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君との温かい食卓・後編(柊山視点)
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「……変な時間に起きちゃったね」
遥君とドロドロになるまで抱き合い、お互いに限界になって達した。とても心地良かったことは覚えていたけれど、正直達した辺りの記憶が曖昧だ。頭がぼーっとしていたので身なりを最低限整え、抱き合って眠った。そのせいか、妙な時間に起きてしまった。まだ深夜一時を回ったくらいだろうか。
「……はい」
遥君は僕の胸に抱かれ、トロンとした顔で返事をした。彼は先に起きていたようで僕が目覚めると微笑んでくれた。
「シャワー……いや、朝で良いか。……遥君は寒くないかな? 君のパジャマの下、どこに置いたかなあ……」
僕が遥君の頭を撫でると彼は目を伏せて胸にすり寄って来た。彼はパジャマの上はきちんと着ていたけれど、ズボンは履いておらず素足を僕の腰の辺りに絡めてくる。正直悪い気はしなかったけれど、遥君が風邪を引いてはいけない。僕は彼の頭を撫で、キョロキョロと辺りを見回した。
「寒くないので大丈夫です。下は……熱かったから、寝ている時に脱いじゃったみたいで……多分、布団の中に紛れている気がします……」
遥君はモゴモゴと恥ずかしそうに言った。
「そうなんだね。寒くないなら良いんだ」
「はい、熱いくらいなので……」
彼は僕の胸から顔を上げると、唇を重ねてきた。
「んんっ……ん……」
「はぁ……ふふっ、本当だ。君の体、すごく熱いな」
彼が背中に腕を回して来たので、僕は腰に絡む太腿に手を伸ばしてさわさわと撫でた。手触りの良い熱い肌を撫でると、彼は身をよじった。
「はぁ……今日……いや、もう昨日ですね。何だか昨日のこと、思い出すだけで体が熱くなっちゃって……」
「うん……すごく良かったね……」
僕も遥君に優しく受け入れられたことを思い出すと、胸の辺りが熱くなってくる。じっくりと時間をかけた行為は体と心の両方が満たされていくようだった。
「はい……んん……」
触れるだけのキスを繰り返して遥君はうっとりとした表情になった。
「ただ……最後の方、記憶があんまりないんですよ」
「実は僕も……」
遥君は「一緒ですね」と照れたように言うと、唇を離して僕を抱きしめた。
「……オレは何か変なこと……言ったりやったりしていないか心配です」
「大丈夫だよ。僕しか聞いていないから」
「……それはそうですけど」
僕も彼の体温を楽しむように太腿や腰を撫でた。
「ふ……くすぐったい……」
遥君は楽しそうに笑った。
「はぁ……もう二十九日なんですね……今日が終わったら、また、しばらく会えないの……寂しいです」
身をよじり、今度は彼が僕を胸に抱くような体勢になった。
「さっきは……あなたの胸で眠らせてもらったので、今度はオレの番です」
「うん……」
「あ、ボタン外すので、少し待ってください」
遥君は僕から体を離してパジャマのボタンを開いた。
――遥君は、もう当たり前のように生身の胸で眠らせてくれるなあ……何だか感慨深いな……
「敬久さん、どうかしましたか? あ、胸、吸いながら寝たいですか?」
遥君が布団をずらして、胸の先端を見せつけてくる。眠たそうなトロンとした目で笑いかけられるとドキドキしてしまう。
――理性を試されているのだろうか……? いや、さっき、あんなにしたから、そういった感じではないな……これは遥君の善意なんだろうな……
彼の肌は健康的でキレイだなと胸を見つめていると、布団を閉じて肌を隠された。
「……敬久さん、その……そんなジッと見られると……流石に照れるんですが……」
「……ごめん。君の体はキレイだから……つい凝視してしまって」
慌てて弁明した。そういえば、行為の最中にも「視姦されているよう」と言われたことを思い出した。
「……エッチなことがしたいなって、見ているわけじゃないんだよ。僕が君に興味を抱き過ぎているだけなんだ……」
