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第五十話 継母と義理の妹との関係を改善したい
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わたしは今までの自分から生まれ変わろうとして、一生懸命努力を続けていた。
それは生易しいものではなかった。
「悪役令嬢」としての印象が強くなっていたところを全く正反対の印象に変えるのだ。
うまくいかずに、夜、涙を流したこともあった。
しかし、学校では、次第にわたしのやさしさが伝わるようになった。
わたしのことを恐れる人は、だんだん少なくなり、少なくともクラスの中では、孤立しないようになった。
ルクディアさんも、わたしに嫌味を言うのは無駄だと思ってきたようだ。
わたしの教室にくる日は減った。
それでもまだ来ることはある。
わたしに嫌味を言いたいという気持ちはまだまだあるのだろう。
しかし、以前と比べれば、勢いはなくなってきている。
友達になれる日は意外と近いのかもしれない。
学校での評判はだいぶ良くなってきたと言っていい。
さて、ボードリックス公爵家でのわたし。
侍女のジゼルアさん、そして、お父様については、このわたしの姿勢を理解してもらうようになっていた。
ボードリックス公爵家の人たちは、最初、
「どうせ、気まぐれでいい子ぶっているだけだろう。今だけの話だ。その内、もとに戻り、もっとわれわれに酷い仕打ちをするようになるに違いない」
と言って、戦々恐々としていた。
それに対して、わたしは、一生懸命やさしく接していった。
ジゼルアさんもお父様も、わたしが生まれ変わろうとしていることを伝える努力を一生懸命してくれていて、ありがたいことだと思った。
こうした努力が実り始め、わたしの評判は、ボードリックス公爵家内でもよくなり始めた。
ゲームでは、この四月にこの世を去ってしまうお父様。
転生の記憶は戻った三月時点では、このままゲームの通りになると思われるほど、体調はよくなかった。
しかし、その後、体調は良い方向に向かっていた。
わたしは、お父様には、このまま長生きしてほしいと思っている。
わたしが生まれ変わろうと努力していることが、お父様の運命にもいい影響を与えたと思いたいところだ。
こうなると、後は継母とオディナティーヌの二人。
継母とリディテーヌは、お互いに嫌い合っていた。
嫌味の言い合いは日常茶飯事だった。
オディナティーヌに対してはリディテーヌが一方的に礼儀作法を教えるという関係だった。
オディナティーヌはリディテーヌにずっと従順だったものの、オディナティーヌはその間に、リディテーヌに対する憎しみを貯めていた。
転生一度目の時は、継母だけでなく、オディナティーヌもリディテーヌに対して最後の方は増悪の炎を燃やすようになっていた。
この二人との関係改善は急がなくてはならなかった。
学校内、そして、ボードリックス公爵家内での評判は良くなってきていたものの、この二人との関係が良くないままでは、ボードリックス公爵家からの追放という懸念はまだまだ残る。
そして、オクタヴィノール殿下とこれから婚約、結婚していくという目標を達成する為には、二人と仲良くとは言わないまでも、憎しみ合う仲であることは避けたい。
オクタヴィノール殿下との婚約・結婚となると、二人の個人的な関係だけでなく、ルクシブルテール王国の王室とボードリックス公爵家との家どうしの関係になってくるからだ。
ボードリックス公爵家がまとまっていないとなれば、ルクシブルテール王国の王室が、わたしたちの結婚に難色を示すことは、十分想定できる。
まだオクタヴィノール殿下とはまともに会っていない段階ではあるし、オクタヴィノール殿下がわたしのことを気に入ってくれるかどうかもわからない。
しかし、オクタヴィノール殿下は「つらい思いをしてきた少女は、素敵な人に出会い、溺愛されていく」の中で一番好きで押しのキャラクターだ。
この世界に生きている以上は、絶対に婚約したいし、結婚したい。
その為にも、この二人とは少なくとも普通の関係にはしたいところ。
そう思ったわたしは、継母に対して、ムッとしたり厳しい表情をしたりすることが多かったのだけれど、そういう態度を変えていつもやさしく微笑むようにした。
嫌味を言ってきても、一切反論はしないようにした。
オディナティーヌに対しても、厳しい表情をすることが多かったのだけれど、いつも微笑むようにした。
また、礼儀作法のことは、まだまだ足りない面が多かったのだけれど、もう一切指摘はしないようにした。
その他の小言も一切言わないようにし、イジメと言われそうなところはすべて改善を行っていった。
二人に対しては、機嫌を取る気はなかった。
しかし、ルシャール殿下の婚約者にオディナティーヌがなったことについては、機会がある度に祝意を示していた。
この二人に対しても、学校内やボードリックス公爵家内と同じく、なかなかすぐには効果がでなかった。
