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さぁ、調合を始めようか。4
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~街の大通り~
この街は大通りに出れば大抵のものが手に入る、それも、日常雑貨から家具やら服などもここで揃ってしまう。薬草も例外ではなく、なぜか野菜を取り扱っているお店で売っていたり、薬草の専門店などもあったりする。そんな大通りにある一際大きくて目立っている、突き抜けた広いスペースを設けたいろいろな木の実やら薬草やらを扱っている店に、シヴィーとジェイクの姿はあった。
薬草と言っても、いろいろな種類があるわけではない。自然界で育った天然の物から、人工的に育てられた物といった感じだ。当然のことながら、新鮮な物もあれば、少し傷んでいる物もあったりして、毎度毎度で値段が違ったりもしてくる。そして、人工的に育てられたものよりも天然の薬草のほうが一回り大きく、傷んでいるものが少ないので余裕のある場合はそちらを買う調合師が多いのだ。
時折手に取っては唸るシヴィーに対して、薬草の違いがわからないジェイクは苦笑いを浮かべながら頭を掻いていたりしていた。しかし、なかなか求めている物が見つからないのか、何度も何度も同じところを行ったり来たりとしているので、
「旦那、薬草って見た感じ全部同じじゃないっすか?」
「んあ? なに言ってんだおめぇ。花が咲いてる咲いてないでも、治癒のポーションのエキスの分量が違うんだ。それに、葉が大きいから効果が高いってわけじゃない。色と匂い、それらを見極めてからじゃないといいものは作れないんだ」
「ほえぇ。調合にもいろいろとあるんすね」
珍しくぺらぺらと喋るシヴィーであったが、なかなか見つからないことに苛立ちを覚え始め、その店を後にしてしまった。様々な店があるのだから、新鮮で上質な薬草を取り寄せている店を探せばいいのだ。以前はシヴィー自身が上質な物を現地で調達していたこともあり、店に出向く必要なんてそもそもなかったのだから、このように思っていた物が見つからないとなると、自然と苛立ちと言うものは込み上げてくるのだ。
「なさすぎる……最近の冒険者とかは『いい薬草』ってのを知らないのか?」
苛立ちはとうにピークを過ぎ去っていて、今あるのは気だるさとめんどくささだけだった。そんなシヴィーではあるが、店に入ればちゃんと薬草を手にとってはこまめにチャックをするのだ。自身のポーションに対するプライドからくるそれらは、ジェイクからすると『徹底した職人』として見えているのだろうか。
「ないっすねぇ……もう何件目すか?」
「これでもう4件目だな。そろそろ昼になりそうだし、次の店見たら飯にするか」
「了解っす。でもいいんすか? 目的のもん見つけてないのに呑気に飯なんて食って」
「ははは、以前のおめぇだったら想像がつかない気配りだな。気にするな、薬草の仕入れは初めてだからこんなもんだって割り切ってるからな」
誰にだって初めてのことはある。それは、シヴィーでも例外ではないのだ。
道行く人の数が、昼頃になるといきなり増え始める。誰もが食べ物を求めて大通りに出てくるから仕方がないことなのだが、搬入などをしている荷馬車はこれによって一時的に通行禁止になったりもする。流石に人の多い所で荷馬車を転がすのは危険だ。と、領主が考案した結果らしいが商人ギルドは猛反発だったらしい。
そして、ふたりが巡り巡ってたどり着いたのは、
「旦那、ここは……」
「ポーション屋だ。さっき来るときにガラス越しに店内が見えてな、薬草を置いてるのが見えたんだ」
「ポーションを取り扱う店で、薬草っすか」
「売りに出すってことは、それなりに自信があるのか。それとも、稼ぎたいが為かのどっちかだな」
薬草を買うのは基本的に調合師ではない。一般の家庭でも薬草というのは怪我に効く野菜、と、言う認識であるが故に野菜を取り扱う店でも置いてあったりもするのだ。そして、誰が採ってきた、誰が栽培したかなどと言った感じに、食卓の会話で盛り上がったりするそうだ。だが、薬草をそのまま食べると言った行為は調合師からしたら『もったいない』事なので、食べる事自体を常識的ではないと割り振ってしまっている。そのため、調合師たちからすれば『薬草は食べる物なのか』などといった疑問が時々浮上するのだ。
