20 / 28
20
しおりを挟む
村からの帰り道は、来た時と全く違う気持ちでした。
私の心は、温かい満足感で満たされています。
自分の力が、誰かの役に立った。
その確かな手応えが、私に新しい勇気を与えてくれました。
空には、満月が優しく輝いています。
その光が、私の足元を明るく照らしていました。
「ねえルーン、私もっとたくさんの薬を作りたいわ」
私が、隣を歩くルーンにそう話しかけます。
ルーンは、「わふん」と元気よく一声鳴きました。
まるで、「僕も手伝うよ」と言ってくれているかのようです。
「聖水だけでは、救えない人もいると分かりました」
「私の作った薬を、もっとたくさんの人に届けられたらいいのに」
でも、どうやって?
私が、森から何度も抜け出すわけにはいきません。
王国との約束もありますし、何よりこの森を長く留守にはしたくなかったのです。
それに薬を、無償で配り続けるわけにもいきません。
薬の材料となる、貴重な薬草には限りがあります。
持続可能な形で、人々を助ける仕組みを考えなければなりませんでした。
そんなことを考えながら歩いているうちに、懐かしい我が家の明かりが見えてきます。
私の楽園に、帰ってきたのです。
家の扉を開けると、仲間たちがみんな起きて私を待っていてくれました。
「主様、お帰りなさいませ」
『ご無事で、何よりです』
ホーウェルさんや、グリフォンのグレンが安堵の表情で私を迎えてくれます。
ノームも動物たちも、みんな心配してくれていたのでしょう。
その温かい気持ちが、私の心をじんわりと温めました。
「ええ、ただいま戻りました。みんな、心配をかけてごめんなさいね」
私は、リビングの暖炉の前で仲間たちに村での出来事を詳しく話して聞かせました。
病気の子供が、元気になったこと。
村人たちが、とても喜んでいたこと。
私の話を聞き終えると、みんな自分のことのように喜んでくれます。
「それは、素晴らしいことですな。主殿の薬は、まさに奇跡の霊薬です」
ホーウェルさんが、深くうなずきながら言いました。
「しかし、主殿の悩みもよく分かります」
「善意だけでは、多くの人を救い続けることは難しいものです」
私は、ホーウェルさんの賢い意見を求めてみることにしました。
「ホーウェルさん、何か良い方法はないでしょうか」
「私が森にいながら、薬をたくさんの人に届ける方法が」
ホーウェルさんは、片眼鏡の奥の目を少しだけ細めました。
そして、しばらく考え込んだ後に一つの提案をしてくれます。
「交易、というのはいかがでしょうかな」
「交易、ですか?」
「うむ。我らが作った薬を、商品として外の世界と取引するのです」
「その対価として、我々の生活に必要な物資や新しい薬の材料を手に入れる」
「そうすれば、主殿が森から出る必要もございません」
ホーウェルさんの提案は、まさに目から鱗が落ちるようなものでした。
薬を、商品として売る。
そんなこと、考えたこともありませんでした。
「でも、誰と取引をすればよいのでしょう」
「アルフォンス殿下は、あまり信用できませんわ」
私のその心配に、ホーウェルさんはにっこりと微笑みました。
「もちろん、王家と直接取引をする必要はございません」
「我々には、バーンズ子爵という信頼できる相手がいるではありませんか」
「彼を通して、王都の大きな商会と取引の道を開くのです」
なるほど、と思いました。
バーンズ子爵なら、きっと私たちの良き仲介役になってくれるでしょう。
彼なら、私たちが作った薬の価値を正しく理解してくれるはずです。
そしてその利益を、私利私欲のために使うようなこともないでしょう。
薬で得たお金で、貧しい人を助ける仕組みを作ることもできるかもしれません。
私の頭の中に、壮大な計画が少しずつ形になっていきました。
「ホーウェルさん、素晴らしい考えですわ。ぜひ、その方向で進めてみたいです」
私のその言葉に、他の仲間たちも賛成の声を上げてくれました。
「面白そうじゃな。わしらが作った薬が、都で評判になるのか」
『薬を運ぶ役目は、我らグリフォンにお任せください』
