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第13章:天下を光っつ光っつにしてやんよw
山崎ぱん、ぱん、ぱ~ん!祭りだぜ~
しおりを挟むぱん!
ぱんっ!
ぱぱん!
ぱぱぱん!!
山崎のあい路に響き渡る雑賀衆の鉄砲5000丁。
ふつ~ならさ。
ここ攻めるはずないでしょ?
上から雑賀衆の狙撃だよ?
なんで攻めてくるんだよ?
みんな、死にたいの?
死ぬよ?
死んだよ?
ほら死んだ。
でもそれでも竹束や矢盾を持って登って来る。
冬木式は有効射程が100m。
この辺りで射撃開始。
100mの坂を重い竹束持って上がって来る敵の兵隊さんに尊敬の目を向ける。
その向こうにいるそれを強要する指揮官に軽蔑の目。
ホント、こんな奴だったの?
秀吉ってさ。
なんか、陰々滅滅だよ。
暗すぎる。
「殿。ここは大見栄を切ってから一斉射撃をいたしましょう。
士気が上がりまする」
半兵衛っちがメガホンを渡して来る。
じゃあ。ちょっと真面目にいきますか!
「羽柴の猿に使いまわされている哀れな兵士諸君に次ぐ!
降伏せよ。死を急ぐ必要はない。
全ては秀吉が悪いのだ。
これから新しき世が始まるというときに、その原動力たる信長様を殺すなど言語道断!
そなたらは、それを知らされてなかったのだろう?
秀吉は伝統芸能を守れとか、秩序が何よりも大事とか抜かしているとの事。
それではいつまでも平民は貧民でいろというのか?
革命だ! 大貧民は大富豪に成り上がるのだ!
カードゲームで知ったであろう!
それは可能だ。
ただ俺、光秀がいる限り、少数の富豪だけが得をする世界は作らぬ!
みなが楽しんで暮らせる楽園を作る!
降伏してくれ。貴様らを殺したくない」
一気にいうと、深呼吸してから最後の言葉に、令和で俺がやりたかった事、全てを込める。
「この世に悪は栄えない!
勧善懲悪! 天罰てき面! 月に代わってお尻ペンペン!
半さん、官さん。
やっておしまいなさい」
半兵衛からの指示で、待機していた大火力部隊が射撃を開始した。
「第1射目標。敵中軍、羽柴秀長隊! 射撃開始」
竹筒でできた墳進弾が次から次へと、まだ平地にいる敵の中央に着弾する。導火線は使わない。
遂に少数ながらも硫酸が加工できた。これで雷しょうをつくり雷管を作った。着発信管が50%程度で発火成功。
発射成功が300発中240発。
敵陣へ到達できたもの220発。
その内の半数、110発近くが敵の中央付近で散弾を周りに放出。
1射で数百人が戦力外になった。
次に20門の臼砲による斉射。
こちらは導火線を使った榴散弾だ。
7割が破裂。これまた100人以上の死傷者を出す。
これだけ高低差があると、棒火矢も有効だ。
300mほど飛んだ100発の棒火矢は、先についた炮烙玉が破裂。大きな音を立てて敵の士気を破砕する。
平地にいた2000人以上の羽柴勢が壊乱した。
こうなると山を登っていた先手は士気が崩壊する。裏崩れが見事に始まる。
あの~。
なんでこんなバカな攻め方するの?
もっと早めに摂津を押さえれば、信ちゃんの甥、織田信澄を旗頭にできたかもだけど。さらには摂津河内の国衆も味方にできた。
せめて京都で市街戦。
細川勢と一緒になって……
ああ。
京都の街並みを壊したくなかった?
でも応仁の乱以来、もう半分以上が焼野原よ?
新しく街並みを作んなきゃ。
それすらも嫌いな守旧派なのかなぁ。
とにかく足かせ多すぎ。せめてここの天王山に兵を……
あ。その兵を甲賀の連中が排除したから、そこで勝負決まっちゃった?
思い起こせば、俺の戦。あの甲賀を押さえたのが決定的だったのね。それと雑賀衆。いくら外交調略が上手くたって正面戦力が段違いで、主要な地形を押さえられちゃえば勝てません。
「殿。裏崩れが収まった模様。
敵本隊がこちらに登って参ります」
「しかし既に鉄砲以外の弾薬は全て使い果たしまして」
「すぐ日が暮れる。夜戦になるか」
それを狙っていた?
危険な新兵器があることを察知して、先に撃たせたか?
まさか。味方に被害を出させて、それを踏み越えて決戦とか、まるでロシア軍じゃないか。
督戦部隊でもいるのか?
◇ ◇ ◇ ◇
<羽柴秀長視点です>
兄者は変わってしまった。
もう明るい兄者はどこにもいない。
多分、光秀に嫉妬したのだろう。
だがそれに油を注いだのは、あの天海。
奴は優れた軍師だ。
だがあまりにも頭が固い。
「こうあらねばならない」という信念に兄者は染まってしまった。
京の文化に染まらねば朝廷外交が出来ないとばかりに礼や茶道、和歌などを、寝食を惜しんで身につけた。
外交調略はうまく行った。勲功は上げてきた。
だが武辺者が多い織田家で浮いてしまった。
「兄者。どうしてもやらねばならんか? 京を捨てて丹波に籠って明智の兵力を削る策を……」
無駄な死はいかぬ。
民がついてこぬ。
丹波丹後、坂本は儂がなんとか栄えさせた。だがそれは儂が前面に出ていたからだ。
あの2人では到底できぬ。
頭でっかちなのだ。
「いまさら何を言う、小竹(秀長のこと)。おれらの征く道は決まっている。それを光秀がさえぎるのならば、信長と同じく消えてもらう」
「だからというて、兵を死なせすぎぞ」
兄の隣に立っている軍師役の天海がフフンと笑って、儂に言うた。
「これは囮。時間稼ぎ。重要な道具が到着した。ちょうどよい頃合いにあれが間に合いましたぞ。ほれ」
なんと。
天海の後ろの陣幕が開けられ、さるぐつわをされた女子が背中を押されて入ってきた。
「秀長殿。この女子を光秀の陣から見える位置で磔《はりつけ》に。
光秀には降伏していただこう」
その女子。
見たことがある。
たしか光秀の正室。
寧々殿。
ここまで卑怯なことをなされるか、兄者。
天下はあきらめたのか?
もう人はついてこぬぞ。
……すでに天海の操り人形と化した兄者は、眼が死んでいた。
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