3 / 12
2話 誘拐※
しおりを挟む「あっ、や、ダメなのぉ…!イっちゃう、イっちゃうからぁ!」
「ハハッ、イけよ、ほら」
クリトリスをいじる指の動きが早く、強くなったその瞬間、私は達してしまった。ガクガクと体が震える。
そして、私のお尻に、先ほどよりも熱い固いものが当たる。…まさか。
魔人は後ろから私の両脇に手を入れて私を持ち上げると、私を地面に置いた。…四つん這いの形で。
「ねぇ、俺も気持ちよくさせて?」
熱が籠った甘い声でそう言われた瞬間。ズプン。後ろから、私の中に熱くて太いものが差し込まれた
「やぁあああ!!」
森に嬌声が響いた。…私の膣内には、魔人の大きくて熱い陰茎が入っていた。
「あーやっべ。気持ち良すぎでしょ」
「やだ、やだぁ…! お願い、抜いてっ…!」
「えー? そんな事言われても、君のおまんこ、俺のちんこに絡みついて離れないんだけ…ど!」
「っあ!」
パンっと勢いよく打ちつけられたその刺激に、私の体からは力が抜ける。上半身はもはや地面に着いていて、下半身だけを高く突き出している。これはまるで、獣の交尾の様な姿勢だ。
「あっやっだめ、だめぇ!」
「ハッ、君、さっきからそればっかりだね。…っ、気持ちいいって、素直に言いなよっ…!」
腰をガッチリと掴まれ、容赦なくその陰茎で私の中を抉ってくるそれに、私はとてつもない快感を感じていた。でも、でも。気持ち良いだなんて、恥ずかしくて言えない。私は顔をその魔人に向けた。
「だめ、だめなのっ…! 気持ちいの、恥ずかしいのっ…!」
「っ…ああもう、可愛すぎるっ!」
「あっ!? や、だめ! はげしいのっ、だめなのぉ!」
魔人は私の言葉を聞くと、後ろから私を抱きしめる体制に変えてその律動を早めた。そんな動きをされたら、もうおかしくなってしまう。
「だめっ! またイっちゃう! や、だめぇ!」
「っ、俺も、イく…っ!」
一段と力強く陰茎を打ちつけたその瞬間。暖かい何かが勢いよく私のお腹の中に吐き出された感覚がした。
その感覚すら気持ちよくって、私はその瞬間にまた達し、そのまま気を失ってしまった。
*
髪を撫でられる感覚で目が覚めた。誰かが私の髪を指で掬い撫でている。とても気持ちがいい。
また眠りの底に落ちそうになった時、その声は聞こえた。
「あ、目ぇ覚めた?」
その声は、先ほどまで聞いていた魔人の声で。私は一気に覚醒した。
勢いよく起き上がった私は、状況を確認する。どうやら私はベッドに寝かせられていたようで、私の体には質の良い毛布がかけられていた。
ここはどこだ、あれからどうなったんだ。色々と聞きたい事が山積みになっている。
「あ、なたは」
「よかった~。セックス中に気ぃ失っちゃうんだもん、超焦った」
ニコニコと笑いながら言う彼の発言に、私の頭にはその時の事がフラッシュバックする。…あの時とはもちろん、この魔人とのセックスの記憶だ。途端に私の顔に熱が集まるのが分かった。
「ハハッ、照れてる、かーわいい。…ねぇ、君。ここがどこだか分かる?」
「…どこ、ですか」
唐突な彼からの質問に、私は咄嗟に身構えた。この笑顔は何かを企んでいる、そう本能が告げていたのだ。
彼はその笑みを崩さずに答えた。…私にとって、衝撃的な答えを。
「ここは、魔王城。聖女である君の宿敵である魔王が住まうお城。…君はここで、僕達の所有物として生きてもらうよ」
にっこり。そんな音が付きそうな程の満面の笑みで、目の前の魔人はそう告げた。
その後、赤髪の魔人──リールから色々と説明があったが、要約すると“かわいくてエロいから魔王様とその臣下にその身も心も捧げろ“との事だ。
なんでも、魔王及びその臣下である魔人というのは全員見目が悪く、魔族の女に相手をされないどころか、目の前で泣き叫んだりされるらしい。無理やり行為に及んでも、吐いたり…酷い時には自死を選ぶ者もいるという。
そんな中、見目が悪いリールと気持ちよさそうにセックスをした私はまさに“聖女“だったらしく。これはイケる! と思って、私を魔王城へと攫ってきたらしい。私はその馬鹿みたいな考えに思わず溜息を吐いた。
「あのね、気持ちよく、その、セ、セックスさせてくれるから攫ってくるとか、貴方バカなの?」
「なんだよー、こっちからしたら死活問題なんだよ? …君みたいにかわいい子が俺の手で気持ちよくなってくれるとか、今までもこれからもないんだから」
そう言ってリールは私の腰を掴むと、自身の体にグッと引き寄せた。私の股間と彼の陰茎が、洋服越しに触れる。彼のモノはもう既に熱く固くなっている。
「なっ」
「ねぇ、わかる? 俺の、もうこんなになっちゃってるの。…君みたいなかわいい子が俺みたいなブサイクに欲情してくれるのが、嬉しくて嬉しくて堪らないんだ。君を人間の奴らなんかに返したくない。…一生、俺の側にいて?」
