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第1章 出会い編
この世ではないどこか
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一瞬で周囲の景色が変わる。
『これ、このまま魂ごと葬り去るのと、多次元の世界に放り出して消えてしまうのを待つのと、どちらがいいかしら?』
訳の分からないことを言いながら、壮絶に怖い顔で凄んでくる女性。
先程聞こえてきた子供のような声は、怖い顔の女性の横に浮かんでいるバレーボール大の光から聞こえてくる。
『どちらも欠片も証拠が残らない、素敵な魂の消滅方法ですね。』
私が恐ろしさのあまり反応できずにいると、別の声が響いてきた。
今度は男性の声だ。
『ここまで堕ちていては、もう神の一柱としての資格なし。』
途端、私の目の前にいた怖いものが光の粒子になって、その大部分が私に降りかかってきた。
『人間。怖い思いをさせてしまったな。』
私はじっと声の主である大きな光を見つめる。
『儂はこの世界の主神である。堕ちた女神の・・・人間社会で言うところの上司にあたるかの。』
私が反応できずにいると、主神がまた話し始める。
私の心は読まない(読めないのか?)ようだ。
『あの愚か者はこの世の輪廻と世界創造に携わる女神の一柱であった。あの者のせいで、其方の魂はこの世の輪廻から外れてしもうた。儂の信頼できる神の世界で新しい輪廻の輪に入れるよう頼んでみようと思うが、どうかの?』
「輪廻から外れると、私はどうなってしまうのですか?」
『元の世界に戻ることもできず、魂が消滅してしまうの。』
魂が消滅って、元の世界に戻れないって、戻れないって・・・大好きなあの家族にもう二度と会えないってこと?
ふざけんなっ!クソ女神!!
「私、もっと生きたいです!生きて、大好きな映画やドラマも見たいし、本も読みたいし・・・武術も格闘技も、本当はもっともっと強くなりたかった!」
大きな光が少し瞬く。
『問題なく、あやつの世界の輪廻に入れるよう手配は済んだぞ。』
今の一瞬で、他の世界の神様と話がついたようだ。
どうなっているんだろう、神様ネットワーク。
『・・・テンプレ、とやらのスキル?は必要かの?』
テンプレとかスキルとか、まんまゲームや小説みたいだ。
ひょっとすると、私が行く世界は、異世界ファンタジー定番の、剣と魔法の世界なのかもしれない。
「どのような世界か想像すらできませんので、身を守るため、いただけるものはすべていただきたいと思います。」
大きな光がまた瞬く。
『話はついた。あちらの神に会うことは叶わぬが、神殿に行けば声は届くらしい。望みがあれば、行って話してみるがいい。あちらの世界に着いたら・・・「すてーたす」?と唱えれば、スキルとやらが分かるらしいの。』
ますます定番に近づいてきている気がする。
「はい、分かりました。あの、私はこのままの姿で他の世界に行くのでしょうか?」
『ふむ。新しい世界で新しい人生を始めるには、ちと年を取り過ぎているかの。』
失礼なことを平気で言う。
確かに三十路も後半に差しかかっているけどさ。
3歳から始めた武道を続けているおかげで、肉体年齢は10代にも負けていないつもりなのに。
・・・でも若返らせてくれるというのであれば、感謝しておこう。
新しい世界では・・・ずっと欲しかった子供が産めるかもしれない。
『新しい世界はこちらの世界と分子構成が異なる。故に、あちらの世界で生きるためには、肉体は再構築されることになるの。その際、若めに肉体が構築されるよう、頼んでおくからの。ではの。』
視界がホワイトアウトする一瞬に、聞こえた気がした。
『あっ!待つのだ~っ!!』。
『これ、このまま魂ごと葬り去るのと、多次元の世界に放り出して消えてしまうのを待つのと、どちらがいいかしら?』
訳の分からないことを言いながら、壮絶に怖い顔で凄んでくる女性。
先程聞こえてきた子供のような声は、怖い顔の女性の横に浮かんでいるバレーボール大の光から聞こえてくる。
『どちらも欠片も証拠が残らない、素敵な魂の消滅方法ですね。』
私が恐ろしさのあまり反応できずにいると、別の声が響いてきた。
今度は男性の声だ。
『ここまで堕ちていては、もう神の一柱としての資格なし。』
途端、私の目の前にいた怖いものが光の粒子になって、その大部分が私に降りかかってきた。
『人間。怖い思いをさせてしまったな。』
私はじっと声の主である大きな光を見つめる。
『儂はこの世界の主神である。堕ちた女神の・・・人間社会で言うところの上司にあたるかの。』
私が反応できずにいると、主神がまた話し始める。
私の心は読まない(読めないのか?)ようだ。
『あの愚か者はこの世の輪廻と世界創造に携わる女神の一柱であった。あの者のせいで、其方の魂はこの世の輪廻から外れてしもうた。儂の信頼できる神の世界で新しい輪廻の輪に入れるよう頼んでみようと思うが、どうかの?』
「輪廻から外れると、私はどうなってしまうのですか?」
『元の世界に戻ることもできず、魂が消滅してしまうの。』
魂が消滅って、元の世界に戻れないって、戻れないって・・・大好きなあの家族にもう二度と会えないってこと?
ふざけんなっ!クソ女神!!
「私、もっと生きたいです!生きて、大好きな映画やドラマも見たいし、本も読みたいし・・・武術も格闘技も、本当はもっともっと強くなりたかった!」
大きな光が少し瞬く。
『問題なく、あやつの世界の輪廻に入れるよう手配は済んだぞ。』
今の一瞬で、他の世界の神様と話がついたようだ。
どうなっているんだろう、神様ネットワーク。
『・・・テンプレ、とやらのスキル?は必要かの?』
テンプレとかスキルとか、まんまゲームや小説みたいだ。
ひょっとすると、私が行く世界は、異世界ファンタジー定番の、剣と魔法の世界なのかもしれない。
「どのような世界か想像すらできませんので、身を守るため、いただけるものはすべていただきたいと思います。」
大きな光がまた瞬く。
『話はついた。あちらの神に会うことは叶わぬが、神殿に行けば声は届くらしい。望みがあれば、行って話してみるがいい。あちらの世界に着いたら・・・「すてーたす」?と唱えれば、スキルとやらが分かるらしいの。』
ますます定番に近づいてきている気がする。
「はい、分かりました。あの、私はこのままの姿で他の世界に行くのでしょうか?」
『ふむ。新しい世界で新しい人生を始めるには、ちと年を取り過ぎているかの。』
失礼なことを平気で言う。
確かに三十路も後半に差しかかっているけどさ。
3歳から始めた武道を続けているおかげで、肉体年齢は10代にも負けていないつもりなのに。
・・・でも若返らせてくれるというのであれば、感謝しておこう。
新しい世界では・・・ずっと欲しかった子供が産めるかもしれない。
『新しい世界はこちらの世界と分子構成が異なる。故に、あちらの世界で生きるためには、肉体は再構築されることになるの。その際、若めに肉体が構築されるよう、頼んでおくからの。ではの。』
視界がホワイトアウトする一瞬に、聞こえた気がした。
『あっ!待つのだ~っ!!』。
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