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第三幕 滑り堕ちる
「ちょっと、出てくる」
日曜日の昼過ぎ、リビングにて和也が誰ともせずに呟いた。
「どこへ行くんじゃ?」
「――どこでもいいだろ?」
「パチンコか?」
返事の代わりに扉が強く閉まる音が鼓膜を震わせる。
「やれやれ、まったく」
そう言って腕組みをしつつも、心境は複雑であった。もちろん、和也への嫉妬心だけではない。
三回目から二日経った今日。美紗子ちゃんとの関係はややギクシャクしていた。会話も挨拶程度で、避けられている――とは言わないまでも。
「(どういう心理状態なんじゃろ)まぁ、あまり前向きなものでは無いじゃろうなぁ」
和也と美紗子ちゃんの性生活も不明。昨晩はこっそり寝室へ聞き耳をしてみたが、ヤッている気配はなかった。
何より彼女への、性欲以外に芽生えた奇妙な感情の扱いに難儀していた。そのせいか、昨日まで身悶えするほどに心を支配した性欲は、いくらか落ち着いていた。
タッ、タッ、タ。
二階の掃除を終えた美紗子ちゃんが降りてくる。ワシは習慣になってしまった掃除の振りをする。
「あ、お義父さん」
――いつもすみません。は、言わなかった。ワシは素知らぬ顔で、机を拭き、流し台を軽く洗おうと三角コーナーへ手を伸ばした時であった。
「あの、和也さんは?」
「今しがた出よった。夕飯までには帰ってくるじゃろ」
「そう、ですか」
ワシも散歩でも行くか。それとも自室でポルノ雑誌でも読むか――。
「お、お義父さん」
弱々しく呼び止められる。美紗子ちゃんは直立し、右手で左腕を掴んでいた。言い難そうなその表情から、ある言葉が頭をよぎる。
――稽古は、もう辞めにしましょうか――
手中にあるもの、必ずしも掌にあらず。ワシの目算が甘かったに他ならない。
「(後悔はないが、残念じゃった)どうした?」
「……」
目線をあちこちへと泳がしている。ワシが逆上するとでも思っているのじゃろうか。
「あ、の」
「ん?」
よく見ると耳まで赤くして、泣き出しそうな表情を作りつつ、想像も出来ぬ言葉を口にしおった。
「……今日は、何を?」
「えっ?」
ドクン。今、何と?
「だから。よ、四回目は、その――」
ドクン、ドクン。
この感情を上手く説明できない。まっ先に頭をもたげたのが、性欲であるのは間違いなかった。
だが、胸に渦巻く、この、心臓を圧迫するような、苦しいまでのこの想いは。
「(狭心症? いやいや、アホなこと言っておる場合か)そう、そうじゃったな」
悦びが胸中を満たす中、ズイ、っと大股で歩み寄り、肩に手を置く。小さく、温かい。
美紗子ちゃんはそっと見上げて、ワシの言葉を黙って待つ。
「(いずれにせよ、天はワシに味方してくれたな)三つの教えの最初に戻る。そう、積極性についてじゃな。そして、今日からいよいよ」
――本格的に稽古するぞ――
バタン。
ワシの自室へ招く。万が一、和也が早くに帰ってきた時の予防策じゃ。
「では布団にて、仰向けになってくれるか?」
言われるままに、ワシの匂いがこびりついている布団の上で、身体を横たえる。
呼吸と共に上下する胸は、白のカーディガンと黒のタンクトップの下にて、淫らに蠢くような錯覚すらする。
「今日は、胸を愛撫する」
キッパリと言い放つも、彼女は何も言わず、だが不安気にこちらを見る。
「今回の稽古の本質は、性的快楽に対して積極的になることじゃ」
「性的快楽に対して、積極的に――」
「セックスは元来、気持ちのよいものじゃが、同時にストレスも感じる。特に美紗子ちゃんのような楚々としたタイプは無意識下にて、淫らは恥じらい、と認識している場合が多い」
機関銃のごとく話しつつ、ワシはしわがれた右手を、彼女の左乳房の上へやおらに置く。服の上から伝わる体温と柔らかさに、手の平が熱くなる。
「じゃが、特定のパートナーとであれば、一定以上の淫乱さが性生活の助けになる。また普段から抑圧している自己の解放にもつながるじゃろう」
「自己の、解放……」
ややスピリチュアルな意見にも、想うところがあってか、耳を傾けてくれる。
「美紗子ちゃん、まずは?」
「リ、リラックスです」
まるで言い聞かせるように、口にする。
「(今日は勃起しても何ら問題ない。あぁ、最高じゃ)――そう、覚えたことは実践あるのみ」
そう言うと、今度は左手を右乳房の上に乗せる。そして、くゆらせるように手を小さく回して、マッサージもかねて五分ほど続ける。
「……」
やがて手を止め、人差し指でブラの先端を優しく押し下げ、そして戻す。これを三回ほど繰り返し、手を離す。
「美紗子ちゃん、上衣を捲ってくれんか?」
「!」
動揺が彼女を激しく揺さぶるも、これまでの稽古の成果か、おずおずと手を伸ばし、ゆっくりとめくりあげる。
――やや痩せ気味のあばら周りの肉付きと、綺麗なへそ、そして、着痩せを想わせる豊満な乳房が、桃色のブラジャーと共に出現する。
同時に、ボディソープと体臭が混じった、男殺しの、花開いたかのような匂いが拡散する。
「――綺麗じゃ」
「えっ」
「あ。いや、すまん」
半分は世辞で、半分は本気じゃった。照れたように、染みだらけの顔を指でかく。
「(和也さんに、そんな言葉を言われたことあったかな)……」
「で、では――」
そう言うと、まず左手をへそのあたりに擦り置く。干からびたワシの手は、みずみずしくて柔らかい腹に吸い付く。そして、右手はブラを覆うように手を密着させる。素材を貫通して体温の感じつつ、揉みほぐす。グニュ、グニュ。
「――」
やがて呼吸の乱れが収まってきた時、腹に密着していた左手を、空いている乳房へ近づけ、そして。
「んっ!」
人差し指をかぎ爪のごとく折り曲げ、ブラの隙間に差し込む。指の先端は、スベスベで柔らかい、突起物に触れる。
「リラックスじゃぞぉ」
出来るわけ無いと知りつつ、理性による思考を妨害するため、耳元にてつぶやく。
指腹で軽く擦ったあと、爪先で小さくひっかく。さらに軽く押し、また撫でる。
「――っ」
美紗子ちゃんは目をつむり、眉間に皺を寄せる。嫌悪感と羞恥心と戦っておるのかな?