顔を引き寄せられ、唇同士が触れあう。それはまるで恋人にするように優しい。
顔が離れると、彼の真っ赤な顔が見えた。私を犯したくせに、キスに照れている様だ。…なんだか彼がかわいく見えて、ちょっとだけキュンとした。まるで子犬の様だ。
だからだろうか、なんだかここにいてもいいかな、なんて思ってしまったのは。
「……衣食住、賄ってくれる?」
「! う、うん! もちろん!」
「……優しくしてくれる?」
「当たり前じゃん!!」
「…なら、ここにいてもいいけど」
途端にリールの顔がパアッと明るくなり、私に抱きついてきた。…確定。彼は犬だ。
私は腰に抱きついたリールの頭を撫でた。彼は気持ちよさそうに、頭を私の腰に擦り付けていた。
1
あなたにおすすめの小説
花嫁召喚 〜異世界で始まる一妻多夫の婚活記〜
文月・F・アキオ
恋愛
婚活に行き詰まっていた桜井美琴(23)は、ある日突然異世界へ召喚される。そこは女性が複数の夫を迎える“一妻多夫制”の国。
花嫁として召喚された美琴は、生きるために結婚しなければならなかった。
堅実な兵士、まとめ上手な書記官、温和な医師、おしゃべりな商人、寡黙な狩人、心優しい吟遊詩人、几帳面な官僚――多彩な男性たちとの出会いが、美琴の未来を大きく動かしていく。
帰れない現実と新たな絆の狭間で、彼女が選ぶ道とは?
異世界婚活ファンタジー、開幕。
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
目が覚めたら男女比がおかしくなっていた
いつき
恋愛
主人公である宮坂葵は、ある日階段から落ちて暫く昏睡状態になってしまう。
一週間後、葵が目を覚ますとそこは男女比が約50:1の世界に!?自分の父も何故かイケメンになっていて、不安の中高校へ進学するも、わがままな女性だらけのこの世界では葵のような優しい女性は珍しく、沢山のイケメン達から迫られる事に!?
「私はただ普通の高校生活を送りたいんです!!」
#####
r15は保険です。
2024年12月12日
私生活に余裕が出たため、投稿再開します。
それにあたって一部を再編集します。
設定や話の流れに変更はありません。
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた
いに。
恋愛
"佐久良 麗"
これが私の名前。
名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。
両親は他界
好きなものも特にない
将来の夢なんてない
好きな人なんてもっといない
本当になにも持っていない。
0(れい)な人間。
これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。
そんな人生だったはずだ。
「ここ、、どこ?」
瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。
_______________....
「レイ、何をしている早くいくぞ」
「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」
「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」
「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」
えっと……?
なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう?
※ただ主人公が愛でられる物語です
※シリアスたまにあり
※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です
※ど素人作品です、温かい目で見てください
どうぞよろしくお願いします。
【完結】甘やかな聖獣たちは、聖女様がとろけるようにキスをする
楠結衣
恋愛
女子大生の花恋は、いつものように大学に向かう途中、季節外れの鯉のぼりと共に異世界に聖女として召喚される。
ところが花恋を召喚した王様や黒ローブの集団に偽聖女と言われて知らない森に放り出されてしまう。
涙がこぼれてしまうと鯉のぼりがなぜか執事の格好をした三人組みの聖獣に変わり、元の世界に戻るために、一日三回のキスが必要だと言いだして……。
女子大生の花恋と甘やかな聖獣たちが、いちゃいちゃほのぼの逆ハーレムをしながら元の世界に戻るためにちょこっと冒険するおはなし。
◇表紙イラスト/知さま
◇鯉のぼりについては諸説あります。
◇小説家になろうさまでも連載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる