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8.助けてくれた人達
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クリストフ・ヤロシュともう一人の男子生徒が、私とレオン・シャバタの間に入って引き離してくれた。
その場に残ってくれていたエラが、私の肩を抱いて下がってくれた。
「誰だ、お前達は。僕がレオン・シャバタとわかっているのか!」
レオン・シャバタは怒気を隠そうともせず言い放った。
「お前が誰だろうと、サーシャ姫に触る権利はない!」
クリストフが噛みつくように言う。
「恥を知れ。レオン・シャバタ」
もう一人の男子生徒が静かに言った。
レオン・シャバタは激高して、その男子生徒の胸ぐらを掴んだ。
「貴様!侯爵家の嫡男に無礼をはたらいたらどうなるかわかっているのか!!」
男子生徒はそれでも冷静だった。
「シャバタ侯爵に無礼を働いたと言うのなら、今の君はなんだ?」
「なにを言う!?」
男子生徒は静かに言った。
「私はベレンゼ公爵家の嫡男のユリアンだ。君の言うことがまかりとおるならば、君こそ無礼だ」
ベレンゼ公爵といえばこの四公国を統治する、ベレンゼ、ハーレン、レンネップ、ヨーセンの四公爵家の筆頭だ。当然、シャバタ侯爵家よりも身分が高い。
そのベレンゼ公爵家の嫡男の胸ぐらを掴み上げている、レオン・シャバタは不敬に当たる。
レオン・シャバタは慌てて手を放した。
ユリアン・ベレンゼは余裕のある態度で襟元を正した。
「そ、そこのお前は庶民だろう!?僕に無礼をはたらいてただですむと思うな!」
クリストフへ矛先をむけるレオン・シャバタ。
「庶民だろうと、女の子に無体をはたらくヤツにはらう敬意はない!」
クリストフはきっぱり言い切った。
「その通りだ」
ユリアン・ベレンゼが援護する。
「なにを!!貴様!!」
激高したレオン・シャバタは、クリストフの胸ぐら掴もうとした。しかしユリアン・ベレンゼが間に入った。
「君、私への無礼の謝罪がないよ。バーレク嬢にもね」
レオン・シャバタは、真っ赤になって口の中でなにかもごもごと言った。
そしてにやっと笑うと
「バーレク嬢だって?ただの妾の娘じゃないか。今では庶民だし、それに彼女が僕を誘惑したんだ」
誘惑ですって!!妾の娘ですって!!
私は怒りで目の前が真っ赤になった。
「無礼な!!」
ユリアン・ベレンゼが厳しい口調で抗議した。
「君がバーレク嬢に執着して、会うたびに不埒なことをしているのは有名な話だ。今まで現場を見たことはなかったが、恥知らずにもほどがある!バーレク嬢に謝罪して、今後近づかないと誓いたまえ!」
「サーシャ姫が誘惑なんてするわけがないだろう!あんたを嫌っているのに!」
クルストフも抗議する。
レオン・シャバタは、ぐぐっと唇を噛み締めたが、すぐににやにや笑いに戻った。
「この娘はいずれ僕の妾になることに決まっているんだ。不埒など言えないだろうに」
「妾など許しません!」
凛とした声が響いた。
イザドラ様だ。
「レオン様、わたくし常々申し上げてまいりましたよね?サーシャに近づかないようにと。それなのに、この騒ぎはなんですの?」
イザドラ様は私を背中に隠すように立ってくださった。
「サーシャが侯爵家のあなたに強く出られないのをいいことに、一体何をなさっているのです。それに」
ジロリとレオン・シャバタの取り巻きの女生徒たちを見た。
「あなたがた、レオン様がわたくしの婚約者と知っていらっしゃるの?だとしたら、わたくしへの挑戦かしら?いつでもお受けすることよ。あなたがたのお顔とお名前は、しっかり存じ上げておりますからね」
厳しいイザドラ様の言葉に、女生徒たちはそそくさとその場を離れていった。
「これはなんの騒ぎですか」
静かで落ち着いた声が響いた。
そこにはアナベルとフィオナを従え得るように歩いてくる、学院長アレシュ・ベレンゼ伯爵がいた。