「まぁ、美味いかどうかは知らないがな」
ぼそりと遠い目をしながらつぶやいたシヴィーは、店の中へと足を向けた。
色とりどりのポーションの並ぶ、小さなポーション屋。取り扱っているのは治癒のポーションだけではなく、解毒のポーションから暗視のポーション。さらには、霊視のポーションなどといった珍しい物もある。品揃えだけで言ったらどこのポーション屋にも負けていないだろう。
「すまない、薬草を買いたいのだが」
「はーい。あらぁ、珍しいねー。僕のお店に常連さん以外の人がくるなんてー」
のんびりとした口調の、背丈の高い女性が店の奥から出てきた。この街では珍しい黒髪の長髪であり、ふわりとした髪を後ろで縛り、肩に乗せているのがまた魅力的であった。だがしかし、暗いイメージのナチュラルメイクなのはわかるのだが、なぜか唇が黒い。そして、その服装はなんともふわりとしている黒一点のゴシックロリィタだった。ジェイクは、少し見惚れていた様子で『わぉ……』などとこぼしていたのだが、シヴィーはなんの反応もなく要件を告げてた。
「どこにもいい薬草がなくてな。ここも取り扱ってたみたいだから入ってみたんだ」
「そうなのー? 僕がいつも摘んできてる物の余ったやつけどー、それでもいいのかなー?」
「こいつは驚いた。自分で採りに行く調合師が他にもいたなんてな、俺もこの間までは自分で採りに行ってたんだ」
「わーお、今時自分で採り行く人なんて滅多にみたいだからねー。なんかー、運命的なのを感じるよーっ?」
にっこりとした笑みを浮かべる彼女に、シヴィーは苦笑いで返した。いくつか薬草を見せてもらったのだが、どれも上質なものであり、シヴィーの喉を唸らせている程だった。そして、相変わらずジェイクには見分けがつかないらしく、眉を寄せてじっくりと見ていても、すぐに首を傾げていた。
「全部でいくらだ?」
「えーっと、初めてのお客さんだしー。銀貨6枚でいいよー?」
「なかなか安めだな。わかった、それで頼む」
買った量で言えばかなりのものだ。まさか、こんなにもあるとは思っていなかったシヴィーは、ジェイクに渡された大きめの木箱ふたつに驚きを隠せないでいた。ひとつならまだしも、ふたつ同時に持つとジェイクの顔が見えないのだから、中身はかなりの量だと言えよう。
「まいどー、また来てねー」
「あぁ、いい買い物ができたらからな。近いうちにまた顔をだすよ」
「はーい。待ってるねーっ!」
はにかんだ笑顔で小さく手を振ってくれた彼女と別れ、ジェイクを先導して店を出た時だった。
「っと、あぶねぇな。ちゃんと前見ろよ」
入れ違いで入ろうとした客と肩がぶつかり、シヴィーが指を差しながら相手に注意をした。
だが、
「っち、なんで貴様が……ッ! ──じぇ、ジェイク!?」
「ん? さーせん、前見えないんでどいてもらっていっすか」
「……っくそ、さっさと通れ!」
そそくさと出てくるジェイクを、フードを被った男が名残惜しそうに眺めていたのだが、すぐに踵を返して店の中へと入って行ってしまった。どこかで見たことがあるような、などとつぶやいていたシヴィーであったが、ジェイクがバランスを崩しそうになって必死に支えていたので、余り深くは考えてはいなかった。
店に入ったフードを被った男は、お金の詰まった袋をカウンターに叩きつけて店の奥を指さした。
「麻痺毒をよこせ……それも、強力なやつをな!」
「へぇ、僕のお店がどういうところなのか知ってるのー?」
「どういう店かなんて知るか! いいからよこせ! 金ならいくらでも出す!」
雑談なんてする暇がない。そんな感じで怒鳴りつける男に、彼女はやれやれと言いながら店の奥から少し大きめの瓶に入った黄色い液体を持ってきた。
「銀貨18枚。これでどうかなー?」
「あぁ、効果は……聞かなくてもいいか」
「ふふ、その辺は保証するよー。まぁ、僕のお店のことを他所に話したら……殺すからー。わかってるー?」
「ふん、用を済ませたら街をでるからな。その辺は信用しろ」
