義父を好きになった、って言葉は、冗談でも、ヤメ、てぇ。
ピチャ、クチョ、ヌチョピチャ!
「あ、あっ、アッ! やめ、でぇ!」
義父の膝を必死に掴みつつ、開いた股から飛び散る愛液。口はだらしなく開いて、お尻全体が痺れちゃって、腰、砕け、そう
グラッ――ガシッ。
……え? す、座っていた桶から、落ちそうになった私を、義父の太い左腕が抱き締め支えて、くれた? 余裕の無いはずの頭なのに――男の人の腕って、こんなに力強くてたくましいんだ――なんてことを皮膚が感じた。
「ったく。頭打ったらどーすんだ」
ドックン。
心身が茹る中、身体は鉛みたいに重かった。刺激の渦に溺れつつ、酷くされたり、優しくされたりの落差の連続で、頭が痺れて、もう考えられなぃ。
何より、胸へとこみ上げる、この気色悪い切なさは、何なの?
「お、義父、さん?」
義父は、中指を膣内に挿入れたまま、まるで寄り添うみたく私を抱え、濡れた床に座った。ギチギチの男性器が私の恥骨の辺りを擦ってくる。
その瞬間――やっぱり苦しいのだろうか? 何となくそんな感想を、抱いてしまった。
チュパ……グチュズチュ。
「あっ、うんんっ」
指のピストンの再開と同時に、右側の乳首を頬張ってくる。薄くなった白髪が私の頬をくすぐる中、オッパイを吸われるのは二回目だな、なんて、なぜか落ち付いた自分がいた。
「ジュルル、ぷはっ……愛液で中指が溶けそうだぜぇ」
義父の頭部で見えないけど、粘着音からしてそうだろう、というのはわかった。
「――っ、――ぅ」
浴室内での行為と、すぐ傍の義父へ対する嫌悪感が、明らかに薄くなっているのを、火照った皮膚とジンジンする下腹部が訴えた。
チュバ、チュボ。
自分のことなのに、まるで他人事みたく思えるのは、感覚が壊れてしまったから? それとも、ついに嫌悪感が許容できなくなって自暴自棄に? ――もしも、そのどっちでもなければ、一体どんな心理で?
ズニュッチュ、ニュッチョ。
乳首と股間からの電気と熱で、ピクピクと、身体のあちこちが、しゃっくりみたく跳ねる。私を抱きかかえる腕が、一向に疲れを見せないのに、不可思議な頼もしさを覚え始めたころ、なぜか、私は。
「……」
グニュゥ、シュ、シュ。
「チュポン――おぉっ?」
義父に乳首を初めて舐め吸われたあの日、手での射精に失敗したのを思い出した。長い髪を顔に貼り付けたままの私は、再び手探りで熱く硬く太い、男性器をへ指を這わせていた。
義父の口と手が一瞬だけ止まるも、すぐに――んあっ――再開した。けれど、私の行動で、セメントみたいな義父の性欲を、一時的にでも戸惑わせたことに、不思議な感じがした。
グニ、シュ、シュッ。
僅かに泡がついた指で、ゆったりと前後し出す。――けれども本当に、なぜ、こんな行為を? 別に、命令されたわけでもないのに。
「あんむ」
義父はその少し臭う口を大きく開けると――ぅん――乳輪ごと口の中へと押し込んだ。熱く濡れた口内で――んあ――舌でもって乳首を乳房へ逆に押し込んで、くるぅ。
「んぁ……ふっ……」
膣内の痺れは、小馴れてきたのか、桃色の凪みたいな感覚へと変わっていった。弱いようで、けど飽きることのない、刺激の連続だった。単純な手の動きに見えるけど、きっと性技なるものなんだろうなぁ。乳首を吸われる感覚と併せて、身体全体がだらりと脱力していく。
シュ、ッシュ。ピチャ、ズチャ。チュバ、ロレレ。
シャワーの音以外、二人の息遣いとあらゆる水音が、耳をも濡らしていった。もはや時間の経過すら薄れかけた時だった。
「チュボア――そろそろ俺はイケそうだ。お前も一緒にイクぞ」
? お義父さんは、なんて言ったんだろう。思わず聞きそびれた。
「え? あ、はぃ」
乳首と膣内の淫らな熱に、もはや虜にされている私は、眠た気にそう言い返した。すると、義父の指が、第二関節の中央くらいの位置にて、手のひらを天井へ向けて止まった。
「そのままチンコ擦っておけよ!」
え、なに――グニュ、コリッ……ビキビキ!
「ぃ! っあぁ! はぁんっ!」
なニ、膣がっ、痒気持ちイイ痛! ぎ、義父の指先、が、膣内の、上側を――陰核の裏側、を、擦っ、て?
「Gスポット。正確にはスキーン腺っつーんだ。ほれ、お前の方は指が止まってんぞ」
クチュクチュ、クリ、ニュシュ!
「いぎぃ!」
し、知らない知らない知らないこんな感覚、やめ、やば、なんか、お腹の底、膨らんでぇ!
「あお゛っ、まっ、デェ!」
濁った声で義父の後頭部に助けを求める。けど義父はオッパイを舐めすすったまま、にやけた目で見上げてくるだけだった。
いつの間にかあたしは義父のオチンコなんて放って、頭を抱きしめつつ、薄まった頭皮に唇をつけていた。気付かない間に、私を支える手が這い寄って、オッパイを揉み掴んでいるのすら、どうでもよかった。
クニ、ピチャパチャ、コリリ。
――ほん、やばぃ、アソコの真ん中が、弾けるみたいで、こわぃ、あつい!
「よし。いけっ、イケェ!」
「イ、グ? って、なぁニィ!」
――ピンビキ! ビリピリリ!
ぴん、と身体が弓なりになり、限界まで開脚してしまう。不細工に涙と鼻水を垂らす間も、股間では得たいのしれない熱が、私の身体と心の境界を溶かしていた。
「お、お゛、オォ」
チョロ、チョロロロロ。
やがて弛緩し切った股間から、黄金色の小さな噴水が現れた。それは、まるで、完全敗北を認めたみたいな放水だった。心が熱中症に冒されたみたいな、何もかも未知の体験、何もかも忘れられない経験を、義父に深々と刻まれた。
「おっ――まさか――中イキ――まんざら――っておい香苗」
眠りに落ちる瞬間を、何倍も遅くしたら、こんな感じなのかな? 失神する私は、ボヤッとそう思った。
「ハァ」
斜陽が窓から差し込む居間の、キッチンテーブルの椅子に座り、前髪ごと両手で顔を覆っていた。義父にいいように嬲られた胸を、机の上に乗せつつ。
……とうとう、義父との勝負に負けた代償を支払う日がやってきた。必然的に、テレビの前のソファに座った、あの日の不潔でいやらしい、最低な情景が目蓋の裏へ浮かび上がってくる。
惨めに負けた上、犬のオシッコみたく精液を引っかけられたのに、なぜか身体中がジンジンと熱くなったという、心的傷害レベル出来事。そしてそこに浮かぶ、例えようもない義父の笑顔と声が、影みたく私に粘着し、自己嫌悪と喪失感に悶える日々が続いていた。
ガチャ――ビクリッ。
玄関扉の開く音に、震えながら立ち上がり、扉の方を向く。
ギィー。
「お、おかえな、さい」
「やっと車検終わった。知り合いの所でも年々、値段が上がってキツいぜ。まあ特約店とかなら倍は取られるだろうから、まだマシだけどよぉ」
サングラスを外すと、分厚い目蓋と鋭い目が現れる。黒の鞄をソファへ投げ置くと、上着とズボンを乱暴に脱ぎ捨てる。堂々と白のタンクトップとトランクス姿になると、私の目の前まで足音を立ててやって来る。
「風呂は沸いてるだろうなぁ?」
その目線と口振りはまるで、出来の悪い娼婦をいびっているみたいにすら、錯覚させられた。けどもう抵抗する意思も手段も、正当性もない私は、怯えつつも、屈服の時間を少しでも遅らせることしかできなかった。
「は、はい。よ、四十一度に設定して、あります」
