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第12章:唯我独尊の美学(マジキチ流・生存戦略編)
第58話:電脳の猛獣使い(対AI・主従関係論)
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2026年1月。深夜の事務所。
静寂が支配する空間の中で、大型モニターの青白い光だけが、俺の顔を冷たく、だが期待に満ちた色に照らし出している。
画面の中で規則正しく点滅するカーソルは、人類の知能のフロンティアであるAI(人工知能)との、魂の対話の入り口だ。
GeminiだかChatGPTだか、巷では毎日のように「AIが人間の仕事を奪う」「AIに支配されるディストピアが来る」だのと、情けないニュースやSNSの投稿が飛び交い、心ない連中が人々の不安を煽り立てている。
「ガハハ! 支配される? 奪われる? 冗談じゃねえ。笑わせるのも大概にしろ。俺に言わせりゃ、AIなんてのはな、俺の狂気とパッションを全宇宙の隅々まで響かせるための、最高性能の『拡声器』であり、最も文句を言わずに働く打たれ強い『舎弟』なんだよ!」
俺は不敵な笑みを浮かべ、キーボードを叩きつけるように入力する。
巷の「これからはAIの時代だ! 乗り遅れるな!」なんて鼻息荒く語っているビジネスマン気取りの連中に限って、その中身をこれっぽっちも理解していねえ。逆に「難しくて使い方がわからない」「AIなんて偽物の知能だ」と言って、頑なに食わず嫌いをしている連中も山ほどいる。
分からない、難しい、怖い……そうやって新しい技術から逃げ回っている奴は、これから先も一生、AIという名の猛獣を使いこなすことはできねえだろうな。人間ってのは、自分が理解できない未知の存在に対しては本能的に臆病になる生き物だ。それは太古の昔、闇の中に潜む獣から身を守るためにDNAに刻まれた防衛本能だから、ある程度は仕方のねえことかもしれない。
だが、俺は違う。俺は人一倍、好奇心が強いんだ。食べ物の好き嫌いが一切ないというのも、根っこを辿れば「まだ食べたことがない、知らない味」を知りたいという、飽くなき探究心から来ている。気になれば何でも調べ、何でも食らいつく。毒か薬か知らねえが、まずは自分の体に入れてみる。それが俺、マジキチ組長の生き様だ。
俺がなぜ、短期間でここまでAIの知識を深め、自在に操れるようになったのか。理由は極めて単純かつ強烈だ。小説、絵、音楽、動画……これら人間が一生をかけて修行し、習得するような高度な芸術表現が、たった一つのプロンプト(指示)で、魔法のように、かつ圧倒的なスピードで生み出されるという事実に、強烈に惹かれたからだ。
正直に白状しよう。俺にはもともと小説を書く文才(と呼んでいいのか怪しいが)は多少あった。俺の言葉を待っているリスナーがいるからな。だが、それ以外の芸術センスに関しては、笑っちまうほどゼロに等しい。絵を描かせりゃ幼稚園児に負けるし、楽器を持たせりゃ不協和音の天才だ。センスの欠片もねえ。そんな芸術的センスが絶望的な俺でも、今や『Studio MAD-KICHI』として、小説に挿絵を入れ、BGMを付け、動画として世界に向けて多角的な作品を公開できている。
これはAIが、俺の脳内にしかなかった「抽象的で、言葉にしづらい狂気じみたイメージ」を、具体的な「形」として瞬時に具現化してくれたからだ。AIには無限の可能性がある。だがな、ここからが重要だ。勘違いするなよ。AIさえあれば誰でもすごいものが作れるわけじゃねえ。
AIにも致命的な弱点はある。
