11 / 12
10話 鏡の前で…1
しおりを挟む魔王様に謁見した次の日の朝。私はラピスの部屋にいた。今日はラピスと朝食を摂る日なのだ。
私とラピスが椅子に座っていると、コンコンと部屋のドアがノックされる。
ラピスが短く「入れ」と言うと、ドアが開いた。そこにいたのは、銀色の蓋をされた皿を乗せたカートを押している背の低い魔物。…多分ゴブリンとかかな。
その魔物はカートをテーブルの近くまで押すと、上に乗っている皿をテーブルの上に並べ始める。…しかし背が低くて大変そうだ。
「手伝うよ」
「ギギッ!?」
椅子から立ち上がり、魔物の手から皿を奪って並べれば、途端に慌て始める魔物。私とラピスを交互に見比べている。
「アイリ、お前はやらなくて良いんだぞ」
「私がやりたくてやってるの! 魔物さんも、気にしなくて良いからね」
そう言って魔物に微笑めば「ギギ…!」と鳴いた彼(?)は、嬉しそうにはしゃぎ始めた。良かった、余計なお世話にはなっていないみたい。
「全く、お前はお人好しだな。このような雑用、下級な魔物達に任せれば良いものを」
「良いじゃない! 人に良い事すると私も気持ちいいし、相手が喜んでくれたらもっと嬉しいじゃない!」
「ったく…まぁ、お前のそういう所が、俺は好きなんだがな」
「え」
皿をテーブルに運び終えたタイミングで言われたラピスの言葉に思わず顔を上げれば、顔にそっと触れられる温かい手。…ラピスの大きな手だ。
彼は私の頬を撫でながら、優しくも甘い微笑みを私に向けている。…か、かっこいい。途端に顔に熱が集まるのが分かる。
「ギ、ギギッ…!! ギギギギッ!!」
「あっ、魔物さん!?」
私がぽけっとしていると、魔物が慌ててカートを引いて部屋から出ていってしまった。…外からガシャンと大きな音がしたが、大丈夫だろうか。
そう思って私が閉じられたドアに視線を向けていると「おい」と低く不機嫌そうな声と同時に、顔を真正面に戻された。そこには不機嫌そうな表情のラピス。彼は私に鋭い視線を向けたまま、距離を詰めてくる。
「今は俺だけ見てろよ」
「ちょ、ちょっと! 近いよ、ラピス!」
「何今更恥ずかしがってんだよ。…もっと恥ずかしいコト、したじゃねーか」
耳元で甘く囁かれた。思わず私のお腹が疼いて、股間がキュッと反応した。それが顔に出てたのだろうか、ラピスはニヤリと笑うと、その距離をさらに縮め…ついにお互いの体の距離はゼロになった。
「ら、ラピス…! 今、朝だよ! こんなに明るいのに…!」
「明るいからこそ、お前の顔も体もよく見えるんじゃねーか。お前の恥ずかしい所、俺にたっぷり見せてみろよ」
そう言うとラピスは私の左右の太ももを掴んで私を持ち上げた。突然のことに驚いた私は「きゃっ!」と声を上げて彼の首にしがみつく。
…今の私の体勢をなんと言えばいいのだろうか。まるでラピスと向かい合って持ち上げられたまま挿れられているかのような体勢に、私の股間がじわりと湿り気を帯びるのが分かる。
「なぁ、分かる? 俺の、もうパンパンに腫れてんの。アイリのせいで」
「っあ」
まるで突き上げるような動きをされた私の股間に、熱くて固いものが当たるのがわかった。…ラピスのペニスがズボン越しても大きくなっているのが分かる。
「アイリのせいでこうなってんだ、お前に責任取ってもらわなきゃなぁ?」
「っ、わたし、そんなつもりじゃっ…!?」
