色づく世界の端っこで

星夜るな

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第一章

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「というか、碧くん。結構な量持ってきているね。」
と仲野先生。
「彩人兄は凄いでしょ!」
と得意げに話す碧。
そう言いながら、碧が、過去のものが入っているであろうダンボールの一つを開けた。
そこには、僕が過去に応募したものや賞状が入っていた。
(よくそんな昔のものが取ってあったな。)
「すごい。こんなに、たくさんよくありましたよね。」
と仲野先生。
「だいたい半分が、作曲。ん?作詞もあるな。それと。」
(香山先輩が…。)
「んーとな。これは、ピアノコンクール。へぇー。ふふ。」
(和中先輩が…。)
碧やみんなは、ダンボールを囲むように立っている。
(そんなに、弄らなくで‥。)
そう思うもそれは虚しく散る。
「本当はもっとあったんだけど、半分くらい燃やしちゃいって。彩人兄が…!まだ僕怒ってる。」
と、僕を見ていった。
(まだ、怒っているのか…。)

「そういえば、こっちのダンボールは?」
と日比野先輩。
「あー。そっちは確か。資料みたいやものですよ。なんかいつも作るときに自分なりに調べたりしてたみたいで、珍しくて。」
と。
(そんなものまで。碧は、ストーカーか。
一応隠れながら資料集めしていたんだが…。)
「そういえば、星井くんは、どうして、応募していたんですか?」
と仲野先生が聞いた。
「応募して、賞を取れればお金が貰えるので。」
と簡潔に。
それを見て碧が、
「彩人兄は、昔から、お金のことを気にしていてくれて。別に施設がお金を持っていないわけではないんですけど、よく、そのお金でクリスマス祝ったりとか、してもらってて。そのために、するとなったら、音楽の分野が得意だったみたいで。」
と、補助してくれた。そんなこんなで、今日の部活はお開きになり、碧と帰ろうとしたとき、仲野先生が。
「星井くん。今日は、私が送るので。」
と言われた。
碧は、少しムッとした顔で、帰っていった。
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