婚約者は想像と違います

いつき

文字の大きさ
4 / 26

家族と過ごす景色

しおりを挟む

「今日は国王陛下はお休みで好きに呼んでくれていいぞ。」


しばらくして、陛下と母上と1日過ごす日が本当にきた。
生まれて始めてだ、緊張する。

「陛下以外に何とお呼びすれば?」

「お父様でも父上でも。パパもいいな。」

「あなたがパパなら私はママね。」

「パパ、ママ…」

「なんだ?」

「なあに?」

夢かも知れない。
周りの同い年の子供が親に甘えるのがうらやましかった。
昔、呼んでみたかったが無理だと諦めた呼び方だ。
なぜかわからないけど、涙が出た。
嬉しいのか、悲しいのかわからない。
さみしかった昔を思い出したのかも知れない。

「あらあらクロウはパパに似て泣き虫ね。」

「私は泣き虫じゃない。宰相が厳しすぎる。」

母上がハグをしてくれる。
陛下が…父上が頭を撫でてくれる。
心がくすぐったくてよけいに涙が出た。


「寝顔を見るのはいつぶりだろう。こんなに早く大きくなるのだな。」

「もう5才ですよ。後10年もしたら大人ですよ。」

「う…?」

「起きたか?」

??しまった!
泣きながら寝てしまったのか?
無礼を働いてしまった!とにかく謝らないと!

「申し訳ございません。陛下、母上。」

「謝らなくていい。今日は陛下は休みと言っただろう。妃も王子も休み。今はただの親と子だ。子供はお昼寝を親の前でしても謝らないぞ?そして親は子供と遊ぶものだ。何かしたい事は有るか?」

「父上?何でもいいのですか?」

「いいぞ。」

「だっこをしていただきたいです。」

「いいぞ。ほら。」

 父上はハグをしてそのまま上に私を持ち上げた。
公爵と違い苦しくて、何も見えなかったけど私はとても嬉しかった。

その後、散歩をして木のぼりをしたいと言ったら、父上も高い所は苦手らしかった。
母上はむしろ得意なようで、低い枝まで登り方を教えてくれて一緒に登った。
父上は寂しそうに花冠を作って居て、後から私と母上にプレゼントしてくれた。
母上がとても喜んで居たので、私もシルに贈りたいと言って作り方を教えていただいた。
母上はなぜか花がちぎれてしまって出来なかったが、私はうまく出来たと思う。

 出来た花冠と、父上と作ったと自慢を書いた手紙をシルに送った。
 
返事がお父様と取ったと自慢げに書かれた手紙と、しなびた四つ葉のクローバーだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

拝啓、婚約者さま

松本雀
恋愛
――静かな藤棚の令嬢ウィステリア。 婚約破棄を告げられた令嬢は、静かに「そう」と答えるだけだった。その冷静な一言が、後に彼の心を深く抉ることになるとも知らずに。

前世を思い出しました。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。

棚から現ナマ
恋愛
前世を思い出したフィオナは、今までの自分の所業に、恥ずかしすぎて身もだえてしまう。自分は痛い女だったのだ。いままでの黒歴史から目を背けたい。黒歴史を思い出したくない。黒歴史関係の人々と接触したくない。 これからは、まっとうに地味に生きていきたいの。 それなのに、王子様や公爵令嬢、王子の側近と今まで迷惑をかけてきた人たちが向こうからやって来る。何でぇ?ほっといて下さい。お願いします。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

彼女が望むなら

mios
恋愛
公爵令嬢と王太子殿下の婚約は円満に解消された。揉めるかと思っていた男爵令嬢リリスは、拍子抜けした。男爵令嬢という身分でも、王妃になれるなんて、予定とは違うが高位貴族は皆好意的だし、王太子殿下の元婚約者も応援してくれている。 リリスは王太子妃教育を受ける為、王妃と会い、そこで常に身につけるようにと、ある首飾りを渡される。

『候補』だって言ったじゃないですか!

鳥類
恋愛
いつのまにやら『転生』して美幼女になっていましたよ!魔法がある世界とかサイコーか! 頑張って王宮魔導師になるぞ!と意気込んでいたら…いつのまにやら第一王子殿下の『婚約者候補』にされていた…!! 初投稿です。 異世界転生モノをやってみたかった…。 誤字脱字・タグ違いなどございましたらご一報いただければ幸いです。 内容については生温くサラッと読んでいただけたらと…思います。

毒姫の婚約騒動

SHIN
恋愛
卒業式を迎え、立食パーティーの懇談会が良い意味でも悪い意味でもどことなくざわめいていた。 「卒業パーティーには一人で行ってくれ。」 「分かりました。」 そう婚約者から言われて一人で来ましたが、あら、その婚約者は何処に? あらあら、えっと私に用ですか? 所で、お名前は? 毒姫と呼ばれる普通?の少女と常に手袋を着けている潔癖症?の男のお話し。

処理中です...