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1.青い雌鶏亭騒動
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魔女の使い魔の定番は黒猫だと言われる。
最近、魔女デーティアは猫を飼い始めた。
使い魔と言うわけではない。
赤ん坊の頃から知っている、一番近い町リャドの食堂「青い雌鶏亭」の前の女将ハンナが隠居してから飼って可愛がっていた猫だ。ハンナは先月老衰のため八十七歳でこの世を去った。
埋葬には立ち合わなかったが、翌日ハンナのお悔やみにデーティアが青い雌鶏亭を訪ねた時、まさにこの猫をめぐって家族が諍っていた。
「気味が悪いのよ!うちは食べ物商売だし、イヤよ!!」
ハンナの孫エディの嫁さんのメグがキィキィ叫んでいた。
「目の色が片方ずつ違うじゃない!こんな猫、悪魔の使いだわ!」
ハンナの猫は真っ白で毛が長く、右目が青で左目が金色だった。
「ばあちゃんが可愛がっていた猫だぞ!ばあちゃんがいた頃は何も言わなかったくせに!」
エディは婆っ子だからねえ。
デーティアはハンナを庇うエディを微笑ましく思った。
「そうよ。お姑さんが孫のように可愛がっていた子なのに、気味が悪いだなんて」
ハンナの息子マークの嫁のサリーが宥める。
「おばあさんの孫はエディでしょ、お姑さん!」
「いや、そうは言っても母さんが可愛がっていた猫だし」
ハンナの長男で店主のマークが気弱な調子で言うと、メグはますます激高した。
「あたしはどうでもいいのよね!みんなそう!ハンナばあさん、ハンナばあさんって、みんなチヤホヤして!!」
おやおや、よほど鬱憤がたまって爆発したのか、それともこれがメグの本性なのか。
デーティアは青い雌鶏亭の前に集まった野次馬の中で騒動を聞いていた。
ハンナはデーティアが師匠ルチアの弟子になって初めてお産を手伝って産まれた子供だ。
青い雌鶏亭の一人娘で料理上手で朗らかな人柄だった。難点と言えば少しばかり噂好きなところくらいで、町の衆に好かれていた。青い雌鶏亭はハンナの料理の腕前と人柄で繁盛し、町一番の食堂になったようなものだ。
「ハンナばあさんなんか魔女と仲良くして、罰当たりだって言われてるじゃない!」
おやおや、誰にだい?この町で魔女デーティアを腐す奴は。教会の司祭さんとも仲がいいんだよ、あたしは。
デーティアはニヤニヤしながら成り行きを見守った。
「この町でデーティアさんのお世話になっていない人なんかいないよ。あんたは他所から来たからわからないようだけど…」
「魔女の調味料なんか気味が悪いのよ!」
話が猫から逸れて来たね。
結局メグはハンナが妬ましかったのだろう。
「うちの料理はデーティアさんのハーブとブレンド・スパイスがあってこその味なんだよ。デーティアさんのハーブは…」
マークの言葉にメグは噛みつく。
「魔女なんて言う娘に騙されているのよ!」
おや、あの子はあたしを本物の娘だと思っているのか。他所から嫁いでまだ二年だものね。
デーティアはくつくつ笑った。
それを聞い野次馬たちは、ザワっとする。
デーティアは今百二十四歳だ。母親がエルフなので見かけはまだ十代後半の娘に見える。
エルフの母親から受け継いだのは背の高い体つきと緑の目の色くらいで、肩の辺りでで乱雑に切られたくるくると渦巻くような赤毛や耳の形や顔立ちは父親譲りだ。
猫を思わせる美しい娘に見えるデーティアに、エディは小さな頃から姉のように思って懐いていて、今もそのままに慕っている。
ハンナはデーティアと仲が良く、その人望とも相まって、メグはデーティアにも妬いていたらしい。
仕方のない娘っこだね。
「気味の悪い魔女も猫ももうたくさん!!」
メグはキィキィ叫ぶ。
「どっかやっちゃってよ!!」
ドアが開いて何かがドサっと放り出された。
デーティアは猫が放り出されたかと思って駆け寄ったが、それは先日デーティアが届けた料理用の乾燥ハーブの袋だった。
ふぅん。
デーティアは面白そうに眼を瞬かせた。
このあたしの商売にいちゃもんをつけるなんてね。
デーティアは乾燥ハーブの袋を拾うと青い雌鶏亭の中にズカズカ入って行った。
「はい、ごめんよ」
思わぬデーティアの登場に、青い雌鶏亭の家人が驚く。
「ハンナのお悔やみを言いに来たんだけどね」
デーティアはニヤっと笑った。
「大事な家族を残して旅立ったハンナは、さぞ家族が恋しいだろうねとでも言おうと思ったんだけどさ」
家人を見渡して言うデーティアに全員きまりが悪そうだ。一体いつから聞かれていたのか心配なのだろう。