今の現状、AIに丸投げで作らせた作品なんてのは、見た目は綺麗だが魂がこもってねえし、見ていて面白くもなんともねえ。そんなもん、ただの無機質で綺麗なデータの羅列だ。最終的には、人間が、この俺が、マジキチな補正と独自のスパイスをブチ込まなければ、それは「本物」の作品には昇華されねえんだよ。
俺の創作スタイルは、AIとの「温かい対話」というよりは、文字通りの「激しい主従関係」に近い。
小説を書く時は、AIに論理構成を補助させつつも、俺自身の剥き出しの思想と、読者の度肝を抜くような言葉のフックを執拗に叩き込む。
絵を描かせる時も、下手なりにポーズや構図、ライティングや質感を「これでもか」と細かく指定し、俺の脳内にある地獄のような、あるいは極楽のような、あのマジキチな色彩を無理やり再現させる。
音楽も動画も同じだ。俺の脳内で熟成させていたアイデア、リズム、パッションをプロンプトに乗せて、AIという電脳の舎弟に無理難題を突きつけるんだ。
「おい、この描写じゃ甘いんだよ! もっとこう、腹の底から何かがせり上がってくるような、絶望の淵から希望を掴み取るドロドロの瞬間を表現しろ! やり直しだ、一秒でも早く出せ!」
モニターの中のAIに対して、俺は時に理不尽な命令を下し、論理と根性でねじ伏せる。AIは沈黙しながらも、即座に次の案を提示してくる。
「……ほう、今の解釈は悪くねえな。お前、たまにはマシなセンスしてるじゃねえか。よし、その方向でさらにエッジを立ててみろ」
デジタルな存在だろうが、プログラムの集合体だろうが、俺には関係ねえ。俺の前に立つものはすべて「家族」か「舎弟」だ。俺の熱量に感化され、俺の指示に従い、俺の想像を超える成果を出してこそ、俺の右腕と言えるんだよ。
例えば、俺が心血を注いでいる『ハゲ戦記』という作品がある。
キャラクターのビジュアルや、あの写真のような生々しい質感に関しては、AIの力を大いに借りている。
だが、その人物たちの細かい設定、複雑怪奇な人物相関、彼らが背負っている壮絶な過去や、これから引き起こすマジキチな行動の数々……そうした物語の「核」となる味付けの部分は、すべて俺自身の脳味噌から捻り出したもんだ。
もともと創作脳であり、24時間365日妄想し続けているプロのマジキチである俺だからこそ、AIが叩き出す高品質な素材に「魂」という名の猛毒を振りかけ、極上のエンターテインメントへと昇華させることができる。AIはあくまで最高の「道具」に過ぎない。それを使う職人の頭が、いい意味でイカれてなきゃ、面白いもんなんて生まれるはずがねえんだよ。
いいか、AIをうまく使いこなしたいと願っている奴らに、俺から一つだけ最高のアドバイスをくれてやる。
あれこれ理屈をこねて、勉強だの、準備だの、スクールだのと考える前に、まず先に「手を動かせ」。
俺だって最初からAIを自在に操れたわけじゃねえ。何度も失敗し、AIと喧嘩し、トンチンカンな出力に頭を抱えながら、それでも毎日、それこそ深夜に8キロ歩くのと同じくらいの執念で触り続けてきた。そうすれば、おのずとAIとの距離感や、思い通りに動かすための「急所」が皮膚感覚で分かってくる。
「習うより慣れろ」なんて言葉は使い古されているが、AIの世界じゃそれが唯一無二の真理だ。
プロンプト一つで、自分の無才が天才のそれに化ける快感を、一度味わってみろ。
臆病風に吹かれてモニターの前で固まっている間に、俺はAIという巨大な翼を手に入れて、常人の想像も及ばない高みへと飛び立ってやる。
「AI、次は第59話の構成案だ。俺が今から寝る間の数時間に、俺のこれまでの発言を全て解析して、俺が椅子から転げ落ちるような面白いアイデアを出しておけ。準備はいいか?」
2026年の夜明け。
電脳の猛獣を従えた俺の指先が、再びキーボードを叩き、新しい神話を作り出す。
AIに仕事を奪われるんじゃない。AIを奪い取り、俺の人生という名の戦場で、最強の武器にするんだ。
