僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~

いとうヒンジ

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これからとそれから 002

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「久しぶり……って程久しぶりじゃないか。でもまあ、ここは社交辞令として久しぶりと言っておこう。その方が威厳も格好もつくってもんだ。ってことで久しぶり、イチカくん」
「はあ……お久しぶりです……」

 気の抜けた反応になるのも無理はない……まさか、こんな形で目の前の彼女と再開を果たすとは思ってもみなかったのだから。
 真っ白な髪に真っ白な瞳。
 絹よりも透き通った肌と、細くしなやかな体躯。
 まるでガラス細工のような精巧な造形。
 間違いない、カミサマである。

「……なんだい、イチカくん。君は欲求不満なのかい? そんな風にジロジロと眺められると、身の危険を感じずにはいられないよ」
「あ、すみません、つい……」
「どんな犯罪も、ついという出来心から始まってしまうものさ。私は君を性犯罪者にはしたくないんでね、よければ眼球を潰してあげようか?」
「そんなよければはこの世に存在しない!」

 とんでもないことを言いやがる。
 良かれと思ってでも許されない。

「ははっ、カミサマジョーク」
「……」
「おや、今のは一緒になって愛想笑いを返す場面だろう? そういう細かな部分からコミュニケーション能力を磨いていくべきだと、ありがたい助言をしておくよ」
「アハハハハ……」

 状況に頭が追いつかない。
 何がどうなっているのか、理解不能だ。

「どうやら現状を理解できずに機能停止寸前みたいだが、そこまで難しく考える必要はないよ。答えは常にシンプルだ。真実はいつも一つという言説は好きではないが、しかし真実は思っているより単純という意味では、かの名探偵の言葉にも少しは頷けるね」
「誰ですか、その名探偵」
「……嘘だろ、知らないのかい? 何かと祖父の威厳にかこつける高校生探偵の方がお好みだったかな」

 そもそも探偵に興味はないのだが、これ以上そこら辺を掘り下げないでほしい。
 というか話を進めてほしい。

「まあ、少し雑談をしたくなったんだよ」
「ざ、雑談?」
「そ。プラスで状況確認も少しね……どうやら私のあげたスキルを使いこなしているようで安心したよ」
「使いこなしてるかはわかりませんけど、助かってはいますかね」
「みたいだね。無事に仲間を見つけることもできたらしいし、私は嬉しいよ。これでも君のことは気に病んでいたんだ、イチカくん。私の不手際の所為で辛い思いをさせたわけだしね……ただその様子だと、順調に事は進んでいるのかな?」

 順調……なのだろうか。
 正直、よくわからない。
 ミアと旅をすることにはワクワクしているし、その意味では順調と言っていいのか?

「はっはー、その反応だと、。だろうと思って、今日はこうして会いにきたんだよ。カミサマ流のお節介さ」
「お節介はいいんですけれど、わざわざ会いにくる必要ってあったんですか? 前みたいに、精神世界ってところで話せばよかったんじゃ?」
「ああ、実はあの邂逅の仕方はかなーりイレギュラーなんだよ。ブラック濃いめのグレーって感じでね。こうして現実に実体として、有り物のカミサマとして接触するというのが、本来は正しいのさ」
「……そういう設定ってことですかね」
「おお、言うようになったじゃないか」

 カミサマは嬉しそうに口角を上げる。

「まあ、そんなに身構えて聞いてもうら程のことじゃないんだ。雑談というより、むしろ戯言だと思って聞いてくれたまえ」
「カミサマのお言葉を戯言と思えってのは、結構無理ありますけど」
「無理も道理も通せば同じさ。私の言うことを一々真に受けていたら身が持たないのは、君もわかっているだろう? だからそこら辺は自助努力で頼むよ」
「……わかりました。できるだけ聞き流します」
「結構結構」

 カミサマは満足そうに頷き、この部屋に一つだけある椅子に腰かけた。

「さ、では雑談の始まりだ」

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