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アルフォンス殿下が、私の両親を人質のように連れてきました。
フィリアからの報告を聞いて、私の心は氷のように冷たくなります。
なんて、ひきょうで考えが浅いのでしょう。
私が、そんな脅しに負けるとでも、本気で思っているのでしょうか。
この美しい楽園を、自分の手で守ると決めた私です。
その覚悟を、甘く見ないでほしいと思いました。
「フィリア、みんなに伝えてください。お客様を、ていねいにお迎えしましょう、と」
『主様、しかし』
フィリアが、私の身を心配しているのが伝わってきます。
私は、彼女を安心させるように、強くうなずいてみせました。
「ええ、もう隠れたりしません。堂々と、会ってあげましょう」
私の決意を、感じ取ってくれたのでしょう。
フィリアは、静かにうなずきました。
『分かりました。主様の、お心のままに』
そう言うと、彼女は仲間へ指示を伝えるため、大きな翼で空へ舞い上がります。
私は、完成したばかりの、温かい木の家を見上げました。
この大切な場所を、彼らに土足で汚されたくありません。
会う場所は、別のところが良いでしょう。
「ルーン、行きましょうか。私たちの、始まりの場所へ」
「わふん!」
ルーンも、私の考えが分かったようです。
頼もしい声で、一声鳴きました。
私が、アルフォンス殿下たちと会う場所に選んだのは、この森で初めて【清浄】の力を使った泉のほとりです。
私にとって、全てが始まった特別な場所でした。
そして、この森の清らかな場所としての、中心でもあります。
泉に到着すると、そこにはすでに、森の仲間たちが全員そろっていました。
グリフォンのグレンとフィリアが、泉の両脇に門番のように控えています。
土の精霊ノームたちは、地面からひょっこりと顔を出していました。
そして、じっと、森の入り口の方向を見ています。
空を見上げれば、風の精霊シルフたちが、小さな光の渦を巻きながら待っていました。
もちろん、たくさんのかわいらしい動物たちも、私の周りに集まっています。
私の足元には、誰よりも頼りになる、私の守護者であるルーンがいました。
その光景は、まるで私という女王を守る、強い騎士団のようにも見えます。
私は、みんなの前に立つと、落ち着いて言いました。
「みんな、お願いがあります。絶対に、手出しはしないでください」
「これから来る人たちは、たとえどんなに失礼なことを言っても、私のお客様なのですから」
『しかし主様、奴らは』
「大丈夫よ、グレン。私に、全て任せてちょうだい」
私の、強いまなざしを見て、グレンも納得してくれたようです。
みんな、少しだけ、不満そうな顔をしています。
それでも、最後には、こくりとうなずいてくれました。
やがて、森の奥から、がさがさと草を踏み分ける音が聞こえてきます。
アルフォンス殿下の一行が、やって来たのです。
精霊たちが、親切にもここまで案内してくれたのでしょう。
先頭を歩いていたのは、見覚えのある王国の騎士たちでした。
そして、その真ん中に、アルフォンス殿下がいます。
彼は、前回この森に来た時と同じように、豪華できらびやかな服を着ていました。
しかし、その表情には、隠しきれない焦りの色が見えます。
彼の後ろから、一台の立派な馬車が、ゆっくりとついてきていました。
馬車の扉には、見慣れたクライネルト侯爵家の紋章が描かれています。
私の心臓が、きゅっと、少しだけ強く締め付けられました。
一行は、泉のほとりに着くと、ぴたりと足を止めます。
そして、目の前に広がる光景に、言葉を失っていました。
伝説の聖獣たちに囲まれて、泉のほとりにたたずむ私の姿。
それは、彼らが知っている、かつての気の弱い令嬢エリアーナの姿とは、あまりにも違っていたに違いありません。
「エリアーナ、本当に、お前なのか」
アルフォンス殿下が、信じられないという顔でつぶやきました。
私は、彼に答えません。
ただ、静かに、その金色の髪と美しい青い瞳を見つめ返しました。
追放されたあの日、私を汚いもののように見下していた瞳です。
今、その瞳には、驚きとほんの少しの、恐怖の色が浮かんでいました。
その時、馬車の扉が、ゆっくりと開きます。
中から現れたのは、やはり私の父と母でした。
二人とも、王都の屋敷で暮らしていた頃よりも、ずっとやつれて見えます。
心配事が、絶えなかったのでしょう。
彼らは、私の姿を見つけると、はっとしたように目を見開きました。
「エリアーナ!まあ、なんてこと。無事で、本当によかったわ!」
母が、涙声で私の名前を呼びます。
今にも、こちらへ駆け寄ってきそうな勢いでした。