「(その感情を、一枚一枚、丁寧に剥ぎ取ってやるからのぉ)……ふむ」
そして
「ぁ!」
右手の、しかも二本の指もブラの内側へ侵入する。二本の指は突起物に軽く触れて、やがてゆっくりと摘まみ揉む。
彼女の呼吸が、ますます荒くなる。その間も、ブラに隠された突起物は、老獪の指に好き勝手に弄られる。やがて、より手応えを感じ出す。
「(硬くなってきた。じゃがこれは感じているというよりは刺激による反射じゃな)美紗子ちゃん」
「……は、はい」
薄目を明けた彼女は、やや混乱状態にあった。ワシは口元が歪むのを抑えつつ。
「ブラを外すぞ」
三回ほど呼吸で胸が上下する間、なんの返答もなかったため、イエスと受け取った。ワシはブラから指を抜き、背中と布団の間に腕をもぐりこませる。
ホックを持とうとした瞬間、彼女が僅かに背中を持ち上げた。
ドクン。
刹那、真っ黒な愛おしさが、ワシの心臓を鷲づかみにした。
「(……ワシを、もっと受け入れさせル)よし」
プチン。他愛も無く外れて、ブラが浮き上がる。――そしてとうとう眼下に現れる。
豊満な乳房の上に鎮座するのは、生きた紅玉のごとき乳首。
「(ついにここまで)――うむ」
やや硬くなりつつある乳首は、ぷっくりと膨れており、桃色に震えていた。
いきなり乳首に触れる。――ことはせず、大きめの乳輪の外周を、なぞるように爪を立たせる。
「んっ!」
ピクン、と身体が揺れる。くすぐったさと同時に、得体の知れない感覚が走ったんじゃろう。
「美紗子ちゃん。今日は何の稽古じゃった?」
爪は相変わらず、乳輪をなぞりつつ、やや強めに詰問する。
「っ、ぅ。せ、積極、性の――」
「わかっておるなら、積極的になりなさい」
右の乳首だけ、指で摘まむ。グニグニ、っと弾力はグミだが、流れ通う血は温かく、指腹で堪能する。
「で、も――どぅ、ッ、やって?」
愛らしい顔が苦悶で歪むつど、ワシの中の加虐心が上限なく煽られる。
「もっと声を出しなさい」
「こ、ぇ?」
左手は乳輪から離れ、ついに乳頭に爪を軽く差し込む。
「ンンッ!」
今まで一番、大きな声をあげる。
「今のが喘ぎ声じゃ」
「あえぎ、ごえ――」
もはやほとんど思考もできてはおるまい。また、肉体的な快楽も開通しつつある。
ワシは顔を乳首へ近づける。その際、自分のパンツが我慢汁でベトベトになっているのに気づいた。
「喘ぎ声は性への抵抗を薄めて、羞恥の殻を破ってくれる。じゃからもっともっと」
開く口内では、汚い唾が歯から滴る。
「喘ぎ声を出しなさい」
パク、チュゥ!
「んあっ!」
心臓に近い方の乳首を舐め吸う。ぬめる舌は蛸の触手のように絡めとり、摩擦し、吸い、舌先で押す。もう片方は、指先で乳首の根元を爪にひっかくようになぞる。
「ふぁ、くぅ。お、義父さんっ」
感じておる、確実に。
あの美紗子ちゃんが、息子の嫁が、和也の妻が、六十八の義父に乳首を舐め吸われ、挙げ句に快感を得ておる!
