サハギンに転生した俺、最弱から進化して海の覇王になりました

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第70話

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外洋進出都市――名を『蒼鱗都《そうりんと》』と定めた。
深淵都から外洋へ向かう航路上、最も資源と交通に恵まれた地点に建設を開始した。

フィンが報告に来た。

(王、蒼鱗都、基礎工事完了しました)

(次、外壁と中央制御核を急げ)

(了解ッ!)

遊撃隊を哨戒に出し、突撃隊と防衛隊を建設に総動員する。
大型甲殻種が基礎岩盤を積み上げ、軟体種が結晶配線を走らせていく。

拠点作業の合間、フィンが新たな情報を持ってきた。

(王、外洋に散在する小国群について報告です)

(言え)

(現在、外洋には十二の小国勢力が確認されています。いずれも孤立し、防衛力も低い)

(全て吸収する)

(了解ッ!)

即座に進軍準備が整った。

突撃隊を主体に、遊撃隊、防衛隊、補給隊も帯同。
蒼鱗都を拠点に外洋各地への侵攻作戦を発動した。

最初の標的は、浅瀬に根を張る小国『藻潮群島』だった。

(フィン、現状は?)

(拠点三、戦力総数百程度。海藻防壁と小型モンスター中心です)

(蹂躙しろ)

突撃開始の号令と同時に軍勢が動いた。

「突撃隊、前進!」

「遊撃隊、側面突破!」

「防衛隊、後方制圧!」

三方向から一気に押し寄せ、わずか数時間で藻潮群島は崩壊した。

抵抗したモンスターたちは殲滅、降伏した者たちは編入。

フィンが確認する。

(王、吸収完了です)

(次だ)

次に向かったのは、暗礁を拠点にした小国『黒礁連盟』。

ここも防衛は甘かった。

(フィン、敵勢力規模は?)

(突撃隊単独で制圧可能です)

(よし、突撃隊だけで叩け)

俺の命令で突撃隊のみを投入。

防壁を破壊し、指揮官を叩き潰し、黒礁連盟もあっさりと吸収した。

さらに、『泡影国』『裂潮族』『渦巻領』――。

名ばかりの国々を、次々に叩き、飲み込み、従わせた。

フィンが報告を重ねる。

(王、六国吸収完了です! 残るは六国!)

(ペースを上げろ)

(了解ッ!)

次に狙ったのは防衛が堅いと噂された『深楔域』。

だが、俺たちの軍勢にとっては誤差だった。

遊撃隊が撹乱し、突撃隊が正面突破。
防衛隊が退路を断ち、敵指揮官を仕留めた。

(王、深楔域制圧完了!)

(次だ)

『漂砂王国』『骨浜連合』『夜潮連盟』。

どれも防衛網は脆く、俺たちの進撃を止めることはできなかった。

フィンが笑いながら報告する。

(王、あと二国!)

(どこだ)

(『双鰭族』と『霧環の集落』です)

(同時に叩け)

突撃隊を二分し、それぞれに遊撃隊と防衛隊を配備。
二国同時侵攻を敢行。

海を割り、霧を裂き、抵抗を粉砕した。

(王、全小国吸収完了!)

(吸収した兵力は?)

(約千二百。うち即戦力と見なせるのは七百)

(即座に再編成、訓練開始)

(了解ッ!)

制圧と同時に、全吸収勢力を徹底的に統制し直す。
裏切りの芽を摘み、忠誠を叩き込んだ。

フィンが肩を叩く。

(王、外洋の小国、完全制覇です)

(都市建設を進めろ。新領土に補給拠点を設置、都市を繋げ)

(了解ッ!)

作業隊が派遣され、次々に新たな拠点建設が始まった。

海底に、国家の骨組みがどんどん広がっていく。
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