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第10章:東の蛮族を潰します!
ここは川中島ではないです(第10章おわり)
しおりを挟む意外と邪神オニミーノの軍勢は少なかった。
なんだよ。ビクビクして損した。純情な俺の心をもてあそびやがって!
およそ1500人?
武田勢27000のうちの5%くらいかな。じゃ20人近く侍大将級がいるのか。人材豊富だね。
赤備えみたく迫力はないけどしぶといね、こいつら。
時間的な余裕があったからかな。矢盾用意している。もちろん鉄砲は貫通するけどね。その向こうの甲冑までは貫けない。
「殿。第2大隊半数を敵の左に回り込ませます。それでよろしいでしょうか?」
いや、半兵衛っちの作戦です。光秀は差し出がましいことは言いません。
「うむ」
「では伝令。第2大隊第1第2中隊、500名。騎乗して左回りにて馬場隊の北より射撃。本隊の突撃の援護をせよ」
少しすると北に回った部隊から鉄砲連射音。
武田勢の弓兵、結構頑張っているね。遠矢をビシバシ射て来て危ないったらない。
ひゅん。
光秀の馬に当たりそうになった。
当たったらお馬さんが可哀そうじゃないか! 即座に加速。飛んで来た矢をつかんでボキッと折って捨てようとしたけど、ついでなので武田の方へ投げる。
お馬さんに乗ってから加速を解く。
「殿さん。馬場信春が落馬したぜ。どうやら流れ矢が当たったらしいが。明智機動部隊は矢を使っていないが、なぜだろうな」
「同士討ちでありましょうか?」
「何でもいいさ。ここが勝負どころ。殿さん、突っ込んでいいか?」
「あ……ああ。慶次、馬場隊を蹴散らせ」
な~んでしょ?
何が起きたか光秀、知らない。
馬場よりもお馬さんの方が大事です。
「十兵衛よ、第1大隊1000、突撃準備できたぜ。目の前の信玄の本陣、どう攻める?」
真っ白な歯をキラリとさせながら、利家のに~ちゃんが馬上から命令を待っている。
俺はさりげなく隣の半兵衛っちの方を見て、「作戦どうします?」と無言で聞く。
「殿。信玄本陣は4000ほどかと。それに後備えも堅固。多分逃げる時の準備もしておりましょう。
こちらへ向けている兵は半数の2000と思います。ここに突入するのはいたずらに兵を消耗するのみで、信玄をうち洩らす事に」
俺は、秘儀「信ちゃんの真似!」を発動。
続けよ、という視線を送る。
「こちらの兵力3500。しかし2000は騎馬。機動力は勝りまする。2人乗りをしてきた第2第3大隊は、ここで射撃後に突撃する準備を見せます。
まだ余裕のある第1大隊と慶次殿の直轄騎馬隊で北側に回り込み……」
「そこに突撃をかけるか!?」
「いいえ、慶次殿は第1大隊とともに、そこで待機。時を見計らって突撃を。第1の第4中隊250をつけ、賤ヶ岳13人衆を信玄の逃亡可能ルートに伏せます」
「では台地上から追い落として、狙撃をすると?」
義元の時と同じ感じ?
でも今度はもっと纏まった人数の敵がここに集結しているけど。特に山県隊の赤備えが機動力を生かして助けに来るんじゃない?
それを質問すると。
「ご主人様。甲賀の者が谷間に伏せていますです。騎馬は縄を張って落馬させるです」
「おお、偉いぞアゲハ!」
久々に頭ぽんぽんを戦場でしてもらい、ごろごろ転がって嬉しさを表現しているアゲハ。
「で。俺はどうする」
「はっ。殿は……」
なんか嫌な予感がする。
「やはり謙信でも取れなかった信玄の首を狙っていただきたく。一騎打ちを。逃がしても不可能を可能にする13人のスナイパーが伏せております」
「おお。絵になるな! 冬木殿が行きたかったと悔しがるであろうな! 十兵衛よ」
「おうよ。殿さんの生きる伝説を後世に伝えねばならねぇ」
「アゲハ、代わりに絵を描くです!」
それはやめて置け。
結局、こうなっちゃうのか。
信玄って個人的な武力ってどうなの?
ツオイ?
よわっちい?
よわっちい事を切に希望する光秀です。
◇ ◇ ◇ ◇
南で合戦の協奏曲が聞こえる。
合戦協奏曲。
信長がここにいればきっと素敵なマンガになるでしょう?
