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四両目
またのご乗車を心よりお待ち死ております
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「ぶひひ――おははっ! ……あ? う?」
ガタン、タタン。カタン、タダン。
……半裸どころかほぼ全裸に誓い私は、身体のあちこちに汗や体液、手垢に埃が付着した、そりゃもう見るからに汚らしい姿だった。
三両目の中でただ一人、汚れた座席シートに座って、だらしなく開いた股の膣穴からは鼻水みたいな精液が雫みたいに垂れていた。乳首まで白く汚れていて、何より口の中が苦くて臭かった。
「……」
心も体もズッタボロの、グッシャグシャだった。今更だけど、まだ狂いきってない自分に、すげーと小さく驚いた。
……薄暗い視界の中、頭がほぼ動いていないけど、扇風機が首を振るみたいに周囲を見る。さっきまであったはずの卑猥な広告も古い照明機も見当たらなくて、何より人影すらなかった。まるで私に付着した体液や手垢だけが、夢からこぼれ落ちたみたいに残っていた。
ギ、ギギィー。
「?」
鈍く錆びついたみたいな、もしくは悲鳴のような音がした方へ、力なく顔を向ける。四両目こと――最後の車両への扉が、半開きになっていた。
目を凝らすけど、今までと違って車両内の弱い照明の光を全て飲み込んでも、真っ暗で先が見えなかった。まるで地獄への穴みたいに。
「……」
けど放心状態の私は、輪姦され終えた情けない姿勢のまま、それでも動けなかった。
もういつからこの電車に乗って、どれくらいの時間が経ったのかすらわからなかった。そもそも、なんで、アタシは、犯されたんだっけ? てか、ナニをどうするために、こんなところで、全裸のまま股を開いているの?
「(でも、確か、先の、車両へ)――ぐ、づ」
頭の片隅にある、私だか誰だかよくわからない考えだか意志だけで、穢れた身体を汚い座席シートから起こそうとする。もう指先一つ押されれば、壊れるくらいの正気な私は、意味不明なうめき声をこぼしながら、それでも力んで立ち上がる。
貧血みたいに――フラッとした後、股間からまた精液が流れ出ちゃった。みっともなくて薄ら笑いを浮かべつつも、習慣のせいからか、下着や服装を雑に整え直す。片足のヒールが脱げたまま、足を引きずるみたいな変な歩き方で、最後の四両目へと進んだ。
ガタン――ギィィ――タタン――ガッチャン。
「こ、こ?」
……四つ目の車両内は照明が一つも点いていなかった。窓から走り入る残光は、古ぼけ黄ばんだ照明灯が線みたいに照らして、辛うじて他の車両と同じ構造ということがわかった。
一点だけ違うのが、一番前にある車掌室が、ガラス越しにほんの少しだけ見えた。そりゃそうだよね? だってここは、先頭車両なんだもん。よろけそうな私は、車両の真ん中くらいまで何とかやってきた。ホントにどうでもいいことだけど、バッグを無くしていたことに今さら気づく。
ガチャ。
「ぅ?」
呻く私の、棒みたいな足が止まる。車掌室から人影が出てきたから。暗くて見えにくいけど、年代を感じさせる紳士服に、外国風の帽子を目深く被っているっぽかった。
――誰だっけ? 会ったことがあるような、ないような。けど、車掌さんじゃないことだけはわかった。服装が違うのもだけど、だって最初に見た時、車掌室には誰もいなかったから。
「……」
その男? は足音も立てずにこっちまでやってくると、目の前で立ち止まった。暗いせいで顔はわからないけど、指が六本あるように見えた。あはは、とうとう目も見えなくなってきたのかな?
カタ、タタ、タン。
少し吊り革が揺れて、振動も小さくなったと感じた瞬間だった。
「マンイン℁¢なのΦデ、4降車でき魔すЁ」
あ、たま、割れそぅ。だ、って人間が出せるとは思えない、ガジガジでギザギザした妙な――アヒッ――声なんだ、もん。
え? てか今、なんて?
