【完結/R18】恋人として君と過ごす日々

テルマ江

文字の大きさ
108 / 154
君との温かい食卓・後編(柊山視点)

※7

しおりを挟む
「――――も……無理ぃ……」

 体を撫で回してゆるゆると中を広げ続け、指が三本入る程になると遥君が身をよじった。彼の腰が逃げそうになったので、空いている手でギュッと足を捕まえた。

「はぁ……遥君、大丈夫だよ。我慢出来て良い子だったね……」

 僕も遥君に対する劣情を抑えてじっくりと中を慣らしていたので、額に汗をかいていた。捕まえた足に唇を這わすと、敏感になった彼の体がピクッと震えた。

「もう、大丈夫ですからぁ……これ以上されたら……もっと……変になっちゃいます……」
「……変じゃないよ。すごく可愛い」

 遥君は目が潤んでいる。快楽に溺れそうになりながら耐えていたのだろうか。彼の中はもう十分に広がり、指を咥えこんでいる。

「はぁ……僕も……中に入りたいな……」
「……敬久さんのが……オレも欲しいです」

 遥君が足を僕の体に絡めてきた。

「うん……」
「ぁあ……ぅ……」

 中から指をそっと引き抜くと彼は小さく呻いた。僕は服を脱ぎ捨ててコンドームを手に取り、パッケージを破いて自分のものに着けた。

「今日は……ゆっくりするから……」
「……あなたと繋がっているの好きだから……嬉しいです……んんっ……」

 遥君の腰の下に枕を入れると、彼の足を持ち上げて窄まりに自分のものをじっくりと沈めた。彼の中は潤滑剤で濡れそぼっており、僕のものに絡みついてくる。

「ッ……はぁ……入ったよ……」
「た、敬久さん、キスしながらしたい……」

 遥君が手を伸ばして僕の体を引き寄せた。僕は彼の胸の横に手をつき、彼の足を持ち上げるようにして顔を近づけた。

「ぁむ……んッ……んん」 

 遥君は僕の背中に腕を回して唇を重ね、舌を口内に侵入させた。僕は腰をゆるゆると動かして彼の中を堪能しながら舌を絡めた。

「ぁ……はぁ……んんッ……」

 じっくりとした動きがもどかしいのか、遥君は腰を揺らして僕のものをキュウキュウと締め付けた。

「……く……遥君、そんな……締め付けないで……」

 僕は唇を離して遥君の目から溢れる生理的な涙を吸い取った。

「ん……今日は……君のことを沢山味わいたいんだ……もう少しだけ、緩めて欲しいな」
「ぅう……分かりました……いっぱい、あなたの好きに……してください……」

 遥君は僕を更にキツく抱きしめ、緩やかな動きを受け止めてくれた。

「ぅん……はぁ……はぁ……んんっ」

 唇を重ね、舌を絡め、緩やかな抽挿を繰り返すと遥君は蕩けた顔で体を震わせた。彼は僕のものを締め付けないようにしているのか、抽挿に合わせるように呼吸を整えた。

「はぁ……ね、遥君……肩の痕……もう消えちゃったから、またつけてよ」
「ぅうッ……んっ……はい……」

 彼が返事をして身をよじると、入口が僕を飲み込むように収縮した。僕は欲望が湧き上がってしまい、内壁の良い所に当たるように中を擦ると彼の体が跳ねた。

「んんッ! ……あんまり、意地悪しないでください……これでも……すごく……我慢してるんです……」

 遥君は眉をひそめ熱い息を吐き出して僕を引き寄せた。

「ごめんごめん……我慢してる遥君、可愛いから……つい……ッ」

 遥君は僕の肩をキツく吸い上げ、熱い舌で肩を舐めた。舌先でクルクルと肌を舐められゾクリと体が震えた。

「はぁ……はぁ……ふふっ……仕返しです……」

 切な気な息遣いでいたずらっぽく笑い、僕の腰を捕まえるように足を絡めた。

「……こうすると……敬久さんのが中に入っているの分かって……すごく……良い……」
「うん……僕も……君に包み込まれているのが、分かるよ……でも、これだと動けないなあ」
「ふふふっ……我慢している敬久さん……間近で見れて、嬉しいです……」

 遥君は僕の腰を捕えたまま、自分の腰を揺らした。僕のものが彼の中で揺らされ、絡みつかれ、這い上がって来た快楽に身を任せて最奥を突き上げたくなった。

「これ……きもちい……あッ、あっ! た、敬久さん……グリグリしたら……ぁ……」
「うん……気持ち良い……はぁ……」

 彼の動き合わせるように僕も腰を揺らすと、遥君の足が緩んだ。

「あっ……んんっ……奥……ダメぇ……」
「ははっ……君は、本当に可愛いなあ……」

 僕がまた遥君の中を擦り、奥の方まで突く様に動いた。

「あァっ、あっ、あッ……敬久さん……オレ……イッちゃうから……奥は……ダメです……ダメ……」
「ッ…………うん、ごめん……今日はゆっくりって……言ったのにね……」

 遥君に懇願するように言われ、ハッと我に返った。「ゆっくりする」と自分で言っておきながら理性が吹き飛びかけていた。欲望を押さえつけて動きを緩め、僕は荒い息を吐き出した。遥君はそんな僕を愛しそうに見つめ、甘い声色でキスをねだってきた。

「……んん……敬久さん、好きです……あなたを……愛しています」

 チュッと唇を重ねると遥君は僕と目を合わせて、愛の言葉を囁いてくれた。彼の潤んだ瞳はまっすぐ僕を見ている。吸い込まれそうな瞳と見つめ合っていると、胸に甘い切なさがこみ上げて来る。

「僕も、君を愛してるよ」

 お互いの熱で蕩けるように抱き合い、僕は彼の中をじっくりと堪能した。遥君に包まれているのは気分がとても良いので、このまま小刻みに揺れ動き、二人して限界を迎えるのも良いかもしれない。

 彼への愛と欲望の間で揺れ動きながら、僕はふいに涙を溢してしまった。生理的なものなのか、感極まったのかは分からなかったけれど、遥君はそんな僕の涙の痕に唇を落としてくれた。柔らかな唇に触れられると、涙の痕も熱を持つような気がした。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?

中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」 そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。 しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は―― ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。 (……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ) ところが、初めての商談でその評価は一変する。 榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。 (仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな) ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり―― なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。 そして気づく。 「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」 煙草をくゆらせる仕草。 ネクタイを緩める無防備な姿。 そのたびに、陽翔の理性は削られていく。 「俺、もう待てないんで……」 ついに陽翔は榊を追い詰めるが―― 「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」 攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。 じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。 【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】 主任補佐として、ちゃんとせなあかん── そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。 春のすこし手前、まだ肌寒い季節。 新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。 風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。 何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。 拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。 年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。 これはまだ、恋になる“少し前”の物語。 関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。 (5月14日より連載開始)

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

Take On Me

マン太
BL
 親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。  初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。  岳とも次第に打ち解ける様になり…。    軽いノリのお話しを目指しています。  ※BLに分類していますが軽めです。  ※他サイトへも掲載しています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです! 元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。 持ち主は、顔面国宝の一年生。 なんで俺の写真? なんでロック画? 問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。 頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ! ☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

処理中です...