あの作品は秀逸でした。
信玄本陣を救援に来れる武田勢はほとんどいません。家康君が攻勢に出てくれたみたい。酒井君が突出したせいで、その救援も兼ねているのかな?
とにかく信玄本陣までは下り坂。信玄は結構焦っているんじゃね?
正史と全く正反対。地形的に有利な明智機動部隊です。
でももう少しすると夕日がまぶしくて射撃がしにくい。早く決戦しないとなんです。
「準備ができました。東の第2第3大隊に突撃の素振りをさせます」
「そして次に北の第1が突撃だな」
「はい。その後に……」
俺がその更に西を少数の騎馬で突撃。
普通さぁ、部隊長とか大将って本隊の中央にいない?
せめて先陣を切るとかさ。
なんで別動隊指揮するんだよ?
今回も別動隊。
「信頼しております」
「殿さんなら俺よりも迫力あるぜ」
「十兵衛には鬼神が宿ているからな」
とか、勘弁して!
仕方ないから『正史では』靜ヶ岳七本槍だった、田中吉政とか脇坂安治とか片桐且元とか連れて来た。
でも田中君以外はみんなオコチャマで。
ああ、ついでに大男なんで迫力満点な藤堂高虎も連れて来た。
みんな若いねぇ。
これから育ちざかり。秀吉君の下ですくすくと成長し……ないんでしょうね。なんでこんなSR武将を配下にするんでしょう、光秀。
みんな、憧憬と信頼のまなざしを送って来る。
そんなに光秀と同じ道を歩みたい?
でも6畳1間にはそんなに入れません。みんな用の6畳間を作ってやるから好きにしてちょうだい。それならうれしい? 城に住むより楽しいと思うよ! 感謝しなさい。
「殿。ここは某に先陣をお任せあれ!」
「いや某が!」
「何をぬかす。俺が!」
好きにして。
真っ正面に薄くなった信玄の馬廻り衆がいる。
そいつらに『石』を投げつけていく。大谷選手並みの160km/h剛速球が次から次へと馬廻りを落馬させていく。
見えた!
有名な金色の角に獅子の唐毛で飾られた兜の武将。
風林火山の旗の下にどっしりと腰を掛けた武将が……
やっぱり二人いました~
どっちかが本人。
どっちかが影武者の弟の逍遥軒。
似ていすぎ。
両方倒す時間なさそうだし。
どうすんべ。
そうだ。
光秀、ひねくれものだから。
大声で呼びかけた。
「逍遥軒殿! お命頂戴する!」
あ、片方がこっち向いたの。
こいつ、逍遥軒だな!
じゃ逆の方が本人だ~~~~
「信玄殿、お覚悟! 明智十兵衛光秀推参なり!」
俺は腰の後ろから、ダマスカス風ククリを抜き放つ。お馬さんの鞍に立ってジャンプ!
かっこつけて1回転、ついでにひねりをくわえて信玄の後ろに立つ。
しかしさすがに戦国の雄、信玄。手にした鉄製軍配で首をカバーした。首筋は狙えないので背中を蹴っ飛ばした。
前に転がる信玄。かっこ悪い。
左右から延びてくる馬廻りの槍を斬り落としながら、立ち上がりかけた信玄の前に。
「信玄。貴様に恨みはない。だが俺の大望のために死んでくれ」
「お前の大望とはなんじゃ? 天下を手にすることか?」
「いや。テンガを手にしてシコシコ……違う! 天下などしけたことは考えてはいない」
「ではなんじゃ」
「それはな、世界を支配すること。
この世をば、我が部屋と思うサブカルの、欠けたることがなきヲタク部屋、だ!」
ズサッ!
軍配で塞がれていない隙間からククリ的な冬木刀が首を狩る。
まあ一応、様式美だから宣言しようか。
「織田右近衛大将信長が臣、明智十兵衛光秀。甲斐の虎、武田信玄を討ち取った!!」
きっと三方ヶ原七本槍になるんでしょう、田中吉政くんの手槍を借りてその穂先に信玄の首刺して、みんなに見せる。
こう言うのってさ。
もっと地位の低い武士がやる仕事じゃない?
ワンマン社長嫌われるよ?
光秀、皆に嫌われるの嫌い。
もういたしません。
今度はだれかやってね。それにはもっと家臣育てないと。そして育てた家臣をそっくり秀吉に差し出して、代わりに大きな城もらって隠居します。
くれるよね、秀吉君。
なんか最近、つれないんだけど優秀な部下育成するからさ。
よろしく頼みます!
<もう一度地図>
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