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第13章:天下を光っつ光っつにしてやんよw
闇落ちコワイワー
しおりを挟む「殿! 敵本陣に磔《はりつけ》にされた者が……あれは、寧々さま?」
「寧々さんだな。顔を確認した。ちなみに2人目3人目はいない。本人だ」
「長浜は落城したのか?」
慶次、こんな時まで数にこだわるな!
「光秀!! よく見るがいい! お主の恋女房を長浜からさらってきたわ。忍びを各地に派遣しすぎたな。容易に侵入できたわ」
ムムム。
流行りのNTRか?
光秀はそういう性癖はないんですが。
だがまだこっちへ連れてこられたばかりらしい。そうでなければもっと早く切り札を切っていただろう。
「秀吉の下郎! 配下が寧々さまの両脇腹に槍を向けてやがる。殿さんよ。これでは手出しが出来ねぇ」
鉄砲で撃っても、こちらの発砲と一緒に槍で刺す事が出来る。
「殿。秀吉はすでにこの戦、投げているのかも。ただ単に、殿に対する憎しみだけで動いているようにも見えます」
半兵衛っちの言うとおりだ。
すでに羽柴勢は、中央は本陣の数百名のみ。
左右の部隊は兵を下げている。秀吉を見捨てたらしい。
「光秀! おれの手に入れるはずだったものを次から次へと横から奪いやがって! おかげでおれはこの様だ! 天下を取ることはもうできぬ。
お前の魂胆、サブカルとやらを叩き潰すこともできなかった。
だがせめてこの売女をお前の目の前で殺してやる。
せいぜい悔しがるがいい!」
おのれ!
俺は人生で初めて人を殺したいと思った。
こんなヘタレでも人間やめちゃいない。
「秀吉! 寧々ちゃんはそんな風に言われるような女じゃない!
それになんだよ!? お前が手に入れると決まっていたのか? 寧々ちゃんも長浜城もその他いろいろも。お前から奪ったとなぜ思う!?」
おかしいよな。
この世界じゃ秀吉は坂本城を与えられて朝廷工作をするために、必死で伝統芸能を習っていたんだろ?
光秀役を頑張っていたじゃないか。
それが自分の人生だと思って働いていたなら、俺に奪われたとか言わないはず。今の秀吉は光秀役をしていただけで、俺に奪われたとは思わ……
?
だれかがそそのかした?
「おまえは天下人になる」って。
実は秀吉は寧々を娶って長浜城を建てる。そして中国攻めをすると。
「ふぁ、ふぁ、ふぁ、ふぁ!!
明智光秀よ。いや偽物の明智十兵衛光秀よ。そろそろ歴史破壊活動をやめてもらう。
この世にヲタクは栄えない!
不浄なサブカル文化を抹殺してくれよう」
秀吉のとなりに立っていた僧形の者が菅笠を取って、大声で俺の秘密を明かす。
なぜ俺が光秀の子供だと、本人ではないと知っている?
「儂が本物の光秀よ。12年に渡って父として育てて来たのを忘れるとは人の道に反するものじゃ。さすがヲタクであるな」
こ……いつ。
顔が全く違うじゃないかよ。こんなしわくちゃじゃわからん。
「そればかりか命の恩人に向かっての礼もない」
「なんだ? その命の恩人とは?」
「あれよ。トラックにはねられそうになった時、助けたであろうが」
令和の記憶がよみがえる。
とーちゃんかーちゃんが全財産を失って失踪後、残された俺は莫大な借金を負っていたことを貸金業者から告げられた。
もちろん財産放棄して日当たりの悪いボロアパートでひっそりと暮らしていたよ。
だが貸金業者も引当金のめどが立たず、倒産するときに質の悪い反社にその名簿を売り渡したらしい。
その反社が勝手に俺に死亡保険をかけて、トラックではねようとしたのだ。
教えてくれたのは坊主。
だがな。
実は反社をそそのかしたのは、その坊主だったのは調べて分かったんだぞ! それを確認しようとしたら、改めてトラックでひき殺そうとするとか悪逆卑劣にもほどがある。
「ぬかせ! 俺を殺すことが目的での猿芝居、証拠はあがっているんだ! なぜ俺をここへ連れて来た? そしてなぜ俺が明智光秀をやらねばならん!」
「お主が、たった一人の明智光秀の子孫だからよ。この儂の運命を変えるための存在。お前しかおらぬ故、儂の時渡りの技で連れて来た。お前を陰で操り天下をわがものに!
しかし、なぜじゃ! お主は12年も育ててきたにもかかわらず洗脳を受け入れない。
詩歌管弦、武芸百般その他諸々を教えようとしても全く理解せぬ!
そればかりかサブカルを、この時代に流行らせようとする。
よって抹殺するべく、手駒を作った。それが」
「秀吉か?」
俺は目の前の秀吉を見ながら「可哀そうなやつだな」と、肩を叩こうとした。
「!! いつの間に? 50間はあったぞ。貴様、儂の目にも止まらない動きをしていたのか?」
「いやぁ。単に話に集中しすぎて俺の動きに気づかなかっただけなんじゃね?」
一応、集団幻覚をかけていたよ。
遊〇王で覚えたんだよ!
「とにかく話は分かった。お前が本当の明智光秀で、秀吉を操って信ちゃんを殺したわけね。
じゃ、俺の仇という事でいい?
育ての親が仇とか、なんじゃそりゃと思うけど、俺の実の親にはあまりよい思いではないんだ。ましてやお前なんかね。
本当の親は多分……織田信長だ!」
俺はそういうが早いか、両手の親指で永楽銭をはじいて指弾を飛ばす。
寧々ちゃんに槍を向けていた兵隊さんの顔面にヒット。
超電磁砲じゃないから安心して。1cmくらいめり込んでいるけど死にはしないから。
ついでに秀吉にも信ちゃんの象徴である『永楽銭』をぶつける。倒れたのでマウントをとってフルボッコにしたいけど……
がつんっ!
俺の身体が10m位ぶっ飛んだ。
ラリアートでもくらったみたいだ。
間髪を置かずに、腹に刀が突き刺さる。
何度も何度も。
ぐぐぐぐ。
糞坊主、速い。
ついでに上手い。
さらに安けりゃ申し分ないけど、そんなこと言ってはいられない!
刺した刀は抉られるようにねじられてから引き抜かれる。
ぐぐ、ぐぐ、ぐぐぐ。
今度はマウントを取られて、俺がフルボッコ。
「貴様、なにか強化されたか?」
「ああもちろん。あまりにも加速での頭痛がひどいので、永久に痛覚のセーブが出来るようになった。ついでに止血スキルもね」
言い終わると共に、糞坊主の身体が吹き飛んで行った。
「畳回しの術! ご主人様大丈夫ですぅ!?」
アゲハのアニメ声がすさんだ心を和やかにしてくれる。
畳を一々ここまで運んで来たのか?
「畳だとよく飛ぶです」とか。
「くっ、もうこの時代には用はない。もう一度、一からやり直すまでよ」
なんだと?
「光秀~、あれ止めなさいですわ。あいつまた時渡りをして歴史を変えるつもりですわよ!」
アゲハと一緒に来たらしい黒子が叫ぶ。
どうする?
今何とかしないと、俺達全員の存在が消されてしまうかもしれない!
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