色づく世界の端っこで

星夜るな

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第一章

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「僕の場合は、両親は、二人共生きています。」

「そうだったんだ。」
なるほどとみんなわかったように首を縦に振っていた。



そして、碧に話したように話す。


「昔は、父と母と僕の3人暮らしだったけど、父のほうが浮気症でよく女の人がコロコロ変わってた。そして、いつも、癖のある女の人で、母も耐えてはいたが僕が五歳の頃とうとう母が離婚して新しい人と結婚して僕だけが一人ぼっちというか。母は、新しい人との子がいるから、一緒に連れていけないって言われて。父にも、無理出てけて言われて。ここに来たんだ。…というわけです。」




皆は、下を向いていて、顔がわからない。


変な空気が僕の周りを包む。

「彩人兄。それで、なんでその父親が来てたの?」


うん。聞きたいよね。今日の本題と言ってもいいから。


「その後、施設に入って、僕、ピアノコンクールとか、作詞作曲とかでたくさんの賞金とか、依頼とか来て…それで、多分だけど、僕といれば、お金がたくさんもらえる。そう思ったんだと思う。だから、父親が一緒に暮らす代わりにお金を稼いでこい。って言われてて…。「何それ!!意味わからない!彩人兄!それ受けないよね!」行かない。一回落ち着こう。」

碧は、はっとして
「ごめん。」

少しショボーンとしていた。


先輩たちはというとまた下を向いている。次は、肩が少し震えているように…思う。


「星井くんこの話、少しこちらで預からせてもらってもいいですか?」

「はい。」


「ありがとうございます。こちらでも、対策考えて行きます。」



「ありがとうございます。」


こんな力強い仲野先生を見たのだろうか?


「星井くん。今失礼なこと考えました?」


「いえ。」


「そうですか。では、今日は解散ですね。さよなら。」


ぞろぞろと先輩方が帰っていく。








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