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一通の想い

明るい未来へ

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輝かしい朝日の光の中わたしは手紙を書いていた。

「わたしは今日で18歳になりました。お父さんも事故で亡くなったお母さんも私をただただ全力で必死に育ててくれました。本当に感謝しています。

お母さんは命を賭してまだ10歳だったわたしを交通事故から自分を身代わりに亡くなりました。本当に感謝しています。本当にありがとう。そしてごめんなさい。

お父さんは大好きだったお母さんが亡くなっても涙を流さずわたしを育ててくれましたね。でもね、実は知っていたんです。わたしが寝ている夜にお母さんの仏壇で毎夜泣いていたことを。育ててくれてありがとう、そしてごめんなさい。

わたしはコレから獣医師の卵として北海道の大学に進学します。獣医師の大学は国立でも学費は高いです。アルバイトと奨学金でどこまで頑張れるか分かりません。

でも、わたしは大好きなお父さんとお母さんの子供です。下を向かないで前だけを見て精一杯生きようと思います。

それと、お父さん。
再婚おめでとうございます。本当に良かったです。失った幸せな時間を取り戻してください。

わたしのことは大丈夫。もう、殆ど大人ですから。だから精一杯生きていこうと思います。

明るい未来へ、生きるために」

伊藤 香菜

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