異世界の異世界

権化

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混沌の荒野

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ーーーー二千十一年三月十一日ーーーー
プップッー!!車のクラクションの音。
ドンドンダン・・・ドンドンドンドンダン・・・
どこかのクラブから漏れでる音。
ざわざわ・・・ここ、渋谷は活気に満ちていた。
「・・・ま、まじでここで合ってるよな・・・」
渋谷の街中にある堂々と並ぶ高層ビルの中でも一際目立つキレイな高層ビル。
彼、深川翔(ふかがわしょう)は、エリートでも無く、だが決して落ちこぼれでもない普通の人間だ。彼は、本日、渋谷一とも言われている超エリート会社、「Sクロニクル」の
面接に来ていた。
だが、その「普通」の人間が何故これ程の
エリート会社の面接を受けられたのか、と言うと、彼、深川翔は、親の金を使い、裏口入社。いわゆる「ズル」をしていたのである。
(別に頼んでないんだけどな・・・)
彼の父親は、前内閣総理大臣の、深川哲治(ふかがわてつじ)だ。
(あぁ、くっそ!でも、ここまで来たらもう後戻りは出来ない!)
彼は、エリートへの道を、着々と進んでいたーーーーーーーーーーー筈だったのだ。
(よ、よし!)
翔は、自分の運命を変える一歩を踏み出してしまった。

ーーーー第一話ーーーー混沌の荒野ーーーーーーーーーー

「あ、降ります!」
翔が少し大きな声で言うと、皆がエレベーターから降りていく。
「ありがとうございます!」
お辞儀をしながら、エレベーターを後にする。
(ふ、ふぅ。)
合格するのは分かっていても、やはり怖いものだ。キュッ!翔はネクタイを締め直す。
「し、失礼しまーーーーーーーーーー」
ドアノブに手をかけたその時だった。
グラァ!!地面が揺れる。
「え?」
その時、「それ」はやって来た。
ダァン!ガラガラガラ!!!!
コピー機やイスなどが四方八方にぶつかる。
「じ、地震!?うわぁ!」
ドン!翔が尻もちをつく。
翔の後ろにはーーーー窓。もしここから落ちれば、もし、この七十四階から落ちれば、
即死は避けられない。
(窓から離れないと!)
翔が元来た道を這って戻ろうとする。・・・が、
ガラガラガラ・・・!前から何かが迫ってくる。
それは・・・
「コピー機!?」
翔の方へ滑って来ている。
「うわっ!」
ドン!コピー機が翔に当たり、そのまま窓へ
滑っていく。
「やっべぇ!やべぇ!」
みるみるうちに窓との距離は近くなり・・・
パリン!翔の圧力により窓が割れる。
「う、うわぁぁぁぁあ!!!」
そのままの勢いで翔も落ちる。
(だ、ダメだ!死ぬ!)
落ちる時間は5秒ほどだったが、翔にはその時間が永遠に感じられた。
ゴンッ!!!背中に激痛が走る。
(・・・つまんない人生だったなぁ.........)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ん・・・)
太陽光が眩しい。翔は手の甲で目を押さえる。
「あ・・・れ・・・」
少し時間が経ったあと、何があったのかを少しづつ思い出してきた。
「あ!そうだ・・・俺、落ちて・・・」
背中をさする。
「背中がめっちゃ痛くて・・・」
少しづつ目が慣れてきた。翔はゆっくりと起き上がる。周りを見ると、見渡す限り一面の荒野だ。
「ん・・・じゃぁ、ここは、天国か、地獄?」
翔が頭を掻きながら言葉を発すると、
「天国でも、地獄でも無い」
突然背後から野太い声がする。
(!?)
慌てて振り向くと、そこには狼に乗り、フードを深く被った男が居た。
「ここは、[キャンスターライト]の世界。」
男が、フードの間から見える目をこちらに向けながら話す。
「キャン・・・なんですか?」
翔が問う。
「・・・まぁいい。詳しい事は後で話す。乗れ。」
パンパン。少し隙間の空いた狼の背中を叩く。
「は、はい・・・」
翔が、狼に跨ろうとすると、
「おいおい、兄ちゃん!」
後ろから少しハスキーボイスの男の声が聞こえる。
そちらの方向を向いてみると、見たことも無い、大きなトカゲ・・・?の様なものに乗った男
達がいた。
「なぁ、兄ちゃん!そいつ、生まれたて(ヌーブ)だよな!オレらにそいつ寄越せや!」
ハスキーボイスの少し小太りの男が手招きしながら言う。
「その狼、狼爻拳(ろうこうけん)のあいつの真似してんのか?くっくく!笑えるぜ!」
どっ!男達が笑う。
すると、「狼の男」が睨めつけ、
「目障りだ。失せろ」
男達に向けて発する。が、
「あ?何が失せろってぇ!?」
男が声を荒らげる。
「もういい、力づくで奪うまでだ!」
男達が左手を上に掲げると、杖が出てくる。
「な・・・!?」
俺が驚いていると、
「はぁ・・・」
「狼の男」が右手を男達の方へ向ける。
「無駄だぜ!お前のそのガタイ、武道家(ファイター)だろ!俺らは魔法使い(マジカライザー)なんだよ!お前の攻撃なんて、ここまで届かな・・・」
男が高笑いしながら言うが、その言葉は途中で止まる。
「目障りだ、と言っただろう?」
あまりの迫力に、声も出なくなっていたのだ。
「く、くそが!俺達のこと殺れるもんなら殺ってみな!」
少し震えながら言う。
「はぁ・・・[狼の翔爪(クローオブウルフズ)]」
「狼の男」が手を振りかざすと、三本の線が空中に飛び出し、男達を襲う。
ザンっ!男達がその線に当たると・・・
「く・・・そがぁ!お前、「本物」の・・・!」
パァン!宝石が散るかのように砕ける。
「な・・・な・・・!?」
翔が驚愕していると、
「この程度で驚くな。日常茶飯事だ。」
「狼の男」が言う。
「夜まで時間が無い。飛ばすぞ。掴まってろよ」
翔が唖然としているにも関わらず、話は進んでいく。
「現体力限界値速度(オラナリアブースト)」
ファン!狼の体が青色に光る。
ダァン!・・・この音は銃声ではない。狼の初速、初動が早すぎて、足音が銃声のように聞こえるだけだ。
ブワァァァ!!!ありえない速さで狼が走る。
「もう握力がァァァ!!!!」
そんな中、苦悩している男が一人ーーーー居た。
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