みんな、とても乗り気な様子です。
私の楽園は、ただ穏やかに暮らす場所だけではありません。
ここから、世界を少しだけ良くすることができるかもしれないのです。
そう思うと、私の胸はわくわくとした期待でいっぱいになりました。
私たちは、早速具体的な計画を練り始めます。
まずは、量産できる薬の種類をいくつか開発することにしました。
月光草のポーションは、とても貴重でたくさんは作れません。
もっと、一般的な薬草を使った風邪薬や胃腸薬。
それに、怪我に効く塗り薬なども必要でしょう。
幸い、私の薬草園には様々な種類の薬草が元気に育っています。
ノームの薬草知識と、ホーウェルさんの知恵を借りれば素晴らしい薬がいくつも作れるはずです。
私たちの新しい挑戦が、確かに始まろうとしていました。
その頃、聖女ミレイが起こした「豊穣の奇跡」の噂は王都中に広まっていました。
王都の北にある、何年も作物が育たなかった不毛の大地。
そこにミレイが、光の魔法をかけると一夜にして見事な麦畑が現れたというのです。
その麦は、黄金色に輝き今までに見たこともないほど豊かな実りを見せていました。
民衆は、その奇跡の光景を目の当たりにして熱狂します。
「ミレイ様は、やはり本物の聖女だったのだ」
「森の聖女は、病を癒やしミレイ様は我々の腹を満たしてくれる」
「アステリア王国には、二人の聖女がいらっしゃる。なんと、幸運なことだろう」
手のひらを返したように、ミレイを褒めたたえる声があちこちで上がり始めました。
アルフォンス王太子は、この結果に大いに満足します。
「ふん、これで少しは私の気も晴れたというものだ」
「ミレイ、よくやった。褒めてつかわすぞ」
「は、はい。ありがたき、お言葉にございます」
ミレイは、アルフォンスに褒められて嬉しそうに微笑みました。
しかし、その顔色はどこか青白いままです。
禁断の魔法を使った代償は、彼女の生命力をも少しずつ蝕んでいました。
そして彼女が奇跡を起こした大地は、人の目に見えない場所で死に向かっています。
豊かな麦が、刈り取られた後のその土地。
その土は、生命の色を完全に失い黒く乾いた砂のようになっていました。
もはやそこは、どんな草木も虫一匹さえも生きることのできない完全な死の大地と化していたのです。
ミレイは、その事実から必死に目をそらしていました。
自分が、犯した罪の大きさに気づかないふりをしていたのです。
ミレイの起こした、「豊穣の奇跡」の噂はグリフォンの偵察によってすぐに私の耳にも届きました。
「まあ、ミレイ様がそんなすごい力を持っていらしたのですね」
私は、その報告を聞いて少しだけ驚きました。
でも、特に気にはなりませんでした。
彼女が何をしようと、今の私には関係のないことです。
私には、私のやるべきことがありますから。
ホーウェルさんだけが、その報告を聞いて少しだけ難しい顔で首をひねっていました。
「豊穣の奇跡、ですと。ふむ、少し話が出来すぎているような気もしますな」
彼のその小さなつぶやきを、その時の私は深く気にも留めていませんでした。
私は薬草園で、新しく収穫したカモミールの優しい香りに包まれていました。
このハーブを使えば、きっとよく眠れるようになる安眠薬が作れるでしょう。
私は、新しい薬の開発に胸をときめかせていたのです。
私の楽園は、今日も平和で穏やかな時間が流れていました。
私の心は、温かい満足感で満たされています。
自分の力が、誰かの役に立った。
その確かな手応えが、私に新しい勇気を与えてくれました。
空には、満月が優しく輝いています。
その光が、私の足元を明るく照らしていました。
「ねえルーン、私もっとたくさんの薬を作りたいわ」
私が、隣を歩くルーンにそう話しかけます。
ルーンは、「わふん」と元気よく一声鳴きました。
まるで、「僕も手伝うよ」と言ってくれているかのようです。
「聖水だけでは、救えない人もいると分かりました」
「私の作った薬を、もっとたくさんの人に届けられたらいいのに」
でも、どうやって?
