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使節団が森を去ったあとで、私は穏やかな日常に戻りました。
彼らが持ち帰った聖水について、王都でどんな奇跡が起きるか気になります。
ですが今の私には、もっと大切なことが目の前にありました。
「わあ、もう屋根の部分まで、出来上がっているのですね」
私は建設中の新しい家を見上げ、感嘆の声を漏らしました。
ノームたちの働きぶりは、本当に目を見張るものがあります。
私が聖水を作っている間に、家の骨組みはすっかり完成していました。
太くて頑丈な柱が、頼もしく空に向かって伸びています。
「おう主殿、これくらいの作業は、わしらにかかればあっという間じゃ」
代表のノームが、誇らしげに胸を張って言います。
その手には、大きな木槌が握られていました。
彼の腕は丸太のように太く、日々の労働で鍛えられています。
「木々が協力してくれるおかげで、仕事が捗ってかなわんわい」
森の木々が、自ら進んで建材となってくれたおかげです。
作業は、驚くほど順調に進んでいます。
動物たちも小さな体で、一生懸命に木屑を運んだりしていました。
リスたちが頬袋を膨らませて、細かい木片を巣に持ち帰ります。
ウサギたちは前足で器用に、おが屑をかき集めていました。
その健気な姿が、とても愛おしいです。
「みんな本当にありがとう、私も何か手伝わせてくれませんか」
私がそう言うとノームたちは、にこにこと笑って首を横に振りました。
「主殿のお気持ちは嬉しいが、専門的な作業は我らにお任せくだされ」
「主殿は我らのために、美味しいご飯を作ってくだされば十分でございます」
「主殿の料理を食べると、不思議と力が湧いてくるからのう」
どうやら私の料理は、みんなのやる気を引き出す効果があるらしいです。
それならとびきり美味しいものを作って、みんなを応援しようと思いました。
「分かりました、今日の夕食は、腕によりをかけてご馳走を作りますね」
私の言葉に働いていたみんなから、わあっと大きな歓声が上がりました。
ノームの一人が、お腹をさすっています。
「楽しみじゃのう、腹を空かせて待っておるぞ」
私は早速ルーンを連れて、食材集めに出かけることにします。
森の中を歩いていると風の精霊シルフたちが、楽しそうに私の周りを飛び回りました。
半透明の小さな体が、日の光を浴びてキラキラ輝きます。
『主様、主様、森の東の方に、すごく甘い香りのする木の実がなっているよ』
『きのこも、たくさん生えている場所を見つけたんだ』
シルフたちは森の美味しいものの情報を、次々と教えてくれます。
彼らは、森の隅々まで知り尽くしているのです。
『あっちの沢沿いには、クレソンもたくさん生えていたよ』
一人のシルフが、私の髪を優しく撫でました。
「ありがとうシルフ、後でみんなで採りに行きましょうね」
私がそう言うとシルフたちは嬉しそうに、くるくると宙返りしました。
私たちは、まず畑へと向かいます。
水の精霊の祝福を受けた畑は、今日もたくさんの恵みを与えてくれました。
太陽の光をたっぷり浴びたトマトは、宝石のように赤く輝いています。
葉っぱについた朝露が、きらきらと光っていました。
ナスは濃い紫色をしており、カボチャは地面にどっしりと実っています。
「まあ、なんて綺麗なのかしら」
私は一つ一つ丁寧に、野菜を収穫していきます。
その時ふと、ある考えが浮かびました。
「この野菜たちにも、清浄のスキルを使ったらどうなるのかしら」
今まで呪われたものを元に戻すためにしか、使ってきませんでした。
でも元々清浄なものに、さらに力を加えたらどうでしょう。
もっと、素晴らしいものになるかもしれません。
私は試しに収穫したばかりのトマトの一つに、そっと手をかざしてみました。
「清浄」
私の手から放たれた光が、トマトを優しく包み込みます。
