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15話目 弱肉強食都市、アルファポリス
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「おい! いい加減に離せよ!!」
俺とサターシャは意味も解らず連行され、牢屋へと連れてこられていた。
「キャッ!!」
床に放り投げるように、俺達は檻の中へ閉じ込められ、ガチャリと扉に錠がされる。
宿屋で拘束されてから何が原因なのかを問い続けているが、男たちは答えるそぶりも見せなかった。俺はアルファポリスに着てからの自分達の行動を一から振り返ったが——どうしても、答えは出なかった。
「意味わかんねーよ! ここから出せ!!」
男たちは何も答えず牢から去っていく。
不安そうにうなだれるサターシャに俺は声を掛ける。
「俺達、飯食ってただけだよな?」
「なにか。気付かないうちにこの世界のルールを破ってしまったんでしょうか……」
「ライセンス……。宿屋の店主はそう言ってたな……」
「クックック……」
「誰だ!!」
牢の奥。暗がりから男の笑い声が聞こえてきた。どうやらこの牢には、俺とサターシャの外にも先客がいたらしい。
「自分ら。この世界に来たばかりの転移者でっか?」
「転移……そ、そうですけど……」
サターシャの答えに満足したかの様に姿を現した長身の男。およそ190はあるだろう。屈強な体つきから彼が戦士であることが伺える。
「ワイもや。ワイもやってもうた。ここに流れ着いた転移者のほとんどはこの世界のルールも知らんと下に落とされる」
「落とされるって……どこに?」
「そのままの意味や。下に……地上に落とされる。誰にも見向きもされず、スコップも届かず、日の光の当たらん世界。俗にいう埋もれた世界や。自分ら、アルファポリスを浮遊都市だと思っとるんやろう?」
「あ、ああ。空に浮かんだ空中都市——」
「ちゃうねん。そこはプロ、所謂書籍化を果たした強者のみに許される場所。アルファポリスの大半は、見向きもされん暗黒世界なんや。一見はランキングしか見ないねん。そこはいつだってプロの指定席なんや」
「でも、誰だって自由に投稿できる場なんですよね!? 他の投稿サイトみたいに——」
「アルファポリスは他のサイトとは違う。この世界はな、閲覧数に応じて金が貰えてしまうんよ。故に、上位陣はプロが独占しとる」
道理で、俺達が入ったどの店にもハズレが無かったわけだ。
彼らは皆素人ではなく、その一線のプロだったんだから。
俺とサターシャは意味も解らず連行され、牢屋へと連れてこられていた。
「キャッ!!」
床に放り投げるように、俺達は檻の中へ閉じ込められ、ガチャリと扉に錠がされる。
宿屋で拘束されてから何が原因なのかを問い続けているが、男たちは答えるそぶりも見せなかった。俺はアルファポリスに着てからの自分達の行動を一から振り返ったが——どうしても、答えは出なかった。
「意味わかんねーよ! ここから出せ!!」
男たちは何も答えず牢から去っていく。
不安そうにうなだれるサターシャに俺は声を掛ける。
「俺達、飯食ってただけだよな?」
「なにか。気付かないうちにこの世界のルールを破ってしまったんでしょうか……」
「ライセンス……。宿屋の店主はそう言ってたな……」
「クックック……」
「誰だ!!」
牢の奥。暗がりから男の笑い声が聞こえてきた。どうやらこの牢には、俺とサターシャの外にも先客がいたらしい。
「自分ら。この世界に来たばかりの転移者でっか?」
「転移……そ、そうですけど……」
サターシャの答えに満足したかの様に姿を現した長身の男。およそ190はあるだろう。屈強な体つきから彼が戦士であることが伺える。
「ワイもや。ワイもやってもうた。ここに流れ着いた転移者のほとんどはこの世界のルールも知らんと下に落とされる」
「落とされるって……どこに?」
「そのままの意味や。下に……地上に落とされる。誰にも見向きもされず、スコップも届かず、日の光の当たらん世界。俗にいう埋もれた世界や。自分ら、アルファポリスを浮遊都市だと思っとるんやろう?」
「あ、ああ。空に浮かんだ空中都市——」
「ちゃうねん。そこはプロ、所謂書籍化を果たした強者のみに許される場所。アルファポリスの大半は、見向きもされん暗黒世界なんや。一見はランキングしか見ないねん。そこはいつだってプロの指定席なんや」
「でも、誰だって自由に投稿できる場なんですよね!? 他の投稿サイトみたいに——」
「アルファポリスは他のサイトとは違う。この世界はな、閲覧数に応じて金が貰えてしまうんよ。故に、上位陣はプロが独占しとる」
道理で、俺達が入ったどの店にもハズレが無かったわけだ。
彼らは皆素人ではなく、その一線のプロだったんだから。
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