「(――っと、あまり強く吸い過ぎると痛みかねん。痛みによる快楽はまだ先じゃ)ふぅ」
左右でバトントスして、逆側の乳首を口内に収める。こちらは趣を少し変えて、舌先で乳頭を執拗に責める。
「んふっ、ァ、ぅ」
チュポン、っと口から乳首を出す。
「美紗子ちゃん」
唐突に動きを止め、乳房を頬ずりしつつ上目遣いで彼女を見る。
「……ハァ、ハァ、は、い?」
目線が合う直前、わざと大きな舌を、ぬらぬらと照る乳首へと巻き付ける。
やっと終わったかと弛緩しつつある、彼女の視線を視姦しつつ。
「もっともっと、喘ぎなさい」
片方の乳首を五本の爪でつかみ、軽く引っ張る。
「ひぅん!」
心臓に耳を当てつつ、顔を横向けて彼女の乳首を舌で弾くように舐める。
ドックン、ドックン。
ワシのぼろぼろで皮脂のついた頭が、彼女のタンクトップとブラを押し上げる。薄くなった毛が、その綺麗な顎をくすぐる。
開始から四十分、上半身を起こす。そろそろ和也が帰ってくるやもしれぬ。
「ハァ、ハァ」
眼下には、過度に呼吸する、脱力気味の、乳首を丸出しにされた、愛らしい三十三歳の息子の嫁が横たわる。
見下ろすワシの目線は、うっすらと開いた彼女の視線とぶつかる。今日をもって、ワシらの関係は大きく変わることとなるじゃろう。
「今日はここまで。落ち着いたら服を直して降りなさい」
彼女は何も言わず、ボーッとワシを見ている。
「あと、中休みは今日で廃止。だから明日は五回目に入る。それと――」
ワシは口角を上げつつ身を屈め、彼女の耳元にて。
「今日の夜、ちゃんと復習をしておくのじゃぞ」
「――」
今回の乳弄りをもって、彼女の常識の内の大切な一つを、確実に壊せた。
「あなた、いってらっしゃい」
庭先のスズメが軽やかな鳴き声を響かせる翌朝。わざわざ玄関にて、和也を見送る美紗子ちゃんは、じゃが。
「……」
ガチャ。
何の挨拶ももらえず、しばし佇む。
ワシは、彼女のスウェットにスカートという格好姿を、背後から目で犯しつつ、朝食を終える。ズズズ、とお茶を飲み、チラリと時計を見やる。
「――美紗子ちゃん」
和也の出勤した後、不自然な音色にて声をかける。
「は、はい」
緊張した様子で、驚き顔をこちらへ向ける。
「パートまで、まだ少し時間があるじゃろ。一緒にソファへ座らんか?」
五回目を、理解してか。
「え? あっ。い、今から、ですか?」
嘘っ、という表情で固まる。だが、固まるだけであった。
――そう、昨日の乳しゃぶり以降、ワシらの間には、黒くて淫らな親近感が芽生えていた。
妊活の稽古台という偽りの切り口の果てに興じた淫行は、もはや拘束具のように彼女の心に絡みついていた。
罪悪、背徳、好奇心、快楽、慰め、その他の様々な負の感情が接着剤となり、もはや切開不能なほどに、癒着していたのだ。
「洗い物は、後でワシがしておくから」
――おいで――
ワシの言葉にはほの暗い支配感が宿り、彼女は性的服従という未知の快楽に、いつのまにか蝕まれていたのだ。
返事も待たずに、どっかり、と座る。
「……」
彼女は、やはり迷いながらも、ゆっくりと傍により、片手でお尻部分のスカートを伸ばしつつ、右隣に静かに座る。
「(もうワシの好色な視線に、声に、振る舞いに気づいておることじゃろう。今となってはただの劇薬にすぎんが)ところで、昨晩は」
そう言うと、髪に隠れた耳へ、かさついた唇を近づけて
「ちゃんと復習をしたか?」
加虐心でゾクゾクしつつ、吐息を吐きかける。
「――」
黙するその顔をみるため、少し首を傾けてのぞき見る。耐えるような表情を作り、手を重ねて絨毯を見ている。
「……今日は五回目の稽古に移るが、その前に今の質問に、正直に答えてもらえるか?」
腰に右手をあてて引き寄せると、何の抵抗もなくこちらへ上半身を預ける。清潔な女の香りが、鼻孔をくすぐる。
「――ました」
「ん?」
「き、昨日の夜は、和也さんと、エ、エッチがなかった、ので。寝る時に、復習、しまし、た」
恥辱に悶えつつ、震えながら真面目に独白をする姿に、興奮を禁じ得ない。
「どう、じゃった?」
曖昧に聞く。
「……ド、ドキドキしました」
「どこの情景が一番ドキドキした?」
被虐の悦びを、そろそろかと植え付け始める。
「――めるところ、です」
「聞こえんぞ」
「な、舐められた、ところ、が、です」
美紗子ちゃんは震えながら手を解き、握りこぶしを作って、スカートの上に置く。
破顔しそうな顔を、抑える。
「――では、話を戻そう。五回目は」
そう言いつつ左手で、スカートの上から足をさする。
「感度の稽古じゃ」
指に力を込めて大腿の間を押すと、当然だが隙間にスカートが押し込められる。その谷間に指を突っ込み、ふとももをなでる。
「――っ」
目をつむろうとする美紗子ちゃんへ。
「目をつむってはいかん」
ややきつく言い放ち、無理に瞼を上げさせる。
「よく見るのじゃ」
ワシに身体を触られるつど、命令されるたびに、まるで思考が抜け落ちるように、彼女は呆然とした。
右手を腰へ巻きつけて、スカートを捲りあげる。指にちょっと力を込めると、簡単にたくしあげられていく。
「!」
驚嘆する彼女は、だが瞳を震えさせるだけで、結局なにも言えず、何もしなかった。茫然自失のまま、ただただ自分のスカートが捲り上げって行くのを、見送っただけであった。
ミニスカートより少し上目に裾をたくしたところで、一度止める。
「綺麗な足じゃな」
そういうと対照的に皮張りの痩せた手で、その染み一つない足を、ねぶるように撫でる。
「っ」
泣きそうな表情で、ワシの指に触りたくられる足を、ただじっと見ていた。美紗子ちゃんの呼吸を五分ほど荒くし続けた後。
「じゃあ、最後は自分でたくし上げなさい」
「――へっ?」
震えながら、すぐ傍のワシの顔を見る。
「これも一種の『積極性』じゃ。っというか、本当に復習をしたのか? ワシは昨日、なんと教えた?」
歯も磨いていない状態で、わざと老いた溜息を、顔に吹きかけるように話す。
「せ、性的快楽、に対して、積極、的」
覚えておった。ひひひっ、覚えておったぞぉ。
彼女は壊れた人形のように首を、ギギ、と戻し視線をスカートへ戻す。汗だくの手で、ぎゅっ、とスカートを掴むと――。
「……なかなか、可愛らしい下着じゃな」
白のフラワーレースショーツが姿を見せる。
ワシは両手で足の内側を触り、揉み、徐々にと指を手前へ寄せる。つまり――。
「頂上に到着、といったところか」
下着が僅かに食い込んでいる、もっとも柔らかそうな部分に左手人差し指の指腹にて触れる。柔らかく、温かい、肉の祭壇の入り口を、指で押し入れようとした、その時。
目聡くも気づく。
「――だ、ダメ!」
初めて聞く拒絶と共に両手で下着を隠そうとするも、ワシの細腕で容易に掴み止める。
「……なんじゃ。この沁みは?」
何ということじゃぁ。
「っ!」
中央部分に小さくできたその箇所だけ、水を打ったように変色していた。
「美紗子ちゃん」
「……」
「美紗子ちゃんは、濡れやすい方か?」
耳元でくすぐるように尋問する。
「――くいです」
「……」
「和也、さんと、エッチ、する時は。あ、あまり、濡れなく、て。それで、中断とかも――」
「じゃが、ワシとの時は」
濡れる、と?
「――」
彼女の手を離す。もはや抵抗すまい。
ワシは沁み部分に人差し指を押し当てる。淫らに湿った感触を味わいつつ、逆に押し込む。
「んんっ!」
押し込んだまま、上へ下へ、グニグニと動かす。わずかだが沁みが広がっていく。
「やっ、んあっ」
彼女の口先に鼻を近づけ、淫らな吐息を思い切り吸い、開いた口から伸びる舌先が、鼻先につく。
左手は股間を押し撫で、右手は服の中へと侵入させる。
「あっ、ぁ」
服の中は温かく、また汗で湿気っていた。まず背面へと回り、ホックを事もなげに外す。露出した乳房の頂点は、予想通りツンとしていた。
「乳首、コリコリじゃぞ?」
「お、義父、さん。もう許し――」
だがその声は、一片の嫌悪も込められておらず、また女ではなく雌が発する声質であった。
「美紗子ちゃん」
「――?」
「喘ぎ声」
呆けた頭がその言葉を理解するよりも早く、左手の人差し指にて、下着の上からマン筋をかく。
「っ! アアア!」
小さな獣のような声。
ワシは右手の中指で乳輪をなぞりつつ、人差し指と親指で摘まむ。しわがれた顔を首に密着させ、舌で頸動脈のあたりを舐める。
「ハッ、ハッ!」
犬のように息を吐く彼女は、ついに脱力し、犯しているワシの方へ身体を預けてくる。
そのまま継続し、残っているくだらない理性とかいうゴミを、一つ一つたたき割る。
丁寧にいやらしく、しつこく身体中を愛撫し続ける。
「お義父、ぁ、さん」
完全に脱力し、おでこに小さな汗をかき始めたころ。
「(ちっ、もうすぐ出勤時間か)イク練習もしておけぃ」
「! そっ、れはっ、ダメぇ!」
沁みが三分の一ほどまで広がる中、なぞるように引っ掻き、人差し指で乳頭を刺す、舌は鎖骨のあたりを舐め狂い、そして――。
「――づっ!」
小さな咆吼と共に、ピクン、っと身体を震わせた瞬間、おもいきり抱きしめる。彼女も身体を安定させるためか、反射的にワシを抱きしめ返す。
一分ほどの抱擁の後、頭の位置を戻しつつ、肩を抱き寄せて、顔を近づけさせる。
眼前には、汗をかいた、放心状態の、匂い立つような雌の顔があった。鉛筆一本分の距離にて、ワシは何度も、その色めいた顔面に吐息を吹きかける。
まぁこんなものか、っと抱きしめる力を緩め、目を閉じたその時。
「――!」
ワシのかさかさの唇に、柔らかく、温かいモノが触れた。
日曜日の昼過ぎ、リビングにて和也が誰ともせずに呟いた。
「どこへ行くんじゃ?」
「――どこでもいいだろ?」
「パチンコか?」
返事の代わりに扉が強く閉まる音が鼓膜を震わせる。
「やれやれ、まったく」
そう言って腕組みをしつつも、心境は複雑であった。もちろん、和也への嫉妬心だけではない。
三回目から二日経った今日。美紗子ちゃんとの関係はややギクシャクしていた。会話も挨拶程度で、避けられている――とは言わないまでも。
「(どういう心理状態なんじゃろ)まぁ、あまり前向きなものでは無いじゃろうなぁ」
和也と美紗子ちゃんの性生活も不明。昨晩はこっそり寝室へ聞き耳をしてみたが、ヤッている気配はなかった。