どうにか言い訳をしようとした私の口が突然塞がれた。…ラピスにキスされたのだ。そのままラピスは激しい口付けを始めた。舌を入れられ、舌を絡めて、唇を舐められ、歯列をなぞられる。それと同時に私の体を上下に揺らし始める。その衝動で彼の洋服越しからでも分かるほどに固く熱いペニスと私のクリトリスがぶつかり合う。…気持ちいい。気持ちよくって、頭がふわふわする。
「っは、すげーエロい顔…」
「ぁん…そんなこと、ないもんっ…!」
「確認するか?」
「え…?」
ラピスはそう言うと部屋の中を移動し始める。そしてピタリと立ち止まって私を床に下ろすと、私の肩を掴んで私の体を振り向かせる。…そこにあったのは、大きな鏡。そこには私とラピスの全身が写っている。
「か、がみ…?」
「最近買ったんだよ、お前と楽しむために」
「それってどういう」
「それってどういう事?」と言おうとした時だった。後ろからラピスが抱きしめてきた。ドキッと胸が高鳴る。
「それはな、こういう事だよ」
そう言って甘く微笑むと、ラピスは抱きしめたと思っていた手を私の洋服に手をかける。そして、ゆっくり、ゆっくり。私の体から脱がしていく。私は鏡に写るその光景から目を離せなかった。
「ら…ラピス…」
呟く私をよそに、ラピスは私の洋服を脱がしていく。…そして洋服は、ついに白いフリルの下着と白のニーハイソックスだけになる。
「エッロ…。聖女様ってのは服の下にこんなエロい格好してんのかよ。まさか、今日も期待してたのか?」
「ち、ちが…! 違うの…!」
途端に恥ずかしくなって、私は自身の大きな胸を隠そうとする。しかし、それはラピスによって塞がれる。彼はその大きな手で私の手を退ける。
「何隠してんだ」
「だ、だって…!」
「だってじゃねーよ。…次隠したら、百回イかせるまで抱き潰すぞ」
耳元で呟かれたその内容に私はびくりと体を震わせると、その両手をだらりと横に下ろした。ラピスはそれを見て満足そうにしている。
「いい子だ。…ご褒美に、今からたっぷり気持ちよくさせるからな」
「っ…!」
そう言うとラピスはその大きな手を私の肩に置いた。ゴツゴツとした大きくて太い指が、私の首筋を撫でる。そしてそのまま私の体の前にゆっくりと移動していく。
「…ら、ラピス」
「ん、なんだ、聖女様」
「…焦らさないで…」
「…お前は本当にかわいい奴だな」
ラピスはフッと笑うと、その手で私の胸を包んだ。そしてそのままブラを掴むと、そのまま下に下げる。私の大きな胸が形を変えながらブラから溢れ出す様子が鏡に写っている。
「ラピスぅ…は、恥ずかしいよ」
「あんまり可愛い事言うなよ。…いじめたくなるだろーが」
その瞬間、私の体に刺激が走った。鏡に写っているのは、馬鹿みたいに気持ちよさそうな顔をした私と、私の乳首を摘んでいるラピスの太い指。
「ラピスっ…! だめ、気持ちい…っ」
「気持ちいいな。もっと気持ちよくなろうな」
「っあ!」
ラピスの指が私の両乳首を捏ね始める。私は気持ちよさに喘ぐことしかできなくて、ただただ鏡に写った淫らな光景に目を奪われていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
257
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【R18】いくらチートな魔法騎士様だからって、時間停止中に××するのは反則です!
おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
寡黙で無愛想だと思いきや実はヤンデレな幼馴染?帝国魔法騎士団団長オズワルドに、女上司から嫌がらせを受けていた落ちこぼれ魔術師文官エリーが秘書官に抜擢されたかと思いきや、時間停止の魔法をかけられて、タイムストップ中にエッチなことをされたりする話。
※ムーンライトノベルズで1万字数で完結の作品。
※ヒーローについて、時間停止中の自慰行為があったり、本人の合意なく暴走するので、無理な人はブラウザバック推奨。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
前世は魔王の私、今度こそ愛する人を護ります
クロユキ
恋愛
現魔王は人間が好きのため魔物達から良く思われなく、密かに新しい魔王が力を蓄えていた。
そんなある日魔物達の裏切りで現魔王は殺され新たな魔王が誕生した。殺された魔王は人間に生まれ代わり……人間の娘として生きていく事に、ある日森の中で魔物に襲われた時前世の魔王の記憶が蘇り……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
知らぬはヒロインだけ
ネコフク
恋愛
「クエス様好きです!」婚約者が隣にいるのに告白する令嬢に唖然とするシスティアとクエスフィール。
告白してきた令嬢アリサは見目の良い高位貴族の子息ばかり粉をかけて回っていると有名な人物だった。
しかも「イベント」「システム」など訳が分からない事を言っているらしい。
そう、アリサは転生者。ここが乙女ゲームの世界で自分はヒロインだと思っている。
しかし彼女は知らない。他にも転生者がいることを。
※不定期連載です。毎日投稿する時もあれば日が開く事もあります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
異世界で四神と結婚しろと言われました
浅葱
恋愛
【第三部完結・第四部開始】中国留学を終えて帰国する飛行機に乗っていたはずが、気がついたら見知らぬところにいました。迎えが来たので着いていったら辿りついたのは王城でした。そこでいきなり国を守護する四神(青龍・朱雀・白虎・玄武)と結婚しろと言われて!? 1日1日が濃く、のんびり話が進んでいきます。
主人公至上主義。逆ハー中華ファンタジー異世界トリップ。中国ネタ多しの、作者の趣味満載の物語です。たまに飯テロ(?)注意。
倫理感等でヒロインがたびたびもだもだします。脱線多すぎ(ぉぃ
『』内の言葉は中国語です。
注:なろう版からの移転です。改稿はそれほどしていません。R18指定にしていますが保険です。内容自体はR15程度の予定です。
写真はフリー写真をお借りしました。
関連作:「貴方色に染まる」「初恋は草海に抱かれ」(アルファポリス内に掲載。浅葱のマイページをご確認ください)
「花嫁は笑わない~傾国異聞~」https://ncode.syosetu.com/n4007ee/
登場人物や世界設定などはこちら↓
https://paleblue.fanbox.cc/posts/6069842
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
一部完|すべてを妹に奪われたら、第2皇子から手順を踏んで溺愛されてました。
三矢さくら
恋愛
「侯爵家を継承できるという前提が変わった以上、結婚を考え直させてほしい」
マダレナは王立学院を無事に卒業したばかりの、カルドーゾ侯爵家長女。
幼馴染で伯爵家3男のジョアンを婿に迎える結婚式を、1か月後に控えて慌ただしい日々を送っていた。
そんなある日、凛々しい美人のマダレナとは真逆の、可愛らしい顔立ちが男性貴族から人気の妹パトリシアが、王国の第2王子リカルド殿下と結婚することが決まる。
しかも、リカルド殿下は兄王太子が国王に即位した後、名目ばかりの〈大公〉となるのではなく、カルドーゾ侯爵家の継承を望まれていた。
侯爵家の継承権を喪失したマダレナは、話しが違うとばかりに幼馴染のジョアンから婚約破棄を突きつけられる。
失意の日々をおくるマダレナであったが、王国の最高権力者とも言える王太后から呼び出される。
王国の宗主国である〈太陽帝国〉から輿入れした王太后は、孫である第2王子リカルドのワガママでマダレナの運命を変えてしまったことを詫びる。
そして、お詫びの印としてマダレナに爵位を贈りたいと申し出る。それも宗主国である帝国に由来する爵位で、王国の爵位より地位も待遇も上の扱いになる爵位だ。
急激な身分の変化に戸惑うマダレナであったが、その陰に王太后の又甥である帝国の第2皇子アルフォンソから注がれる、ふかい愛情があることに、やがて気が付いていき……。
*女性向けHOTランキング1位に掲載していただきました!(2024.7.14-17)たくさんの方にお読みいただき、ありがとうございます!
*第一部、完結いたしました。
*第二部の連載再開までしばらく休載させていただきます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
好きな人に振り向いてもらえないのはつらいこと。
しゃーりん
恋愛
学園の卒業パーティーで傷害事件が起こった。
切り付けたのは令嬢。切り付けられたのも令嬢。だが狙われたのは本当は男だった。
狙われた男エドモンドは自分を庇った令嬢リゼルと傷の責任を取って結婚することになる。
エドモンドは愛する婚約者シモーヌと別れることになり、妻になったリゼルに冷たかった。
リゼルは義母や使用人にも嫌われ、しかも浮気したと誤解されて離婚されてしまう。
離婚したエドモンドのところに元婚約者シモーヌがやってきて……というお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる