恋と呼べるまで

ななし

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体から伝わる想いSide天音*

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 大貴君は、ついばむような口づけを繰り返すと、遠慮がちに舌を差し入れてきた。もどかしいほど優しく、けれど時折、抑えきれないように深く蹂躙してくるその様は、彼の気持ちを代弁しているようで、くすぐったい。
 
 「好き、好きだよ、天音さん……」

吐息混じりの声でささやかれると、それだけで腰が砕ける。

「っ、耳元でしゃべらないで……」
「―――嫌?」

少しからかうような声音にそれがわざとだと気が付く。快感をやり過ごそうと、シーツをギュッと握りしめていると、耳元に熱い吐息をふきかけられ、じわりと体の中から何かが滲みだし、体が震えた。

「ねぇ、嫌なの、天音さん…?」
「ン…」

耳の中までなめとるような、舌の感触にぞくぞくする。

「もっ、やだって……」

涙目でにらむと、ふふっとあの花が飛ぶような可愛らしい笑顔にかち合う。頬が少し染まって上気した目元が色っぽい。

「僕で感じてくれて、うれしい…」
「っ……」

こんな風に触れてくる人だっただろうか。全身から伝わる愛おしいという思い。
 私の体のすべてを知りたいと言わんばかりに、この体を縦横無尽に彼の舌が蹂躙する。その度、体はびくびくと恥ずかしいほど震え、私は浅い息を繰り返す。

「天音さん、ずっとこうしたかった…」

乳首を撫でる舌のざらざらとした感触にたまらなくなる。

「っ…や……」
「ここがいいの?お願い、教えて?」
「ん、気持ちい……はっ……」

でも、もっと、もっと触れて欲しい。物足りない想いに、私は膝をすり合わせた。

「足、開ける?」

私は言われるがまま、そっとその体を開いた。大貴君にみられていると思うだけで、体の奥が熱くなる。じゅくじゅくと、その蜜が体を伝っていく感覚に、頬が熱くなった。

「よかった、濡れてくれてる…」
「も、言わないで、って……」
「嬉しいんだよ」

触れるね、と一言置いて、大貴君の指が隠していた秘部を撫でる。瞬間、くちゅり、と音を立て、いたたまれず、私は顔を背けた。けれど、それを咎めるように、大貴君の唇が私の唇に触れる。まるで、ちゃんと見て、というように。羞恥を感じていられたのもそこまでだった。
 唇と下肢と両方に与えられる快感に、徐々に頭に霞がかかっていく。
 彼の長い指がその襞を撫でる度、体の底から甘い感覚がせりあがり、声が抑えられない。敏感な蕾をその指が霞めた瞬間、腰がびくりとはねた。

「ここ…?」

恥ずかしくて答えられない私を彼はさらに追い詰める。

「教えて、天音さん…」
「っ…そこ……すごく、気持ちい……」
「可愛い…」

うっとりとしたような声に、耳がおかしくなりそう。

「あ、駄目、それ以上されたら……っ……」

視界が白くはじける。すべてが快楽で塗りつぶされる恍惚の瞬間。

「………逝った?」

息も荒く返事をすることもままならない私に、大貴君がまたついばむようなキスをする。ぼんやりと彼を見つめていると、大貴君が照れたように笑った。

「そろそろ、大丈夫?」

こくん、と私はうなずいた。

 不思議。いつもは男性を感じさせない、どちらかといえば中性的な彼なのに、今この瞬間はどこをどう切り取っても男にしか見えない。付き合っていたあの頃、あんなにも彼を意識せずにいられたのに。いまはその視線一つで、胸が騒ぐ。
 蜜口にあてがわれた彼自身に、体が震えた。

「っ……」

大貴君の顔が少し苦しげにゆがむ。ああ、この人のこと、もっと見ていたい。感じている顔も、私を愛おしく見つめる瞳も、すべて。
 ゆっくりと、熱い灼熱が体の中に埋まっていく。長く忘れていた感覚に、体が弛緩する。

「あ…っ…は……」

圧迫感に息がつまる。

「天音さん…」

唇を寄せられ、また何度も口づけられる。
 ゆるゆると腰を動かしながら、与えられる快楽に、体も素直にほどけていく。

「……大貴君、好き……っ……好きなの……」

自分でも何を言っているのか分からないまま、うわごとのように繰り返し、つぶやく。

「僕も、だよ。」

大貴君の声がかすれて聞こえる。その声が、視線が、指が、すべてが愛おしく思えて、私は彼の体をかき抱く。

「好き…」

すべての音が聞こえなくなって、それから――
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