……あの負けた日以降、私は私を諦めつつあるのがわかった。かつてやってしまった口淫を皮切りに――どんな理由であれ、同一の男性に乳首を舐められながら、手淫まで冒した罪は、もう取り消せない。
もちろん、心の底から道行さんのためと思ってやってきたけど、打たれ弱い私は、かなり限界まで自身へ失望してしまっていた。そもそもこの先、もうどんな選択を行っても、正しく真っ当な道には戻れないんじゃないかとすら、考え至るようになってきた。
「さってとぉ。入浴前に、負けたツケの払い方を言え」
十回以上は復唱させられた文言は、一言一句違わずに、脳裏に刻まれてしまっていた。
「お、お義父さんと、入浴をご一緒して、か、身体の洗いっこを、する――」
* * *
ガラガラガラ。
脱衣場から浴室への扉を、裸の義父が勢いよく開け放った。立ち昇る湯気を割るみたくして、大股で入って行った。浴室と浴槽の大きさについては、義父の趣味により、一般家庭と比べて割と大きかった。
「さぁて。じゃあ早速ぅ――」
半勃起状態で仁王立ちする義父は、そのでっぷりとした毛だらけのお腹を軽く叩いて揺らせた。浅黒い硬そうな皮膚の全身より、老いてなお盛んと言わんばかりの、脂ぎった精力さが、湯気みたいに立ち昇っているみたいだった。
その後ろから、息を殺す裸の私は、よろめき倒れないだけで精一杯だった。右腕で胸を、左手で股間を隠し、背を猫みたく丸めながら入室する。
「洗いっこしようぜぇ」
まるで逃げ場のない獲物をいたぶるみたいな、加虐的な笑いを浮かべる。震える私は、処刑されるのを一秒でも先延ばししようと、精一杯だった。
「よ、よろしかったら、さ、先に私が、お背中を、洗いましょうか?」
触られるより、触る方がまだマシだから。
「あっ? ここでもっかい復唱させてやろうかぁ――!」
ひっ。せ、狭い室内にて威圧的な声が反響し、私の思考を黒く塗り潰されるのには、もう目眩を覚えそうだった。
「(こわ、い。もっ、逆らいたく、ない)すみ、すみません」
泣くとまた何か言われるかもしれないと、丸まった姿勢のまま、上目遣いで謝る。舌打ちする義父は、二つある檜で出来た桶を、足で乱暴に椅子の代わりに並べる。シャワーを壁に設置したままかけ流して、ボディソープやシャンプーなんかを浴槽の縁に並べた。
シャー。
「どっこいしょっと」
義父がその大きなお尻を桶へ下ろすと、微かに軋む音が響いた。目線が立っている私の股間の高さになって、慌てて両手で局部を隠し、細い腕でV字に乳首を隠すと。
「お、昔いたなぁ。そんな風に胸の谷間を作る女芸人が」
別にわざと谷間を作っているわけではなく、またその女性芸人なる存在を知らないため、苦笑いを浮かべつつ対面に座る。当然ながら二人は手を伸ばせば届く距離で、義父は勃起しつつある股間のまま、ボディソープを大量に出しては手のひらで泡立て始める。
このままジッとしているわけにもいかず、上半身を斜めに傾けつつボディソープへ手を伸ばす。
シャー。
「おい。早くしろよぉ」
何とか隠せている胸と股間を見下す義父への嫌悪感と恐怖心は、もはやメーターを振り切っていた。同時に、耐える事ばかりを選び続けた結果、もはや耐える事しか選べられなくなっていたなんて、考えもできなかった。
「お、お待たせ、しまし、た」
