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36 無効化に影響されない能力って憧れる
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「今更気づいたようだな。まあ、もう遅いのだが」
「何だと? っとぉぁ!?」
何だ、地面が急に揺れ始めやがった。
「ショータさん、あれを……!」
「な、なんだありゃぁ……?」
遠くの方に山のようなものが見えた。それだけなら何も問題はねえが、そいつは間違いなく動いていた。れっきとした生物ってわけだ。
この世界に来てから見たことの無いサイズ感。ここから見てあの大きさってことは軽く数百メートルはありそうなもんだが、そんな生物が物理的に許されて良いもんなのか?
「やっと気づいたようだな」
「その言い方……あのクソデカ生物はアンタらが関係しているってことで良いんだな?」
「ああ。あの生物の名はマナツカミと言ってな。君の言う通り、私たちが準備したものだ」
やっぱりこいつらが関わってやがるな。とは言え、この状況だとそう考えるのが自然ではあるけども。
「マナツカミだと?」
「何か知っているんですか?」
「ええ。マナツカミは自然から魔力を吸収して暮らしている魔物なんですが……本来、あそこまで大きくなることは無いのです」
本来あそこまで大きくなることは無い? ってそれじゃあアイツは何なんだ?
「そうだろうな。普通はあのサイズまで大きくなることは無い。だから、私たちはあそこまで育てたのだ」
「育てた……?」
「マナツカミは一定の気温以下では冬眠状態になるという習性を持っている。その間に自然からの魔力を吸収し続ければ、エネルギーを消費することなく体を巨大化させ能力を強化することも出来る。それに、非活性の状態であれば際限なく巨大化していく性質もあるからな」
よくわからんが、無理やりあそこまでデカくしたってことか?
「ですが、そんな環境中々無いはず……まさか!」
「理解したか。何故氷を司る龍の最上位種である君が、わざわざ火山を凍結させていたのか。それは、マナツカミを非活性化しつつ、地下に流れる膨大な魔力を吸わせるためだ。火山には魔力が集まりやすいから、極氷龍の力があればデメリット無くマナツカミの育成が出来るという事だ」
なんでわざわざ火山を凍結させて根城にしていたのかわからんかったが、まさかそんな理由があったなんてな。そのマナツカミってのが魔力探知に反応しなかったのも非活性の状態だったからってことか。灯台下暗しって言うか、極氷龍の一件で完全にあの火山からはマークを外していた。これは完全に一本食わされちまったな。
「さて……。長々と話してしまったが、さっそくナマツカミの力を使って君たちを始末してやろう」
「元よりアンタが俺を倒せなかったとしても問題は無かったってことか……」
「そういうことだ。もちろん私が君を倒せればそれで万事解決だったがな」
「させません!」
極氷龍が詠唱を始めた。火山で戦った時の様に、氷を生み出すつもりなのだろう。だが、結果として氷が生み出されることは無かった。
「な、何が起こったのです……? も、もう一度!」
その後も何度か詠唱をする極氷龍だったが、一度たりとも氷が生み出されることは無かった。まるで魔法そのものが無効化されているかのようだ。
「これは、どういうことでしょうか……」
「それも今更気づいたのか」
「……貴方方の仕業なのですね?」
「マナツカミの強化された能力によって、ここ周辺は魔法の詠唱が出来ない状態になっているんだ。それは、君のような最上位種であっても例外では無い」
「くっ……まさかこれほどの能力を目覚めさせていたとは……」
魔法の詠唱を無効化する能力か。それなら極氷龍も氷を生み出せないはずだ。氷を直接操ると言っても、その氷を魔法で生み出さなければならないのは他の魔法と同じだ。魔力の流れで予想するに、恐らく彼女の魔法は空気中の水分を集めて冷却することで氷を生み出している。だから魔法の詠唱が無効化されてしまうと氷を生み出せなくなってしまうんだろう。
「これだけじゃない。マナツカミの能力はまだまだあるぞ。君はさっき人がいないと言ったな。何故だと思う?」
「……考えたくは無いですが、理解は出来てしまいますね」
魔力を吸収する生物と人がいなくなった街。この二つが導く答えがわからないほど、極氷龍も俺もバカじゃねえ。
「ど、どういうことだ……」
「君はわからないか。まあ無理も無い。魔力の扱いも戦闘能力も半人前の君ではね。だが、そっちの二人は気付いているようだな」
「つまりは、この街にいた人たちは皆あの生物に吸収されちまった……ってことだな?」
「ああ、ほとんどその通り。ただ少し違うな」
「何だと?」
まだ何かあるのか?
「これは私たちにとっては誤算だった。君が極氷龍の洗脳を解くのが思ったよりも速かったんだ。だから、完全に育て切る前にマナツカミは活性状態になってしまった。故に、一定以上の能力を持った者からは魔力を奪えない。良かったな。何もかも半人前な君だが、マナツカミのターゲットからは外れたようだ」
「ぐぬぬ……」
少年は俺に抱きかかえられている状態だが、あのローブの奴に対しての闘志みたいなもんは十分に感じた。俺に対して挑んできた時もそうだったし今のこの状況で諦めていないのもあって、かなり意志は強いと見た。
にしても魔法の詠唱の無効化ってのは厄介な能力だな。でもまあ俺には関係ねえか。獣宿しは魔法じゃねえしな。
「魔法を無効化するってのは残念ながら俺には効かねえ」
「強がりはよすんだな。君の能力についてはこちらも把握している。あれだけのことをするのに魔法を使用しないはずが無い」
「ほお、なら見てるんだな」
一旦天雷を解除してっと。
「うおぁあっ」
「おっと悪い、抱えたままだったな。よっと」
「んむっ」
恐らくこの少年は数メートルから落下するだけでも不味いだろうからな。しっかり受け止めてやらねえと。
「ちょっと離れていてくれ」
「わ、わかった」
何か少し顔が赤いような……まあいい、とりあえずこのローブの奴に現実を見せてやらねえとな。
「俺の能力は無効化されねえ! 見てろ、獣宿し『炎龍』!!」
ドラゴンロードの外殻が俺の魔力によって強化されて……強化されて……強化され……ない?
どういうことだ? まさか魔法の無効化によって魔力での能力上昇が出来なくなっているのか……?
「ショ、ショータさん!? 魔法が無効化される状態でどうして!?」
「な、何故姿を変えられる!?」
ま、まあいい。獣宿しの力自体は使えるんだ。何も問題はねえ。
「さあ、まずはアンタからやっちまうとするか」
「ぐっ……分が悪いか。はっ!」
「うぉっ!?」
これは煙幕か!? クソッ、何も見えねえ。魔力探知をするにもあのマナツカミってやつの仕業なのか妙な魔力が充満していて上手くアイツの魔力反応が把握できねえ。てか分身と言い煙幕と言い、アイツは忍者か何かなのか?
「ショータさん、その力は一体……」
「説明は後でします。今はアイツを追いかけて、あのマナツカミとか言うのを何とかしましょう」
「そ、そうですね」
――――――
「ハァ……ハァ……何なんだあのショータと言う人物は……!」
ローブの者は煙幕を使って翔太たちから逃れた後、温泉都市を離れて山の方へと逃げてきていた。
「だが、流石にこれほど強化されたマナツカミには勝てないはずだ……!」
「へー、本当に?」
「……何の用だ」
ローブの者に声をかけたのは、翔太との因縁を持つあの学者だった。何か理由があるのか、フレイムオリジンには乗っていないようだった。
「何の用だなんて悲しいこと言わないでくれよ。せっかく援護に来てやったのにさ」
「援護だと?」
「ああ。確かにこのマナツカミは十分強い。だけどそれはあくまでも私たちの中でだ。君もあのショータという人物の力を見ただろう? 規格外なんだよ色々と。だから私の作品を少し貸してあげようと思ってね」
「……いらん。私はこのマナツカミを使ってあの女を始末する。貴様の助けなど借りん」
「随分と強気だけど、勝算は?」
「もちろんあるさ。私がアイツを潰すところを、指をくわえて見ているんだな」
学者の問いに対して、ローブの者は不敵に笑いながらそう答えた。
「何だと? っとぉぁ!?」
何だ、地面が急に揺れ始めやがった。
「ショータさん、あれを……!」
「な、なんだありゃぁ……?」
遠くの方に山のようなものが見えた。それだけなら何も問題はねえが、そいつは間違いなく動いていた。れっきとした生物ってわけだ。
この世界に来てから見たことの無いサイズ感。ここから見てあの大きさってことは軽く数百メートルはありそうなもんだが、そんな生物が物理的に許されて良いもんなのか?
