社畜おじさん、仕事を辞めて辻ヒーラーになる。

七渕ハチ

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第三章後半『攻城戦イベント』

第137話 第一次カウントダウン

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【DAO】幸運の妖精おじさんPart20

795 名前:名無しの古代人
    辺境の里に常駐してるんだが
    たまにもらう回復で満足するしかない

796 名前:名無しの古代人
    それ俺が放ったやつね

797 名前:名無しの古代人
    さすがに感じ取るのは無理がある

798 名前:名無しの古代人
    もう赤陣営にいるの確定でいい?

799 名前:名無しの古代人
    青でそれっぽい報告ないし

800 名前:名無しの古代人
    神を倒す時が来た

801 名前:名無しの古代人
    不敬の前にやれんのかって

802 名前:名無しの古代人
    そもそもだ
    赤に居ても会えないんだが

803 名前:名無しの古代人
    紅との同行説ちらほらあったろ
    簡単に蹴散らされるのがオチ

804 名前:名無しの古代人
    門があるのに城内へ侵入したってマジ?

805 名前:名無しの古代人
    忍者説出てきたか

806 名前:名無しの古代人
    神に学んで忍者になります

807 名前:名無しの古代人
    まあ紅パーティの話だからな

808 名前:名無しの古代人
    おれより紅を選ぶとは

809 名前:名無しの古代人
    ≫808
    あたりまえ体操

810 名前:名無しの古代人
    神なら俺の隣で寝てるぜ?

811 名前:名無しの古代人
    それはただのおじさんです

812 名前:名無しの古代人
    まだチャンスは残ってる
    最終決戦に備えろ

813 名前:名無しの古代人
    キングの周りが約束の地

814 名前:名無しの古代人
    回復をもらえそうなのはそこか

815 名前:名無しの古代人
    たぶんすぐ死ぬ

816 名前:名無しの古代人
    神を信じろ

817 名前:名無しの古代人
    信仰心さえあれば我々は不滅

818 名前:名無しの古代人
    青陣営だし邪魔するぞ

819 名前:名無しの古代人
    赤陣営ばっかりずるいよな

820 名前:名無しの古代人
    不敬者め

821 名前:名無しの古代人
    神は我らにあり

822 名前:名無しの古代人
    奪ってどこかに閉じ込めるか
    イベ終了まで回復し続けてもらおう

823 名前:名無しの古代人
    ≫822
    それなら赤も協力できる

824 名前:名無しの古代人
    陣営が違ったら回復せんだろ

825 名前:名無しの古代人
    争いは不毛
    手を取り合い神を捕獲するのだ

826 名前:名無しの古代人
    不敬者と狂信者の共演かよ



 ◇



 コヨミさんの登場を見逃さずに紅さんが温存していたスキルを発動させた。レモンさん、カンペさんも続くと相手の回復パターンが崩れる。流れのまま盾役一人を突破した段階で、杖役への攻撃が通り一気に全員を倒し切った。

 喜ぶのは後回しに透明化をかける。ただし、コヨミさんには姿を見せたまま逃げてもらった。特殊な手段を使わず動いていると思わせなければ、正面から戦った意味がない。

『長屋に入る瞬間を目撃されました。城外も視野に逃げるでござる!』

『よろしくお願いします』

『ありがとう、コヨみん!』

 偵察に始まり戦闘終了後の陽動まで本当、頼りになる。自分たちは念のため道を変えて、天守閣の前に出た。さらに遠回り気味で門の近くへ向かう。用心するに越したことはなかった。


《大扉のゲージが六割を突破!》

《破城槌は余っても構わない。一定数を保つように補充する》


 長屋に入り小窓から外の様子を窺う。四台の破城槌が橋の上に並び、五台目がすぐに現れた。防衛の状況は特に変わらず、侵攻を遅らせるのが精一杯らしい。


《赤陣営の大扉より青陣営の大扉に早くダメージを与えられている。皆の尽力による結果だ》


『おれらのおかげか!』

『役立ってるといいねー』

 全体を通し上手く運べているのなら自分たちも同じ動きを続けるべきだ。

『コヨミさん、追手はいますか?』

『屋根の上に登ったところ、おそらく忍者スキルをかじった方々が四人来てるでござる。本職はいませんね』

 門を無視できる忍者は敵陣への侵入が仕事になる。かき乱し役には最適だった。

『屋内に戻り何人増えるか確認致します』

『迎え撃てる場所を自身で指定した方がやりやすい時はピンを打ってください』

『了解でござる!』

 こちらの移動は透明化をかける分、細かい対応が可能だ。

『ギルドの忍者にキング起動を頼む』

『助かります』

 紅さんの影を感じてくれると追手も分散する。再出撃で防衛に回るはずのプレイヤーが、天守閣を駆け上がるだけで時間稼ぎになった。


――ゴーン、ゴーン!


 鳴り響く鐘の音は長屋にいても、はっきりと聞こえてきた。

『ピンを打ちます。少し遠回りで向かうでござる』

『分かりました』

 地図でピンを調べて近くの物置き部屋に急いだ。ここからは正面衝突などのリスクなしに不意打ちを狙いたい。

『天守閣の庭園に敵が到着』

『了解です! 八人の追手を連れて行くでござる!』

 キングの前に紅さんがいないと判明したところで、別の場所に現れたとなれば混乱は深まる。準備万全にタイミングを合わせて迎え撃った。


《大扉のゲージが五割を突破!》


 多少の人数差は慣れたもの。危なげなく戦闘を終えて次の移動中に全体チャットが流れる。ガーディアンのように区切りで特別な仕掛けはなかった。


《大扉のゲージが四割を突破!》


 順調な進みにも手を抜くのは悪手。本陣が攻めるのと異なる門へ身を隠し妨害工作に精を出す。


《大扉のゲージが三割を突破!》


 再び天守閣へ戻って紅騎士団の忍者に鐘の音を鳴らしてもらう。四階という中途半端な位置で待ち受け不意打ちに出た。


《大扉のゲージが二割を突破!》


 あえて天守閣内に残り庭園へ。自らキングを起動し広間で警戒に訪れる数を見極めた。


《大扉のゲージが一割を突破!》


 仕上げに相手の焦りを利用し、攻防激しい門近くで潜む。そして、コヨミさんが投げ入れられる直前の爆発タルを破壊した。
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