一分一秒を先延ばしした結果、こんもりとした白い泡が手のひらの上で、雲みたくふわふわと揺らしていた。
「ぶははっ。ソープでもそこまでやらねーよ」
そ、ソープって何? 意味の分からない私は、やはり意味不明な苦笑いを浮かべる事しかできなかった。
「さってと、もうお預けはもういいよなぁ?」
「! ま、待ってくだ」
ガシ――ゴシ、ゴシゴシ。
りょ、両肩を掴まれたかと思うとそのまま首筋付近を、ざらついた指で洗われていく。
裸同士で、しかも身体を触られているのに、比較的ホッとしてることが既に異常で、けど認知できない私は、おそるおそる濡れた腕を伸ばす。
コシ、コシコシ。
義父の首は太く、ところどころにシミがあり、太く曲がった長くて白い髭が、数本ほど生えていた。
「お前の肌、ほんとスベスベで柔らけーなぁ。二十歳くらいの女みてぇ」
と、唐突な褒め言葉に、一瞬だけど指先が止まる。
――そういえば、道行さんは私の外見よりも内面を褒めてくれていたなぁ。でも、心を病んでから、そんな事はほぼ無くなって、肉体は元より心の交流をすら、もう……。
モニュ、キュ。
「ぃんっ!」
心の空白を突かれたみたいなタイミングだった。りょ、両方の乳首を、同時に泡だらけにされる。油断していた瞬間だったから、余計に衝撃が大きく、動揺が荒波みたく心に広がっていった。
「ほんと可愛らしい乳首だぜ。バージンピンクでもガン黒でもない、この色素が薄いくらいの色合いがいいな、母乳もめっちゃ出そうだぜ? ――香苗の親御さんもきっと、孫の顔が早く見たいだろうなぁ」
い、今はそれどころじゃ。確かに私は一人娘だからか、母親からたまにそんな小言を聞かされたこともあったけど。
クニュ、コリ、ニュク。
「っつ」
い、今までの洗い方と異なり、固執するみたいに乳首を摘まみ、撫で、洗い揉まれて、気持ち悪さとくすぐったさで、力が入らなってくる。それでも何とか腕を伸ばし、義父の真っ黒で分厚い、やはり毛だらけの胸板を洗い擦る。
ゴシ、クリ。
「ぶはっはっは。二人して乳首が硬くなってきたなぁ」
い、弄られ続けたら、誰でもそうなるのっ。どうしても私の意識を、触り合う互いの乳首へ向けたいみたい。
けれども、乳首以外も含めて、痛いのや激しいのを覚悟してたから、妙に優しい触り方に――ンンッ――な、なぜか、変な感じが……あ、乳輪、なぞられて。
「ふぁっ、んっ」
唇を閉じようとしても、なぜか声がこぼれてしまう。
前回の勝負による乳吸いと手淫によって、悪い意味でお互いの親密さを高めてしまったとでも? それとも私の精神は全てに疲れて、もう抵抗することにすら嫌気が差したとでも?
床に落ちる白くて柔らかな泡は、次々とシャワーに流されて、排水口へ吸い込まれて消えた。
「さぁて、お次はいよいよ下だぁ」
やっと乳房を開放されたかと安心するのも束の間だった。義父の荒くなる息遣いと、私の悲鳴みたいな呼吸が、お互いの間でぶつかり、湯気となって散っていった。
お腹の下の小さな熱の塊みたいなのが、気になり始める中、私の指先が、その肉の付いた横腹や体毛だらけのお腹を洗い終えた頃だった。
ビィン。
「っ」
か、完全に勃起した男性器が、まるで私を指し示すみたく力んでいた。
「おい香苗ぇ。次は下半身だ。洗ってやるから股を開け」
え?
