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熱帯夜を君と・前編(柊山視点)
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雰囲気のある間接照明、大きなベッド、やたら種類の豊富なアメニティ。何もかも落ち着かない。ここが所謂ラブホテルだからだ。広いベッドの中央で寝転びながら遥君を待っている。
――休憩で触れる場所って、やっぱりこういうことになるんだ
あの後、一旦ウィンカーを出して路肩に停車してハザードを点けた。すると遥君に場所は検索して探すのでそのまま走っていて欲しいと言われた。暗いのでよく分からなかったけれど、顔が赤くなっているようで少し泣きそうな顔をしていた。まじまじと見ていると手で顔を遮られた。『運転中だったのでもう一度顔を見ながら誘って欲しい』と頼んだけれど却下されてしまった。自分でも動揺していたと思う。取り敢えず車は発車させることにした。
――それから遥君が色々と検索しながらカーナビに場所を入力して、言われるままここにたどり着いて……
ホテルに到着して駐車場に車を停めると二人して無人のエントランスに入った。外装はネオンや派手な装飾がいかにもな感じだったけれど、内側は普通の小綺麗な宿泊施設だった。幸い誰とも鉢合わせにならなかったので、遥君が手を繋いで僕を引っ張ってくれた。タッチパネルから部屋を選んで鍵を受け取りエレベーターに乗っている時も、遥君の震える手は繋がれていたのを嬉しく感じた。部屋に入ると赤い顔でそっと唇を重ねられ『準備があるので眠っても良いから待っていて欲しい』と言い、彼は浴室に入って行った。そして僕は現在の状態となっている。
――薄暗い部屋で寝転んでいるせいか、少し眠たくなってきてしまったな。色々と見逃せないものがあるから、眠りたくはないけれど……
どんな顔をして遥君が僕の前に来るのかと思うと、想像するだけで胸が高鳴る。
一度起き上がりヘッドボードにコンドームや潤滑剤、ティッシュ等があるのを確認してから、また寝転んだ。落ち着かないので確認したのもこれで三回目だ。
――今日は午前中から打ち合わせがあったから移動したり、帰ってから執筆作業を遥君が来るまでやっていたから、気を抜くと眠ってしまいそうだな
遥君は『眠っていたら起こすので大丈夫ですよ』とも言ってくれたが、ホテルで恋人がシャワーを浴びている間に寝る男を彼は実際の所どう思うのだろうか。
――彼は優しいから気にしないかもしれないけれど、僕が色々と立ち直れない……
眠ってしまわないよう注意しながら、ベッドの上でぼんやりと過ごすことにした。
浴室の方からは微かに水音が聞こえてくる。先程ちらりと中を見たけれど、中々雰囲気のある照明が点いていて広々としていた。
――遥君がこういう所にいるのは、何だか見た目とギャップがあるな
恋人になる前の彼は、清潔で生真面目ではっきりと物を言う世話焼きの青年という印象だった。
――今の彼は照れ屋で、見た目と裏腹に積極的で大胆な所があって……色々な顔を僕に見せてくれる…………恥ずかしがってはいるけれど気持ち良いことが好きな所とか
これまで同性の体をどうこうしたいと思ったことはなかったけれど、遥君に対しては自分でもどうかと思う程に欲望を抱いてしまっていた。
――僕を好きになってくれた彼という人間がどんな風な肉体に包まれていて、触るとどんな風な反応をするのか見てみたい。君の心だけじゃなくて、体も暴きたいと思ってしまう
最近、ますます彼に対する感情が重みを増しているなと思いながら、枕を引き寄せて頭を沈めた。
――休憩で触れる場所って、やっぱりこういうことになるんだ
あの後、一旦ウィンカーを出して路肩に停車してハザードを点けた。すると遥君に場所は検索して探すのでそのまま走っていて欲しいと言われた。暗いのでよく分からなかったけれど、顔が赤くなっているようで少し泣きそうな顔をしていた。まじまじと見ていると手で顔を遮られた。『運転中だったのでもう一度顔を見ながら誘って欲しい』と頼んだけれど却下されてしまった。自分でも動揺していたと思う。取り敢えず車は発車させることにした。
――それから遥君が色々と検索しながらカーナビに場所を入力して、言われるままここにたどり着いて……
ホテルに到着して駐車場に車を停めると二人して無人のエントランスに入った。外装はネオンや派手な装飾がいかにもな感じだったけれど、内側は普通の小綺麗な宿泊施設だった。幸い誰とも鉢合わせにならなかったので、遥君が手を繋いで僕を引っ張ってくれた。タッチパネルから部屋を選んで鍵を受け取りエレベーターに乗っている時も、遥君の震える手は繋がれていたのを嬉しく感じた。部屋に入ると赤い顔でそっと唇を重ねられ『準備があるので眠っても良いから待っていて欲しい』と言い、彼は浴室に入って行った。そして僕は現在の状態となっている。
――薄暗い部屋で寝転んでいるせいか、少し眠たくなってきてしまったな。色々と見逃せないものがあるから、眠りたくはないけれど……
どんな顔をして遥君が僕の前に来るのかと思うと、想像するだけで胸が高鳴る。
一度起き上がりヘッドボードにコンドームや潤滑剤、ティッシュ等があるのを確認してから、また寝転んだ。落ち着かないので確認したのもこれで三回目だ。
――今日は午前中から打ち合わせがあったから移動したり、帰ってから執筆作業を遥君が来るまでやっていたから、気を抜くと眠ってしまいそうだな
遥君は『眠っていたら起こすので大丈夫ですよ』とも言ってくれたが、ホテルで恋人がシャワーを浴びている間に寝る男を彼は実際の所どう思うのだろうか。
――彼は優しいから気にしないかもしれないけれど、僕が色々と立ち直れない……
眠ってしまわないよう注意しながら、ベッドの上でぼんやりと過ごすことにした。
浴室の方からは微かに水音が聞こえてくる。先程ちらりと中を見たけれど、中々雰囲気のある照明が点いていて広々としていた。
――遥君がこういう所にいるのは、何だか見た目とギャップがあるな
恋人になる前の彼は、清潔で生真面目ではっきりと物を言う世話焼きの青年という印象だった。
――今の彼は照れ屋で、見た目と裏腹に積極的で大胆な所があって……色々な顔を僕に見せてくれる…………恥ずかしがってはいるけれど気持ち良いことが好きな所とか
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――僕を好きになってくれた彼という人間がどんな風な肉体に包まれていて、触るとどんな風な反応をするのか見てみたい。君の心だけじゃなくて、体も暴きたいと思ってしまう
最近、ますます彼に対する感情が重みを増しているなと思いながら、枕を引き寄せて頭を沈めた。
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