何より彼女への、性欲以外に芽生えた奇妙な感情の扱いに難儀していた。そのせいか、昨日まで身悶えするほどに心を支配した性欲は、いくらか落ち着いていた。
タッ、タッ、タ。
二階の掃除を終えた美紗子ちゃんが降りてくる。ワシは習慣になってしまった掃除の振りをする。
「あ、お義父さん」
――いつもすみません。は、言わなかった。ワシは素知らぬ顔で、机を拭き、流し台を軽く洗おうと三角コーナーへ手を伸ばした時であった。
「あの、和也さんは?」
「今しがた出よった。夕飯までには帰ってくるじゃろ」
「そう、ですか」
ワシも散歩でも行くか。それとも自室でポルノ雑誌でも読むか――。
「お、お義父さん」
弱々しく呼び止められる。美紗子ちゃんは直立し、右手で左腕を掴んでいた。言い難そうなその表情から、ある言葉が頭をよぎる。
――稽古は、もう辞めにしましょうか――
手中にあるもの、必ずしも掌にあらず。ワシの目算が甘かったに他ならない。
「(後悔はないが、残念じゃった)どうした?」
「……」
目線をあちこちへと泳がしている。ワシが逆上するとでも思っているのじゃろうか。
「あ、の」
「ん?」
よく見ると耳まで赤くして、泣き出しそうな表情を作りつつ、想像も出来ぬ言葉を口にしおった。
「……今日は、何を?」
「えっ?」
ドクン。今、何と?
「だから。よ、四回目は、その――」
ドクン、ドクン。
この感情を上手く説明できない。まっ先に頭をもたげたのが、性欲であるのは間違いなかった。
だが、胸に渦巻く、この、心臓を圧迫するような、苦しいまでのこの想いは。
「(狭心症? いやいや、アホなこと言っておる場合か)そう、そうじゃったな」
悦びが胸中を満たす中、ズイ、っと大股で歩み寄り、肩に手を置く。小さく、温かい。
美紗子ちゃんはそっと見上げて、ワシの言葉を黙って待つ。
「(いずれにせよ、天はワシに味方してくれたな)三つの教えの最初に戻る。そう、積極性についてじゃな。そして、今日からいよいよ」
――本格的に稽古するぞ――
バタン。
ワシの自室へ招く。万が一、和也が早くに帰ってきた時の予防策じゃ。
「では布団にて、仰向けになってくれるか?」
言われるままに、ワシの匂いがこびりついている布団の上で、身体を横たえる。
呼吸と共に上下する胸は、白のカーディガンと黒のタンクトップの下にて、淫らに蠢くような錯覚すらする。
「今日は、胸を愛撫する」
キッパリと言い放つも、彼女は何も言わず、だが不安気にこちらを見る。
「今回の稽古の本質は、性的快楽に対して積極的になることじゃ」
「性的快楽に対して、積極的に――」
「セックスは元来、気持ちのよいものじゃが、同時にストレスも感じる。特に美紗子ちゃんのような楚々としたタイプは無意識下にて、淫らは恥じらい、と認識している場合が多い」
機関銃のごとく話しつつ、ワシはしわがれた右手を、彼女の左乳房の上へやおらに置く。服の上から伝わる体温と柔らかさに、手の平が熱くなる。
「じゃが、特定のパートナーとであれば、一定以上の淫乱さが性生活の助けになる。また普段から抑圧している自己の解放にもつながるじゃろう」
「自己の、解放……」
ややスピリチュアルな意見にも、想うところがあってか、耳を傾けてくれる。
「美紗子ちゃん、まずは?」
「リ、リラックスです」
まるで言い聞かせるように、口にする。
「(今日は勃起しても何ら問題ない。あぁ、最高じゃ)――そう、覚えたことは実践あるのみ」
そう言うと、今度は左手を右乳房の上に乗せる。そして、くゆらせるように手を小さく回して、マッサージもかねて五分ほど続ける。
「……」
やがて手を止め、人差し指でブラの先端を優しく押し下げ、そして戻す。これを三回ほど繰り返し、手を離す。
「美紗子ちゃん、上衣を捲ってくれんか?」
「!」
動揺が彼女を激しく揺さぶるも、これまでの稽古の成果か、おずおずと手を伸ばし、ゆっくりとめくりあげる。
――やや痩せ気味のあばら周りの肉付きと、綺麗なへそ、そして、着痩せを想わせる豊満な乳房が、桃色のブラジャーと共に出現する。
同時に、ボディソープと体臭が混じった、男殺しの、花開いたかのような匂いが拡散する。
「――綺麗じゃ」
「えっ」
「あ。いや、すまん」
半分は世辞で、半分は本気じゃった。照れたように、染みだらけの顔を指でかく。
「(和也さんに、そんな言葉を言われたことあったかな)……」
「で、では――」
そう言うと、まず左手をへそのあたりに擦り置く。干からびたワシの手は、みずみずしくて柔らかい腹に吸い付く。そして、右手はブラを覆うように手を密着させる。素材を貫通して体温の感じつつ、揉みほぐす。グニュ、グニュ。
「――」
やがて呼吸の乱れが収まってきた時、腹に密着していた左手を、空いている乳房へ近づけ、そして。
「んっ!」
人差し指をかぎ爪のごとく折り曲げ、ブラの隙間に差し込む。指の先端は、スベスベで柔らかい、突起物に触れる。
「リラックスじゃぞぉ」
出来るわけ無いと知りつつ、理性による思考を妨害するため、耳元にてつぶやく。
指腹で軽く擦ったあと、爪先で小さくひっかく。さらに軽く押し、また撫でる。
「――っ」
美紗子ちゃんは目をつむり、眉間に皺を寄せる。嫌悪感と羞恥心と戦っておるのかな?
