【完結/R18】恋人として君と過ごす日々

テルマ江

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二人しか知らない秘密・中編(此木視点)

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 帰りは湖周辺にある食堂で昼食をとり、多少渋滞にはまりながらも予定より早くマンションに到着した。
 オレは厚手の上着を着ていたせいか、汗をかいたのでシャワーを借りることにした。熱い湯を浴びながら浴室にいると、昨日ここで体を重ねたことを思い出してしまった。

――昨日は、ここで敬久さんとしたんだな…………いや、さっきまで、あんなに爽やかなデートをしていたのに……オレの煩悩ときたら、どうしてすぐこうなんだ……

 煩悩を振り払うようにお湯を水に切り替えた。十一月に浴びる水は思ったよりも冷たかったので、あまり長く浴びれそうにない。

――はぁ……でも、さっき、車でイチャイチャしていた時……拒まなかったらあのまま、車でどんなことされていたんだろうな…………ダメだ……また、煩悩が……

 体は冷たいのに、顔が熱くなって来たのでまたお湯に切り替えた。

――こんなことばかり考えてしまうな……前からだけれど、今回は特にひどい。もしかしたら、一昨日、サイドボードの引き出しでアレを見つけたせいだろうか

 一昨日は敬久さんは執筆作業があったため、先にベッドで眠ることになった。彼がオレの胸を吸いながら仮眠したので、サイドボードの引き出しにあるウェットティッシュで胸を拭くために引き出しを開けた。
 サイドボードの上には目覚まし時計やエアコンや照明のリモコン、ティッシュ等が載っていて、その下に引き出しが二つある。引き出しの上段にウェットティッシュがあったので、それを使おうとした。

――ケース内のウェットティッシュがなくなっていたから……補充しておこうとしたんだよな……一昨日は……

 補充用のウェットティッシュは引き出しの下段にある。敬久さんには『好きに使ってもらって良い』と了承をもらっていたので、下段の引き出しを開けた。下段にはコンドームや潤滑剤が入っているので、少しだけドキドキした。

――ウェットティッシュは隅の方にあったから取ったら……下にあったんだ……アレの箱が……

 それは『道具』の箱だった。初めて敬久さんと体を重ねた日に、彼が『満足させられなかったら申し訳ない』という理由で色々と用意をしていた物だ。

――道具っていうか……大人が使う玩具だ。男のアレの形をしたやつとか……スイッチでブルブルするやつとか。あと、筒状になっていて……

 とにかく、中々の種類の箱があった。オレはそれの存在を知っていたはずなのに、すっかり忘れていた。なぜなら、一度も使われなかったからだ。

――いや、使って欲しいとかではなくて! オレが満足しなかったことなんてないし。常にいっぱいいっぱいだからな……

 初めて敬久さんと体を重ねた時よりは、行為に慣れてきてはいた。本当に微々たるものだが。
 大体はいっぱいいっぱいになり、あられもないことを口走っている。

――はぁ、敬久さん、アレをオレに使わないのかな……

 使って欲しいというよりは、オレにああいった物をどういう風に彼が使いたいのか、そこに興味がある。

――いや……使って欲しいわけじゃない! ……ないはずだ……純粋に、興味があるだけだ

 オレはため息を吐くと、蛇口を閉めた。お湯を浴びていただけなのに、のぼせそうになってしまった。

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