――グイィ。
「きゃぁ!」
素っ頓狂な声を上げてしまった。だ、だって義父の両足が近づいたかと思うと、私の股を軽々と開けてしまった、から。
「おほっ」
ついに、晒してしまった――大きな鼻の穴をさらに広げて、目を丸くする義父を前に。道行さん以外の人に、コンプレックスな、股間の陰毛を。
「体毛は薄い癖に、陰毛は割とボーボーじゃねぇか。性欲が強い女は生い茂るらしいぜぇ!」
つっ――小学校高学年くらいから生え始めて、とても気にしていた。これでもVラインとかの部分はハミ出ない様に、いつも処理しているのに。
悔しくてショックな瞬間だった、けど――。
「……だがまぁ、これも個性だな」
「⁉」
ドックン。
い、今の一言は完全な不意打ちで、心が一瞬だけど完全に無防備になってしまった。
だって、道行さんからすら言ってもらえなかった、私の嫌いな部分を裏返す言葉を、この義父から。
――お、落ち着いて自分。今まで義父が私に強いてきた性的かつ非道徳的な数々の行為を思い出して。こんな一言で、理解してもらえて嬉しいみたいな、誤った錯覚を、おかしいよ。
「どれどれ。俺のせいで汚れているだろうから、入念に洗ってやるよ」
「へ?」
ニュクチュ。
「ひああぁん!」
ぎ、義父の――黒く太い、硬い指が、お湯で濡れた柔らかい小陰唇を、音を立てて、撫で突いた。
それは、まるで、心の触られたくないところを、触られたみたいだった。けれど、さっきの今で調子が狂わされたいた私は、心の少し奥まった部分まで、指で舐められたみたいに感じた。オカシな感覚と感情が絡み歪み、なぜか毛ほど切なさをすら覚えた。
「うははっ。この湿気は本当にシャワーだけかぁ? 香苗ぇ」
もはや義父を洗うどころじゃなかった。むしろ私の股を無理やり開き止める杭みたいな、その毛だらけの太い足に、手を置いて身体を支える始末だった。
義父はまるで楽器を鳴らすみたく――クチュ、クチュゥ――っと、ち、膣口を、中指、でぇ、触り揉んで。
「ハァ、んんっ、ハァン」
な、に? 今の、惚けたみたいな、エッチっぽい声は? ぎ、義父に女性器の入口を触られてるんだよ、私?
ち、違うのっ。これは――演技。そう、義父の気分を上げるための。ただ、それだけの。
クチチュチュチ。
「あっあ!」
義父を直視できない私は、止むなく下を向いていた。そ、そのため、第一関節くらいまでが膣に入り込んだり出たりする様を、目に焼き付けてしまう。僅かな異物感と――けどなん、だろう、この変な感じ。大嫌いな義父の、最低な行為なのにっ、全部が全部、嫌じゃない?
膣内じゃなくてまるで、心を触られている、みたいで、怖いよ!
「香苗ぇ、お前やっぱドМだな。気持ちいいんだろぉ? 大嫌いな俺に手マンされてぇ」
ドックン。
「――ち、ちが」
見透かされた様な一言に、心臓をわし掴みされちゃう。
「何十人と女を抱いて来た俺にはわかんだよぉ。――確かに膣内の濡れは、刺激で発生する、女の生理的防御なのかもしれん」
義父の中指が意味深気に止まる。シャワーで涙を隠す私は、未だに膨れ上がる熱に肌が泡立つ。そして、この義父が、そんな弱り切った私を、見過ごすわけがなかった――。
「膣内の熱は子宮から下りるんだよ。香苗ぇ、お前の女の根幹が、もう俺を男として意識しちまってんだ」
「や、やめてっ」
グヌヌチョチョ。
「ひゃぁぁん!」
ビリ、ビリリッ。ぎ、義父の中指より、膣壁を貫通するみたく電気が走り、漏らしそうなくらいに身震いする。掴み持つ義父の足に爪を立てる、荒い息の私は、いやらしく揺れる乳房をすら、眼中に入らなかった。
「嫌いなだけの野郎と前戯して、ここまで肌が桜色に染まることはねぇ。そんなこと、女のお前が気付かないわけないよなぁ?」
ガッチガチの男性器を持つ義父は、けど余裕たっぷりに、むしろ憐れむみたいに、挿入中の指に力を込めようとする。
「おねが、ほんと、もぅ」
「汚嫁の雌穴を、義父が綺麗にしてやるよぉ」
グリン。
「ひぐぅ!」
ゆ、指が左右に半回転した瞬間、まるで内臓を動かされたみたいな気色悪い感覚がほと走り、唾を飛ばしてしまう。
……ダメ、もう本当にこれ以上はだめ。大切なものが大切じゃなくなっちゃう。私が、私じゃ――道行さん、あなたっ。
「おっら!」
助けて――うずっ!
「ああああアアッ!」
ズチョピチャ、ペッチャヌチョ!
指が、出たり、回ったり、入ったり、して、すんごい速さで――んあぐぅ!
「もうヌルヌルのトロットロじゃねぇか。欲求不満ってたのか、それとも俺のことが好きになったかぁ!」
こ、この際、欲求不満はとも、ともかく、義父を好きになった、って言葉は、冗談でも、ヤメ、てぇ。
ピチャ、クチョ、ヌチョピチャ!
「あ、あっ、アッ! やめ、でぇ!」
義父の膝を必死に掴みつつ、開いた股から飛び散る愛液。口はだらしなく開いて、お尻全体が痺れちゃって、腰、砕け、そう
グラッ――ガシッ。
……え? す、座っていた桶から、落ちそうになった私を、義父の太い左腕が抱き締め支えて、くれた? 余裕の無いはずの頭なのに――男の人の腕って、こんなに力強くてたくましいんだ――なんてことを皮膚が感じた。
「ったく。頭打ったらどーすんだ」
ドックン。
心身が茹る中、身体は鉛みたいに重かった。刺激の渦に溺れつつ、酷くされたり、優しくされたりの落差の連続で、頭が痺れて、もう考えられなぃ。
何より、胸へとこみ上げる、この気色悪い切なさは、何なの?
「お、義父、さん?」
義父は、中指を膣内に挿入れたまま、まるで寄り添うみたく私を抱え、濡れた床に座った。ギチギチの男性器が私の恥骨の辺りを擦ってくる。
その瞬間――やっぱり苦しいのだろうか? 何となくそんな感想を、抱いてしまった。
チュパ……グチュズチュ。
「あっ、うんんっ」
指のピストンの再開と同時に、右側の乳首を頬張ってくる。薄くなった白髪が私の頬をくすぐる中、オッパイを吸われるのは二回目だな、なんて、なぜか落ち付いた自分がいた。
「ジュルル、ぷはっ……愛液で中指が溶けそうだぜぇ」
義父の頭部で見えないけど、粘着音からしてそうだろう、というのはわかった。
「――っ、――ぅ」
浴室内での行為と、すぐ傍の義父へ対する嫌悪感が、明らかに薄くなっているのを、火照った皮膚とジンジンする下腹部が訴えた。
チュバ、チュボ。
自分のことなのに、まるで他人事みたく思えるのは、感覚が壊れてしまったから? それとも、ついに嫌悪感が許容できなくなって自暴自棄に? ――もしも、そのどっちでもなければ、一体どんな心理で?
ズニュッチュ、ニュッチョ。
乳首と股間からの電気と熱で、ピクピクと、身体のあちこちが、しゃっくりみたく跳ねる。私を抱きかかえる腕が、一向に疲れを見せないのに、不可思議な頼もしさを覚え始めたころ、なぜか、私は。
「……」
グニュゥ、シュ、シュ。
「チュポン――おぉっ?」
義父に乳首を初めて舐め吸われたあの日、手での射精に失敗したのを思い出した。長い髪を顔に貼り付けたままの私は、再び手探りで熱く硬く太い、男性器をへ指を這わせていた。
義父の口と手が一瞬だけ止まるも、すぐに――んあっ――再開した。けれど、私の行動で、セメントみたいな義父の性欲を、一時的にでも戸惑わせたことに、不思議な感じがした。
グニ、シュ、シュッ。
僅かに泡がついた指で、ゆったりと前後し出す。――けれども本当に、なぜ、こんな行為を? 別に、命令されたわけでもないのに。
「あんむ」
義父はその少し臭う口を大きく開けると――ぅん――乳輪ごと口の中へと押し込んだ。熱く濡れた口内で――んあ――舌でもって乳首を乳房へ逆に押し込んで、くるぅ。
「んぁ……ふっ……」
膣内の痺れは、小馴れてきたのか、桃色の凪みたいな感覚へと変わっていった。弱いようで、けど飽きることのない、刺激の連続だった。単純な手の動きに見えるけど、きっと性技なるものなんだろうなぁ。乳首を吸われる感覚と併せて、身体全体がだらりと脱力していく。
シュ、ッシュ。ピチャ、ズチャ。チュバ、ロレレ。
シャワーの音以外、二人の息遣いとあらゆる水音が、耳をも濡らしていった。もはや時間の経過すら薄れかけた時だった。
「チュボア――そろそろ俺はイケそうだ。お前も一緒にイクぞ」
? お義父さんは、なんて言ったんだろう。思わず聞きそびれた。
「え? あ、はぃ」
乳首と膣内の淫らな熱に、もはや虜にされている私は、眠た気にそう言い返した。すると、義父の指が、第二関節の中央くらいの位置にて、手のひらを天井へ向けて止まった。
「そのままチンコ擦っておけよ!」
え、なに――グニュ、コリッ……ビキビキ!
「ぃ! っあぁ! はぁんっ!」
なニ、膣がっ、痒気持ちイイ痛! ぎ、義父の指先、が、膣内の、上側を――陰核の裏側、を、擦っ、て?
「Gスポット。正確にはスキーン腺っつーんだ。ほれ、お前の方は指が止まってんぞ」
クチュクチュ、クリ、ニュシュ!
「いぎぃ!」
し、知らない知らない知らないこんな感覚、やめ、やば、なんか、お腹の底、膨らんでぇ!
「あお゛っ、まっ、デェ!」
濁った声で義父の後頭部に助けを求める。けど義父はオッパイを舐めすすったまま、にやけた目で見上げてくるだけだった。
いつの間にかあたしは義父のオチンコなんて放って、頭を抱きしめつつ、薄まった頭皮に唇をつけていた。気付かない間に、私を支える手が這い寄って、オッパイを揉み掴んでいるのすら、どうでもよかった。
クニ、ピチャパチャ、コリリ。
――ほん、やばぃ、アソコの真ん中が、弾けるみたいで、こわぃ、あつい!
「よし。いけっ、イケェ!」
「イ、グ? って、なぁニィ!」
――ピンビキ! ビリピリリ!
ぴん、と身体が弓なりになり、限界まで開脚してしまう。不細工に涙と鼻水を垂らす間も、股間では得たいのしれない熱が、私の身体と心の境界を溶かしていた。
「お、お゛、オォ」
チョロ、チョロロロロ。
やがて弛緩し切った股間から、黄金色の小さな噴水が現れた。それは、まるで、完全敗北を認めたみたいな放水だった。心が熱中症に冒されたみたいな、何もかも未知の体験、何もかも忘れられない経験を、義父に深々と刻まれた。
「おっ――まさか――中イキ――まんざら――っておい香苗」
眠りに落ちる瞬間を、何倍も遅くしたら、こんな感じなのかな? 失神する私は、ボヤッとそう思った。
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