65 / 98
1
グランデの衣装
しおりを挟む
とうとう、俺はグランデの部屋の前まで来てしまった。グレアが扉をノックした。
「エトワール様、失礼します」
中からの返答を待たずに、グレアが扉を開いた。俺に入るよう手で促してくる。ここまで来てしまった以上、抵抗しても無駄だろう。
「グレア様。まだ返事……」
グレアの前に俺が立つや否や、中にいたグランデが動きを止めた。その視線は俺を上から下へと見て、やがて顔の元へと戻った。
「れ、レイル様……」
「グランデなのか……」
俺も同じくグランデを上から下へと見た。頭の上、黒髪の合間にピンとした紺色の三角の耳が見える。目元を隠すマスク、白のタキシード、青のタイ、一瞬見えた尻尾は俺の猫の尻尾と比べるとふわふわの大きめな紺色の尻尾だった。喩えると、狼の王子様のように見える。背も高いグランデがこういう仮装をすると、とてもカッコよく見える。正直、マスクを外したグランデを見たいと思ったが、俺も外せと言われると困るので言わない事にした。
「そうですが……」
何故だろう。グランデが照れてる? それを見ると、何故だろう。愛らしいと感じたのは、レイルの思いなのだろうか。
「その、とても」
まずい。似合っていると言うべきか。グランデがその格好に、納得していればいいが、あまり良いと思っていなかった場合。最悪、二人の間の溝もっと深くなってしまう。
「とても、何です?」
「その……か、カッコいいよ」
見れなかった。最後までグランデと視線を合わせながら、言い切る事が出来ずに俯いた。な、何故だろう。顔が熱くて、恥ずかしくて顔を上げれない。
「ありがとうございます。貴方にそう言われるのであれば、この格好も悪くありません」
グランデの声に柔らかさを感じ、顔を上げた。目元と口元が笑っている。マスクをしている為、全体的には見えないが、グランデが微笑んでいた。
今なら、グランデとの関係を修復する事ができるかも知れない。
「あ、グランデ、ぇ!!」
あの時は、済まなかった。そう言いたかったのに、横からの衝撃で息が詰まった。
「エトワール様、失礼します」
中からの返答を待たずに、グレアが扉を開いた。俺に入るよう手で促してくる。ここまで来てしまった以上、抵抗しても無駄だろう。
「グレア様。まだ返事……」
グレアの前に俺が立つや否や、中にいたグランデが動きを止めた。その視線は俺を上から下へと見て、やがて顔の元へと戻った。
「れ、レイル様……」
「グランデなのか……」
俺も同じくグランデを上から下へと見た。頭の上、黒髪の合間にピンとした紺色の三角の耳が見える。目元を隠すマスク、白のタキシード、青のタイ、一瞬見えた尻尾は俺の猫の尻尾と比べるとふわふわの大きめな紺色の尻尾だった。喩えると、狼の王子様のように見える。背も高いグランデがこういう仮装をすると、とてもカッコよく見える。正直、マスクを外したグランデを見たいと思ったが、俺も外せと言われると困るので言わない事にした。
「そうですが……」
何故だろう。グランデが照れてる? それを見ると、何故だろう。愛らしいと感じたのは、レイルの思いなのだろうか。
「その、とても」
まずい。似合っていると言うべきか。グランデがその格好に、納得していればいいが、あまり良いと思っていなかった場合。最悪、二人の間の溝もっと深くなってしまう。
「とても、何です?」
「その……か、カッコいいよ」
見れなかった。最後までグランデと視線を合わせながら、言い切る事が出来ずに俯いた。な、何故だろう。顔が熱くて、恥ずかしくて顔を上げれない。
「ありがとうございます。貴方にそう言われるのであれば、この格好も悪くありません」
グランデの声に柔らかさを感じ、顔を上げた。目元と口元が笑っている。マスクをしている為、全体的には見えないが、グランデが微笑んでいた。
今なら、グランデとの関係を修復する事ができるかも知れない。
「あ、グランデ、ぇ!!」
あの時は、済まなかった。そう言いたかったのに、横からの衝撃で息が詰まった。
29
あなたにおすすめの小説
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
悪役令息に転生したらしいけど、何の悪役令息かわからないから好きにヤリチン生活ガンガンしよう!
ミクリ21 (新)
BL
ヤリチンの江住黒江は刺されて死んで、神を怒らせて悪役令息のクロエ・ユリアスに転生されてしまった………らしい。
らしいというのは、何の悪役令息かわからないからだ。
なので、クロエはヤリチン生活をガンガンいこうと決めたのだった。
ユキ・シオン
那月
BL
人間の姿をした、人間ではないもの。
成長過程で動物から人間に変わってしまう”擬人化種”の白猫青年と、16歳年上のオッサンとのお話。
出会ったのは猫カフェ。白猫従業員としての青年と客としてやってきたオッサン。
次に再会したのは青年が人間として通う大学。オッサンは保健室の先生だった。
青年が金のためにヤバいことをしていて、あるトラブルが起こる。
そこへ見計らったかのようにオッサンが飛び込んで救出したのをきっかけに2人の距離は縮まり……
※表紙絵は自作。本編は進むにつれてどんどん動物園と化します(笑)
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。
中年冒険者、年下美青年騎士に番認定されたことで全てを告白するはめになったこと
mayo
BL
王宮騎士(24)×Cランク冒険者(36)
低ランク冒険者であるカイは18年前この世界にやって来た異邦人だ。
諸々あって、現在は雑用専門冒険者として貧乏ながら穏やかな生活を送っている。
冒険者ランクがDからCにあがり、隣国の公女様が街にやってきた日、突然現れた美青年騎士に声をかけられて、攫われた。
その後、カイを〝番〟だと主張する美青年騎士のせいで今まで何をしていたのかを文官の前で語ることを強要される。
語らなければ罪に問われると言われ、カイは渋々語ることにしたのだった、生まれてから36年間の出来事を。
親友と同時に死んで異世界転生したけど立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話
gina
BL
親友と同時に死んで異世界転生したけど、
立場が違いすぎてお嫁さんにされちゃった話です。
タイトルそのままですみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる