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バーンズ子爵が、北の土地へ調査の部下を送ってから、数日が過ぎました。
私の森では、ホーウェルさんの提案で開発を始めた、新しいハーブティーがついに完成しました。
カモミールとラベンダーの、優しい香りが調合室いっぱいにふんわりと広がります。
蜂蜜を加えて、ほんのりと甘く仕上げたそのお茶は、美しい黄金色をしていました。
私は、完成したばかりのハーブティーを、小さなカップに丁寧に注ぎます。
そして、森の仲間たちと一緒に、その味を試してみることにしました。
「まあ、なんて良い香りなのかしら。」
一口飲むと、花の優しい香りが、口の中にふわりと広がりました。
そして、温かい液体が、喉を通って体の中にゆっくりと染み渡っていきます。
すると、どうでしょう。
なんだか、心の奥にあった小さな不安や疲れが、すーっと溶けていくような気がしました。
体中の力が、ふっと抜けて、とてもリラックスした気持ちになります。
「これは、素晴らしいですな。」
「まさに、飲む癒やし、とでも言うべき逸品です。」
ホーウェルさんが、目を細めて感心したように言いました。
他の仲間たちも、その不思議な効果に驚いています。
「なんだか、とても眠くなってきたぞい。」
「ふわあ、今日はぐっすり眠れそうですわ。」
ノームたちが、可愛らしいあくびをしています。
どうやら、私たちの作った新しいハーブティーは、大成功のようでした。
私は、このお茶に、『聖女の夢語り』という素敵な名前をつけます。
このお茶を飲んだ人が、どうか幸せな夢を見られますように。
そんな、ささやかな願いを込めたのです。
このハーブティーも、次の交易で白鹿商会に紹介してみようと思いました。
きっと、王都で疲れているたくさんの人々の、心の支えになってくれるに違いありません。
私の楽園から生まれる、新しい恵み。
その一つ一つが、私の心を温かいもので満たしてくれました。
そんな穏やかな日々が、続いていたある日のことです。
夜空を駆けて、聖獣グリフォンのグレンが、王都から急いで帰ってきました。
その様子は、いつになく慌てているように見えます。
『主様、大変です。バーンズ子爵様から、緊急の知らせでございます。』
グレンは、息を切らしながら、一通の手紙を私に差し出しました。
その手紙の封は、急いで開けられたのか、少しだけ破れています。
私は、何か良くないことが起きたのだと、すぐに察しました。
高鳴る胸を抑えながら、私はその手紙を読み始めます。
手紙に書かれていた内容は、私の想像をはるかに超えるほど、衝撃的なものでした。
それは、北の土地を調査した、バーンズ子爵の部下からの詳細な報告書だったのです。
報告書には、目を覆いたくなるような、悲惨な現実が克明に記されていました。
ミレイが、「豊穣の奇跡」を起こした広大な土地。
その場所は、もはや生命の気配が全く感じられない、完全な「死の大地」と化していました。
黒く乾いた土は、冷たい風に吹かれて砂のように舞い上がります。
その周辺の村々では、生活に不可欠な井戸水が次々と枯れてしまいました。
家畜たちは、原因不明の病で、そのほとんどが死んでしまったそうです。
そして、農民たちの中にも、体調を崩す者が続出しています。
彼らは、まるで生命力を吸い取られたかのように、日に日に衰弱しているというのです。
報告書は、こう締めくくられていました。
『このままでは、死の大地は、さらに広がり続けるでしょう。』
『そして、いずれ王国北部全域が、飲み込まれてしまうやもしれません。』
手紙を読み終えた私は、言葉を失って、その場にただ立ち尽くしていました。
水源地で見た、あの不吉なビジョン。
それは、今まさに、現実のものとなってしまっていたのです。
「なんて、恐ろしいことを。」
私の声は、か細く震えていました。
ホーウェルさんも、その報告書を読んで、厳しい顔で腕を組んでいます。
「やはり、わしの懸念が当たってしまいましたな。」
「これは、禁断魔法の、最も恐ろしい代償です。」
「ミレイ殿は、自分が何をしでかしたのか、全く理解しておらんのでしょう。」
彼の、その言葉。
その言葉が、私の心に深く突き刺さりました。
ミレイ様は、聖女という立場に追い詰められて、禁断の力に手を出してしまったのでしょう。
彼女を、そこまで追い詰めてしまった原因の一端は、もしかしたら私にもあるのかもしれません。
そう思うと、私は彼女を、ただ責めるだけの気持ちにはなれませんでした。