「(その感情を、一枚一枚、丁寧に剥ぎ取ってやるからのぉ)……ふむ」
そして
「ぁ!」
右手の、しかも二本の指もブラの内側へ侵入する。二本の指は突起物に軽く触れて、やがてゆっくりと摘まみ揉む。
彼女の呼吸が、ますます荒くなる。その間も、ブラに隠された突起物は、老獪の指に好き勝手に弄られる。やがて、より手応えを感じ出す。
「(硬くなってきた。じゃがこれは感じているというよりは刺激による反射じゃな)美紗子ちゃん」
「……は、はい」
薄目を明けた彼女は、やや混乱状態にあった。ワシは口元が歪むのを抑えつつ。
「ブラを外すぞ」
三回ほど呼吸で胸が上下する間、なんの返答もなかったため、イエスと受け取った。ワシはブラから指を抜き、背中と布団の間に腕をもぐりこませる。
ホックを持とうとした瞬間、彼女が僅かに背中を持ち上げた。
ドクン。
刹那、真っ黒な愛おしさが、ワシの心臓を鷲づかみにした。
「(……ワシを、もっと受け入れさせル)よし」
プチン。他愛も無く外れて、ブラが浮き上がる。――そしてとうとう眼下に現れる。
豊満な乳房の上に鎮座するのは、生きた紅玉のごとき乳首。
「(ついにここまで)――うむ」
やや硬くなりつつある乳首は、ぷっくりと膨れており、桃色に震えていた。
いきなり乳首に触れる。――ことはせず、大きめの乳輪の外周を、なぞるように爪を立たせる。
「んっ!」
ピクン、と身体が揺れる。くすぐったさと同時に、得体の知れない感覚が走ったんじゃろう。
「美紗子ちゃん。今日は何の稽古じゃった?」
爪は相変わらず、乳輪をなぞりつつ、やや強めに詰問する。
「っ、ぅ。せ、積極、性の――」
「わかっておるなら、積極的になりなさい」
右の乳首だけ、指で摘まむ。グニグニ、っと弾力はグミだが、流れ通う血は温かく、指腹で堪能する。
「で、も――どぅ、ッ、やって?」
愛らしい顔が苦悶で歪むつど、ワシの中の加虐心が上限なく煽られる。
「もっと声を出しなさい」
「こ、ぇ?」
左手は乳輪から離れ、ついに乳頭に爪を軽く差し込む。
「ンンッ!」
今まで一番、大きな声をあげる。
「今のが喘ぎ声じゃ」
「あえぎ、ごえ――」
もはやほとんど思考もできてはおるまい。また、肉体的な快楽も開通しつつある。
ワシは顔を乳首へ近づける。その際、自分のパンツが我慢汁でベトベトになっているのに気づいた。
「喘ぎ声は性への抵抗を薄めて、羞恥の殻を破ってくれる。じゃからもっともっと」
開く口内では、汚い唾が歯から滴る。
「喘ぎ声を出しなさい」
パク、チュゥ!
「んあっ!」
心臓に近い方の乳首を舐め吸う。ぬめる舌は蛸の触手のように絡めとり、摩擦し、吸い、舌先で押す。もう片方は、指先で乳首の根元を爪にひっかくようになぞる。
「ふぁ、くぅ。お、義父さんっ」
感じておる、確実に。
あの美紗子ちゃんが、息子の嫁が、和也の妻が、六十八の義父に乳首を舐め吸われ、挙げ句に快感を得ておる!