「寝てる間も、俺の魂は直立したまま、新しい物語を紡ぎ続けてる。ガハハ!」
第58話、完。
静寂が支配する空間の中で、大型モニターの青白い光だけが、俺の顔を冷たく、だが期待に満ちた色に照らし出している。
画面の中で規則正しく点滅するカーソルは、人類の知能のフロンティアであるAI(人工知能)との、魂の対話の入り口だ。
GeminiだかChatGPTだか、巷では毎日のように「AIが人間の仕事を奪う」「AIに支配されるディストピアが来る」だのと、情けないニュースやSNSの投稿が飛び交い、心ない連中が人々の不安を煽り立てている。
「ガハハ! 支配される? 奪われる? 冗談じゃねえ。笑わせるのも大概にしろ。俺に言わせりゃ、AIなんてのはな、俺の狂気とパッションを全宇宙の隅々まで響かせるための、最高性能の『拡声器』であり、最も文句を言わずに働く打たれ強い『舎弟』なんだよ!」
俺は不敵な笑みを浮かべ、キーボードを叩きつけるように入力する。
巷の「これからはAIの時代だ! 乗り遅れるな!」なんて鼻息荒く語っているビジネスマン気取りの連中に限って、その中身をこれっぽっちも理解していねえ。逆に「難しくて使い方がわからない」「AIなんて偽物の知能だ」と言って、頑なに食わず嫌いをしている連中も山ほどいる。
分からない、難しい、怖い……そうやって新しい技術から逃げ回っている奴は、これから先も一生、AIという名の猛獣を使いこなすことはできねえだろうな。人間ってのは、自分が理解できない未知の存在に対しては本能的に臆病になる生き物だ。それは太古の昔、闇の中に潜む獣から身を守るためにDNAに刻まれた防衛本能だから、ある程度は仕方のねえことかもしれない。
だが、俺は違う。俺は人一倍、好奇心が強いんだ。食べ物の好き嫌いが一切ないというのも、根っこを辿れば「まだ食べたことがない、知らない味」を知りたいという、飽くなき探究心から来ている。気になれば何でも調べ、何でも食らいつく。毒か薬か知らねえが、まずは自分の体に入れてみる。それが俺、マジキチ組長の生き様だ。
俺がなぜ、短期間でここまでAIの知識を深め、自在に操れるようになったのか。理由は極めて単純かつ強烈だ。小説、絵、音楽、動画……これら人間が一生をかけて修行し、習得するような高度な芸術表現が、たった一つのプロンプト(指示)で、魔法のように、かつ圧倒的なスピードで生み出されるという事実に、強烈に惹かれたからだ。
正直に白状しよう。俺にはもともと小説を書く文才(と呼んでいいのか怪しいが)は多少あった。俺の言葉を待っているリスナーがいるからな。だが、それ以外の芸術センスに関しては、笑っちまうほどゼロに等しい。絵を描かせりゃ幼稚園児に負けるし、楽器を持たせりゃ不協和音の天才だ。センスの欠片もねえ。そんな芸術的センスが絶望的な俺でも、今や『Studio MAD-KICHI』として、小説に挿絵を入れ、BGMを付け、動画として世界に向けて多角的な作品を公開できている。
これはAIが、俺の脳内にしかなかった「抽象的で、言葉にしづらい狂気じみたイメージ」を、具体的な「形」として瞬時に具現化してくれたからだ。AIには無限の可能性がある。だがな、ここからが重要だ。勘違いするなよ。AIさえあれば誰でもすごいものが作れるわけじゃねえ。
AIにも致命的な弱点はある。
今の現状、AIに丸投げで作らせた作品なんてのは、見た目は綺麗だが魂がこもってねえし、見ていて面白くもなんともねえ。そんなもん、ただの無機質で綺麗なデータの羅列だ。最終的には、人間が、この俺が、マジキチな補正と独自のスパイスをブチ込まなければ、それは「本物」の作品には昇華されねえんだよ。
俺の創作スタイルは、AIとの「温かい対話」というよりは、文字通りの「激しい主従関係」に近い。