するとトマトは、ひときわ強い輝きを放ち始めました。
そしてその甘い香りが、今まで以上に豊かにあたりへ広がります。
見た目もなんだか、さらに瑞々しくなったような気がしました。
私は浄化したトマトを、恐る恐る一口かじってみます。
「……おいしい!」
思わず、大きな声が出てしまいました。
驚くほどの甘さと爽やかな酸味が、口の中いっぱいに広がります。
今まで食べていたトマトも、十分に美味しかったのです。
でもこれはもはや同じ果物とは思えないほどの、別次元の美味しさでした。
まるで、果物と野菜の良いところだけを集めたようです。
「すごいわルーン、私のスキルには、こんな使い方もあったのね」
「わふん!」
ルーンも私の足元で、早く食べさせてと尻尾を振っています。
私はルーンにも、一口分けてあげました。
ルーンは夢中になって、その果汁を舐めています。
私は嬉しくなって収穫した全ての野菜に、清浄のスキルをかけていきました。
ズッキーニやトウモロコシも、信じられないくらい輝きを増します。
きっと今日の夕食は、みんなをあっと驚かせることになるでしょう。
私はわくわくした気持ちで、キッチンへと向かいました。
その日の夕食は森の住人たち全員が集まっての、盛大な宴会になりました。
完成間近の新しい家の前の広場に、大きな木のテーブルが並べられます。
それは、ノームたちが作ってくれたものです。
テーブルの上には私が作った料理が、所狭しと並べられていました。
清浄をかけた野菜で作った、彩り豊かなサラダ。
グリフォンが狩ってきてくれた、新鮮な猪肉のハーブ焼き。
シルフに教えてもらった木の実を、ふんだんに使ったタルト。
他にも、具沢山のスープや焼きたてのパンもあります。
どれも、私の自信作です。
「さあみなさん、たくさん召し上がってください」
私の合図でみんな一斉に、料理に手を伸ばしました。
「う、うまい! なんだこのサラダは、野菜が口の中でとろけるようだ!」
「この肉も、信じられないくらい柔らかいぞ!」
「このタルト、甘くてほっぺが落ちそうだよう」
あちこちから、感動の声が聞こえてきます。
ノームも動物たちも精霊たちでさえも、目を丸くしていました。
料理の味に、驚いていたのです。
みんなが幸せそうな顔で、ご飯を食べている。
その光景を見ているだけで私の心は、温かいもので満たされていきました。
これ以上の幸せは、ないと思います。
宴会が一番の盛り上がりを見せていた、その頃でした。
偵察に出ていたグリフォンのグレンが、空からゆっくり舞い降りてきます。
そして私のそばに来ると、恭しく頭を下げました。
『主様、ご報告いたします、王都の様子を少しだけ見てまいりました』
グレンはテレパシーで、私だけに聞こえるように話しかけてくれます。
私は少しだけ緊張しながら、その報告に耳を傾けました。
『主様がお作りになった聖水は、絶大な効果を発揮しておりました』
「本当ですか」
『はい、聖水を飲んだ人々は、皆たちどころに熱が下がり病から回復したとのことです』
『王都は今、歓喜の声に包まれております、「奇跡の水だ」「我らは森の聖女様に救われた」と』
森の聖女様、ですか。
なんだか少しだけ、恥ずかしい呼び名でした。
でも人々が助かったと聞いて、私は心の底からほっとしました。
私の力が、ちゃんと役に立ったのです。
「よかったわ、本当に、よかった」
『しかし主様、少し気になる動きもございました』
「気になる動き、ですか?」
『はい、聖水の奇跡によって、今まで聖女として崇められていた娘の立場が危うくなっているようです』
その娘は、ミレイという名前です。
まあ、それはそうでしょう。
本物の奇跡の前では彼女の力など、色褪せて見えるはずです。
『民衆の中には、「我らにとっての本物の聖女は、森にいらっしゃるお方だ」と叫ぶ者まで現れています』
さらに、こうも言っているそうです。
「偽物の聖女は、王都から出ていけ」と。
