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エピローグ2

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「あぁぁぁああああぁぁぁ」

 向かいの家では前向きな会話がされているなか、昨日からずっと頭を抱えている母を見る。

(ふふ、でもいい気味)

 私はその姿を見てほくそ笑む。なんていっても兄の婚約が決まったのは私が3歳の時。物心がつきそれを知ってから私はずっと母を恨んでいた。

(私のお兄さまにあんなクソ女はふさわしくないわ)

 それがようやくお兄さまがあのクソ女に婚約破棄を言い渡してくれた。ああ、素敵。記念日にしてもいいくらい。婚約破棄記念日としましょうか。

「ふふ、ふふふふふ」

 ああ、お兄さま。あと2年待っていてくださいませ。私も15歳になりましたらお兄さまのもとに向かいます。
 そうすればもう邪魔をするものもいません。二人っきりで楽しく過ごせることでしょう。

「ふふ、ふふふふふ」

 想像するだけでそれは幸せな生活。2年間、お兄さまと会えないのはとても寂しいけれど、その後を考えれば我慢もできる。

ああ、お兄さま
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