【完結/R18】恋人として君と過ごす日々

テルマ江

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水音と吐息を重ねて(此木視点)

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 目が覚めると夜の十二時を回っていた。敬久さんの頭を自分の胸に抱え込みながら眠っていたようで、すぐ近くで寝息が聞こえる。

――自分のにも、ゴムを着けていて処理が楽だったから、した後に二人でそのまま寝ちゃったのか……

 お互い半裸に下着だけの状態で布団を被っていた。肌と肌が触れ合っているのが気持ちが良い。

――敬久さん、こうされるの好きみたいだけれど、苦しくないのかな

 オレの胸に顔を埋めて、穏やかな寝息を立てている彼の髪を撫でた。

――いや、可愛いから、全然問題ないけれど……寧ろこうするのが当たり前になってくれたら良い

 年上の敬久さんにこんな風に甘えられるのは、嬉しさしかない。寝息が胸に当たってくすぐったいのが難点なぐらいだ。

――冬場はどうしようかな。脱いだままだとさすがに寒いからな。ボタンで開くタイプのパジャマを買って、抱きしめる時に、前を開けたら良くないか……?

 今後のことを考えると顔がまたニヤついてしまう。幸せだなと思いつつ、彼の頭に唇を落とした。

「……ぁ」

 敬久さんが胸に顔を寄せて来たので、少しだけビクッとなり声を出してしまった。

――起きたかな……? いや……大丈夫だ。良かった

 寝ながら身をよじったようだった。ホッとして彼の髪をまた撫でた。

――しかし、敬久さんが動いたから……位置が……胸の敏感な所に息がかかるな……これは……ダメだ……

 寝息が胸の先端にかかる度にゾワゾワしてしまう。このままだと、体が反応してしまうと思い、少しだけ離れることにした。

――さっきしたばっかりなのに……また、体が期待してしまうからな……

 ゆっくりとした動きを心がけながら、敬久さんの頭の位置を調整するために体を離した。

「……ん……遥君、も、帰るの……?」

 敬久さんがうっすらと目を開けて、オレの腕をそっと掴んだ。起こしてしまったようだ。

「まだ……もう少しだけ、いてほしいな……」
「ぁ、あ……えっと」

 トロンとした目になっているので、まだ眠いのだろう。

「……いえ、まだ、朝じゃないですから……ちょっと、起きちゃったので……」
「……良かった。君がいないと、寂しいから……」
「……そ、そうですか。すみません。寝ていたのに、起こしちゃいましたね……」
「ううん、大丈夫だよ……本当だ、まだ夜だね」

 敬久さんはサイドボードの時計をチラッと確認しながら言った。『君がいないと寂しい』という言葉に胸がドキドキしてしまう。彼の頭を胸にギュッと抱きしめた。

「ふふっ……君にこうされるの、好きだな。こうしてもらうとおかしな夢、見ないんだ」
「……お役に立てて、嬉しいです」
「君は寝づらくないかな……?さっきも、起きちゃったみたいだから。無理はしなくて良いからね?」

 敬久さんは気遣うように言ってきた。けれど、そうなるとオレの冬の計画が立ち消えになってしまう。

「いえっ、無理だなんて。冬場はどんな風にしようか、考えていたくらい……オレも敬久さんに、こうするの好きです……」
「そっかぁ……」

 敬久さんはオレの胸に顔をスリスリと寄せてくるので、髪の毛を優しく撫でた。

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