あらあら、それは大変なことになっていそうですね。
アルフォンス殿下もきっと、頭を抱えていることでしょう。
『王家とミレイは、ひどく焦っている様子でした、特にアルフォンス王太子は聖水の出所であるこの森と主様の力を、何としても我が物にしようと躍起になっているように見受けられます』
やっぱりあの人は、そういう人でした。
純粋に民が救われたことを、喜ぶような人ではありません。
全てを自分の権力と支配のために、利用しようとするのです。
『おそらく近いうちに、また何らかの形で接触を図ってくるかと存じます』
『今度はもっと、狡猾な手を使ってくるやもしれませぬ』
「狡猾な手、ですか」
『はい、例えば主様が、無視できないような何かを盾にして』
グレンの言葉に私は、少しだけ嫌な予感を覚えました。
でも今の私には、この森の仲間たちがいます。
どんな手を使われようともこの平和な楽園を、壊させたりはしません。
「分かりましたグレン、報告ありがとうございます、これからも警戒を続けてください」
『はっ、この命に代えましても、主様をお守りいたします』
グレンは力強くそう言うと、再び夜の空へと飛び立っていきました。
私は賑やかな宴会の輪に、戻ります。
仲間たちの楽しそうな笑顔を見ていると、先ほどの不安な気持ちもどこかへ消えるようでした。
今は、この幸せな時間を存分に楽しむことにします。
どんな未来が待っていようとも、この場所と温もりさえあればきっと大丈夫です。
宴会は、夜遅くまで続きました。
火の精霊サラマンダーたちが、キャンプファイヤーのように大きな炎を灯してくれます。
その周りで動物たちが、楽しそうに踊っていました。
私もノームに手を引かれて、その輪に加わります。
下手なステップでしたがみんなと一緒に踊るのは、とても楽しかったです。
空には満月が、優しく輝いていました。
その光が私たちの楽園を、祝福してくれているようでした。
彼らが持ち帰った聖水について、王都でどんな奇跡が起きるか気になります。
ですが今の私には、もっと大切なことが目の前にありました。
「わあ、もう屋根の部分まで、出来上がっているのですね」
私は建設中の新しい家を見上げ、感嘆の声を漏らしました。
ノームたちの働きぶりは、本当に目を見張るものがあります。
私が聖水を作っている間に、家の骨組みはすっかり完成していました。
太くて頑丈な柱が、頼もしく空に向かって伸びています。
「おう主殿、これくらいの作業は、わしらにかかればあっという間じゃ」
代表のノームが、誇らしげに胸を張って言います。
その手には、大きな木槌が握られていました。
彼の腕は丸太のように太く、日々の労働で鍛えられています。
「木々が協力してくれるおかげで、仕事が捗ってかなわんわい」
森の木々が、自ら進んで建材となってくれたおかげです。
作業は、驚くほど順調に進んでいます。
動物たちも小さな体で、一生懸命に木屑を運んだりしていました。
リスたちが頬袋を膨らませて、細かい木片を巣に持ち帰ります。
ウサギたちは前足で器用に、おが屑をかき集めていました。
その健気な姿が、とても愛おしいです。
「みんな本当にありがとう、私も何か手伝わせてくれませんか」
私がそう言うとノームたちは、にこにこと笑って首を横に振りました。
「主殿のお気持ちは嬉しいが、専門的な作業は我らにお任せくだされ」
「主殿は我らのために、美味しいご飯を作ってくだされば十分でございます」
「主殿の料理を食べると、不思議と力が湧いてくるからのう」
どうやら私の料理は、みんなのやる気を引き出す効果があるらしいです。
それならとびきり美味しいものを作って、みんなを応援しようと思いました。
「分かりました、今日の夕食は、腕によりをかけてご馳走を作りますね」
私の言葉に働いていたみんなから、わあっと大きな歓声が上がりました。
ノームの一人が、お腹をさすっています。
