色づく世界の端っこで

星夜るな

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第一章

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「ねえ、唯菜先生、同時進行で、洗濯物干さない?」
と、急に碧が提案してきた。
「そうね。そうしましょうか。メンバーは…。」
「僕ね。日比野さんと夏海さんがいい。僕と一緒に洗濯物干しで。」
「碧がそういっているんですけど、それでいいですか?」
二人は、問題ないという顔で、
「大丈夫です。」 
といった。
碧と日比野先輩、夏海くんが、外に向けて歩き始め、唯菜先生は、子どもたちのところへ。残りの、僕、香山先輩、和中先輩、仲野せんせいは、調理台に行くことにした。

     《料理チーム》

今日のご飯は、目玉焼きに、ご飯、みそ汁。そして、醤油の味がついたベーコン炒めだ。
僕が、ベーコン炒め。
香山先輩、和中先輩がみそ汁。
仲野先生が、目玉焼き。
を作ることになった。
仲野先生は、意外と料理が苦手だそうで、卵を割る手が、少し震えている。
「仲野先生、卵割るの手伝いましょうか。」
すると、頼もしくもない顔で
「心配しないでください。大丈夫ですよ。」
と言われてので流石に手を出せない。
香山先輩は、玉ねぎを包丁で切っている。そのためか、目から涙がこぼれ止まらないようだ。
「なぜなんだ。俺は、包丁を使って料理できるのに。なぜ、こんなに涙が止まらないんだ。」 
と言っていた。料理はできるが、玉ねぎを切ったことはないみたいだ。途中で和中先輩に変わった。流石にできそうだな。と自分の作業に戻ろうとしたとき、和中先輩が握った包丁が、ブルブルと震えている。抑える手が猫のでもない。そして、そのまま包丁を振り上げた。
「ちょっと待って下さい。」
流石にストップをかけた。和中先輩は、
うん?と頭にはてなを浮かべている。
「どうしたんや?」
というが、まったくもってどうしたのではない。ため息を付きそうになる。すると横で香山先輩が、
「莉玖は、無理だぞ!」
という。もう少し早く言ってほしい。
結局、僕が作業の二分の一をした。
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