麻痺毒の詰め込まれた瓶をにやりと薄気味悪い笑みを浮かべながら見つめていた男は、そそくさと店を出て行った。
この街は大通りに出れば大抵のものが手に入る、それも、日常雑貨から家具やら服などもここで揃ってしまう。薬草も例外ではなく、なぜか野菜を取り扱っているお店で売っていたり、薬草の専門店などもあったりする。そんな大通りにある一際大きくて目立っている、突き抜けた広いスペースを設けたいろいろな木の実やら薬草やらを扱っている店に、シヴィーとジェイクの姿はあった。
薬草と言っても、いろいろな種類があるわけではない。自然界で育った天然の物から、人工的に育てられた物といった感じだ。当然のことながら、新鮮な物もあれば、少し傷んでいる物もあったりして、毎度毎度で値段が違ったりもしてくる。そして、人工的に育てられたものよりも天然の薬草のほうが一回り大きく、傷んでいるものが少ないので余裕のある場合はそちらを買う調合師が多いのだ。
時折手に取っては唸るシヴィーに対して、薬草の違いがわからないジェイクは苦笑いを浮かべながら頭を掻いていたりしていた。しかし、なかなか求めている物が見つからないのか、何度も何度も同じところを行ったり来たりとしているので、
「旦那、薬草って見た感じ全部同じじゃないっすか?」
「んあ? なに言ってんだおめぇ。花が咲いてる咲いてないでも、治癒のポーションのエキスの分量が違うんだ。それに、葉が大きいから効果が高いってわけじゃない。色と匂い、それらを見極めてからじゃないといいものは作れないんだ」
「ほえぇ。調合にもいろいろとあるんすね」
珍しくぺらぺらと喋るシヴィーであったが、なかなか見つからないことに苛立ちを覚え始め、その店を後にしてしまった。様々な店があるのだから、新鮮で上質な薬草を取り寄せている店を探せばいいのだ。以前はシヴィー自身が上質な物を現地で調達していたこともあり、店に出向く必要なんてそもそもなかったのだから、このように思っていた物が見つからないとなると、自然と苛立ちと言うものは込み上げてくるのだ。
「なさすぎる……最近の冒険者とかは『いい薬草』ってのを知らないのか?」
苛立ちはとうにピークを過ぎ去っていて、今あるのは気だるさとめんどくささだけだった。そんなシヴィーではあるが、店に入ればちゃんと薬草を手にとってはこまめにチャックをするのだ。自身のポーションに対するプライドからくるそれらは、ジェイクからすると『徹底した職人』として見えているのだろうか。
「ないっすねぇ……もう何件目すか?」
「これでもう4件目だな。そろそろ昼になりそうだし、次の店見たら飯にするか」
「了解っす。でもいいんすか? 目的のもん見つけてないのに呑気に飯なんて食って」
「ははは、以前のおめぇだったら想像がつかない気配りだな。気にするな、薬草の仕入れは初めてだからこんなもんだって割り切ってるからな」
誰にだって初めてのことはある。それは、シヴィーでも例外ではないのだ。
道行く人の数が、昼頃になるといきなり増え始める。誰もが食べ物を求めて大通りに出てくるから仕方がないことなのだが、搬入などをしている荷馬車はこれによって一時的に通行禁止になったりもする。流石に人の多い所で荷馬車を転がすのは危険だ。と、領主が考案した結果らしいが商人ギルドは猛反発だったらしい。
そして、ふたりが巡り巡ってたどり着いたのは、
「旦那、ここは……」
「ポーション屋だ。さっき来るときにガラス越しに店内が見えてな、薬草を置いてるのが見えたんだ」
「ポーションを取り扱う店で、薬草っすか」
「売りに出すってことは、それなりに自信があるのか。それとも、稼ぎたいが為かのどっちかだな」
薬草を買うのは基本的に調合師ではない。一般の家庭でも薬草というのは怪我に効く野菜、と、言う認識であるが故に野菜を取り扱う店でも置いてあったりもするのだ。そして、誰が採ってきた、誰が栽培したかなどと言った感じに、食卓の会話で盛り上がったりするそうだ。だが、薬草をそのまま食べると言った行為は調合師からしたら『もったいない』事なので、食べる事自体を常識的ではないと割り振ってしまっている。そのため、調合師たちからすれば『薬草は食べる物なのか』などといった疑問が時々浮上するのだ。