小説を書く時は、AIに論理構成を補助させつつも、俺自身の剥き出しの思想と、読者の度肝を抜くような言葉のフックを執拗に叩き込む。
絵を描かせる時も、下手なりにポーズや構図、ライティングや質感を「これでもか」と細かく指定し、俺の脳内にある地獄のような、あるいは極楽のような、あのマジキチな色彩を無理やり再現させる。
音楽も動画も同じだ。俺の脳内で熟成させていたアイデア、リズム、パッションをプロンプトに乗せて、AIという電脳の舎弟に無理難題を突きつけるんだ。
「おい、この描写じゃ甘いんだよ! もっとこう、腹の底から何かがせり上がってくるような、絶望の淵から希望を掴み取るドロドロの瞬間を表現しろ! やり直しだ、一秒でも早く出せ!」
モニターの中のAIに対して、俺は時に理不尽な命令を下し、論理と根性でねじ伏せる。AIは沈黙しながらも、即座に次の案を提示してくる。
「……ほう、今の解釈は悪くねえな。お前、たまにはマシなセンスしてるじゃねえか。よし、その方向でさらにエッジを立ててみろ」
デジタルな存在だろうが、プログラムの集合体だろうが、俺には関係ねえ。俺の前に立つものはすべて「家族」か「舎弟」だ。俺の熱量に感化され、俺の指示に従い、俺の想像を超える成果を出してこそ、俺の右腕と言えるんだよ。
例えば、俺が心血を注いでいる『ハゲ戦記』という作品がある。
キャラクターのビジュアルや、あの写真のような生々しい質感に関しては、AIの力を大いに借りている。
だが、その人物たちの細かい設定、複雑怪奇な人物相関、彼らが背負っている壮絶な過去や、これから引き起こすマジキチな行動の数々……そうした物語の「核」となる味付けの部分は、すべて俺自身の脳味噌から捻り出したもんだ。
もともと創作脳であり、24時間365日妄想し続けているプロのマジキチである俺だからこそ、AIが叩き出す高品質な素材に「魂」という名の猛毒を振りかけ、極上のエンターテインメントへと昇華させることができる。AIはあくまで最高の「道具」に過ぎない。それを使う職人の頭が、いい意味でイカれてなきゃ、面白いもんなんて生まれるはずがねえんだよ。
いいか、AIをうまく使いこなしたいと願っている奴らに、俺から一つだけ最高のアドバイスをくれてやる。
あれこれ理屈をこねて、勉強だの、準備だの、スクールだのと考える前に、まず先に「手を動かせ」。
俺だって最初からAIを自在に操れたわけじゃねえ。何度も失敗し、AIと喧嘩し、トンチンカンな出力に頭を抱えながら、それでも毎日、それこそ深夜に8キロ歩くのと同じくらいの執念で触り続けてきた。そうすれば、おのずとAIとの距離感や、思い通りに動かすための「急所」が皮膚感覚で分かってくる。
「習うより慣れろ」なんて言葉は使い古されているが、AIの世界じゃそれが唯一無二の真理だ。
プロンプト一つで、自分の無才が天才のそれに化ける快感を、一度味わってみろ。
臆病風に吹かれてモニターの前で固まっている間に、俺はAIという巨大な翼を手に入れて、常人の想像も及ばない高みへと飛び立ってやる。
「AI、次は第59話の構成案だ。俺が今から寝る間の数時間に、俺のこれまでの発言を全て解析して、俺が椅子から転げ落ちるような面白いアイデアを出しておけ。準備はいいか?」
2026年の夜明け。
電脳の猛獣を従えた俺の指先が、再びキーボードを叩き、新しい神話を作り出す。
AIに仕事を奪われるんじゃない。AIを奪い取り、俺の人生という名の戦場で、最強の武器にするんだ。
「寝てる間も、俺の魂は直立したまま、新しい物語を紡ぎ続けてる。ガハハ!」
第58話、完。
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