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反撃の時来れり 羊さん
しおりを挟む「え?」
「は?」
「あぁ!」
三人三様の声が出たのを聞いて、笑ってしまいそうになるのを堪える。
「うっ、あき、ちゃん!」
そう、俺が咥えたのは海斗の陰茎だ。ヤられて気持ちが良かった事を思い出しながら、ご奉仕していく。一度、咥えた陰茎を吐き出し、根本から裏筋を舐る。ゆっくりと亀頭まで、アイスクリームを舐める様に舐め上げてから、又亀頭を咥えた。ちろちろと亀頭を舐る。
そう、俺があの時に目に入った物はタオルの間から見えた海斗の陰茎だ。海斗は俺の隣で膝立ちでいた為、少し頑張って上体を起こせば咥えられる位置にあった。
それと、聖司は言っていなかった。誰に奉仕をするかという事を。あの状況では、完璧に皆、聖司のを咥えるだと思ったであろう。だが、そんな事してやるものか。聖司か海斗か、咥えるならどっちかと言えば断然海斗だ。
海斗の腰を掴んで、咥えやすい様に引き寄せる。その動きに合わせて海斗が移動してくれた。膝立ちしていたのを腰を下ろして胡座をかき、俺の上半身を膝の上に乗せてくれる。
「あき、ちゃん。いいの?」
海斗の頬が赤い。とろりとした表情はとても気持ち良さそうで、俺の未熟なテクニックでも快楽を感じてくれて、嬉しくなる。海斗の問いかけの答えとして、股座に顔を埋める。
カリを舌で刺激しながら、唇を窄めて亀頭を出し入れする。男なら狭い入り口を出し入れするのは気持ちいい筈だ。唾液をたっぷりと口腔に溜めて竿に塗りつける様に舐る。甘い香りが鼻腔を満たしていく。海斗のだと思うと嫌悪を感じない。頭を撫ぜられ、海斗の吐息が聞こえる。
「あきちゃん、気持ちいいよ」
声色がいつもの声よりワントーン低い。その声に胸がふわふわしてくる。
左側に聖司が座ったのが見えた。怒られるのか。それとも、もっと酷い事をされるのかと不安が顔を出す。
背中に手が置かれ、撫ぜられる。拍子抜けし、強張っていた体の力が抜けた。
聖司が近づき、俺の耳元でそっと呟いてきた。
「頭の良い子は、嫌いではありません。良いですか。出来ればですが、咥えたまま海斗の顔を見てあげて下さい。とても良い物が見られますよ」
「聖司兄さん、あきちゃんに何言ってんだ!」
俺に近づき、耳打ちした聖司を威嚇する様に海斗が文句をつけた。
咥えたまま見上げるってことか? 何が見れるんだよ。
よく分からないまま言われた通りに、亀頭だけ咥えたまま視線を海斗に向ける。少しきつい体勢だ。聖司を睨みつけていた海斗が俺に視線を向けて、互いの目線が合う。その瞬間、海斗が停止し、動かなくなった。どうしたのだろう、少し首を傾げた。
「だぁぁぁぁああああ!!」
海斗が両手で顔面を押さえている。首辺りまで肌が赤い。何が起こったんだ。口腔内の屹立が脈動し少しだけ大きくなった様な気がする。
「危ねえ! 吐き出しちまう所だった!」
「それは残念です。ですが、海斗の羞恥はなかなか見物だったでしょ?」
そう言いながら、俺を見る聖司の表情はとても楽しそうだ。
「あきちゃんに何を教えてやがる!」
「良いじゃありませんか。減るものではありませんし」
「俺も、初めて見たな。海斗の悶える姿」
大地が冷静に見ている。そう言えば俺、大地に入れられてさっきまで痛かったのに、今は痛く無いな。大地が一切動かさないから、慣れた様だ。そうか、だから海斗は大地に俺を襲わせたかったのか。大地は相手に挿入後、一切動かさずに手淫で相手の性感帯をいじり倒しイかせるのが大好きな変態だ。陰茎の太さで大地なのかと思ったが、性癖で選んでいたのか。
「うるさいな! お前だって想像してみろ! 悶えたくなるから!」
それにしても、俺も海斗があんなにも悶えるなんて思わなかった。陰茎から口を離し、海斗を見る。頬と首が赤い。少しだけ可愛いと思ってしまった自分が、恥ずかしい。もっと海斗の反応が見てみたい。ならば、こうしたらどうなるんだろうか。
海斗の陰茎に両手を添える。
「あきちゃん?」
触られた感触で海斗が俺を見下ろす。見られている。恥ずかしいが、海斗の反応を見たいという好奇心が勝っていた。海斗を見ながら、屹立に頬ずりし舌を少しだけ出して亀頭を舐めて咥えた。
「くっぅぅぅうう。誰に教わったんだ!」
海斗の屹立が脈動する。少しだけしょっぱい味が口に広がる。それを味わう様に亀頭の先に舌を這わせた。
「私ではありませんよ」
「俺でも無い。海斗から学んだんじゃ無いの?」
外野の声を無視して、少しだけ口を窄ませ、舌で竿舐りながら顔を上下させる。咥えきれない部分は手で扱きながら、刺激していく。ぐちゅぐちゅという水音が俺を辱める。海斗を責めているのは俺なのに、自分自身も追い詰められていく。
後孔をついつい締め付けてしまって大地の屹立を意識してしまう。大地の屹立も脈動し、びくりと少し動いた。痛みはない、少し良いところを刺激されて、心地よい感覚がお腹に広がる。
「あきくん、海斗の舐めて感じてるんだね。俺も気持ちいいよ」
大地の声もワントーン低い。二人を気持ちよくさせているのが嬉しくて、胸がふわふわする。
海斗への責めを段々と早めていく。海斗の息遣いが荒くなり、屹立が張り詰めていくのを感じる。そろそろイくと思うんだけどな。
その時、海斗が俺を引き剥がそうとしてきた。きた! 剥がされてたまるものか!
「あ、あきちゃん。うっ、離し、て」
行為を続けながら、顔を左右に振って拒否の意思を伝える。
「だめ、だって。くっ、でる、から」
イくのを我慢している海斗をイかせたい。俺だってヤれる事を見せてやる。裏筋を優しく舌先で刺激してから、啜り上げた。
「くっ、あきちゃん、ごめん。あぁ」
海斗の屹立からどくどくと粘りのある物が、吐き出されてくる。苦味のあるそれはやはり、美味しいとは言えない。全て出し終えたのか、海斗の屹立が段々と小さくなった。亀頭の先に吸い付き、中に残ったものも吸う。最後に先っぽにキスして離れる。
「あきちゃん、はい」
海斗が多分腰に巻いていたタオルを俺の口元に当ててきた。吐き出せという事だろう。
それはできない。約束の中に、出された物は飲み込むという約束も入っていたはずだ。俺は海斗の顔を見ながら、躊躇なく白濁をコクリと飲み込んだ。それを見た海斗が呆然としている。それから、海斗に口を開けて舌を見せる。
「飲んじゃった、美味しかった。ご馳走様」
海斗の顔が赤く染まる。してやったぜ。ヤられたらヤり返すだ。
「誰だ! 教えたの!!」
「私もやり方は教えましたが、ここまでの物は貴方達ですよ。子羊ちゃんにフェラしてたの貴方達しかいませんから。」
「海斗、自業自得だ。諦めよう」
してやったと、喜んでいた俺に腹からの快感が襲った。
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