「楽しみじゃのう、腹を空かせて待っておるぞ」
私は早速ルーンを連れて、食材集めに出かけることにします。
森の中を歩いていると風の精霊シルフたちが、楽しそうに私の周りを飛び回りました。
半透明の小さな体が、日の光を浴びてキラキラ輝きます。
『主様、主様、森の東の方に、すごく甘い香りのする木の実がなっているよ』
『きのこも、たくさん生えている場所を見つけたんだ』
シルフたちは森の美味しいものの情報を、次々と教えてくれます。
彼らは、森の隅々まで知り尽くしているのです。
『あっちの沢沿いには、クレソンもたくさん生えていたよ』
一人のシルフが、私の髪を優しく撫でました。
「ありがとうシルフ、後でみんなで採りに行きましょうね」
私がそう言うとシルフたちは嬉しそうに、くるくると宙返りしました。
私たちは、まず畑へと向かいます。
水の精霊の祝福を受けた畑は、今日もたくさんの恵みを与えてくれました。
太陽の光をたっぷり浴びたトマトは、宝石のように赤く輝いています。
葉っぱについた朝露が、きらきらと光っていました。
ナスは濃い紫色をしており、カボチャは地面にどっしりと実っています。
「まあ、なんて綺麗なのかしら」
私は一つ一つ丁寧に、野菜を収穫していきます。
その時ふと、ある考えが浮かびました。
「この野菜たちにも、清浄のスキルを使ったらどうなるのかしら」
今まで呪われたものを元に戻すためにしか、使ってきませんでした。
でも元々清浄なものに、さらに力を加えたらどうでしょう。
もっと、素晴らしいものになるかもしれません。
私は試しに収穫したばかりのトマトの一つに、そっと手をかざしてみました。
「清浄」
私の手から放たれた光が、トマトを優しく包み込みます。
するとトマトは、ひときわ強い輝きを放ち始めました。
そしてその甘い香りが、今まで以上に豊かにあたりへ広がります。
見た目もなんだか、さらに瑞々しくなったような気がしました。
私は浄化したトマトを、恐る恐る一口かじってみます。
「……おいしい!」
思わず、大きな声が出てしまいました。
驚くほどの甘さと爽やかな酸味が、口の中いっぱいに広がります。
今まで食べていたトマトも、十分に美味しかったのです。
でもこれはもはや同じ果物とは思えないほどの、別次元の美味しさでした。
まるで、果物と野菜の良いところだけを集めたようです。
「すごいわルーン、私のスキルには、こんな使い方もあったのね」
「わふん!」
ルーンも私の足元で、早く食べさせてと尻尾を振っています。
私はルーンにも、一口分けてあげました。
ルーンは夢中になって、その果汁を舐めています。
私は嬉しくなって収穫した全ての野菜に、清浄のスキルをかけていきました。
ズッキーニやトウモロコシも、信じられないくらい輝きを増します。
きっと今日の夕食は、みんなをあっと驚かせることになるでしょう。
私はわくわくした気持ちで、キッチンへと向かいました。
その日の夕食は森の住人たち全員が集まっての、盛大な宴会になりました。
完成間近の新しい家の前の広場に、大きな木のテーブルが並べられます。
それは、ノームたちが作ってくれたものです。
テーブルの上には私が作った料理が、所狭しと並べられていました。
清浄をかけた野菜で作った、彩り豊かなサラダ。
グリフォンが狩ってきてくれた、新鮮な猪肉のハーブ焼き。
シルフに教えてもらった木の実を、ふんだんに使ったタルト。
他にも、具沢山のスープや焼きたてのパンもあります。
どれも、私の自信作です。
「さあみなさん、たくさん召し上がってください」
私の合図でみんな一斉に、料理に手を伸ばしました。
「う、うまい! なんだこのサラダは、野菜が口の中でとろけるようだ!」
「この肉も、信じられないくらい柔らかいぞ!」
「このタルト、甘くてほっぺが落ちそうだよう」
あちこちから、感動の声が聞こえてきます。
ノームも動物たちも精霊たちでさえも、目を丸くしていました。