それでも今までのようなお互いを嫌がるという関係からは、改善し始めていた。
それは生易しいものではなかった。
「悪役令嬢」としての印象が強くなっていたところを全く正反対の印象に変えるのだ。
うまくいかずに、夜、涙を流したこともあった。
しかし、学校では、次第にわたしのやさしさが伝わるようになった。
わたしのことを恐れる人は、だんだん少なくなり、少なくともクラスの中では、孤立しないようになった。
ルクディアさんも、わたしに嫌味を言うのは無駄だと思ってきたようだ。
わたしの教室にくる日は減った。
それでもまだ来ることはある。
わたしに嫌味を言いたいという気持ちはまだまだあるのだろう。
しかし、以前と比べれば、勢いはなくなってきている。
友達になれる日は意外と近いのかもしれない。
学校での評判はだいぶ良くなってきたと言っていい。
さて、ボードリックス公爵家でのわたし。
侍女のジゼルアさん、そして、お父様については、このわたしの姿勢を理解してもらうようになっていた。
ボードリックス公爵家の人たちは、最初、
「どうせ、気まぐれでいい子ぶっているだけだろう。今だけの話だ。その内、もとに戻り、もっとわれわれに酷い仕打ちをするようになるに違いない」
と言って、戦々恐々としていた。
それに対して、わたしは、一生懸命やさしく接していった。
ジゼルアさんもお父様も、わたしが生まれ変わろうとしていることを伝える努力を一生懸命してくれていて、ありがたいことだと思った。
こうした努力が実り始め、わたしの評判は、ボードリックス公爵家内でもよくなり始めた。
ゲームでは、この四月にこの世を去ってしまうお父様。
転生の記憶は戻った三月時点では、このままゲームの通りになると思われるほど、体調はよくなかった。
しかし、その後、体調は良い方向に向かっていた。
わたしは、お父様には、このまま長生きしてほしいと思っている。
わたしが生まれ変わろうと努力していることが、お父様の運命にもいい影響を与えたと思いたいところだ。
こうなると、後は継母とオディナティーヌの二人。
継母とリディテーヌは、お互いに嫌い合っていた。
嫌味の言い合いは日常茶飯事だった。
オディナティーヌに対してはリディテーヌが一方的に礼儀作法を教えるという関係だった。
オディナティーヌはリディテーヌにずっと従順だったものの、オディナティーヌはその間に、リディテーヌに対する憎しみを貯めていた。
転生一度目の時は、継母だけでなく、オディナティーヌもリディテーヌに対して最後の方は増悪の炎を燃やすようになっていた。
この二人との関係改善は急がなくてはならなかった。
学校内、そして、ボードリックス公爵家内での評判は良くなってきていたものの、この二人との関係が良くないままでは、ボードリックス公爵家からの追放という懸念はまだまだ残る。
そして、オクタヴィノール殿下とこれから婚約、結婚していくという目標を達成する為には、二人と仲良くとは言わないまでも、憎しみ合う仲であることは避けたい。
オクタヴィノール殿下との婚約・結婚となると、二人の個人的な関係だけでなく、ルクシブルテール王国の王室とボードリックス公爵家との家どうしの関係になってくるからだ。
ボードリックス公爵家がまとまっていないとなれば、ルクシブルテール王国の王室が、わたしたちの結婚に難色を示すことは、十分想定できる。
まだオクタヴィノール殿下とはまともに会っていない段階ではあるし、オクタヴィノール殿下がわたしのことを気に入ってくれるかどうかもわからない。
しかし、オクタヴィノール殿下は「つらい思いをしてきた少女は、素敵な人に出会い、溺愛されていく」の中で一番好きで押しのキャラクターだ。
この世界に生きている以上は、絶対に婚約したいし、結婚したい。
その為にも、この二人とは少なくとも普通の関係にはしたいところ。
そう思ったわたしは、継母に対して、ムッとしたり厳しい表情をしたりすることが多かったのだけれど、そういう態度を変えていつもやさしく微笑むようにした。
嫌味を言ってきても、一切反論はしないようにした。
オディナティーヌに対しても、厳しい表情をすることが多かったのだけれど、いつも微笑むようにした。
また、礼儀作法のことは、まだまだ足りない面が多かったのだけれど、もう一切指摘はしないようにした。
その他の小言も一切言わないようにし、イジメと言われそうなところはすべて改善を行っていった。
二人に対しては、機嫌を取る気はなかった。
しかし、ルシャール殿下の婚約者にオディナティーヌがなったことについては、機会がある度に祝意を示していた。
この二人に対しても、学校内やボードリックス公爵家内と同じく、なかなかすぐには効果がでなかった。
それでも今までのようなお互いを嫌がるという関係からは、改善し始めていた。
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