「まぁ、美味いかどうかは知らないがな」
ぼそりと遠い目をしながらつぶやいたシヴィーは、店の中へと足を向けた。
色とりどりのポーションの並ぶ、小さなポーション屋。取り扱っているのは治癒のポーションだけではなく、解毒のポーションから暗視のポーション。さらには、霊視のポーションなどといった珍しい物もある。品揃えだけで言ったらどこのポーション屋にも負けていないだろう。
「すまない、薬草を買いたいのだが」
「はーい。あらぁ、珍しいねー。僕のお店に常連さん以外の人がくるなんてー」
のんびりとした口調の、背丈の高い女性が店の奥から出てきた。この街では珍しい黒髪の長髪であり、ふわりとした髪を後ろで縛り、肩に乗せているのがまた魅力的であった。だがしかし、暗いイメージのナチュラルメイクなのはわかるのだが、なぜか唇が黒い。そして、その服装はなんともふわりとしている黒一点のゴシックロリィタだった。ジェイクは、少し見惚れていた様子で『わぉ……』などとこぼしていたのだが、シヴィーはなんの反応もなく要件を告げてた。
「どこにもいい薬草がなくてな。ここも取り扱ってたみたいだから入ってみたんだ」
「そうなのー? 僕がいつも摘んできてる物の余ったやつけどー、それでもいいのかなー?」
「こいつは驚いた。自分で採りに行く調合師が他にもいたなんてな、俺もこの間までは自分で採りに行ってたんだ」
「わーお、今時自分で採り行く人なんて滅多にみたいだからねー。なんかー、運命的なのを感じるよーっ?」
にっこりとした笑みを浮かべる彼女に、シヴィーは苦笑いで返した。いくつか薬草を見せてもらったのだが、どれも上質なものであり、シヴィーの喉を唸らせている程だった。そして、相変わらずジェイクには見分けがつかないらしく、眉を寄せてじっくりと見ていても、すぐに首を傾げていた。
「全部でいくらだ?」
「えーっと、初めてのお客さんだしー。銀貨6枚でいいよー?」
「なかなか安めだな。わかった、それで頼む」
買った量で言えばかなりのものだ。まさか、こんなにもあるとは思っていなかったシヴィーは、ジェイクに渡された大きめの木箱ふたつに驚きを隠せないでいた。ひとつならまだしも、ふたつ同時に持つとジェイクの顔が見えないのだから、中身はかなりの量だと言えよう。
「まいどー、また来てねー」
「あぁ、いい買い物ができたらからな。近いうちにまた顔をだすよ」
「はーい。待ってるねーっ!」
はにかんだ笑顔で小さく手を振ってくれた彼女と別れ、ジェイクを先導して店を出た時だった。
「っと、あぶねぇな。ちゃんと前見ろよ」
入れ違いで入ろうとした客と肩がぶつかり、シヴィーが指を差しながら相手に注意をした。
だが、
「っち、なんで貴様が……ッ! ──じぇ、ジェイク!?」
「ん? さーせん、前見えないんでどいてもらっていっすか」
「……っくそ、さっさと通れ!」
そそくさと出てくるジェイクを、フードを被った男が名残惜しそうに眺めていたのだが、すぐに踵を返して店の中へと入って行ってしまった。どこかで見たことがあるような、などとつぶやいていたシヴィーであったが、ジェイクがバランスを崩しそうになって必死に支えていたので、余り深くは考えてはいなかった。
店に入ったフードを被った男は、お金の詰まった袋をカウンターに叩きつけて店の奥を指さした。
「麻痺毒をよこせ……それも、強力なやつをな!」
「へぇ、僕のお店がどういうところなのか知ってるのー?」
「どういう店かなんて知るか! いいからよこせ! 金ならいくらでも出す!」
雑談なんてする暇がない。そんな感じで怒鳴りつける男に、彼女はやれやれと言いながら店の奥から少し大きめの瓶に入った黄色い液体を持ってきた。
「銀貨18枚。これでどうかなー?」
「あぁ、効果は……聞かなくてもいいか」
「ふふ、その辺は保証するよー。まぁ、僕のお店のことを他所に話したら……殺すからー。わかってるー?」
「ふん、用を済ませたら街をでるからな。その辺は信用しろ」
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