「やっと気づいたようだな」
「その言い方……あのクソデカ生物はアンタらが関係しているってことで良いんだな?」
「ああ。あの生物の名はマナツカミと言ってな。君の言う通り、私たちが準備したものだ」
やっぱりこいつらが関わってやがるな。とは言え、この状況だとそう考えるのが自然ではあるけども。
「マナツカミだと?」
「何か知っているんですか?」
「ええ。マナツカミは自然から魔力を吸収して暮らしている魔物なんですが……本来、あそこまで大きくなることは無いのです」
本来あそこまで大きくなることは無い? ってそれじゃあアイツは何なんだ?
「そうだろうな。普通はあのサイズまで大きくなることは無い。だから、私たちはあそこまで育てたのだ」
「育てた……?」
「マナツカミは一定の気温以下では冬眠状態になるという習性を持っている。その間に自然からの魔力を吸収し続ければ、エネルギーを消費することなく体を巨大化させ能力を強化することも出来る。それに、非活性の状態であれば際限なく巨大化していく性質もあるからな」
よくわからんが、無理やりあそこまでデカくしたってことか?
「ですが、そんな環境中々無いはず……まさか!」
「理解したか。何故氷を司る龍の最上位種である君が、わざわざ火山を凍結させていたのか。それは、マナツカミを非活性化しつつ、地下に流れる膨大な魔力を吸わせるためだ。火山には魔力が集まりやすいから、極氷龍の力があればデメリット無くマナツカミの育成が出来るという事だ」
なんでわざわざ火山を凍結させて根城にしていたのかわからんかったが、まさかそんな理由があったなんてな。そのマナツカミってのが魔力探知に反応しなかったのも非活性の状態だったからってことか。灯台下暗しって言うか、極氷龍の一件で完全にあの火山からはマークを外していた。これは完全に一本食わされちまったな。
「さて……。長々と話してしまったが、さっそくナマツカミの力を使って君たちを始末してやろう」
「元よりアンタが俺を倒せなかったとしても問題は無かったってことか……」
「そういうことだ。もちろん私が君を倒せればそれで万事解決だったがな」
「させません!」
極氷龍が詠唱を始めた。火山で戦った時の様に、氷を生み出すつもりなのだろう。だが、結果として氷が生み出されることは無かった。
「な、何が起こったのです……? も、もう一度!」
その後も何度か詠唱をする極氷龍だったが、一度たりとも氷が生み出されることは無かった。まるで魔法そのものが無効化されているかのようだ。
「これは、どういうことでしょうか……」
「それも今更気づいたのか」
「……貴方方の仕業なのですね?」
「マナツカミの強化された能力によって、ここ周辺は魔法の詠唱が出来ない状態になっているんだ。それは、君のような最上位種であっても例外では無い」
「くっ……まさかこれほどの能力を目覚めさせていたとは……」
魔法の詠唱を無効化する能力か。それなら極氷龍も氷を生み出せないはずだ。氷を直接操ると言っても、その氷を魔法で生み出さなければならないのは他の魔法と同じだ。魔力の流れで予想するに、恐らく彼女の魔法は空気中の水分を集めて冷却することで氷を生み出している。だから魔法の詠唱が無効化されてしまうと氷を生み出せなくなってしまうんだろう。
「これだけじゃない。マナツカミの能力はまだまだあるぞ。君はさっき人がいないと言ったな。何故だと思う?」
「……考えたくは無いですが、理解は出来てしまいますね」
魔力を吸収する生物と人がいなくなった街。この二つが導く答えがわからないほど、極氷龍も俺もバカじゃねえ。
「ど、どういうことだ……」
「君はわからないか。まあ無理も無い。魔力の扱いも戦闘能力も半人前の君ではね。だが、そっちの二人は気付いているようだな」
「つまりは、この街にいた人たちは皆あの生物に吸収されちまった……ってことだな?」
「ああ、ほとんどその通り。ただ少し違うな」
「何だと?」
まだ何かあるのか?