「(――っと、あまり強く吸い過ぎると痛みかねん。痛みによる快楽はまだ先じゃ)ふぅ」
左右でバトントスして、逆側の乳首を口内に収める。こちらは趣を少し変えて、舌先で乳頭を執拗に責める。
「んふっ、ァ、ぅ」
チュポン、っと口から乳首を出す。
「美紗子ちゃん」
唐突に動きを止め、乳房を頬ずりしつつ上目遣いで彼女を見る。
「……ハァ、ハァ、は、い?」
目線が合う直前、わざと大きな舌を、ぬらぬらと照る乳首へと巻き付ける。
やっと終わったかと弛緩しつつある、彼女の視線を視姦しつつ。
「もっともっと、喘ぎなさい」
片方の乳首を五本の爪でつかみ、軽く引っ張る。
「ひぅん!」
心臓に耳を当てつつ、顔を横向けて彼女の乳首を舌で弾くように舐める。
ドックン、ドックン。
ワシのぼろぼろで皮脂のついた頭が、彼女のタンクトップとブラを押し上げる。薄くなった毛が、その綺麗な顎をくすぐる。
開始から四十分、上半身を起こす。そろそろ和也が帰ってくるやもしれぬ。
「ハァ、ハァ」
眼下には、過度に呼吸する、脱力気味の、乳首を丸出しにされた、愛らしい三十三歳の息子の嫁が横たわる。
見下ろすワシの目線は、うっすらと開いた彼女の視線とぶつかる。今日をもって、ワシらの関係は大きく変わることとなるじゃろう。
「今日はここまで。落ち着いたら服を直して降りなさい」
彼女は何も言わず、ボーッとワシを見ている。
「あと、中休みは今日で廃止。だから明日は五回目に入る。それと――」
ワシは口角を上げつつ身を屈め、彼女の耳元にて。
「今日の夜、ちゃんと復習をしておくのじゃぞ」
「――」
今回の乳弄りをもって、彼女の常識の内の大切な一つを、確実に壊せた。
「あなた、いってらっしゃい」
庭先のスズメが軽やかな鳴き声を響かせる翌朝。わざわざ玄関にて、和也を見送る美紗子ちゃんは、じゃが。
「……」
ガチャ。
何の挨拶ももらえず、しばし佇む。
ワシは、彼女のスウェットにスカートという格好姿を、背後から目で犯しつつ、朝食を終える。ズズズ、とお茶を飲み、チラリと時計を見やる。
「――美紗子ちゃん」
和也の出勤した後、不自然な音色にて声をかける。
「は、はい」
緊張した様子で、驚き顔をこちらへ向ける。
「パートまで、まだ少し時間があるじゃろ。一緒にソファへ座らんか?」
五回目を、理解してか。
「え? あっ。い、今から、ですか?」
嘘っ、という表情で固まる。だが、固まるだけであった。
――そう、昨日の乳しゃぶり以降、ワシらの間には、黒くて淫らな親近感が芽生えていた。
妊活の稽古台という偽りの切り口の果てに興じた淫行は、もはや拘束具のように彼女の心に絡みついていた。
罪悪、背徳、好奇心、快楽、慰め、その他の様々な負の感情が接着剤となり、もはや切開不能なほどに、癒着していたのだ。
「洗い物は、後でワシがしておくから」
――おいで――
ワシの言葉にはほの暗い支配感が宿り、彼女は性的服従という未知の快楽に、いつのまにか蝕まれていたのだ。
返事も待たずに、どっかり、と座る。
「……」
彼女は、やはり迷いながらも、ゆっくりと傍により、片手でお尻部分のスカートを伸ばしつつ、右隣に静かに座る。
「(もうワシの好色な視線に、声に、振る舞いに気づいておることじゃろう。今となってはただの劇薬にすぎんが)ところで、昨晩は」
そう言うと、髪に隠れた耳へ、かさついた唇を近づけて
「ちゃんと復習をしたか?」
加虐心でゾクゾクしつつ、吐息を吐きかける。
「――」
黙するその顔をみるため、少し首を傾けてのぞき見る。耐えるような表情を作り、手を重ねて絨毯を見ている。
「……今日は五回目の稽古に移るが、その前に今の質問に、正直に答えてもらえるか?」
腰に右手をあてて引き寄せると、何の抵抗もなくこちらへ上半身を預ける。清潔な女の香りが、鼻孔をくすぐる。
「――ました」
「ん?」
「き、昨日の夜は、和也さんと、エ、エッチがなかった、ので。寝る時に、復習、しまし、た」
恥辱に悶えつつ、震えながら真面目に独白をする姿に、興奮を禁じ得ない。
「どう、じゃった?」
曖昧に聞く。
「……ド、ドキドキしました」
「どこの情景が一番ドキドキした?」
被虐の悦びを、そろそろかと植え付け始める。
「――めるところ、です」
「聞こえんぞ」
「な、舐められた、ところ、が、です」
美紗子ちゃんは震えながら手を解き、握りこぶしを作って、スカートの上に置く。
破顔しそうな顔を、抑える。
「――では、話を戻そう。五回目は」
そう言いつつ左手で、スカートの上から足をさする。
「感度の稽古じゃ」
指に力を込めて大腿の間を押すと、当然だが隙間にスカートが押し込められる。その谷間に指を突っ込み、ふとももをなでる。
「――っ」
目をつむろうとする美紗子ちゃんへ。
「目をつむってはいかん」
ややきつく言い放ち、無理に瞼を上げさせる。