しかし、父が、その母の腕をそっとつかんで止めます。
父は、何も言いませんでした。
ただ、その瞳に、安心と深い罪悪感の色を浮かべて、私をじっと見ています。
私は、そんな両親に、小さくうなずいてみせました。
大丈夫ですよ、という気持ちを込めて。
アルフォンス殿下は、そんな私たちの様子を、いまいましそうにちらりと見ます。
そして、咳払いを一つすると、わざとらしい、いばった態度で口を開きました。
「エリアーナ、貴様がこれほどの力を隠し持っていたとはな。今まで、我々王家をだましていたというわけか」
最初の一言が、またしても身勝手な言い分です。
私は、あきれるのを通り越して、少しだけおかしくなってしまいました。
「殿下、私は何もだましてなどおりませんわ。私自身、この力の本当の価値をこの森に来るまで知らなかったのですから」
私は、できるだけ冷静に、そして穏やかな声で答えました。
私の、落ち着いた態度が、気に入らなかったのでしょう。
アルフォンス殿下の、整った眉がぴくりと動きます。
「ふん、言い訳などどうでもよい。それより、貴様のその力は、疫病をいとも簡単に清めたそうではないか」
「はい、聖水をお渡ししたと、バーンズ子爵からお聞きになっているかと存じます」
「そうだ。あの水は、確かに奇跡であった。だが、それゆえに、新たな問題も生じているのだ」
「問題、でございますか?」
「うむ。民衆が、聖女ミレイの力を疑い始めている。あろうことか、『本物の聖女は森にいらっしゃるエリアーナ様だ』などと、失礼なことを口にする者まで現れた」
それは、私にとっては、何の問題でもありません。
むしろ、当然の結果だと思いました。
「そこで、だ。エリアーナ、王都へ戻ってこい」
アルフォンス殿下は、さも当然のようにそう言いました。
「そして、聖女ミレイを助け、その偉大な力を王国のために使うのだ。そうすれば、これまでの貴様の罪を許し、再び王宮での豊かな暮らしを許してやろう」
罪、ですって。
私が、どんな罪を犯したと言うのでしょう。
彼の理屈は、本当に理解できません。
「お言葉、大変光栄に存じますわ、殿下。ですが、そのお話は、謹んでお断りさせていただきます」
私は、はっきりと、きっぱりとそう答えました。
「なっ!?」
アルフォンス殿下は、まさか私が断るとは、夢にも思っていなかったようです。
彼の顔が、みるみるうちに怒りで赤く染まっていきました。
「断るだと?この、アステリア王国、王太子である、この私の命令に逆らうというのか!」
「命令、ではございませんわ。それは、殿下の身勝手なお願いでしょう?」
「き、貴様!」
アルフォンス殿下は、わなわなと震えながら、腰に下げた剣に手をかけます。
そして、私の両親を、鋭く睨みつけました。
「この私に逆らって、ただで済むと思うなよ!お前の両親が、どうなってもよいというのか!」
出ました。
彼の、得意な脅し文句です。
私の、大切な家族を人質にとる、ひきょうな脅迫。
その言葉を、合図にしたかのように、私の周りにいた仲間たちが、一斉に強い敵意を放ちました。
ルーンは、低い唸り声を上げ、その鋭い牙をむき出しにします。
グリフォンのグレンとフィリアは、巨大な翼を広げました。
そして、おどすように、鋭い爪を地面に深く突き立てます。
森の木々が、ざわざわと不気味に揺れました。
優しい風が、唸りを上げ、まるで刃のように鋭くなります。
ついさっきまでの、穏やかな泉のほとりは、一瞬で触れれば斬れるような、緊張した空間へと変わりました。
「ひいっ!」
アルフォンス殿下の後ろにいた騎士たちが、情けない悲鳴を上げます。
彼らは、聖獣や精霊たちが放つ、純粋な怒りの気に、完全に押されていました。
アルフォンス殿下自身も、そのただならぬ雰囲気の変化に、顔からさっと血の気が引いています。
「殿下、脅しは、意味がありませんわ」
私は、氷のように冷たい声で、彼にはっきりと告げました。
「ここが、どこだかお忘れになりましたか。ここは、私の楽園で、私の聖なる場所ですのよ」
「この森では、木の一本、草の葉一枚に至るまで、全てが私の味方です。殿下一人が、私をどうこうできると本気でお思いになって?」
私は、ゆっくりとその場に立ち上がりました。
そして、一歩、アルフォンス殿下の方へと足を踏み出します。
そのたった一歩で、彼はびくりと肩を震わせ、思わず一歩後ずさりました。
もはや、どちらが上で、どちらが下なのか。
その立場は、誰の目にも明らかだったのです。
「さて、殿下。脅しという、くだらないお遊びは、もうおしまいにしてくださいませんか」
「今度は、きちんと、大人同士の話し合いをいたしましょう」
私は、穏やかに微笑みました。
話し合いの主導権は、完全に私の手にあったのですから。
フィリアからの報告を聞いて、私の心は氷のように冷たくなります。
なんて、ひきょうで考えが浅いのでしょう。
私が、そんな脅しに負けるとでも、本気で思っているのでしょうか。
この美しい楽園を、自分の手で守ると決めた私です。
その覚悟を、甘く見ないでほしいと思いました。
「フィリア、みんなに伝えてください。お客様を、ていねいにお迎えしましょう、と」
『主様、しかし』
フィリアが、私の身を心配しているのが伝わってきます。
私は、彼女を安心させるように、強くうなずいてみせました。
「ええ、もう隠れたりしません。堂々と、会ってあげましょう」
私の決意を、感じ取ってくれたのでしょう。
フィリアは、静かにうなずきました。
『分かりました。主様の、お心のままに』
そう言うと、彼女は仲間へ指示を伝えるため、大きな翼で空へ舞い上がります。
私は、完成したばかりの、温かい木の家を見上げました。
この大切な場所を、彼らに土足で汚されたくありません。
会う場所は、別のところが良いでしょう。
「ルーン、行きましょうか。私たちの、始まりの場所へ」
「わふん!」
ルーンも、私の考えが分かったようです。
頼もしい声で、一声鳴きました。
私が、アルフォンス殿下たちと会う場所に選んだのは、この森で初めて【清浄】の力を使った泉のほとりです。
私にとって、全てが始まった特別な場所でした。
そして、この森の清らかな場所としての、中心でもあります。
泉に到着すると、そこにはすでに、森の仲間たちが全員そろっていました。
グリフォンのグレンとフィリアが、泉の両脇に門番のように控えています。
土の精霊ノームたちは、地面からひょっこりと顔を出していました。
そして、じっと、森の入り口の方向を見ています。
空を見上げれば、風の精霊シルフたちが、小さな光の渦を巻きながら待っていました。
もちろん、たくさんのかわいらしい動物たちも、私の周りに集まっています。
私の足元には、誰よりも頼りになる、私の守護者であるルーンがいました。
その光景は、まるで私という女王を守る、強い騎士団のようにも見えます。
私は、みんなの前に立つと、落ち着いて言いました。
「みんな、お願いがあります。絶対に、手出しはしないでください」
「これから来る人たちは、たとえどんなに失礼なことを言っても、私のお客様なのですから」
『しかし主様、奴らは』
「大丈夫よ、グレン。私に、全て任せてちょうだい」
私の、強いまなざしを見て、グレンも納得してくれたようです。
みんな、少しだけ、不満そうな顔をしています。
それでも、最後には、こくりとうなずいてくれました。
やがて、森の奥から、がさがさと草を踏み分ける音が聞こえてきます。
アルフォンス殿下の一行が、やって来たのです。
精霊たちが、親切にもここまで案内してくれたのでしょう。
先頭を歩いていたのは、見覚えのある王国の騎士たちでした。
そして、その真ん中に、アルフォンス殿下がいます。
彼は、前回この森に来た時と同じように、豪華できらびやかな服を着ていました。
しかし、その表情には、隠しきれない焦りの色が見えます。
彼の後ろから、一台の立派な馬車が、ゆっくりとついてきていました。
馬車の扉には、見慣れたクライネルト侯爵家の紋章が描かれています。
私の心臓が、きゅっと、少しだけ強く締め付けられました。
一行は、泉のほとりに着くと、ぴたりと足を止めます。
そして、目の前に広がる光景に、言葉を失っていました。
伝説の聖獣たちに囲まれて、泉のほとりにたたずむ私の姿。
それは、彼らが知っている、かつての気の弱い令嬢エリアーナの姿とは、あまりにも違っていたに違いありません。
「エリアーナ、本当に、お前なのか」
アルフォンス殿下が、信じられないという顔でつぶやきました。
私は、彼に答えません。
ただ、静かに、その金色の髪と美しい青い瞳を見つめ返しました。
追放されたあの日、私を汚いもののように見下していた瞳です。
今、その瞳には、驚きとほんの少しの、恐怖の色が浮かんでいました。
その時、馬車の扉が、ゆっくりと開きます。
中から現れたのは、やはり私の父と母でした。
二人とも、王都の屋敷で暮らしていた頃よりも、ずっとやつれて見えます。
心配事が、絶えなかったのでしょう。
彼らは、私の姿を見つけると、はっとしたように目を見開きました。
「エリアーナ!まあ、なんてこと。無事で、本当によかったわ!」
母が、涙声で私の名前を呼びます。
今にも、こちらへ駆け寄ってきそうな勢いでした。
しかし、父が、その母の腕をそっとつかんで止めます。
父は、何も言いませんでした。
