サハギンに転生した俺、最弱から進化して海の覇王になりました

第66話

外洋第二海域への進軍は速かった。
補給線は完璧に整え、前衛部隊は索敵しながら進む。

（フィン、前方異常は？）

（特になし！　小型モンスターばかりで脅威にはなりません！）

（いい、ならこのまま一気に資源地帯を制圧する）

（了解ッ！）

数時間後、目標海域に到達した。

そこには大量の海藻群生地、小魚の繁殖場、天然の岩礁資源が広がっていた。
資源の宝庫だ。

フィンが目を輝かせる。

（王、これ……すごいですね）

（即座に拠点化する。遊撃隊、外周確保。突撃隊、中心に拠点設置）

（了解！）

兵たちが素早く配置につく。

防衛隊は自然の岩礁を壁に利用し、外周を固める。
遊撃隊は遠距離警戒に回り、索敵範囲を拡張。

フィンが指示を飛ばした。

（捕獲班、海藻群生地の囲い込み開始！　繁殖場は保護しろ、絶対に荒らすな！）

「了解ッ！」

「海藻群、囲い込み完了間近！」

「繁殖場、哨戒網を展開します！」

俺は中央に立ち、さらに命じた。

（この拠点を拡張しろ。補給基地と軍港機能を併設する）

（了解ッ！）

重甲殻型モンスターたちが岩礁を切り出し、巨大な壁を築き始める。

水上にも浮上施設を設置し、外洋からの補給も可能にする。
完全なる拠点が、急速に形になっていく。

（次だ）

フィンが報告を持ってきた。

（王、周辺海域の資源情報です）

（どれだ）

フィンが地図を広げた。

（この西側、さらに大規模な鉱脈が存在する可能性があります。しかも未開拓）

（よし、次の目標にする）

（突撃隊、遊撃隊、防衛隊、編成完了しています！　すぐに出発可能です！）

（全軍、前進）

俺たちは再び動き出す。

前衛には高速型の偵察モンスターを配備。
索敵範囲をさらに広げ、敵勢力の兆候を探る。

フィンが新たな報告を上げてきた。

（王、前方に小型の勢力を確認！　モンスター集団です！）

（どの程度の規模だ）

（小型拠点一基、防衛兵力三〇前後）

（一蹴する。即座に制圧準備）

フィンが手を挙げる。

（突撃隊、前方制圧準備！　遊撃隊、側面展開！）

「了解！」

「突撃準備完了！」

敵拠点が視界に入った。

粗末な海藻を束ねた防壁、統率もない雑魚ども。
一瞬で蹂躙できる。

（突撃開始！）

俺は渦潮掌握を展開し、一気に敵拠点中央へ突入した。

防壁が渦に飲まれ、雑魚どもが泡と共に吹き飛んでいく。

「ぎゃああああ！」

「防壁が──！」

「た、助け──」

無駄だ。

爪で引き裂き、牙で噛み砕き、骨槍で串刺しにする。

フィンが叫ぶ。

（王、敵兵力壊滅確認！）

（拠点占拠を急げ！）

突撃隊が突入し、残った敵を片付けていく。

数分後には完全制圧。
遊撃隊が哨戒網を張り、防衛隊が拠点の再整備を開始した。

フィンが肩で息をしながら報告する。

（王、被害軽微！　死者ゼロ！）

（上出来だ）

制圧した拠点も、すぐに補給線へ組み込まれた。

資源の流れは加速し、俺たちの支配領域はさらに広がる。

（次だ）

フィンが頷く。

（次の目標、すでに設定済みです）

地図に赤く印がつけられていた。

（さらに広い外洋、未踏地帯──ここを制圧すれば、外洋半分が我らのものになります）

（全軍、補給を整え次第、出撃する）

（了解ッ！）

軍勢はすぐに動き出す。

補給部隊が物資を運び、遊撃隊が周辺の安全を確保。
突撃隊、防衛隊が整列し、出撃準備を完了させる。

俺は先頭に立ち、前を睨みつけた。