「よく見るのじゃ」
ワシに身体を触られるつど、命令されるたびに、まるで思考が抜け落ちるように、彼女は呆然とした。
右手を腰へ巻きつけて、スカートを捲りあげる。指にちょっと力を込めると、簡単にたくしあげられていく。
「!」
驚嘆する彼女は、だが瞳を震えさせるだけで、結局なにも言えず、何もしなかった。茫然自失のまま、ただただ自分のスカートが捲り上げって行くのを、見送っただけであった。
ミニスカートより少し上目に裾をたくしたところで、一度止める。
「綺麗な足じゃな」
そういうと対照的に皮張りの痩せた手で、その染み一つない足を、ねぶるように撫でる。
「っ」
泣きそうな表情で、ワシの指に触りたくられる足を、ただじっと見ていた。美紗子ちゃんの呼吸を五分ほど荒くし続けた後。
「じゃあ、最後は自分でたくし上げなさい」
「――へっ?」
震えながら、すぐ傍のワシの顔を見る。
「これも一種の『積極性』じゃ。っというか、本当に復習をしたのか? ワシは昨日、なんと教えた?」
歯も磨いていない状態で、わざと老いた溜息を、顔に吹きかけるように話す。
「せ、性的快楽、に対して、積極、的」
覚えておった。ひひひっ、覚えておったぞぉ。
彼女は壊れた人形のように首を、ギギ、と戻し視線をスカートへ戻す。汗だくの手で、ぎゅっ、とスカートを掴むと――。
「……なかなか、可愛らしい下着じゃな」
白のフラワーレースショーツが姿を見せる。
ワシは両手で足の内側を触り、揉み、徐々にと指を手前へ寄せる。つまり――。
「頂上に到着、といったところか」
下着が僅かに食い込んでいる、もっとも柔らかそうな部分に左手人差し指の指腹にて触れる。柔らかく、温かい、肉の祭壇の入り口を、指で押し入れようとした、その時。
目聡くも気づく。
「――だ、ダメ!」
初めて聞く拒絶と共に両手で下着を隠そうとするも、ワシの細腕で容易に掴み止める。
「……なんじゃ。この沁みは?」
何ということじゃぁ。
「っ!」
中央部分に小さくできたその箇所だけ、水を打ったように変色していた。
「美紗子ちゃん」
「……」
「美紗子ちゃんは、濡れやすい方か?」
耳元でくすぐるように尋問する。
「――くいです」
「……」
「和也、さんと、エッチ、する時は。あ、あまり、濡れなく、て。それで、中断とかも――」
「じゃが、ワシとの時は」
濡れる、と?
「――」
彼女の手を離す。もはや抵抗すまい。
ワシは沁み部分に人差し指を押し当てる。淫らに湿った感触を味わいつつ、逆に押し込む。
「んんっ!」
押し込んだまま、上へ下へ、グニグニと動かす。わずかだが沁みが広がっていく。
「やっ、んあっ」
彼女の口先に鼻を近づけ、淫らな吐息を思い切り吸い、開いた口から伸びる舌先が、鼻先につく。
左手は股間を押し撫で、右手は服の中へと侵入させる。
「あっ、ぁ」
服の中は温かく、また汗で湿気っていた。まず背面へと回り、ホックを事もなげに外す。露出した乳房の頂点は、予想通りツンとしていた。
「乳首、コリコリじゃぞ?」
「お、義父、さん。もう許し――」
だがその声は、一片の嫌悪も込められておらず、また女ではなく雌が発する声質であった。
「美紗子ちゃん」
「――?」
「喘ぎ声」
呆けた頭がその言葉を理解するよりも早く、左手の人差し指にて、下着の上からマン筋をかく。
「っ! アアア!」
小さな獣のような声。
ワシは右手の中指で乳輪をなぞりつつ、人差し指と親指で摘まむ。しわがれた顔を首に密着させ、舌で頸動脈のあたりを舐める。
「ハッ、ハッ!」
犬のように息を吐く彼女は、ついに脱力し、犯しているワシの方へ身体を預けてくる。
そのまま継続し、残っているくだらない理性とかいうゴミを、一つ一つたたき割る。
丁寧にいやらしく、しつこく身体中を愛撫し続ける。
「お義父、ぁ、さん」
完全に脱力し、おでこに小さな汗をかき始めたころ。
「(ちっ、もうすぐ出勤時間か)イク練習もしておけぃ」
「! そっ、れはっ、ダメぇ!」
沁みが三分の一ほどまで広がる中、なぞるように引っ掻き、人差し指で乳頭を刺す、舌は鎖骨のあたりを舐め狂い、そして――。
「――づっ!」
小さな咆吼と共に、ピクン、っと身体を震わせた瞬間、おもいきり抱きしめる。彼女も身体を安定させるためか、反射的にワシを抱きしめ返す。
一分ほどの抱擁の後、頭の位置を戻しつつ、肩を抱き寄せて、顔を近づけさせる。
眼前には、汗をかいた、放心状態の、匂い立つような雌の顔があった。鉛筆一本分の距離にて、ワシは何度も、その色めいた顔面に吐息を吹きかける。
まぁこんなものか、っと抱きしめる力を緩め、目を閉じたその時。
「――!」
ワシのかさかさの唇に、柔らかく、温かいモノが触れた。
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