「これは私たちにとっては誤算だった。君が極氷龍の洗脳を解くのが思ったよりも速かったんだ。だから、完全に育て切る前にマナツカミは活性状態になってしまった。故に、一定以上の能力を持った者からは魔力を奪えない。良かったな。何もかも半人前な君だが、マナツカミのターゲットからは外れたようだ」
「ぐぬぬ……」
少年は俺に抱きかかえられている状態だが、あのローブの奴に対しての闘志みたいなもんは十分に感じた。俺に対して挑んできた時もそうだったし今のこの状況で諦めていないのもあって、かなり意志は強いと見た。
にしても魔法の詠唱の無効化ってのは厄介な能力だな。でもまあ俺には関係ねえか。獣宿しは魔法じゃねえしな。
「魔法を無効化するってのは残念ながら俺には効かねえ」
「強がりはよすんだな。君の能力についてはこちらも把握している。あれだけのことをするのに魔法を使用しないはずが無い」
「ほお、なら見てるんだな」
一旦天雷を解除してっと。
「うおぁあっ」
「おっと悪い、抱えたままだったな。よっと」
「んむっ」
恐らくこの少年は数メートルから落下するだけでも不味いだろうからな。しっかり受け止めてやらねえと。
「ちょっと離れていてくれ」
「わ、わかった」
何か少し顔が赤いような……まあいい、とりあえずこのローブの奴に現実を見せてやらねえとな。
「俺の能力は無効化されねえ! 見てろ、獣宿し『炎龍』!!」
ドラゴンロードの外殻が俺の魔力によって強化されて……強化されて……強化され……ない?
どういうことだ? まさか魔法の無効化によって魔力での能力上昇が出来なくなっているのか……?
「ショ、ショータさん!? 魔法が無効化される状態でどうして!?」
「な、何故姿を変えられる!?」
ま、まあいい。獣宿しの力自体は使えるんだ。何も問題はねえ。
「さあ、まずはアンタからやっちまうとするか」
「ぐっ……分が悪いか。はっ!」
「うぉっ!?」
これは煙幕か!? クソッ、何も見えねえ。魔力探知をするにもあのマナツカミってやつの仕業なのか妙な魔力が充満していて上手くアイツの魔力反応が把握できねえ。てか分身と言い煙幕と言い、アイツは忍者か何かなのか?
「ショータさん、その力は一体……」
「説明は後でします。今はアイツを追いかけて、あのマナツカミとか言うのを何とかしましょう」
「そ、そうですね」
――――――
「ハァ……ハァ……何なんだあのショータと言う人物は……!」
ローブの者は煙幕を使って翔太たちから逃れた後、温泉都市を離れて山の方へと逃げてきていた。
「だが、流石にこれほど強化されたマナツカミには勝てないはずだ……!」
「へー、本当に?」
「……何の用だ」
ローブの者に声をかけたのは、翔太との因縁を持つあの学者だった。何か理由があるのか、フレイムオリジンには乗っていないようだった。
「何の用だなんて悲しいこと言わないでくれよ。せっかく援護に来てやったのにさ」
「援護だと?」
「ああ。確かにこのマナツカミは十分強い。だけどそれはあくまでも私たちの中でだ。君もあのショータという人物の力を見ただろう? 規格外なんだよ色々と。だから私の作品を少し貸してあげようと思ってね」
「……いらん。私はこのマナツカミを使ってあの女を始末する。貴様の助けなど借りん」
「随分と強気だけど、勝算は?」
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