アナベルとフィオナはイザドラ様を呼んだ後、学院長室へ走って学院長を呼んでくれたのだ。
アレシュ・ベレンゼはベレンゼ公爵の弟で、伯爵位を継いだものの学院長も兼任していた。
アナベルとフィオナは学院長を呼ぶほど、今日のレオン・シャバタの行為を危険視していたのだ。ありがたかった。
「僕は何もしていません」
いけしゃあしゃあとレオン・シャバタが嘯く。
「あなたには聞いていません」
学院長がぴしゃりと言った。
「あなたが日頃から、そこのサーシャ・バーレクに無体をはたらいている報告を受けています。今日は行き過ぎた行為をしていたようですね」
学院長は冷たく言った。
「公爵家の嫡男の僕よりも、庶民の言い分を信じるのですか!?」
レオン・シャバタが噛みつくように言う。
「わたくし、証言いたしますわ!」
一人の女生徒が進み出た。
「アロイス侯爵家のゼンダです。わたくし何度も見ました。レオン・シャバタはそこのサーシャ・バーレクに無体を繰り返し、今日は体を撫でまわしていました」
「私もそれを見ました」
ユリアン・ベレンゼが言う。
「わたくしも」
「僕も」
「私も」
と次々と声が上がった。
レオン・シャバタは真っ赤になって、悔しそうに唇を噛み締めた。
「静かに」
学院長は手で制して続けた。
「レオン・シャバタ。これだけの証言者がいるからには、言い逃れはできませんね」
レオン・シャバタは吠えた。
「貴様ら!覚えていろよ!!」
「覚えていなくてはならないのは、あなたですよ」
学院長は静かに言った。
「レオン・シャバタ、とりあえずあなたは十日間の停学と謹慎を言い渡します。すぐに帰りなさい」
学院長が手を上げると、警備がやってきてレオン・シャバタの両脇を固めるように連れ去った。レオンシャバタはそれを逃れようともがきながら
「お前達を不敬罪で訴えてやる!」
などと騒ぎながら連れ去られた。
その場に残ってくれていたエラが、私の肩を抱いて下がってくれた。
「誰だ、お前達は。僕がレオン・シャバタとわかっているのか!」
レオン・シャバタは怒気を隠そうともせず言い放った。
「お前が誰だろうと、サーシャ姫に触る権利はない!」
クリストフが噛みつくように言う。
「恥を知れ。レオン・シャバタ」
もう一人の男子生徒が静かに言った。
レオン・シャバタは激高して、その男子生徒の胸ぐらを掴んだ。
「貴様!侯爵家の嫡男に無礼をはたらいたらどうなるかわかっているのか!!」
男子生徒はそれでも冷静だった。
「シャバタ侯爵に無礼を働いたと言うのなら、今の君はなんだ?」
「なにを言う!?」
男子生徒は静かに言った。
「私はベレンゼ公爵家の嫡男のユリアンだ。君の言うことがまかりとおるならば、君こそ無礼だ」
ベレンゼ公爵といえばこの四公国を統治する、ベレンゼ、ハーレン、レンネップ、ヨーセンの四公爵家の筆頭だ。当然、シャバタ侯爵家よりも身分が高い。
そのベレンゼ公爵家の嫡男の胸ぐらを掴み上げている、レオン・シャバタは不敬に当たる。
レオン・シャバタは慌てて手を放した。
ユリアン・ベレンゼは余裕のある態度で襟元を正した。
「そ、そこのお前は庶民だろう!?僕に無礼をはたらいてただですむと思うな!」
クリストフへ矛先をむけるレオン・シャバタ。
「庶民だろうと、女の子に無体をはたらくヤツにはらう敬意はない!」
クリストフはきっぱり言い切った。
「その通りだ」
ユリアン・ベレンゼが援護する。
「なにを!!貴様!!」
激高したレオン・シャバタは、クリストフの胸ぐら掴もうとした。しかしユリアン・ベレンゼが間に入った。
「君、私への無礼の謝罪がないよ。バーレク嬢にもね」
レオン・シャバタは、真っ赤になって口の中でなにかもごもごと言った。
そしてにやっと笑うと
「バーレク嬢だって?ただの妾の娘じゃないか。今では庶民だし、それに彼女が僕を誘惑したんだ」
誘惑ですって!!妾の娘ですって!!
私は怒りで目の前が真っ赤になった。
「無礼な!!」
ユリアン・ベレンゼが厳しい口調で抗議した。
「君がバーレク嬢に執着して、会うたびに不埒なことをしているのは有名な話だ。今まで現場を見たことはなかったが、恥知らずにもほどがある!バーレク嬢に謝罪して、今後近づかないと誓いたまえ!」
「サーシャ姫が誘惑なんてするわけがないだろう!あんたを嫌っているのに!」
クルストフも抗議する。
レオン・シャバタは、ぐぐっと唇を噛み締めたが、すぐににやにや笑いに戻った。
「この娘はいずれ僕の妾になることに決まっているんだ。不埒など言えないだろうに」
「妾など許しません!」
凛とした声が響いた。
イザドラ様だ。
「レオン様、わたくし常々申し上げてまいりましたよね?サーシャに近づかないようにと。それなのに、この騒ぎはなんですの?」
イザドラ様は私を背中に隠すように立ってくださった。
「サーシャが侯爵家のあなたに強く出られないのをいいことに、一体何をなさっているのです。それに」
ジロリとレオン・シャバタの取り巻きの女生徒たちを見た。
「あなたがた、レオン様がわたくしの婚約者と知っていらっしゃるの?だとしたら、わたくしへの挑戦かしら?いつでもお受けすることよ。あなたがたのお顔とお名前は、しっかり存じ上げておりますからね」
厳しいイザドラ様の言葉に、女生徒たちはそそくさとその場を離れていった。
「これはなんの騒ぎですか」
静かで落ち着いた声が響いた。
そこにはアナベルとフィオナを従え得るように歩いてくる、学院長アレシュ・ベレンゼ伯爵がいた。
アナベルとフィオナはイザドラ様を呼んだ後、学院長室へ走って学院長を呼んでくれたのだ。
アレシュ・ベレンゼはベレンゼ公爵の弟で、伯爵位を継いだものの学院長も兼任していた。
アナベルとフィオナは学院長を呼ぶほど、今日のレオン・シャバタの行為を危険視していたのだ。ありがたかった。
「僕は何もしていません」
いけしゃあしゃあとレオン・シャバタが嘯く。
「あなたには聞いていません」
学院長がぴしゃりと言った。
「あなたが日頃から、そこのサーシャ・バーレクに無体をはたらいている報告を受けています。今日は行き過ぎた行為をしていたようですね」
学院長は冷たく言った。
「公爵家の嫡男の僕よりも、庶民の言い分を信じるのですか!?」
レオン・シャバタが噛みつくように言う。
「わたくし、証言いたしますわ!」
一人の女生徒が進み出た。
「アロイス侯爵家のゼンダです。わたくし何度も見ました。レオン・シャバタはそこのサーシャ・バーレクに無体を繰り返し、今日は体を撫でまわしていました」
「私もそれを見ました」
ユリアン・ベレンゼが言う。
「わたくしも」
「僕も」
「私も」
と次々と声が上がった。
レオン・シャバタは真っ赤になって、悔しそうに唇を噛み締めた。
「静かに」
学院長は手で制して続けた。
「レオン・シャバタ。これだけの証言者がいるからには、言い逃れはできませんね」
レオン・シャバタは吠えた。
「貴様ら!覚えていろよ!!」
「覚えていなくてはならないのは、あなたですよ」
学院長は静かに言った。
「レオン・シャバタ、とりあえずあなたは十日間の停学と謹慎を言い渡します。すぐに帰りなさい」
学院長が手を上げると、警備がやってきてレオン・シャバタの両脇を固めるように連れ去った。レオンシャバタはそれを逃れようともがきながら
「お前達を不敬罪で訴えてやる!」
などと騒ぎながら連れ去られた。
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