私が、森から何度も抜け出すわけにはいきません。
王国との約束もありますし、何よりこの森を長く留守にはしたくなかったのです。
それに薬を、無償で配り続けるわけにもいきません。
薬の材料となる、貴重な薬草には限りがあります。
持続可能な形で、人々を助ける仕組みを考えなければなりませんでした。
そんなことを考えながら歩いているうちに、懐かしい我が家の明かりが見えてきます。
私の楽園に、帰ってきたのです。
家の扉を開けると、仲間たちがみんな起きて私を待っていてくれました。
「主様、お帰りなさいませ」
『ご無事で、何よりです』
ホーウェルさんや、グリフォンのグレンが安堵の表情で私を迎えてくれます。
ノームも動物たちも、みんな心配してくれていたのでしょう。
その温かい気持ちが、私の心をじんわりと温めました。
「ええ、ただいま戻りました。みんな、心配をかけてごめんなさいね」
私は、リビングの暖炉の前で仲間たちに村での出来事を詳しく話して聞かせました。
病気の子供が、元気になったこと。
村人たちが、とても喜んでいたこと。
私の話を聞き終えると、みんな自分のことのように喜んでくれます。
「それは、素晴らしいことですな。主殿の薬は、まさに奇跡の霊薬です」
ホーウェルさんが、深くうなずきながら言いました。
「しかし、主殿の悩みもよく分かります」
「善意だけでは、多くの人を救い続けることは難しいものです」
私は、ホーウェルさんの賢い意見を求めてみることにしました。
「ホーウェルさん、何か良い方法はないでしょうか」
「私が森にいながら、薬をたくさんの人に届ける方法が」
ホーウェルさんは、片眼鏡の奥の目を少しだけ細めました。
そして、しばらく考え込んだ後に一つの提案をしてくれます。
「交易、というのはいかがでしょうかな」
「交易、ですか?」
「うむ。我らが作った薬を、商品として外の世界と取引するのです」
「その対価として、我々の生活に必要な物資や新しい薬の材料を手に入れる」
「そうすれば、主殿が森から出る必要もございません」
ホーウェルさんの提案は、まさに目から鱗が落ちるようなものでした。
薬を、商品として売る。
そんなこと、考えたこともありませんでした。
「でも、誰と取引をすればよいのでしょう」
「アルフォンス殿下は、あまり信用できませんわ」
私のその心配に、ホーウェルさんはにっこりと微笑みました。
「もちろん、王家と直接取引をする必要はございません」
「我々には、バーンズ子爵という信頼できる相手がいるではありませんか」
「彼を通して、王都の大きな商会と取引の道を開くのです」
なるほど、と思いました。
バーンズ子爵なら、きっと私たちの良き仲介役になってくれるでしょう。
彼なら、私たちが作った薬の価値を正しく理解してくれるはずです。
そしてその利益を、私利私欲のために使うようなこともないでしょう。
薬で得たお金で、貧しい人を助ける仕組みを作ることもできるかもしれません。
私の頭の中に、壮大な計画が少しずつ形になっていきました。
「ホーウェルさん、素晴らしい考えですわ。ぜひ、その方向で進めてみたいです」
私のその言葉に、他の仲間たちも賛成の声を上げてくれました。
「面白そうじゃな。わしらが作った薬が、都で評判になるのか」
『薬を運ぶ役目は、我らグリフォンにお任せください』
みんな、とても乗り気な様子です。
私の楽園は、ただ穏やかに暮らす場所だけではありません。
ここから、世界を少しだけ良くすることができるかもしれないのです。
そう思うと、私の胸はわくわくとした期待でいっぱいになりました。
私たちは、早速具体的な計画を練り始めます。
まずは、量産できる薬の種類をいくつか開発することにしました。
月光草のポーションは、とても貴重でたくさんは作れません。
もっと、一般的な薬草を使った風邪薬や胃腸薬。
それに、怪我に効く塗り薬なども必要でしょう。
幸い、私の薬草園には様々な種類の薬草が元気に育っています。
ノームの薬草知識と、ホーウェルさんの知恵を借りれば素晴らしい薬がいくつも作れるはずです。
私たちの新しい挑戦が、確かに始まろうとしていました。
その頃、聖女ミレイが起こした「豊穣の奇跡」の噂は王都中に広まっていました。
王都の北にある、何年も作物が育たなかった不毛の大地。
そこにミレイが、光の魔法をかけると一夜にして見事な麦畑が現れたというのです。
その麦は、黄金色に輝き今までに見たこともないほど豊かな実りを見せていました。
民衆は、その奇跡の光景を目の当たりにして熱狂します。
「ミレイ様は、やはり本物の聖女だったのだ」
「森の聖女は、病を癒やしミレイ様は我々の腹を満たしてくれる」
「アステリア王国には、二人の聖女がいらっしゃる。なんと、幸運なことだろう」
手のひらを返したように、ミレイを褒めたたえる声があちこちで上がり始めました。
アルフォンス王太子は、この結果に大いに満足します。
「ふん、これで少しは私の気も晴れたというものだ」
「ミレイ、よくやった。褒めてつかわすぞ」
「は、はい。ありがたき、お言葉にございます」
ミレイは、アルフォンスに褒められて嬉しそうに微笑みました。
しかし、その顔色はどこか青白いままです。
禁断の魔法を使った代償は、彼女の生命力をも少しずつ蝕んでいました。
そして彼女が奇跡を起こした大地は、人の目に見えない場所で死に向かっています。
豊かな麦が、刈り取られた後のその土地。
その土は、生命の色を完全に失い黒く乾いた砂のようになっていました。
もはやそこは、どんな草木も虫一匹さえも生きることのできない完全な死の大地と化していたのです。
ミレイは、その事実から必死に目をそらしていました。
自分が、犯した罪の大きさに気づかないふりをしていたのです。
ミレイの起こした、「豊穣の奇跡」の噂はグリフォンの偵察によってすぐに私の耳にも届きました。
「まあ、ミレイ様がそんなすごい力を持っていらしたのですね」
私は、その報告を聞いて少しだけ驚きました。
でも、特に気にはなりませんでした。
彼女が何をしようと、今の私には関係のないことです。
私には、私のやるべきことがありますから。
ホーウェルさんだけが、その報告を聞いて少しだけ難しい顔で首をひねっていました。
「豊穣の奇跡、ですと。ふむ、少し話が出来すぎているような気もしますな」
彼のその小さなつぶやきを、その時の私は深く気にも留めていませんでした。
私は薬草園で、新しく収穫したカモミールの優しい香りに包まれていました。
このハーブを使えば、きっとよく眠れるようになる安眠薬が作れるでしょう。
私は、新しい薬の開発に胸をときめかせていたのです。
私の楽園は、今日も平和で穏やかな時間が流れていました。
133
あなたにおすすめの小説
獣舎の全魔獣を管理していた私を、無能呼ばわりで解雇ですか?じゃあ好き勝手に旅をします。困っても知りません。
藤 ゆみ子
ファンタジー
光属性の魔力を持つフィーナは聖女の一人として王宮に就職するが、一向に治癒魔法を使うことができなかった。聖女として働けないと解雇されるが、帰る家なんてない。
そんな時、日々の癒しのためにこっそり行っていた獣舎の魔獣たちが騎士団長グランディに頼み、獣舎の掃除婦として働くことに。
実はフィーナの持つ魔力は人ではなく、魔獣や魔物に使えるものだった。
無自覚に使い魔たちを癒していたフィーナだったが、グランディに気に入られていることに不満を持つ王女に解雇されてしまう。
フィーナは王女の命令なら仕方ないと王宮を出る。
今だ見たこともない魔獣と出会うため、かつての親友だった魔獣のキュウと再会するために旅に出ることにするが、思わぬ事件や問題に巻き込まれていく。
一方でグランディや魔獣たちはフィーナを取り戻すため奮闘する。
「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ
天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。
彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。
「お前はもういらない」
ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。
だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。
――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。
一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。
生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!?
彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。
そして、レインはまだ知らない。
夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、
「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」
「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」
と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。
そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。
理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。
王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー!