「……エッチって……ふふ、敬久さんって、たまにおじさんみたいな言い方をしますよね」
僕は昨日から言い訳ばかりしている気がする。遥君はツボに入ったのかクスクスと笑った。
「僕がおじさんだからなあ……」
「もう……敬久さん自身はおじさんじゃないですよ」
相変わらず遥君は僕がおじさんではないと否定してくれる。ありがたいし、とても嬉しいけれど、世間的には十分『おじさん』と呼ばれる範疇だ。
「……敬久さんがおじさんって言うのなら、オレだって、年齢的には十分おじさんですよ」
「ええ……君は全然おじさんじゃないよ。何ていうか……清楚なお兄さんだよ」
「……せ、清楚なお兄さん? ふふっ……」
たまに心の中で遥君のことを『清楚なお兄さん』だなと思っていたので、つい口に出してしまった。
「清楚って……前にもオレに言いませんでしたっけ……そんな『清楚なお嬢さん』みたいなニュアンスで言われると……ふふふ……」
「そんなに笑わないでよ……遥君って見た目が清楚だなあって、ずっと思っていたから……」
「オレは別に清楚では……ふふっ……すみません、語感が面白くて……」
遥君は一通り笑うと深呼吸して、僕を自分の胸に抱きしめた。
「ふふ……はぁ……失礼しました……」
遥君の生身の胸に抱かれると、鼓動が早くなっていた。熱い肌に抱きしめられるのは心地良い。
「うん……良いよ……」
僕はちょっとした仕返しに胸の先端に頬を擦りつけた。
「ぅんっ! ……もう、ダメですよ……やらしいことしたら……」
彼はピクッと震えると、胸にぎゅうぎゅうと僕の頭を押し付け、しなやかな肉付きの胸に押さえ込まれる格好になった。遥君に自覚はないようだけれど、彼も十分やらしいことをしているなと思った。
「……はぁ……ちょっと、目が冴えてしまいましたよ。寝ましょう……二時が来ちゃいます……」
「何だかごめんね……遥君。おやすみ」
「おやすみなさい。今日の朝食はオレが作りますからね……」
「楽しみだなあ……」
彼は眠れないのか抱きしめた僕の頭に唇を落として、優しく撫でてくれた。僕は先に起きて彼の寝顔を見つめようと考えながら、心臓の音を子守唄にして目を瞑った。
遥君とドロドロになるまで抱き合い、お互いに限界になって達した。とても心地良かったことは覚えていたけれど、正直達した辺りの記憶が曖昧だ。頭がぼーっとしていたので身なりを最低限整え、抱き合って眠った。そのせいか、妙な時間に起きてしまった。まだ深夜一時を回ったくらいだろうか。
「……はい」
遥君は僕の胸に抱かれ、トロンとした顔で返事をした。彼は先に起きていたようで僕が目覚めると微笑んでくれた。
「シャワー……いや、朝で良いか。……遥君は寒くないかな? 君のパジャマの下、どこに置いたかなあ……」
僕が遥君の頭を撫でると彼は目を伏せて胸にすり寄って来た。彼はパジャマの上はきちんと着ていたけれど、ズボンは履いておらず素足を僕の腰の辺りに絡めてくる。正直悪い気はしなかったけれど、遥君が風邪を引いてはいけない。僕は彼の頭を撫で、キョロキョロと辺りを見回した。
「寒くないので大丈夫です。下は……熱かったから、寝ている時に脱いじゃったみたいで……多分、布団の中に紛れている気がします……」
遥君はモゴモゴと恥ずかしそうに言った。
「そうなんだね。寒くないなら良いんだ」
「はい、熱いくらいなので……」
彼は僕の胸から顔を上げると、唇を重ねてきた。
「んんっ……ん……」
「はぁ……ふふっ、本当だ。君の体、すごく熱いな」
彼が背中に腕を回して来たので、僕は腰に絡む太腿に手を伸ばしてさわさわと撫でた。手触りの良い熱い肌を撫でると、彼は身をよじった。
「はぁ……今日……いや、もう昨日ですね。何だか昨日のこと、思い出すだけで体が熱くなっちゃって……」
「うん……すごく良かったね……」
僕も遥君に優しく受け入れられたことを思い出すと、胸の辺りが熱くなってくる。じっくりと時間をかけた行為は体と心の両方が満たされていくようだった。
「はい……んん……」
触れるだけのキスを繰り返して遥君はうっとりとした表情になった。
「ただ……最後の方、記憶があんまりないんですよ」
「実は僕も……」
遥君は「一緒ですね」と照れたように言うと、唇を離して僕を抱きしめた。
「……オレは何か変なこと……言ったりやったりしていないか心配です」
「大丈夫だよ。僕しか聞いていないから」
「……それはそうですけど」
僕も彼の体温を楽しむように太腿や腰を撫でた。
「ふ……くすぐったい……」
遥君は楽しそうに笑った。
「はぁ……もう二十九日なんですね……今日が終わったら、また、しばらく会えないの……寂しいです」
身をよじり、今度は彼が僕を胸に抱くような体勢になった。
「さっきは……あなたの胸で眠らせてもらったので、今度はオレの番です」
「うん……」
「あ、ボタン外すので、少し待ってください」
遥君は僕から体を離してパジャマのボタンを開いた。
――遥君は、もう当たり前のように生身の胸で眠らせてくれるなあ……何だか感慨深いな……
「敬久さん、どうかしましたか? あ、胸、吸いながら寝たいですか?」
遥君が布団をずらして、胸の先端を見せつけてくる。眠たそうなトロンとした目で笑いかけられるとドキドキしてしまう。
――理性を試されているのだろうか……? いや、さっき、あんなにしたから、そういった感じではないな……これは遥君の善意なんだろうな……
彼の肌は健康的でキレイだなと胸を見つめていると、布団を閉じて肌を隠された。
「……敬久さん、その……そんなジッと見られると……流石に照れるんですが……」
「……ごめん。君の体はキレイだから……つい凝視してしまって」
慌てて弁明した。そういえば、行為の最中にも「視姦されているよう」と言われたことを思い出した。
「……エッチなことがしたいなって、見ているわけじゃないんだよ。僕が君に興味を抱き過ぎているだけなんだ……」
「……エッチって……ふふ、敬久さんって、たまにおじさんみたいな言い方をしますよね」
僕は昨日から言い訳ばかりしている気がする。遥君はツボに入ったのかクスクスと笑った。
「僕がおじさんだからなあ……」
「もう……敬久さん自身はおじさんじゃないですよ」
相変わらず遥君は僕がおじさんではないと否定してくれる。ありがたいし、とても嬉しいけれど、世間的には十分『おじさん』と呼ばれる範疇だ。
「……敬久さんがおじさんって言うのなら、オレだって、年齢的には十分おじさんですよ」
「ええ……君は全然おじさんじゃないよ。何ていうか……清楚なお兄さんだよ」
「……せ、清楚なお兄さん? ふふっ……」
たまに心の中で遥君のことを『清楚なお兄さん』だなと思っていたので、つい口に出してしまった。
「清楚って……前にもオレに言いませんでしたっけ……そんな『清楚なお嬢さん』みたいなニュアンスで言われると……ふふふ……」
「そんなに笑わないでよ……遥君って見た目が清楚だなあって、ずっと思っていたから……」
「オレは別に清楚では……ふふっ……すみません、語感が面白くて……」
遥君は一通り笑うと深呼吸して、僕を自分の胸に抱きしめた。
「ふふ……はぁ……失礼しました……」
遥君の生身の胸に抱かれると、鼓動が早くなっていた。熱い肌に抱きしめられるのは心地良い。
「うん……良いよ……」
僕はちょっとした仕返しに胸の先端に頬を擦りつけた。
「ぅんっ! ……もう、ダメですよ……やらしいことしたら……」
彼はピクッと震えると、胸にぎゅうぎゅうと僕の頭を押し付け、しなやかな肉付きの胸に押さえ込まれる格好になった。遥君に自覚はないようだけれど、彼も十分やらしいことをしているなと思った。
「……はぁ……ちょっと、目が冴えてしまいましたよ。寝ましょう……二時が来ちゃいます……」
「何だかごめんね……遥君。おやすみ」
「おやすみなさい。今日の朝食はオレが作りますからね……」
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