それよりも、今、目の前で苦しんでいる人々を、どうすれば救えるのか。
私の頭の中は、そのことでいっぱいになりました。
「ホーウェルさん、私、このまま黙って見ていることはできません。」
「罪のない人々や、動物たちが、これ以上苦しむのは耐えられないのです。」
私が、強い決意を込めてそう言うと、ホーウェルさんは静かにうなずきました。
「ええ、主殿なら、そうおっしゃると思っておりました。」
「ですが、主殿。王国との約束を、破るわけにはいきません。」
「主殿が、直接あの土地へ赴くのは、あまりにも危険すぎます。」
ホーウェルさんの言う通りでした。
私が、軽率に森を出れば、アルフォンス殿下が何を仕掛けてくるか分かりません。
それに、これほど広範囲に広がった「死の大地」を、私一人の力で浄化できるかどうかも分かりませんでした。
「では、どうすればよいのでしょう。」
「何か、森にいながらにして、あの土地を救う方法はないのでしょうか。」
私は、必死に知恵を絞ろうとします。
その時、ホーウェルさんが、何かを思い出したように、はっとした顔をしました。
彼は、書斎へ駆け込むと、一冊の古びた分厚い本を持って戻ってきます。
その本の表紙には、かすれた古代文字で、『大地の癒やし』と記されていました。
「主殿、もしかしたら、一つだけ方法があるやもしれません。」
ホーウェルさんは、ほこりっぽいページを、急いでめくり始めました。
そして、あるページを指さして、私に見せてくれます。
そのページには、美しい水晶の絵が描かれていました。
その水晶は、まるで涙の雫のような、不思議な形をしています。
「これは、『大地の涙』と呼ばれる、伝説の結晶です。」
「古い言い伝えによりますと、大地そのものが、深い悲しみに包まれた時、その嘆きに応えるようにして、聖なる洞窟の奥深くで、生まれることがあると言われております。」
「そして、この結晶には、死んだ大地を蘇らせるほどの、強大な癒やしの力が宿っているとか。」
ホーウェルさんの、その言葉。
その言葉が、私の心に、一筋の希望の光を灯しました。
「大地の涙、ですって。」
「ホーウェルさん、その聖なる洞窟というのは、どこにあるのでしょう。」
「ふむ、この本によりますと、その洞窟は、この森のさらに奥深く、誰も足を踏み入れたことのない、最深部に存在すると書かれておりますな。」
森の、最深部。
それは、水源地よりも、さらに奥にある未知の領域です。
そこが、どんな場所なのか、誰も知りません。
もしかしたら、危険な魔物が生息している可能性もあります。
でも、私は、もう迷ってはいませんでした。
それしか、方法がないのなら、私が行くしかありません。
「分かりました、ホーウェルさん。私、その『大地の涙』を探しに行きます。」
私が、きっぱりとそう宣言すると、周りにいた仲間たちが、一斉にざわめきました。
『主様、それは危険すぎます。』
「いや、わしも一緒に行くぞい。主殿を、一人にはできん。」
「わふん!」
グレンも、ノームも、そしてルーンも、心配そうに、そして力強く、そう言ってくれました。
私は、そんな仲間たちの温かい気持ちに、胸が熱くなるのを感じます。
「ありがとう、みんな。でも、これは私自身の問題です。」
「それに、私には、誰よりも頼りになる相棒がついていますから。」
私は、足元のルーンを、優しく抱きしめました。
ホーウェルさんも、私の固い決意を、理解してくれたようです。
彼は、私の肩に飛び乗ると、こう言いました。
「分かりました、主殿。わしも、お供させていただきます。」
「わしの知識が、きっと道中のお役に立つことでしょう。」
こうして、私は、「大地の涙」を探すため、森の最深部への冒険に出ることを決意したのです。
ノームたちが、旅のための準備を、すぐに始めてくれました。
丈夫なロープや、松明、そしてたくさんの食料を用意してくれます。
森の仲間たち、全員が私のことを心配し、そして応援してくれていました。
私は、みんなの思いを胸に、未知なる冒険へと旅立つ準備を始めます。
次の日の朝、私はルーンとホーウェルさんだけを連れて、家の前に立ちました。
グリフォンのグレンとフィリアが、空から私たちを見送ってくれています。
「グレン、フィリア、留守の間、この森のことをよろしくお願いしますね。」
『はっ、主様。お気をつけて、いってらっしゃいませ。』
私は、仲間たちに手を振ると、森の最深部へと続く、未知の道へと、第一歩を踏み出しました。
今までの穏やかな森とは、明らかに違う、神秘的で、そして少しだけ危険な気配が、私たちの体を包み込んでいたのです。
私の森では、ホーウェルさんの提案で開発を始めた、新しいハーブティーがついに完成しました。
カモミールとラベンダーの、優しい香りが調合室いっぱいにふんわりと広がります。
蜂蜜を加えて、ほんのりと甘く仕上げたそのお茶は、美しい黄金色をしていました。
私は、完成したばかりのハーブティーを、小さなカップに丁寧に注ぎます。
そして、森の仲間たちと一緒に、その味を試してみることにしました。
「まあ、なんて良い香りなのかしら。」
一口飲むと、花の優しい香りが、口の中にふわりと広がりました。
そして、温かい液体が、喉を通って体の中にゆっくりと染み渡っていきます。
すると、どうでしょう。
なんだか、心の奥にあった小さな不安や疲れが、すーっと溶けていくような気がしました。
体中の力が、ふっと抜けて、とてもリラックスした気持ちになります。
「これは、素晴らしいですな。」
「まさに、飲む癒やし、とでも言うべき逸品です。」
ホーウェルさんが、目を細めて感心したように言いました。
他の仲間たちも、その不思議な効果に驚いています。
「なんだか、とても眠くなってきたぞい。」
「ふわあ、今日はぐっすり眠れそうですわ。」
ノームたちが、可愛らしいあくびをしています。
どうやら、私たちの作った新しいハーブティーは、大成功のようでした。
私は、このお茶に、『聖女の夢語り』という素敵な名前をつけます。
このお茶を飲んだ人が、どうか幸せな夢を見られますように。
そんな、ささやかな願いを込めたのです。
このハーブティーも、次の交易で白鹿商会に紹介してみようと思いました。
きっと、王都で疲れているたくさんの人々の、心の支えになってくれるに違いありません。
私の楽園から生まれる、新しい恵み。
その一つ一つが、私の心を温かいもので満たしてくれました。
そんな穏やかな日々が、続いていたある日のことです。
夜空を駆けて、聖獣グリフォンのグレンが、王都から急いで帰ってきました。
その様子は、いつになく慌てているように見えます。
『主様、大変です。バーンズ子爵様から、緊急の知らせでございます。』
グレンは、息を切らしながら、一通の手紙を私に差し出しました。
その手紙の封は、急いで開けられたのか、少しだけ破れています。
私は、何か良くないことが起きたのだと、すぐに察しました。
高鳴る胸を抑えながら、私はその手紙を読み始めます。
手紙に書かれていた内容は、私の想像をはるかに超えるほど、衝撃的なものでした。
それは、北の土地を調査した、バーンズ子爵の部下からの詳細な報告書だったのです。
報告書には、目を覆いたくなるような、悲惨な現実が克明に記されていました。
ミレイが、「豊穣の奇跡」を起こした広大な土地。
その場所は、もはや生命の気配が全く感じられない、完全な「死の大地」と化していました。
黒く乾いた土は、冷たい風に吹かれて砂のように舞い上がります。
その周辺の村々では、生活に不可欠な井戸水が次々と枯れてしまいました。
家畜たちは、原因不明の病で、そのほとんどが死んでしまったそうです。
そして、農民たちの中にも、体調を崩す者が続出しています。
彼らは、まるで生命力を吸い取られたかのように、日に日に衰弱しているというのです。
報告書は、こう締めくくられていました。
『このままでは、死の大地は、さらに広がり続けるでしょう。』
『そして、いずれ王国北部全域が、飲み込まれてしまうやもしれません。』
手紙を読み終えた私は、言葉を失って、その場にただ立ち尽くしていました。
水源地で見た、あの不吉なビジョン。
それは、今まさに、現実のものとなってしまっていたのです。
「なんて、恐ろしいことを。」
私の声は、か細く震えていました。
ホーウェルさんも、その報告書を読んで、厳しい顔で腕を組んでいます。
「やはり、わしの懸念が当たってしまいましたな。」
「これは、禁断魔法の、最も恐ろしい代償です。」
「ミレイ殿は、自分が何をしでかしたのか、全く理解しておらんのでしょう。」
彼の、その言葉。
その言葉が、私の心に深く突き刺さりました。
ミレイ様は、聖女という立場に追い詰められて、禁断の力に手を出してしまったのでしょう。
彼女を、そこまで追い詰めてしまった原因の一端は、もしかしたら私にもあるのかもしれません。
そう思うと、私は彼女を、ただ責めるだけの気持ちにはなれませんでした。
それよりも、今、目の前で苦しんでいる人々を、どうすれば救えるのか。
私の頭の中は、そのことでいっぱいになりました。