HOT男性49位(2025年9月3日0時47分)
→37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)
『ゴミ溜め場の聖女』と蔑まれた浄化師の私、一族に使い潰されかけたので前世の知識で独立します
☆ほしい
ファンタジー
呪いを浄化する『浄化師』の一族に生まれたセレン。
しかし、微弱な魔力しか持たない彼女は『ゴミ溜め場の聖女』と蔑まれ、命を削る危険な呪具の浄化ばかりを押し付けられる日々を送っていた。
ある日、一族の次期当主である兄に、身代わりとして死の呪いがかかった遺物の浄化を強要される。
死を覚悟した瞬間、セレンは前世の記憶を思い出す。――自分が、歴史的な遺物を修復する『文化財修復師』だったことを。
「これは、呪いじゃない。……経年劣化による、素材の悲鳴だ」
化学知識と修復技術。前世のスキルを応用し、奇跡的に生還したセレンは、搾取されるだけの人生に別れを告げる。
これは、ガラクタ同然の呪具に秘められた真の価値を見出す少女が、自らの工房を立ち上げ、やがて国中の誰もが無視できない存在へと成り上がっていく物語。
微妙なバフなどもういらないと追放された補助魔法使い、バフ3000倍で敵の肉体を内部から破壊して無双する
こげ丸
ファンタジー
「微妙なバフなどもういらないんだよ!」
そう言われて冒険者パーティーを追放されたフォーレスト。
だが、仲間だと思っていたパーティーメンバーからの仕打ちは、それだけに留まらなかった。
「もうちょっと抵抗頑張んないと……妹を酷い目にあわせちゃうわよ?」
窮地に追い込まれたフォーレスト。
だが、バフの新たな可能性に気付いたその時、復讐はなされた。
こいつら……壊しちゃえば良いだけじゃないか。
これは、絶望の淵からバフの新たな可能性を見いだし、高みを目指すに至った補助魔法使いフォーレストが最強に至るまでの物語。
王妃ですが都からの追放を言い渡されたので、田舎暮らしを楽しみます!
藤野ひま
ファンタジー
わたくし王妃の身でありながら、夫から婚姻破棄と王都から出て行く事を言い渡されました。
初めての田舎暮らしは……楽しいのですが?!
夫や、かの女性は王城でお元気かしら?
わたくしは元気にしておりますので、ご心配御無用です!
〔『仮面の王と風吹く国の姫君』の続編となります。できるだけこちらだけでわかるようにしています。が、気になったら前作にも立ち寄っていただけると嬉しいです〕〔ただ、ネタバレ的要素がありますのでご了承ください〕
聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!
ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません?
せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」
不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。
実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。
あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね?
なのに周りの反応は正反対!
なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。
勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?
つまみ食いしたら死にそうになりました なぜか王族と親密に…毒を食べただけですけど
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私は貧しい家に生まれた
お母さんが作ってくれたパイを始めて食べて食の楽しさを知った
メイドとして働くことになれて少しすると美味しそうなパイが出される
王妃様への食事だと分かっていても食べたかった
そんなパイに手を出したが最後、私は王族に気に入られるようになってしまった
私はつまみ食いしただけなんですけど…
刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。繁栄も滅亡も、私の導き次第で決まるようです。
木山楽斗
ファンタジー
宿屋で働くフェリナは、ある日森で卵を見つけた。
その卵からかえったのは、彼女が見たことがない生物だった。その生物は、生まれて初めて見たフェリナのことを母親だと思ったらしく、彼女にとても懐いていた。
本物の母親も見当たらず、見捨てることも忍びないことから、フェリナは謎の生物を育てることにした。
リルフと名付けられた生物と、フェリナはしばらく平和な日常を過ごしていた。
しかし、ある日彼女達の元に国王から通達があった。
なんでも、リルフは竜という生物であり、国を繁栄にも破滅にも導く特別な存在であるようだ。
竜がどちらの道を辿るかは、その母親にかかっているらしい。知らない内に、フェリナは国の運命を握っていたのだ。
※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。
※2021/09/03 改題しました。(旧題:刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる