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懇親会の会場までは高速を使っても1時間かからない距離だ。敬久さんは運転が好きなので始終楽しそうにしている。オレはそんな彼を助手席から観ているだけでとても幸せだ。カーラジオから流れる音楽を聴きながら風景を眺め、時折ぽつりぽつりと言葉を交わし、風景を眺めるフリをしては敬久さんを盗み見し――正直舞い上がっているなと自分でも思う。
(敬久さんと遠出するのも久しぶりだし、嬉しさで顔がニヤける。気を引き締めないと!)
会場のホテルに着くと地下の駐車場に車を停め、受付で案内された宴会場のあるホールに二人で向かった。
「今回は敬久さ……柊山先生のスピーチは無いのですか?」
「うん、依頼はあったけれど、スケジュール的にスピーチの原稿を作る時間がなかったから断ったんだ」
少しだけ残念そうに「スピーチする機会なんて滅多にないからやりたかったな」と呟いた。敬久さんは人前に出ることを臆さないタイプだ。進んでスピーチをやりたいと思う所はオレと真逆だなと感心してしまった。
(オレだったら大勢の前で自分の考えやら何やらを発表するのは遠慮したいと考えるけれど、敬久さんは興味があることは何でもやってみたいって人だ)
そんな敬久さんだから、あの思い出の懇親会で出会うことが出来たのだなと染み染みと感じ入った。
(しかしスピーチがないのは心から残念だ。撮影が禁止でなければ記録として残しておきたい所だったのに)
あの当時の懇親会での記録はオレの手元には何も残っていない。全て思い出の中にしか無いのはロマンチックかもしれないが、敬久さんの記録写真なんていくらあっても良いものだ。
「……敬久さん、後で沢山写真を撮りましょう」
「うん? どうしたの突然」
敬久さんは首を傾げて「車にカメラ積んであるよ」と言ってくれた。
「敬久さんは用意周到で、本当助かります……」
「遥君はいつも唐突で面白いなあ」
クスクスと笑い「帰りのドライブで撮ろう」とオレにこっそりと耳打ちした。彼の左手にある揃いの指輪が目に入り、オレはこの上なく満たされた気持ちで「はい」と返事をした。
(敬久さんと遠出するのも久しぶりだし、嬉しさで顔がニヤける。気を引き締めないと!)
会場のホテルに着くと地下の駐車場に車を停め、受付で案内された宴会場のあるホールに二人で向かった。
「今回は敬久さ……柊山先生のスピーチは無いのですか?」
「うん、依頼はあったけれど、スケジュール的にスピーチの原稿を作る時間がなかったから断ったんだ」
少しだけ残念そうに「スピーチする機会なんて滅多にないからやりたかったな」と呟いた。敬久さんは人前に出ることを臆さないタイプだ。進んでスピーチをやりたいと思う所はオレと真逆だなと感心してしまった。
(オレだったら大勢の前で自分の考えやら何やらを発表するのは遠慮したいと考えるけれど、敬久さんは興味があることは何でもやってみたいって人だ)
そんな敬久さんだから、あの思い出の懇親会で出会うことが出来たのだなと染み染みと感じ入った。
(しかしスピーチがないのは心から残念だ。撮影が禁止でなければ記録として残しておきたい所だったのに)
あの当時の懇親会での記録はオレの手元には何も残っていない。全て思い出の中にしか無いのはロマンチックかもしれないが、敬久さんの記録写真なんていくらあっても良いものだ。
「……敬久さん、後で沢山写真を撮りましょう」
「うん? どうしたの突然」
敬久さんは首を傾げて「車にカメラ積んであるよ」と言ってくれた。
「敬久さんは用意周到で、本当助かります……」
「遥君はいつも唐突で面白いなあ」
クスクスと笑い「帰りのドライブで撮ろう」とオレにこっそりと耳打ちした。彼の左手にある揃いの指輪が目に入り、オレはこの上なく満たされた気持ちで「はい」と返事をした。
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