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過去編~恋の行方~2 圭吾side

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結人の出会いから8年間。ようやく結人を守れるようになった。

会社を立ち上げ人望も増やしようやくまともな収入が入ってきて親とは縁を切った。そして家のために与えられた許嫁と名乗る愚かな女とも縁を切った。


弟とは1度話し合う機会を設けた。

「久しぶり兄さん、やっとこうやって話せるようになったね。」

心の底から嬉しそうにする弟は本当に昔のように愛しく思えた。背も俺より高くなり中性的な顔立ちになった。今は人気俳優をやっているらしい。

「お前はこれからどうしたいんだ?」

そう訪ねると弟は少し悲しそうな顔をした。

「あの家にはほんとうんざりしていたんだ。僕の憧れはずっと兄さんだったからあの家と縁を切ってくれて嬉しく思うよ。」

俺と初めて会った時の小さい頃の記憶などないくせに俺が憧れだったという弟は憎らしく思えた。

「でもね、僕は兄さんを慕ってるからたとえ、兄さんが僕を恨んでいたとしても縁は切らないで欲しい。お願いだ、兄さん。僕を1人にしないで...僕の兄さんはあなたしかいないんだ。」

そういって頭を下げる弟を目の前に俺は頷くことしか出来なかった。『僕の兄さんはあなたしかいない』初めて弟が言ったわがままはこれからホントの兄弟みたいな事がしてみたいって言っているようにも聞こえた。

悲しそうな顔から安堵した顔に変わる弟を見ていて素直でとてもいい子に見えた。

「僕、兄さんの恋応援してるから!」

そういって立ち去った弟を俺は呆然とみていた。どこまで知っているんだ本当にこの弟は...思わずふっと顔が緩んだ気がした。

「兄弟...ねぇ...。」

そんな言葉が口から漏れた。


結斗が中学に上がる頃くらいに結斗は俺の家にたびたび転がり込んでくることが多くなった。

最初は大歓迎だったが時間が経つとそれが苦しくなった。毎日理性を試されている気がする。

結斗は警戒心が薄すぎるのだ。

結斗は俺よりも幾分か背が低いためたまに服を貸す時がある。俺のシャツ1枚で結斗の膝上まで隠れるためパンツとシャツしか着ない結斗。
風呂上がりに俺の服を着られると溜まったものでは無い。髪から滴り落ちる雫がシャツを濡らすと結斗のぷっくりしたピンク色の乳首が現れる。

そして滑らかでなめらかな肌やくびれが俺を誘う。ごくりと生唾を飲んで今すぐにでも襲おうとする自分を理性でなんとか押さえつける日々。毎日がお預けデーでたまったもんじゃない。

監視カメラにうつる結斗の自慰姿をみて毎晩オナニーに耽る日々。

結斗が俺のことを好きなのは丸わかりだった。最高だ。しかし告白はまだだと思っていた。結斗が大人になった時告白してその時には完全に外堀が埋めてられるようにしなければならないという計画が俺にはあった。

だから、俺は気づけなかった。結斗の気持ちに。

結斗は俺の家に泊まることも来ることもなくなった。どうやら、受験シーズンにはいった結斗は勉強に力を入れたくて家に帰るということだった。

そんなの許されない。許されるはずがなかった。そんな言い訳をして、俺から離れようとしているのは分かっていた。だから、俺は結斗に超小型のGPSをつけた。

そして色んな理由をつけて結斗の家に今度は俺が転がり込んだ。
家庭教師をしたり料理をしたり掃除をしたり...やることなすことが新婚夫婦みたいで俺はこの曖昧な関係をいいことに楽しんでいた。

結斗は勉強の飲み込みが早いので教え甲斐がありそこそこ有名な高校へと首席で合格した。流石は俺の結斗だ。
もちろん合格祝いは2人で盛大にやった。

ある日、俺の前にあの愚かな女が現れた。その女は俺の知らないとこで結斗に接触していたらしい。

「私だったら圭をあの結斗とかいう男より満足させてあげられるわ」

愛しの結斗を侮辱する愚かな女のいう言葉に俺はこいつを排除しなければと思った。
俺と結斗の邪魔をするやつは決して許さない。

時間はかかったがあの愚かな女を地獄に突き落とすことが出来た。薬に手を出すよう促し薬物依存性になった彼女を警察に突き出し完全に壊してやった。これで俺と唯斗の邪魔をするやつはいない。

そう思っていた矢先、結斗に恋人が出来たらしい。予想外だった。
部下に結斗の恋人を調べ探った。

部下の提出された調査書を読む。
名前は五十嵐 光輝。現在、21歳。大学へ通いながら飲食店でアルバイト。前科などはなく成績もそれなりに高い。結斗とはどうやらネット上でしりあったらしい。俺がちょうどあの女を排除している時に恋人関係になったらしかった。

そんなこと、俺が許すはずがないだろう?

結斗の携帯の中を見る代わりに五十嵐を脅してやった。部下を五十嵐の家に待機させ部下を通じて五十嵐を脅した。だが、五十嵐は俺が来ることを要求し来なければなにも話さないと言ったので仕方なく五十嵐のとこへ行く。

働き場所も無くすことは幾らでもできるし根の歯もない噂を流すことも容易い。それで自分自身の立場が悪くなるのが嫌なら結斗とは今すぐにでも別れろと脅した。

しかし、結斗が五十嵐と付き合いだしたのは俺のせいだと五十嵐はいった。

「結斗に好きだつって付き合わなかったお前が悪い。結斗は可愛いよなぁ~あんなに一途で美人な子はそうそういないわ。お前が結人のこと好きかどうか確かめるためにどうしたらいいかって相談受けてちょこっと助言してやったら簡単に恋人になってくれるんだもんなぁ。結斗は。」

不敵な笑みを浮かべ結斗の気持ちを利用するような発言に苛立った。

「てめぇ!!」

「おぉ~怖い怖い。じゃあ、俺はもう理由話したし帰らせてもらうか。」

俺の怒りをなんとも思っていないかのような態度で席を立つと手のひらを左右に揺らして去っていく。

去り際彼は言った。

「あ、自分の気持ち伝えるなら時間が経ってからの方がいいぞー。お前が俺を脅したっていうのが結斗の耳に入ったら嫌われるかもだならなぁ。それが嫌ならせいぜい2~3週間は気持ちを伝えないことだな。」

それから五十嵐は結人にベタベタと触り付きまとった。気持ち悪いてで可愛らしい結斗の頬を触り言葉を囁く。

嫉妬で気がおかしくなりそうだった。
結斗は俺の顔をいつも伺っているようだった。俺の顔を見て不安そうな顔をして俺が不満そうな顔をすると嬉しくする結斗にいますぐ、家に持ち帰ってグズグズにしてお仕置をしたかった。だが、こうなったのは俺のせいだと分かっていたのでそれができなかった。



結斗が高校2年にあがり俺は結斗に頭を下げた。付き合ってくれと言って。

結果は無事恋人同士になることができた。これで結斗は俺の恋人になった。結斗と俺の仲を邪魔するものはいなくなったも同然。結斗に余計な虫がつかないように告白したその夜に指輪を送った。

最初は困っていた結斗だが他の人の牽制になるからと伝えたら嬉しそうに受け取ってくれていた。


こうして、無事俺と結斗は結ばれた。



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