ただ、その瞳に、安心と深い罪悪感の色を浮かべて、私をじっと見ています。
私は、そんな両親に、小さくうなずいてみせました。
大丈夫ですよ、という気持ちを込めて。
アルフォンス殿下は、そんな私たちの様子を、いまいましそうにちらりと見ます。
そして、咳払いを一つすると、わざとらしい、いばった態度で口を開きました。
「エリアーナ、貴様がこれほどの力を隠し持っていたとはな。今まで、我々王家をだましていたというわけか」
最初の一言が、またしても身勝手な言い分です。
私は、あきれるのを通り越して、少しだけおかしくなってしまいました。
「殿下、私は何もだましてなどおりませんわ。私自身、この力の本当の価値をこの森に来るまで知らなかったのですから」
私は、できるだけ冷静に、そして穏やかな声で答えました。
私の、落ち着いた態度が、気に入らなかったのでしょう。
アルフォンス殿下の、整った眉がぴくりと動きます。
「ふん、言い訳などどうでもよい。それより、貴様のその力は、疫病をいとも簡単に清めたそうではないか」
「はい、聖水をお渡ししたと、バーンズ子爵からお聞きになっているかと存じます」
「そうだ。あの水は、確かに奇跡であった。だが、それゆえに、新たな問題も生じているのだ」
「問題、でございますか?」
「うむ。民衆が、聖女ミレイの力を疑い始めている。あろうことか、『本物の聖女は森にいらっしゃるエリアーナ様だ』などと、失礼なことを口にする者まで現れた」
それは、私にとっては、何の問題でもありません。
むしろ、当然の結果だと思いました。
「そこで、だ。エリアーナ、王都へ戻ってこい」
アルフォンス殿下は、さも当然のようにそう言いました。
「そして、聖女ミレイを助け、その偉大な力を王国のために使うのだ。そうすれば、これまでの貴様の罪を許し、再び王宮での豊かな暮らしを許してやろう」
罪、ですって。
私が、どんな罪を犯したと言うのでしょう。
彼の理屈は、本当に理解できません。
「お言葉、大変光栄に存じますわ、殿下。ですが、そのお話は、謹んでお断りさせていただきます」
私は、はっきりと、きっぱりとそう答えました。
「なっ!?」
アルフォンス殿下は、まさか私が断るとは、夢にも思っていなかったようです。
彼の顔が、みるみるうちに怒りで赤く染まっていきました。
「断るだと?この、アステリア王国、王太子である、この私の命令に逆らうというのか!」
「命令、ではございませんわ。それは、殿下の身勝手なお願いでしょう?」
「き、貴様!」
アルフォンス殿下は、わなわなと震えながら、腰に下げた剣に手をかけます。
そして、私の両親を、鋭く睨みつけました。
「この私に逆らって、ただで済むと思うなよ!お前の両親が、どうなってもよいというのか!」
出ました。
彼の、得意な脅し文句です。
私の、大切な家族を人質にとる、ひきょうな脅迫。
その言葉を、合図にしたかのように、私の周りにいた仲間たちが、一斉に強い敵意を放ちました。
ルーンは、低い唸り声を上げ、その鋭い牙をむき出しにします。
グリフォンのグレンとフィリアは、巨大な翼を広げました。
そして、おどすように、鋭い爪を地面に深く突き立てます。
森の木々が、ざわざわと不気味に揺れました。
優しい風が、唸りを上げ、まるで刃のように鋭くなります。
ついさっきまでの、穏やかな泉のほとりは、一瞬で触れれば斬れるような、緊張した空間へと変わりました。
「ひいっ!」
アルフォンス殿下の後ろにいた騎士たちが、情けない悲鳴を上げます。
彼らは、聖獣や精霊たちが放つ、純粋な怒りの気に、完全に押されていました。
アルフォンス殿下自身も、そのただならぬ雰囲気の変化に、顔からさっと血の気が引いています。
「殿下、脅しは、意味がありませんわ」
私は、氷のように冷たい声で、彼にはっきりと告げました。
「ここが、どこだかお忘れになりましたか。ここは、私の楽園で、私の聖なる場所ですのよ」
「この森では、木の一本、草の葉一枚に至るまで、全てが私の味方です。殿下一人が、私をどうこうできると本気でお思いになって?」
私は、ゆっくりとその場に立ち上がりました。
そして、一歩、アルフォンス殿下の方へと足を踏み出します。
そのたった一歩で、彼はびくりと肩を震わせ、思わず一歩後ずさりました。
もはや、どちらが上で、どちらが下なのか。
その立場は、誰の目にも明らかだったのです。
「さて、殿下。脅しという、くだらないお遊びは、もうおしまいにしてくださいませんか」
「今度は、きちんと、大人同士の話し合いをいたしましょう」
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