「ホーウェルさん、私、このまま黙って見ていることはできません。」
「罪のない人々や、動物たちが、これ以上苦しむのは耐えられないのです。」
私が、強い決意を込めてそう言うと、ホーウェルさんは静かにうなずきました。
「ええ、主殿なら、そうおっしゃると思っておりました。」
「ですが、主殿。王国との約束を、破るわけにはいきません。」
「主殿が、直接あの土地へ赴くのは、あまりにも危険すぎます。」
ホーウェルさんの言う通りでした。
私が、軽率に森を出れば、アルフォンス殿下が何を仕掛けてくるか分かりません。
それに、これほど広範囲に広がった「死の大地」を、私一人の力で浄化できるかどうかも分かりませんでした。
「では、どうすればよいのでしょう。」
「何か、森にいながらにして、あの土地を救う方法はないのでしょうか。」
私は、必死に知恵を絞ろうとします。
その時、ホーウェルさんが、何かを思い出したように、はっとした顔をしました。
彼は、書斎へ駆け込むと、一冊の古びた分厚い本を持って戻ってきます。
その本の表紙には、かすれた古代文字で、『大地の癒やし』と記されていました。
「主殿、もしかしたら、一つだけ方法があるやもしれません。」
ホーウェルさんは、ほこりっぽいページを、急いでめくり始めました。
そして、あるページを指さして、私に見せてくれます。
そのページには、美しい水晶の絵が描かれていました。
その水晶は、まるで涙の雫のような、不思議な形をしています。
「これは、『大地の涙』と呼ばれる、伝説の結晶です。」
「古い言い伝えによりますと、大地そのものが、深い悲しみに包まれた時、その嘆きに応えるようにして、聖なる洞窟の奥深くで、生まれることがあると言われております。」
「そして、この結晶には、死んだ大地を蘇らせるほどの、強大な癒やしの力が宿っているとか。」
ホーウェルさんの、その言葉。
その言葉が、私の心に、一筋の希望の光を灯しました。
「大地の涙、ですって。」
「ホーウェルさん、その聖なる洞窟というのは、どこにあるのでしょう。」
「ふむ、この本によりますと、その洞窟は、この森のさらに奥深く、誰も足を踏み入れたことのない、最深部に存在すると書かれておりますな。」
森の、最深部。
それは、水源地よりも、さらに奥にある未知の領域です。
そこが、どんな場所なのか、誰も知りません。
もしかしたら、危険な魔物が生息している可能性もあります。
でも、私は、もう迷ってはいませんでした。
それしか、方法がないのなら、私が行くしかありません。
「分かりました、ホーウェルさん。私、その『大地の涙』を探しに行きます。」
私が、きっぱりとそう宣言すると、周りにいた仲間たちが、一斉にざわめきました。
『主様、それは危険すぎます。』
「いや、わしも一緒に行くぞい。主殿を、一人にはできん。」
「わふん!」
グレンも、ノームも、そしてルーンも、心配そうに、そして力強く、そう言ってくれました。
私は、そんな仲間たちの温かい気持ちに、胸が熱くなるのを感じます。
「ありがとう、みんな。でも、これは私自身の問題です。」
「それに、私には、誰よりも頼りになる相棒がついていますから。」
私は、足元のルーンを、優しく抱きしめました。
ホーウェルさんも、私の固い決意を、理解してくれたようです。
彼は、私の肩に飛び乗ると、こう言いました。
「分かりました、主殿。わしも、お供させていただきます。」
「わしの知識が、きっと道中のお役に立つことでしょう。」
こうして、私は、「大地の涙」を探すため、森の最深部への冒険に出ることを決意したのです。
ノームたちが、旅のための準備を、すぐに始めてくれました。
丈夫なロープや、松明、そしてたくさんの食料を用意してくれます。
森の仲間たち、全員が私のことを心配し、そして応援してくれていました。
私は、みんなの思いを胸に、未知なる冒険へと旅立つ準備を始めます。
次の日の朝、私はルーンとホーウェルさんだけを連れて、家の前に立ちました。
グリフォンのグレンとフィリアが、空から私たちを見送ってくれています。
「グレン、フィリア、留守の間、この森のことをよろしくお願いしますね。」
『はっ、主様。お気をつけて、いってらっしゃいませ。』
私は、仲間たちに手を振ると、森の最深部へと続く、未知の道へと、第一歩を踏み出しました。
今までの穏やかな森とは、明らかに違う、神秘的で、そして少しだけ危険な気配が、私たちの体を包み込んでいたのです。
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