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一章
始まりの音☆
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『初参戦ながら、見事な快進撃でここまで勝ち上がってきた***!!この調子で優勝の栄冠を掴むことが出来るのか!?』
会場からのはち切れんばかりの歓声が控え室にまで届く。
『迎え撃つは不動のチャンピオン"ROCK・LIFE"!!』
眩い光と共にステージの真ん中に立ったのは、絶対的王者だった。あの人たちを目標に今日まで頑張ってきたんだ。だから、絶対に勝ちたい
そんな思いが私の心を抉る
あの日、世界が変わった。
僕にはなんにもない。
着慣れないブレザーに身に着け歩く道も慣れてきた。
無駄に長い坂道もそろそろ慣れてきた。
「...そんなわけないよ」
学校までの距離が長く感じる。何も抱えてない僕の体は軽いはずなのに、歩む足は重い。
呑気に鼻歌でもう歌ってみるか。いや、辞めておこう。そんな気持ちじゃない。
そんな意味のわからない葛藤を繰り返しているうちに、目的地である"福岡県立福水高校"と書かれた石像の前に着いた。
グランドから聞こえる元気な笑い声、校舎から聞こえる爆笑の声。
「休もうか」
心のスイッチがOFFになってしまった。
体は石像に背を向け、登ってきた坂道を下っていく。
その足は徐々に早くなっていく。歩幅が広くなっていく。
風が気持ちいい、いい匂いだ。
体が軽くなり、いつの間にか鼻歌を歌いながら歩いている僕がいた。
「~~~~~~♪︎」
それは、商店街の魚屋の角を曲がった時だった。出会いは突然だった。
「なんて小説書いてみたけどどうかな?」
「うん、クソつまらない」
笑みでストレートに感想を伝えてきた友人の頭をノートで軽く叩く
「はっきり言うなよ...。これでも中々いい作品なんだけど...。」
目の前にいる友人、いや、"十二 単"は、自慢の金色の長髪を靡かせながら、ため息を吐く。
「あのなぁ...。まず、自分自身を主人公にする癖やめろよ。そこで読者の読む気が96%削られる」
ぶっきらぼうに放たれた言葉が、鋭いナイフとなり僕の心臓に突き刺さる。
「うっ...。」
「しかも、前作もそんな感じの始まり方だっただろ?そんなんじゃ編集者の人も没にするよな」
「うっ...。」
「あと、わざわざうちの学校をモデルにするなよ」
あれこれダメ出しをしてくる単は、僕の顔を見て我に戻った。
「あっ...。すまん、すまん!瞳泣くなよ」
僕、"星野 瞳"は泣き虫だ。名前の通り、女々しいやつだ。
「だってぇ、単、僕の作品バカにしてくるじゃぁん」
「悪かった!!言いすぎた!!帰りにたい焼き奢るから許せ!!」
「うん、許す」
大好物のたい焼きと言う言葉を聞いた瞬間、涙が止まり、綺麗なアメジスト色の瞳に戻る。
「はぁ...。ほら、帰るぞ」
「うん!!!」
カバンを持ち、教室を出ていく金髪の青年を、白銀の髪を靡かせて歩み寄る。
この日、運命の歯車が動き始めた。
会場からのはち切れんばかりの歓声が控え室にまで届く。
『迎え撃つは不動のチャンピオン"ROCK・LIFE"!!』
眩い光と共にステージの真ん中に立ったのは、絶対的王者だった。あの人たちを目標に今日まで頑張ってきたんだ。だから、絶対に勝ちたい
そんな思いが私の心を抉る
あの日、世界が変わった。
僕にはなんにもない。
着慣れないブレザーに身に着け歩く道も慣れてきた。
無駄に長い坂道もそろそろ慣れてきた。
「...そんなわけないよ」
学校までの距離が長く感じる。何も抱えてない僕の体は軽いはずなのに、歩む足は重い。
呑気に鼻歌でもう歌ってみるか。いや、辞めておこう。そんな気持ちじゃない。
そんな意味のわからない葛藤を繰り返しているうちに、目的地である"福岡県立福水高校"と書かれた石像の前に着いた。
グランドから聞こえる元気な笑い声、校舎から聞こえる爆笑の声。
「休もうか」
心のスイッチがOFFになってしまった。
体は石像に背を向け、登ってきた坂道を下っていく。
その足は徐々に早くなっていく。歩幅が広くなっていく。
風が気持ちいい、いい匂いだ。
体が軽くなり、いつの間にか鼻歌を歌いながら歩いている僕がいた。
「~~~~~~♪︎」
それは、商店街の魚屋の角を曲がった時だった。出会いは突然だった。
「なんて小説書いてみたけどどうかな?」
「うん、クソつまらない」
笑みでストレートに感想を伝えてきた友人の頭をノートで軽く叩く
「はっきり言うなよ...。これでも中々いい作品なんだけど...。」
目の前にいる友人、いや、"十二 単"は、自慢の金色の長髪を靡かせながら、ため息を吐く。
「あのなぁ...。まず、自分自身を主人公にする癖やめろよ。そこで読者の読む気が96%削られる」
ぶっきらぼうに放たれた言葉が、鋭いナイフとなり僕の心臓に突き刺さる。
「うっ...。」
「しかも、前作もそんな感じの始まり方だっただろ?そんなんじゃ編集者の人も没にするよな」
「うっ...。」
「あと、わざわざうちの学校をモデルにするなよ」
あれこれダメ出しをしてくる単は、僕の顔を見て我に戻った。
「あっ...。すまん、すまん!瞳泣くなよ」
僕、"星野 瞳"は泣き虫だ。名前の通り、女々しいやつだ。
「だってぇ、単、僕の作品バカにしてくるじゃぁん」
「悪かった!!言いすぎた!!帰りにたい焼き奢るから許せ!!」
「うん、許す」
大好物のたい焼きと言う言葉を聞いた瞬間、涙が止まり、綺麗なアメジスト色の瞳に戻る。
「はぁ...。ほら、帰るぞ」
「うん!!!」
カバンを持ち、教室を出ていく金髪の青年を、白銀の髪を靡かせて歩み寄る。
この日、運命の歯車が動き始めた。
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