僕の姉的存在の幼馴染が、あきらかに僕に好意を持っている件〜

柿 心刃

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第十三話

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香奈姉ちゃんは、僕が自分の家に帰ることを了承してくれなかった。

「ダメ……。楓は、今日は私の家に泊まるの。泊まっていくよね? 泊まっていきなさいよ」

と言って、駄々をこねたのだ。
あの香奈姉ちゃんが、ここまで言って駄々をこねるのはめずらしい。

「う、うん。…わかったよ」

僕は、苦笑いをしてそう言った。
こうなると、香奈姉ちゃんもひいてはくれないし。
というわけで、僕は今、香奈姉ちゃんの部屋の中にいる。
夕飯の後、僕はそのまま香奈姉ちゃんに連れられて、香奈姉ちゃんの部屋にいるのだ。
香奈姉ちゃんの家に泊まっていけってことらしい。
こんなことされたら、仕方がないよね。

「今日は、お泊まりだね」

ベッドの上に座るなり、香奈姉ちゃんは嬉しそうにそう言った。

「う、うん。そうだね」

僕は床に座り、香奈姉ちゃんを見る。
う~ん……。
なんか落ち着かないな。
自分の部屋にいる時と違って、なんだか安らげないぞ。
逆にソワソワする。
そう思いながら周囲を見回していると、香奈姉ちゃんの方から声をかけてきた。

「楓は、私には何もしないの?」
「え……。それって?」
「楓って、私から何かするまでは、絶対に何もしないよね」
「それって、僕の方から何かしてほしいの?」

僕がそう聞き返すと、香奈姉ちゃんは頬を赤く染めて言う。

「できるなら、してほしいかな…なんて……。私は、楓の恋人なんだし」
「気持ちはわかるんだけど……。その……」
「何か心配なことでもあるの?」
「うん……。花音がね。香奈姉ちゃんと何かしてる最中にこの部屋に入ってこないかなって……」
「そんなことなら大丈夫だよ。花音は、何の用事もなしに私の部屋に入ってくることはないから」
「そっか」

香奈姉ちゃんの言葉に、僕は安心してそう言っていた。
香奈姉ちゃんがそう言うのなら、問題はないか。
僕は、ベッドに座っている香奈姉ちゃんに近づいていく。
香奈姉ちゃんは、潤んだ瞳で僕を見つめてきて、何を思ったのかゆっくりと瞼を閉じた。
そして、薄桃色の唇を僕に向けてくる。
これって、ひょっとしなくても、キスをしろってことだよね。
僕の方からするキスは、ちょっと恥ずかしいな。
僕は、ゆっくりと香奈姉ちゃんに近づいて、自分の唇を香奈姉ちゃんの唇に押しつけた。
これが、僕からやった初キスだ。

「ん……。んん……」

お互いに声が漏れる。
香奈姉ちゃんは、ゆっくりと僕の腰まわりに手を回してくる。
このまま僕を離さないつもりらしい。
いつも香奈姉ちゃんからキスされるので実感がなかったが、香奈姉ちゃんの拘束時間って、結構長かったりする。
香奈姉ちゃんは、キスをした状態のままで僕を押し倒してきた。

「えっと……。香奈姉ちゃん……」
「今日は、大丈夫だよ。誰も入ってこないから……」

騎乗位の状態でそう言われても……。
その体勢からチラリと見えてしまう香奈姉ちゃんのおっぱい。
ちなみに下着は着けていなかった。
香奈姉ちゃんとしたことが、ノーブラで僕に迫ってくるなんて。
僕に揉んでほしいのかな。

「香奈姉ちゃん。何を?」
「ん? さっきの続き…しようと思ってね」

香奈姉ちゃんは、頬を染めてミニスカートをたくし上げる。
上の方を身につけていないから、当然下の方も身につけていないのはあきらかだ。
スカートの中はというと……。言うまでもなく何も履いていなかった。
そこは見てはいけない気がするんだけど、香奈姉ちゃんが見せてきてるのだから、しょうがない。
たぶん、夕飯の支度をしてた時にも、下着は身につけていなかったんだろう。

「どうかな? 楓は、さっきの続き…したいでしょ?」
「それは……。僕は……」

僕は、香奈姉ちゃんから視線を逸らす。
そこまでしてほしいとは言ってないからである。

「ちょっと、楓。視線を逸らさないで」
「だって……」

香奈姉ちゃんの大事な箇所が丸見えだから……。
逸らしたところで意味はないんだけど、なんとなくそうした方がいいと判断したのだ。
香奈姉ちゃんは、やっぱりと言うべきか、今にも泣きそうな表情で訊いてくる。

「どうして視線を逸らすの? 私の裸を見るのは、嫌なの?」
「いや……。そういうわけじゃ……」
「だったら、どうして?」
「香奈姉ちゃんのことが大事だからだよ」
「私のことが……。どういうことなの?」
「どういうことも何も……。僕にとって香奈姉ちゃんは、大事な人だってことだよ。他に理由なんてないよ」

そう言った時の僕の表情は、たぶん羞恥で赤くなってるんだと思う。

「大事な人だからこそ、抱きたいっていう考えはないの?」
「ないことはないけど……。香奈姉ちゃんは、僕にとってのお姉ちゃん的な存在だから、抱きしめることに対してはどうしても抵抗があって……」
「そっか。私が、楓のお姉ちゃんって感じだから遠慮してるのか。それなら──」

香奈姉ちゃんは、今着ている洋服の上を脱ぎだした。
もちろん下着などは身につけていないから、おっぱいが丸出しになる。

「ちょっ……⁉︎ 香奈姉ちゃん⁉︎ 何を……」
「そんなこと──。いちいち説明させる気なの?」

香奈姉ちゃんは、恥ずかしそうに胸元に手を添える。
恥ずかしそうにしていても、晒した胸を隠す気はないみたいだ。

「いや……。そんなつもりは……」
「もうさ。何度も見てるんだから、いちいち驚かないの。それに、お姉ちゃん的な存在じゃなくて、ただの女の子と思えば抱けるんじゃないかな」
「そんなものなの?」
「例えばの話だよ。例えばの……。こういうのって、色々試してみる方がいいって、何かの本に書いてあったから」
「そうなんだ。なんか、色々とごめん……」
「なんで謝るかなぁ」

そんな困ったように言われても……。
ただの女の子と思ったら、よけいに意識してしまって抱けないじゃないか。
僕が抱かないと思ったのか香奈姉ちゃんは、僕の胸元に顔を押しつけてくる。

「香奈姉ちゃん? 一体何を?」
「楓の心臓の音を聴いてるの。私のことを抱くつもりがないんだったら、このくらいはいいよね?」
「別に構わないけど……。できるなら、僕も聴きたいな」
「うん。いいよ。私のでよかったら、いくらでも聴かせてあげる」
「ありがとう」

僕は微笑を浮かべ、お礼を言った。
香奈姉ちゃんとは恋人同士だし、お礼を言うのはどうかと思うのだが、一応、女の子の胸に顔を押しつけるのだから、言っておかないといけないなと思ったのだ。
急にやられたら、誰だって嫌なものだろうし。
僕がゆっくりと起き上がると、入れ違いのように香奈姉ちゃんがベッドに横になる。
それも、晒した胸を隠さずに、そのまま両手をベッドの上に広げるという無防備な格好で──。

「…はい。次は、楓の番だよ」
「その前に、おっぱいは隠そうよ」
「二人きりなんだし……。その必要はないと思うよ。気になるなら、その辺にあるタオルでも被せればいいんじゃないかな」

香奈姉ちゃんは、悪戯っぽい笑みを浮かべてそう言った。
これは間違いなく、僕に対する挑発だ。
今の香奈姉ちゃんは、ミニスカートを履いてる以外には、下着すら身につけていない。
──香奈姉ちゃんのことだ。
僕が香奈姉ちゃんの胸に顔を押しつけたら、香奈姉ちゃんはそのままエッチなことをするつもりなんだろう。
僕がそう思い、香奈姉ちゃんのおっぱいに見惚れていると、香奈姉ちゃんはベッドの上に広げていた両手を宙空にあげ、そのまま僕の顔に近づけてくる。

「何してるの、楓? はやく来て……」

そう言われてしまうと、嫌とは言えない僕がいる。
こんな時は、素直にいくしかない。

「それじゃ……。お言葉に甘えて──」

僕は、そう言って香奈姉ちゃんの胸に顔を近づけていく。
ダメだ。
どうしても、香奈姉ちゃんの大きな胸が気になる。
やっぱりタオルを被せようかな……。
そう思い、近くにタオルがないかと探していた時、香奈姉ちゃんの手が僕の頭を掴む。

「…つかまえた」

香奈姉ちゃんは、嬉しそうに言う。

「え?」

僕は、呆然となる。
香奈姉ちゃんは、抱きすくめるように僕の頭を胸元にもっていく。

「どうかな? …よく聴こえるかな?」
「………」

そんなこと聞かれても、香奈姉ちゃんの胸の柔らかい感触に包まれ、答えることができない。
心臓の音よりも、香奈姉ちゃんの柔らかな胸の感触でそれどころじゃないよ。
香奈姉ちゃんは、恥ずかしそうな声色で言葉を続ける。

「いつまでもやって来ないから、私の方から誘っちゃった」
「香奈…姉ちゃん……」

僕は、香奈姉ちゃんの拘束から脱出して、改めて香奈姉ちゃんを見た。
香奈姉ちゃんは頬を赤く染め、愛しのものを見るかのような眼差しで僕を見ている。

「どうだった? 私の心臓の音は、よく聴こえた?」
「うん……。トクントクンっていってた……」
「そっか。楓の心臓の音と同じだね。楓のもトクントクンっていってたよ」
「そうなんだ」

僕は、相槌をうつ。
あまり香奈姉ちゃんのおっぱいを見ていたくないんだけどな……。
香奈姉ちゃんの方は自覚がないのか、それとも僕に見せようとしてるのか、どっちかわからないけど隠す気はないようだ。
僕は、気になって訊いてみる。

「あの……」
「何?」

香奈姉ちゃんは、穏やかな笑顔を僕に見せた。

「いつ胸を隠すの?」
「楓は、私のおっぱいを見るのは、嫌?」
「嫌ってことはないけど……。さすがに女の子の生のおっぱいを見続けるのはちょっと……」

僕は、眩しそうにわざと視線を逸らす。
幼馴染とはいえ女の子の胸を見るのは、普通に気が引けるんだけど……。
香奈姉ちゃんは、全然気にしていないのか穏やかな笑顔を浮かべたまま言う。

「楓は、気にしすぎ。私たちとの間では、至って普通なんだよ」
「そうなの?」

香奈姉ちゃんの言葉に、僕は思案げな表情になる。
香奈姉ちゃんにとっては、これは普通なのか。

「そうだよ。私たちは恋人同士なんだよ。…だから、そういうことは、全然気にしなくてもいいんだよ。ごく自然に私のことを受け入れてくれれば、それでいいよ」

香奈姉ちゃんは、僕の頬に再び手を添えると、そのまま胸元の方へと誘う。
──柔らかい。
いい匂いもするし。
僕は、香奈姉ちゃんの柔らかな胸の感触に幸せを感じていた。
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