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あの日から二日後の3月6日退院することになり、両親の車に乗って家に帰る途中母が、
「凛、新陽しんよう高校合格したって連絡きたの。良かったわね。」

「えっ。合格したの!嘘でしょ。」

「嘘じゃないわよ。頑張ってきた結果よ。」

「やった。」

新陽高校は、文武両道で、どの部活も強い。そして、生徒中心の規則で、文化祭や体育祭は、毎年生徒の希望などで少しずつ違うのだ。そしてその中でも歴史を重んずる。すごい学校らしい。友達が言ってた。

新しい高校生活に想いをはせていると、

「凛、そういえば、てんが、まだ、プレゼント渡せてない。って泣いてたぞ。あと、友達のそうくんと、駿しゅんくんが、プレゼント渡してくださいって預かってるんだ。後で、お礼言っとくんだぞ。」

「父さん。本当!?プレゼント楽しみだな。」

天は、僕の弟で、年は5歳。人見知りで、僕のことを慕ってくれる可愛くて仕方ない弟だ。

奏は、同じ15歳。とにかくモテる。かわいい系男子で、頭がいい。やわらかな声色は、癒やされる。

駿も、15歳で、奏同様モテる。バスケをしていてファンクラブまである。スポーツ万能で、元気のある声色で、毎日励まして元気をもらっている。

それに比べ、僕は、平凡中の平凡。一応スポーツも勉強も一通りできるがずば抜けた才能はない。どうして、奏と駿といつも一緒にいるのか自分でもわからない。
あるとすれば……。小さい頃からの幼馴染み?ぐらいだと思う。




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