「(えと)降りて、いい、の?」
「……」
カタン、タン、ガッタン……プシュー。
「ぅわ」
バタンッ。
ずっと走り続けていた電車が、ここに来て減速、さらに止まったその揺れで倒れちゃう。床に這いつくばった目線の先、まるで嫌々そうに、赤黒く錆びた扉が、開く。その先には、見たことがあるような無いような、汚い古びた駅の発着場があった。
「あ、あっ、ア」
私は半開きの口のまま、妙な男と扉の先を交互に見た。男は全く動かず、向きも変えなかった。瞬きすら忘れた私は、匍匐前進するみたいな、めちゃくちゃダサい姿勢のまま、両腕を前後させる。
「は、ひっ、あ」
電車と発着場の間に落ちたりだけしないよう、そこだけ力を込めて、こめて。
――ザッ、ゴロロ。
転がり降りる私は、黄色い線に軽く頭を打った。
「え、ぃ。ひゃ?」
大の字で汚れて冷たいコンクリの床に、私の埃まみれの髪が、放射線状になびいた。
ガタン、タタン。カタン、タダン。
……半裸どころかほぼ全裸に誓い私は、身体のあちこちに汗や体液、手垢に埃が付着した、そりゃもう見るからに汚らしい姿だった。
三両目の中でただ一人、汚れた座席シートに座って、だらしなく開いた股の膣穴からは鼻水みたいな精液が雫みたいに垂れていた。乳首まで白く汚れていて、何より口の中が苦くて臭かった。
「……」
心も体もズッタボロの、グッシャグシャだった。今更だけど、まだ狂いきってない自分に、すげーと小さく驚いた。
……薄暗い視界の中、頭がほぼ動いていないけど、扇風機が首を振るみたいに周囲を見る。さっきまであったはずの卑猥な広告も古い照明機も見当たらなくて、何より人影すらなかった。まるで私に付着した体液や手垢だけが、夢からこぼれ落ちたみたいに残っていた。
ギ、ギギィー。
「?」
鈍く錆びついたみたいな、もしくは悲鳴のような音がした方へ、力なく顔を向ける。四両目こと――最後の車両への扉が、半開きになっていた。
目を凝らすけど、今までと違って車両内の弱い照明の光を全て飲み込んでも、真っ暗で先が見えなかった。まるで地獄への穴みたいに。
「……」
けど放心状態の私は、輪姦され終えた情けない姿勢のまま、それでも動けなかった。
もういつからこの電車に乗って、どれくらいの時間が経ったのかすらわからなかった。そもそも、なんで、アタシは、犯されたんだっけ? てか、ナニをどうするために、こんなところで、全裸のまま股を開いているの?
「(でも、確か、先の、車両へ)――ぐ、づ」
頭の片隅にある、私だか誰だかよくわからない考えだか意志だけで、穢れた身体を汚い座席シートから起こそうとする。もう指先一つ押されれば、壊れるくらいの正気な私は、意味不明なうめき声をこぼしながら、それでも力んで立ち上がる。
貧血みたいに――フラッとした後、股間からまた精液が流れ出ちゃった。みっともなくて薄ら笑いを浮かべつつも、習慣のせいからか、下着や服装を雑に整え直す。片足のヒールが脱げたまま、足を引きずるみたいな変な歩き方で、最後の四両目へと進んだ。
ガタン――ギィィ――タタン――ガッチャン。
「こ、こ?」
……四つ目の車両内は照明が一つも点いていなかった。窓から走り入る残光は、古ぼけ黄ばんだ照明灯が線みたいに照らして、辛うじて他の車両と同じ構造ということがわかった。
一点だけ違うのが、一番前にある車掌室が、ガラス越しにほんの少しだけ見えた。そりゃそうだよね? だってここは、先頭車両なんだもん。よろけそうな私は、車両の真ん中くらいまで何とかやってきた。ホントにどうでもいいことだけど、バッグを無くしていたことに今さら気づく。
ガチャ。
「ぅ?」
呻く私の、棒みたいな足が止まる。車掌室から人影が出てきたから。暗くて見えにくいけど、年代を感じさせる紳士服に、外国風の帽子を目深く被っているっぽかった。
――誰だっけ? 会ったことがあるような、ないような。けど、車掌さんじゃないことだけはわかった。服装が違うのもだけど、だって最初に見た時、車掌室には誰もいなかったから。
「……」
その男? は足音も立てずにこっちまでやってくると、目の前で立ち止まった。暗いせいで顔はわからないけど、指が六本あるように見えた。あはは、とうとう目も見えなくなってきたのかな?
カタ、タタ、タン。
少し吊り革が揺れて、振動も小さくなったと感じた瞬間だった。
「マンイン℁¢なのΦデ、4降車でき魔すЁ」
あ、たま、割れそぅ。だ、って人間が出せるとは思えない、ガジガジでギザギザした妙な――アヒッ――声なんだ、もん。
え? てか今、なんて?
「(えと)降りて、いい、の?」
「……」
カタン、タン、ガッタン……プシュー。
「ぅわ」
バタンッ。
ずっと走り続けていた電車が、ここに来て減速、さらに止まったその揺れで倒れちゃう。床に這いつくばった目線の先、まるで嫌々そうに、赤黒く錆びた扉が、開く。その先には、見たことがあるような無いような、汚い古びた駅の発着場があった。
「あ、あっ、ア」
私は半開きの口のまま、妙な男と扉の先を交互に見た。男は全く動かず、向きも変えなかった。瞬きすら忘れた私は、匍匐前進するみたいな、めちゃくちゃダサい姿勢のまま、両腕を前後させる。
「は、ひっ、あ」
電車と発着場の間に落ちたりだけしないよう、そこだけ力を込めて、こめて。
――ザッ、ゴロロ。
転がり降りる私は、黄色い線に軽く頭を打った。
「え、ぃ。ひゃ?」
大の字で汚れて冷たいコンクリの床に、私の埃まみれの髪が、放射線状になびいた。
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