魔族に愛される私(※聖女)

諫山杏心

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2話 誘拐※

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「あっ、や、ダメなのぉ…!イっちゃう、イっちゃうからぁ!」
「ハハッ、イけよ、ほら」

 クリトリスをいじる指の動きが早く、強くなったその瞬間、私は達してしまった。ガクガクと体が震える。
 そして、私のお尻に、先ほどよりも熱い固いものが当たる。…まさか。
 魔人は後ろから私の両脇に手を入れて私を持ち上げると、私を地面に置いた。…四つん這いの形で。
 
「ねぇ、俺も気持ちよくさせて?」

 熱が籠った甘い声でそう言われた瞬間。ズプン。後ろから、私の中に熱くて太いものが差し込まれた

「やぁあああ!!」

 森に嬌声が響いた。…私の膣内には、魔人の大きくて熱い陰茎が入っていた。

「あーやっべ。気持ち良すぎでしょ」
「やだ、やだぁ…! お願い、抜いてっ…!」
「えー? そんな事言われても、君のおまんこ、俺のちんこに絡みついて離れないんだけ…ど!」
「っあ!」

 パンっと勢いよく打ちつけられたその刺激に、私の体からは力が抜ける。上半身はもはや地面に着いていて、下半身だけを高く突き出している。これはまるで、獣の交尾の様な姿勢だ。

「あっやっだめ、だめぇ!」
「ハッ、君、さっきからそればっかりだね。…っ、気持ちいいって、素直に言いなよっ…!」

 腰をガッチリと掴まれ、容赦なくその陰茎で私の中を抉ってくるそれに、私はとてつもない快感を感じていた。でも、でも。気持ち良いだなんて、恥ずかしくて言えない。私は顔をその魔人に向けた。

「だめ、だめなのっ…! 気持ちいの、恥ずかしいのっ…!」
「っ…ああもう、可愛すぎるっ!」
「あっ!? や、だめ! はげしいのっ、だめなのぉ!」

 魔人は私の言葉を聞くと、後ろから私を抱きしめる体制に変えてその律動を早めた。そんな動きをされたら、もうおかしくなってしまう。

「だめっ! またイっちゃう! や、だめぇ!」
「っ、俺も、イく…っ!」

 一段と力強く陰茎を打ちつけたその瞬間。暖かい何かが勢いよく私のお腹の中に吐き出された感覚がした。
 その感覚すら気持ちよくって、私はその瞬間にまた達し、そのまま気を失ってしまった。







 髪を撫でられる感覚で目が覚めた。誰かが私の髪を指で掬い撫でている。とても気持ちがいい。
 また眠りの底に落ちそうになった時、その声は聞こえた。

「あ、目ぇ覚めた?」

 その声は、先ほどまで聞いていた魔人の声で。私は一気に覚醒した。
 勢いよく起き上がった私は、状況を確認する。どうやら私はベッドに寝かせられていたようで、私の体には質の良い毛布がかけられていた。
 ここはどこだ、あれからどうなったんだ。色々と聞きたい事が山積みになっている。

「あ、なたは」
「よかった~。セックス中に気ぃ失っちゃうんだもん、超焦った」

 ニコニコと笑いながら言う彼の発言に、私の頭にはその時の事がフラッシュバックする。…あの時とはもちろん、この魔人とのセックスの記憶だ。途端に私の顔に熱が集まるのが分かった。

「ハハッ、照れてる、かーわいい。…ねぇ、君。ここがどこだか分かる?」
「…どこ、ですか」

 唐突な彼からの質問に、私は咄嗟に身構えた。この笑顔は何かを企んでいる、そう本能が告げていたのだ。
 彼はその笑みを崩さずに答えた。…私にとって、衝撃的な答えを。

「ここは、魔王城。聖女である君の宿敵である魔王が住まうお城。…君はここで、僕達の所有物として生きてもらうよ」

 にっこり。そんな音が付きそうな程の満面の笑みで、目の前の魔人はそう告げた。

 その後、赤髪の魔人──リールから色々と説明があったが、要約すると“かわいくてエロいから魔王様とその臣下にその身も心も捧げろ“との事だ。

 なんでも、魔王及びその臣下である魔人というのは全員見目が悪く、魔族の女に相手をされないどころか、目の前で泣き叫んだりされるらしい。無理やり行為に及んでも、吐いたり…酷い時には自死を選ぶ者もいるという。

 そんな中、見目が悪いリールと気持ちよさそうにセックスをした私はまさに“聖女“だったらしく。これはイケる! と思って、私を魔王城へと攫ってきたらしい。私はその馬鹿みたいな考えに思わず溜息を吐いた。

「あのね、気持ちよく、その、セ、セックスさせてくれるから攫ってくるとか、貴方バカなの?」
「なんだよー、こっちからしたら死活問題なんだよ? …君みたいにかわいい子が俺の手で気持ちよくなってくれるとか、今までもこれからもないんだから」

 そう言ってリールは私の腰を掴むと、自身の体にグッと引き寄せた。私の股間と彼の陰茎が、洋服越しに触れる。彼のモノはもう既に熱く固くなっている。

「なっ」
「ねぇ、わかる? 俺の、もうこんなになっちゃってるの。…君みたいなかわいい子が俺みたいなブサイクに欲情してくれるのが、嬉しくて嬉しくて堪らないんだ。君を人間の奴らなんかに返したくない。…一生、俺の側にいて?」

 顔を引き寄せられ、唇同士が触れあう。それはまるで恋人にするように優しい。
 顔が離れると、彼の真っ赤な顔が見えた。私を犯したくせに、キスに照れている様だ。…なんだか彼がかわいく見えて、ちょっとだけキュンとした。まるで子犬の様だ。
 だからだろうか、なんだかここにいてもいいかな、なんて思ってしまったのは。

「……衣食住、賄ってくれる?」
「! う、うん! もちろん!」
「……優しくしてくれる?」
「当たり前じゃん!!」
「…なら、ここにいてもいいけど」

 途端にリールの顔がパアッと明るくなり、私に抱きついてきた。…確定。彼は犬だ。
 私は腰に抱きついたリールの頭を撫でた。彼は気持ちよさそうに、頭を私の腰に擦り付けていた。







 
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