「こんな騒動を聞かなくて済んでよかったよ。で?」
家人を見渡す。
「これは返品だね?お代は返すよ」
デーティアはテーブルに料金を置く。
「そんな!デーティアさん!そのハーブは!」
「いらないわ!もう、あんたからは買わない!王都から取り寄せるから!!」
メグはサリーに被せて言う。
ばかな娘っこだよ。
デーティアはにやにやしてしまう。
王都のハーブはどこかの領地でとれたものを取り寄せていることも知らないなんて。王都から取り寄せたら運送費や店の利益で元値の三倍から五倍になってしまう。
デーティアはスパイスも移動魔法で南の港へ行き、商人から直接買い付けているから格安なのだ。
ハンナの人柄は明るい肝っ玉かあさんだったが、マークは気が弱いしサリーは気が優しい。
エディはハンナに似ているところもあるが、なんでこんな嫁をもらったやら。
材料の買い付けに農村に行った時に、この可愛い大きな青い目と小さな鼻に惚れたって言ってたっけ。
まじまじとメグを見るデーティア。
大きな青い瞳に小さな団子鼻。愛嬌のある顔だ。明るい茶褐色の髪は今は乱れている。
メグは真っ赤になって詰め寄ってきた。
「なによ!早く出て行ってよ!」
「おやおや、怖い怖い」
デーティアは笑った。
「死んだ人を悪く言うのは感心しないね。生きているあたしはいくらでも悪くお言いな」
デーティアはハンナの花代に銀貨を五枚出し、
「はい、これはハンナへのお花代。ちゃんと花を墓に供えておくれよ。それと」
さらに大金貨を三枚追加した。
「その猫はあたしに売っておくれ。魔女に猫。いい組み合わせじゃないか」
滅多にお目にかからない大金貨に、メグをはじめ青い雌鶏亭の全員が目を奪われている隙に、猫を抱いてデーティアは出て行った。大金貨一枚で五人家族が一年暮らせる。
この猫を引き取るのが、一番のハンナへの供養だろうね。それにしても…
デーティアはくすくす笑った。
こんな騒ぎを聞いた衆はどうするのかね?
メグの味方になってあたしを避けるのか、はたまた青い雌鶏亭かメグを避けるのか。
大金貨三枚はどうなるのか。
おもしろくなってきたね。
デーティアは人の悪い笑いを浮かべながら家路についた。
猫は大人しく抱かれていた。
まるでジルリアみたいだ。懐かしいね。
決めた。あんたの名前はジルだ。名前を聞いてなかったけど今日からあたしの猫だからね。
最近、魔女デーティアは猫を飼い始めた。
使い魔と言うわけではない。
赤ん坊の頃から知っている、一番近い町リャドの食堂「青い雌鶏亭」の前の女将ハンナが隠居してから飼って可愛がっていた猫だ。ハンナは先月老衰のため八十七歳でこの世を去った。
埋葬には立ち合わなかったが、翌日ハンナのお悔やみにデーティアが青い雌鶏亭を訪ねた時、まさにこの猫をめぐって家族が諍っていた。
「気味が悪いのよ!うちは食べ物商売だし、イヤよ!!」
ハンナの孫エディの嫁さんのメグがキィキィ叫んでいた。
「目の色が片方ずつ違うじゃない!こんな猫、悪魔の使いだわ!」
ハンナの猫は真っ白で毛が長く、右目が青で左目が金色だった。
「ばあちゃんが可愛がっていた猫だぞ!ばあちゃんがいた頃は何も言わなかったくせに!」
エディは婆っ子だからねえ。
デーティアはハンナを庇うエディを微笑ましく思った。
「そうよ。お姑さんが孫のように可愛がっていた子なのに、気味が悪いだなんて」
ハンナの息子マークの嫁のサリーが宥める。
「おばあさんの孫はエディでしょ、お姑さん!」
「いや、そうは言っても母さんが可愛がっていた猫だし」
ハンナの長男で店主のマークが気弱な調子で言うと、メグはますます激高した。
「あたしはどうでもいいのよね!みんなそう!ハンナばあさん、ハンナばあさんって、みんなチヤホヤして!!」
おやおや、よほど鬱憤がたまって爆発したのか、それともこれがメグの本性なのか。
デーティアは青い雌鶏亭の前に集まった野次馬の中で騒動を聞いていた。
ハンナはデーティアが師匠ルチアの弟子になって初めてお産を手伝って産まれた子供だ。
青い雌鶏亭の一人娘で料理上手で朗らかな人柄だった。難点と言えば少しばかり噂好きなところくらいで、町の衆に好かれていた。青い雌鶏亭はハンナの料理の腕前と人柄で繁盛し、町一番の食堂になったようなものだ。
「ハンナばあさんなんか魔女と仲良くして、罰当たりだって言われてるじゃない!」
おやおや、誰にだい?この町で魔女デーティアを腐す奴は。教会の司祭さんとも仲がいいんだよ、あたしは。
デーティアはニヤニヤしながら成り行きを見守った。
「この町でデーティアさんのお世話になっていない人なんかいないよ。あんたは他所から来たからわからないようだけど…」
「魔女の調味料なんか気味が悪いのよ!」
話が猫から逸れて来たね。
結局メグはハンナが妬ましかったのだろう。
「うちの料理はデーティアさんのハーブとブレンド・スパイスがあってこその味なんだよ。デーティアさんのハーブは…」
マークの言葉にメグは噛みつく。
「魔女なんて言う娘に騙されているのよ!」
おや、あの子はあたしを本物の娘だと思っているのか。他所から嫁いでまだ二年だものね。
デーティアはくつくつ笑った。
それを聞い野次馬たちは、ザワっとする。
デーティアは今百二十四歳だ。母親がエルフなので見かけはまだ十代後半の娘に見える。
エルフの母親から受け継いだのは背の高い体つきと緑の目の色くらいで、肩の辺りでで乱雑に切られたくるくると渦巻くような赤毛や耳の形や顔立ちは父親譲りだ。
猫を思わせる美しい娘に見えるデーティアに、エディは小さな頃から姉のように思って懐いていて、今もそのままに慕っている。
ハンナはデーティアと仲が良く、その人望とも相まって、メグはデーティアにも妬いていたらしい。
仕方のない娘っこだね。
「気味の悪い魔女も猫ももうたくさん!!」
メグはキィキィ叫ぶ。
「どっかやっちゃってよ!!」
ドアが開いて何かがドサっと放り出された。
デーティアは猫が放り出されたかと思って駆け寄ったが、それは先日デーティアが届けた料理用の乾燥ハーブの袋だった。
ふぅん。
デーティアは面白そうに眼を瞬かせた。
このあたしの商売にいちゃもんをつけるなんてね。
デーティアは乾燥ハーブの袋を拾うと青い雌鶏亭の中にズカズカ入って行った。
「はい、ごめんよ」
思わぬデーティアの登場に、青い雌鶏亭の家人が驚く。
「ハンナのお悔やみを言いに来たんだけどね」
デーティアはニヤっと笑った。
「大事な家族を残して旅立ったハンナは、さぞ家族が恋しいだろうねとでも言おうと思ったんだけどさ」
家人を見渡して言うデーティアに全員きまりが悪そうだ。一体いつから聞かれていたのか心配なのだろう。
「こんな騒動を聞かなくて済んでよかったよ。で?」
家人を見渡す。
「これは返品だね?お代は返すよ」
デーティアはテーブルに料金を置く。
「そんな!デーティアさん!そのハーブは!」
「いらないわ!もう、あんたからは買わない!王都から取り寄せるから!!」
メグはサリーに被せて言う。
ばかな娘っこだよ。
デーティアはにやにやしてしまう。
王都のハーブはどこかの領地でとれたものを取り寄せていることも知らないなんて。王都から取り寄せたら運送費や店の利益で元値の三倍から五倍になってしまう。
デーティアはスパイスも移動魔法で南の港へ行き、商人から直接買い付けているから格安なのだ。
ハンナの人柄は明るい肝っ玉かあさんだったが、マークは気が弱いしサリーは気が優しい。
エディはハンナに似ているところもあるが、なんでこんな嫁をもらったやら。
材料の買い付けに農村に行った時に、この可愛い大きな青い目と小さな鼻に惚れたって言ってたっけ。
まじまじとメグを見るデーティア。
大きな青い瞳に小さな団子鼻。愛嬌のある顔だ。明るい茶褐色の髪は今は乱れている。
メグは真っ赤になって詰め寄ってきた。
「なによ!早く出て行ってよ!」
「おやおや、怖い怖い」
デーティアは笑った。
「死んだ人を悪く言うのは感心しないね。生きているあたしはいくらでも悪くお言いな」
デーティアはハンナの花代に銀貨を五枚出し、
「はい、これはハンナへのお花代。ちゃんと花を墓に供えておくれよ。それと」
さらに大金貨を三枚追加した。
「その猫はあたしに売っておくれ。魔女に猫。いい組み合わせじゃないか」
滅多にお目にかからない大金貨に、メグをはじめ青い雌鶏亭の全員が目を奪われている隙に、猫を抱いてデーティアは出て行った。大金貨一枚で五人家族が一年暮らせる。
この猫を引き取るのが、一番のハンナへの供養だろうね。それにしても…
デーティアはくすくす笑った。
こんな騒ぎを聞いた衆はどうするのかね?
メグの味方になってあたしを避けるのか、はたまた青い雌鶏亭かメグを避けるのか。
大金貨三枚はどうなるのか。
おもしろくなってきたね。
デーティアは人の悪い笑いを浮かべながら家路についた。
猫は大人しく抱かれていた。
まるでジルリアみたいだ。懐かしいね。
決めた。あんたの名前はジルだ。名前を聞いてなかったけど今日からあたしの猫だからね。
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