料理の味に、驚いていたのです。
みんなが幸せそうな顔で、ご飯を食べている。
その光景を見ているだけで私の心は、温かいもので満たされていきました。
これ以上の幸せは、ないと思います。
宴会が一番の盛り上がりを見せていた、その頃でした。
偵察に出ていたグリフォンのグレンが、空からゆっくり舞い降りてきます。
そして私のそばに来ると、恭しく頭を下げました。
『主様、ご報告いたします、王都の様子を少しだけ見てまいりました』
グレンはテレパシーで、私だけに聞こえるように話しかけてくれます。
私は少しだけ緊張しながら、その報告に耳を傾けました。
『主様がお作りになった聖水は、絶大な効果を発揮しておりました』
「本当ですか」
『はい、聖水を飲んだ人々は、皆たちどころに熱が下がり病から回復したとのことです』
『王都は今、歓喜の声に包まれております、「奇跡の水だ」「我らは森の聖女様に救われた」と』
森の聖女様、ですか。
なんだか少しだけ、恥ずかしい呼び名でした。
でも人々が助かったと聞いて、私は心の底からほっとしました。
私の力が、ちゃんと役に立ったのです。
「よかったわ、本当に、よかった」
『しかし主様、少し気になる動きもございました』
「気になる動き、ですか?」
『はい、聖水の奇跡によって、今まで聖女として崇められていた娘の立場が危うくなっているようです』
その娘は、ミレイという名前です。
まあ、それはそうでしょう。
本物の奇跡の前では彼女の力など、色褪せて見えるはずです。
『民衆の中には、「我らにとっての本物の聖女は、森にいらっしゃるお方だ」と叫ぶ者まで現れています』
さらに、こうも言っているそうです。
「偽物の聖女は、王都から出ていけ」と。
あらあら、それは大変なことになっていそうですね。
アルフォンス殿下もきっと、頭を抱えていることでしょう。
『王家とミレイは、ひどく焦っている様子でした、特にアルフォンス王太子は聖水の出所であるこの森と主様の力を、何としても我が物にしようと躍起になっているように見受けられます』
やっぱりあの人は、そういう人でした。
純粋に民が救われたことを、喜ぶような人ではありません。
全てを自分の権力と支配のために、利用しようとするのです。
『おそらく近いうちに、また何らかの形で接触を図ってくるかと存じます』
『今度はもっと、狡猾な手を使ってくるやもしれませぬ』
「狡猾な手、ですか」
『はい、例えば主様が、無視できないような何かを盾にして』
グレンの言葉に私は、少しだけ嫌な予感を覚えました。
でも今の私には、この森の仲間たちがいます。
どんな手を使われようともこの平和な楽園を、壊させたりはしません。
「分かりましたグレン、報告ありがとうございます、これからも警戒を続けてください」
『はっ、この命に代えましても、主様をお守りいたします』
グレンは力強くそう言うと、再び夜の空へと飛び立っていきました。
私は賑やかな宴会の輪に、戻ります。
仲間たちの楽しそうな笑顔を見ていると、先ほどの不安な気持ちもどこかへ消えるようでした。
今は、この幸せな時間を存分に楽しむことにします。
どんな未来が待っていようとも、この場所と温もりさえあればきっと大丈夫です。
宴会は、夜遅くまで続きました。
火の精霊サラマンダーたちが、キャンプファイヤーのように大きな炎を灯してくれます。
その周りで動物たちが、楽しそうに踊っていました。
私もノームに手を引かれて、その輪に加わります。
下手なステップでしたがみんなと一緒に踊るのは、とても楽しかったです。
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その光が私たちの楽園を、祝福してくれているようでした。
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